地獄学生と悪魔の学園   作:ミッツ

1 / 4
会社でも自宅でも嫌な事があったので、いかんともし難いこの気持ちを切り替える意味も込めて執筆しました。
なにぶんノリと勢いで書いたような作品なので広い心で読んでやってください。


プロローグ 悪魔はいなくとも…

 この世には目には見えない闇の住人達がいる…

 奴らは時として牙を剥き、君たちを襲ってくる…

 彼は、そんな奴等から君たちを守るため地獄の底からやってきた、正義の使者、なのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 季節は冬。二月下旬。

 九州のとある地方都市、周囲を閑静な住宅街に囲まれた場所にその森はあった。

 二十年程前からベッドタウンとして開発が進み、元は小さな山があった場所も、今はその森のみが当時の風景を寂しく残していた。

 いや、正確には森の中心に奉られた小さな祠と、それに寄り添うようにしている梅木も古くからの情景を偲ばせる役割を果たしている。

 本来であれば開発時に森と共に撤去されるはずであったその祠と梅木は、古くからこの地の近隣に住む住人の嘆願により、神仏保護の名目で残されていた。

 結果として、住宅街のど真ん中に木が生い茂った小さな丘がポツリと頭を出す形になったのだが、近くの学校に通う小学生たちにとっては格好の遊び場として、古くからこの地に住む住人からは信仰の対象として親しまれていた。

 

 そんな小さくも確かな存在意義を示していた森ではあったが、祠の周りを除くほぼ全域を木の葉で覆われているため日当たりは決して良くない。

 街灯なども少ないため、夜は完全な闇に包まれる場所もある。

 そのため親たちは子供たちに夕方五時までには必ず森を出るように、この地に伝わる言い伝えも交え言い含めていた。『遅くまで森にいると森の神様が怒って連れていかれる』と。

 そんな森の中を一人の少女が駆けていた。その小さな手には、白い花を咲かせた梅木の枝が握られている。

 

 

 彼女は近隣の小学校に通う4年生であり、普段はあまり森の中には立ち入らない。

 この年頃の女の子にとっては外で体を動かし遊ぶことは卒業し、女友達の家に集まるのが放課後の楽しみになってくるころだ。

 それでも、少女は今日、どうしても森に入らなければならない理由があった。

 少女の母親は今、二人目の子の出産のため入院している。

 少女にとっては家に帰ってもただいまの声に母の返事がないのは寂しかったが、自分が姉になるという初めての経験に高揚していた。

 そして、母子ともに元気に家に帰ってきて欲しいというのは、年がようやく二桁になったばかりの少女にとって切実な願いであった。

 

 そんな少女の脳裏にある思い付きが浮かんだのは今日の昼休みの事である。

 毎日のように件の森で遊んでいるクラスの男子が、祠の横にある梅木が花を咲かせたと話しているのを耳に挟んだのだ。

 少女も森の中にある祠と梅木については知っている。

 一年前、祠の前で行われた地域の子供会のレクリエーションに母とともに参加した時、ちょうど梅の花が咲き頃を迎えていた。

 その花を見て母が、とても綺麗ね、と笑顔で言っていたのを少女はよく憶えている。

 

 あの花を見せてあげればお母さんは喜んでくれるかもしれない。

 

 少女が森に入る決断をした瞬間であった。

 運悪く、その日は日直だったためいつもより遅い時間に校舎を出た少女は、その足で森の入り口まで歩いて行った。

 森の入り口には小さな鳥居が建てられており、そこから細い坂道が祠まで続いている。

 少女は鳥居を潜り坂道を登っていくと間もなく祠の前にたどり着いた、

 少女は祠の前で手を合わせると小さく呟いた。

 

「ごめんなさい神様。お母さんの為に少しだけ梅の枝を分けてください。」

 

 少女は祠に向かって頭を下げ、梅木の方へ行くと手の届く範囲にあった梅の枝の先を一本だけ折った。

 枝の先には梅の花が五つほど咲いていた。

 少女は最後にもう一度ごめんなさいと言って祠と梅木に頭を下げた。

 

 あとは元来た道を戻るだけのはずだった。

 だが、行けども行けども森に入る時に潜った鳥居が現れない。子供の足でも五分と掛からずたどり着けるはずの森の入り口が見えてこない。

 少女は段々と不安になっていった。歩調も自然と早くなり、やがて駆け足へと変わっていた。

 それでも森の入り口は見えてこない。

 

 気づけば、一直線にもびていたはずの道は無くなり、足元には落ち葉の絨毯が広がっている。

 折しも、時は昼と夜が交じり合う魔の時間、逢魔が時であった。

 古くより、この世の物ならざる者たちが最も活発に動くとされる時間。それもまだ二月の下旬となれば鬱葱とした森に暗闇の影が伸びる。

 少女の心に冷たい風が吹き、自然と体が震えてきた。

  

 早く森から出ないと。

 

 少女はそう思うと再び走り始めた。その手にしっかりと梅の枝を握ったまま。

 だが少女の思いと裏腹に、葉を落とした木々以外の光景は一向に現れない。

 まるで、同じ場所を延々とグルグル回っているような感覚であった。

 ついに少女は走りつかれ、膝を付きその場にへたり込んでしまった。最早、歩き出す気力さえ失いかけていた。

 

 なんでこんなことになってしまったんだろう…

 

 少女は自分に問いかける。

 一人で森の中に入ったからだろうか?遅い時間に入ったからだろうか?

 いや、もしかすると梅の枝を折ってしまったから神様が怒ったのかもしれない。

 私はお母さんに喜んでほしかっただけなのに…

 

「おやおや、もう諦めてしまうのかぁい?鬼ごっこはまだ始まったばかりだよぉう。」

 

 突如として舐め上げるような声を背後から掛けられ少女は弾かれたように立ち上がる。

 勇気を振り絞って後ろを振り向くが、そこには無造作に木々が立ち並ぶだけである。

 しかし、風の音に交じった大人の男性の笑い声が少女には確かに聞こえた。

 

 逃げなきゃ!

 

 少女の心にはその言葉で埋め尽くされた。

 少女はもう一度足に力を籠めるとふらつきながらも三度走り出した。

 するとどうだろう。背後から落ち葉を踏みしめる足音が聞こえてくる。

 それも一つや二つじゃない。無数足跡が少女のあとからついてきていた。

 何度も躓き、転びかけながらも必死に走った。膝頭からは何時の間にか血が流れ、痛みで感覚が無くなりつつあった。

 肺は酸素を求めキリキリと痛み、助けを求める声さえ上げられなかった。

 心はすでに限界を迎え、両目からは大粒の涙がポロポロと流れていた。

 それでも少女は右手に梅の枝を握り、必死に走り続けた。

 

「さてさて、追いかけっこも飽きて来たしそろそろ食事の時間としようかな?」

 

 無数の足跡の主がそう言うと、少女の足が払われ少女は前のめりに転がった。

 幸い下が柔らかい落ち葉であったため外傷こそ少なかったが、しこたま鼻を打ち付けたため少女の目からはまた一つ涙が零れた。

 少女は恐怖と絶望で心を苛まれながらも、ゆっくりと自分を追って来た相手の方を振り向いた。そして、声にならない悲鳴を上げた。

 それは半分だけ人間であった。上半身はスキンヘッドで肌が青白い裸の男性。一方下半身は太く長く伸び、甲殻類の甲羅の様なもので覆われ、そこから何十、何百もの虫の足が生えていた。

 いうなればムカデ人間とでもいうようなそれが、口から涎を下品にたらしながら少女を見定めていた。

 

「いやぁ、君は本当においしそうだねぇ。おじさんは君みたいな小さな女の子がだぁい好きなんだ!特に泣きながらお漏らししちゃう子がねぇ!」

 

 ムカデ人間は笑い声を上げながら少女に近づいて行く。少女も必死に逃れようとするが恐怖のあまり体がうまく動かず、腰を抜かしたまま後ずさるのが精いっぱいである。

 その様子を見てムカデ人間は歓喜に声を震わせる。

 

「ふひひひひひひ!いいよ、いいよその表情!実にいいっ!お漏らししていないのは残念だけど、その表情を見るだけで逝っちゃいそうだよ!ああ、本当にあのクソ悪魔の所を出てきてよかったよ!」

 

 狂ったように笑い続けるムカデ男に対し、少女は意識を失う寸前だった。それでも意識を手放さなかったのは少女の生存本能が必死に自分を守ろうとしていたからだろう。

 だが現実は無常であり、舌なめずりするムカデ男を前に少女の命は風前の灯火であった。

 

「それじゃあそろそろ、いただきますとしようか。しかしこの国は本当にいいなぁ。クソ悪魔の数は少ないし、協会のクソ野郎どももあんまり関心を向けていない。僕達みたいなはぐれからすればまさに楽園みたいなところだよ!ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」

 

「そうか、それはよかったな。けど悪魔はいなくても、鬼ならここに居るぞ。」

 

 ムカデ人間の胸から一本の腕が生え、あたりに鮮血が舞う。

 ムカデ人間は驚きで目を見開き、少女は混乱しつつもその腕を見た。

 その腕はとても白かった。肌が白いとかそういったそう言ったレベルではなく、まさしく雪のように白い異形の腕であった。

 その腕の先にある手もまた白く、長く鋭くとがった爪が血に濡れながらも動き続ける心臓を刺し貫いていた。

 

「な、なんだてめぇは!?」

 

 ムカデ人間は先程とは打って変わって、か細い声で自分の後ろにいる人影に問いかけた。

 最早その顔に余裕と歓喜は無く、混乱と確実に近づいてくる死の足音への恐怖に染まっている。

 

「言っただろ。鬼だって。」

 

 答えるのは若い男性の声。ムカデ人間が振り向いた先にいたのは、青色がかった銀髪と、太い眉毛が特徴的な若者だった。

 

「オニ…だと?」

 

「ああ。これ以上お前に語る事は無い。おとなしく成仏しろ。」

 

 若い男がそう言って力を籠める様子を見せると、ムカデ人間の体が刺し貫かれた胸を中心に凍り始める。

 ムカデ人間は驚愕に顔を染めるが、叫び声を上げる間もなくその巨体を氷塊に変える。

 若い男は完全にムカデ人間が凍り付いたのを確認すると手に握った凍った心臓を握りつぶす。それと同時に凍り付いた体も砕け散る。 

 

 ここに至り、少女の脳の許容キャパは完全に振り切れてしまった。

 少女は完全に意識を手放し、そのままバタリと落ち葉にその身を預けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外傷はこけた時に出来た擦り傷と切り傷。あと打撲位なものか。幸い骨折みたいな大怪我はないみたいだし、呪いの様なものも受けていないな。」

 

 血も流れてたし、気を失ったから拙いと思ったが、命に別状はないようだな。

 ほっと息をつくと、俺は自分の足元に目を向けた。

 

「ありがとうございます。あなたが知らせてくれたおかげで、この子を救うことが出来ました。」

 

 そう言って頭を下げると、どこからともなく小さな人影が足元に現れた。

 その姿は平安時代の貴族の男性を思わせる装いで、口元を勺で隠しおおらかに笑って見せた。

 

「礼やらなんやら無用どす。こん土地ん神としても、こん地で生まれ育ったお子たちがあないな下劣な輩ん手に掛かるんは見過ごせまへん。礼をいうんはウチん方どす。えらいおおきに、優介はん。」

 

「しかし、この子はご神体である梅木の枝を折ったようですけどよかったんですか?」

 

 俺が尋ねると土地神は優し気な笑みを浮かべ気を失った少女に額に手を当てる。その様子は親が子を慈しむようにも見えた。

 

「母を想い、礼を尽くした幼子を誰が咎められまひょか。それに、こん子ん家は古くよりこん地に住まう人々ん家系どす。都を追われ、そん日ん御膳かて難儀したうちに食べモンを分け与え、死後には神としいや奉った家ん子孫を見ほかすことやらできまへん。」

 

「あ、すいません。無粋な事を聞いてしまったみたいで。」

 

「ええんや。それに梅ん枝をやんちゃな子に折られるなんてしょっちゅうん事どす。いちいち目くじらを立てとったら切りがあらしまへん。まあやて、あんまり御痛が過ぎるようなら、ほんのちょい脅かしいやもらう事もありますけどな。」

 

 何ともまあ心の広い神様である。ただ最後の部分、目は笑っていなかった。

 神の怒りは恐ろしい。改めて心に刻んでおこう。

 

「それにしても、何やったんでしょうなあの化生は…あないな奴見たことも聞おいやしたこともあらしまへん。」

 

 それについては俺も同意だ。

 妖怪にしては妖力の質が異質だった。それに、百足の妖怪というの思いのほか種類に乏しいのだ。

 代表的なものとして戦場ヶ原で大蛇と戦った大百足の伝説が世に知られるが、戦国時代では決して後ろに下がらない姿が不退転の象徴として武士の間に好まれ、兜や甲冑の装飾として用いられることもあった。伊達政宗の家臣、伊達成実などが有名だろう。

 また、先述の大百足は群馬県の赤城山ではご神体として扱われ、かの上杉謙信も信仰した毘沙門天の使いとして神格化されている。

 他にも甲斐武田軍の工作部隊が百足衆と呼ばれるなど戦国時代を中心に人と百足との結びつきは古くからあるのだ。だが、事に百足の妖怪というとあまり思いつかない。蜘蛛や猫の妖怪ならかなりいるんだけどな。

 

「若様ああああああああああ、何をされておられるのですか!」

 

 一陣の風を纏わせ現れたのは背中に羽を生やした山伏装束の子供、俺のお付きを務める東北天狗一族の子、風応丸だ。

 

「おい風応丸、人前で若様はやめろって言ってるだろ。もう俺も今度高校生なんだからいい加減恥ずかしい。」

 

「その高校に入る準備をほったらかして家を飛び出したから私が捜しに来たんです。出かけるにしても行き先と要件を誰かに伝えてから出かけてください。」

 

「そうは言っても緊急事態だったからさあ…」

 

「天狗はん。優介はんは悪うないんや。うちが無理を言うてお願いどしたんどす。」

 

 その後、土地神が事情を説明すると風応丸は顎に手を当て思案顔になる。

 

「それはもしかすると悪魔かもしれないですね。」

 

「悪魔?」

 

「はい、昨日父上たちが話してたんですけど、妖怪の妖力とは明らかに違う異質の妖力を感知したから近いうちに捜索隊を組織するって。恐らく主の元を離れたはぐれ悪魔の可能性が高いって言ってました。」

 

「待った。その話、初耳なんだが。」

 

「若様には話すなと父上から言われましたから。下手に首を突っ込まれたら若が危険だからって。」

 

 ほんと、俺の周りは過保護な奴が多いよ。一応、俺一人でも荒事には対応できるように鍛えてるし、それなりに力はあると思うんだけどなぁ。

 

「若様はもう少し自分の立場を理解してください。今や雪ん子製菓には故郷を失ったり、住処を追われた妖怪がたくさん働いているんです。そうした者たちが働き場という名の居場所を与えたのは若様のお母上である、ゆきめ社長です。われら一族も社長と先生には多大な恩義があります。そのお二人のご嫡男である若様に何かあれば一族郎党、社長と先生に顔向けが…」

 

「わかったわかった。俺が悪かったよ。少し軽率だった。今度からは気を付けるから。」

 

「ご理解のほど、感謝いたします。」

 

 そう言って仰々しく頭を下げる風応丸を見てると溜息を吐きたくなる。

 会ったばかりの頃はもう少しフレンドリーだったのにな。立場と年月が人を変えてしまうという事か。

 それにしても、はぐれ悪魔か…

 

「はぐれ悪魔っていうと、力に溺れたり、主に反意を抱いた悪魔が主の元を離れ、お尋ね者になった者の事だよな。さっきの奴は典型的な力に溺れた存在っぽかったけど。」

 

 感覚的にはナ○トの抜け忍の様なものだと思う。

 本物?を見たのはさっきの百足もどきが初めてだから断言はできないが。

 

「流石若様、われら妖怪の事だけでなく悪魔社会にも明るいとは…」

 

「前に黒井先生の旦那さんに詳しく話を聞く機会があってな。あの人(?)も一応昔は冥界で活躍した悪魔みたいだし。」

 

 今では完全に子煩悩愛妻家パパになり果て、母さんの会社の関連会社で真面目に働いている姿を目にしたものからすれば、とても人を堕落に追い込む邪悪な存在とは思えないけど。

 

「てか、今度俺が入学する高校は悪魔が運営しているらしいし、いい機会だから悪魔や教会関連についても詳しく調べてみようと思ってるんだけどな。」

 

「…ちょっと待ってください若様。それは私も初耳なんですが。」

 

「あれ?言ってなかったけ?」

 

「聞いてませんよ!私は故郷を離れ自分自身を一から鍛えなおすために遠方の高校を選んだと思ってましたのに!」

 

「もちろんそれもあるさ。でも、近年日本の妖怪を取り巻く環境は決して良くない。そんな中で妖怪達が生き残っていくための術を知るためにも、悪魔たちの事を深く知るのは無駄じゃないんじゃないか?」

 

 妖怪たちの生存域は年々狭くなってきている。はての無い開発、闇夜の減少、情報化社会の発達。誰もが本気で妖怪や幽霊の存在を信じなくなってきた時代だからこそ、妖怪自身も新たな生存体系を築かなければならないと俺は考えている。

 実際に母さんが経営する妖怪のみで運営している会社は行き場を失った妖怪たちの受け入れ先となっているし、巷で話題になっている妖怪と友達になる事を目的とした大ヒット時計型玩具『もののけクロック』の開発には本物の妖怪が関わっている。

 

 そんな中、俺が注目するのが日本で唯一悪魔が運営する学校法人駒王学園だ。

 まだ日本の妖怪たちの間ではあまり認知されていないが、駒王学園を通し悪魔陣営が今まで関わりの薄かった日本にその勢力を伸ばしてくることも大いにあると俺は踏んでいる。

 そうなれば、ますます日本の妖怪たちの生存権が狭まる恐れもあるが、関わり方によっては悪魔陣営と協力関係を築けるかもしれない。

 あるいはその先に、人間と悪魔、そして妖怪の三者が共存できる環境を生み出すこともできるかもしれないのだ。

 

「し、しかし、社長はなんと。」

 

「俺の好きなようにしなさいだとさ。若い頃は時として衝動で動かなければならないときもある。お母さんたちはそうして結ばれたとも言ってたな。」

 

「ですが悪魔陣営とは敵対関係に無くとも、友好関係にあるという訳でもございません。それなのに相手の本陣に単騎で突入するような真似は…」

 

「だからこそだ。敵でも味方でもない今だからこそ、物事を公正に見極め正しく判断できるというものだ。それに無条件に相手を信用するわけじゃない。今回のはぐれ悪魔の件もあるし、俺自身も悪魔を深く理解したいと思っている。そのためには話に聞くだけじゃなく、俺自身が悪魔の懐深くに入り込み自分の感覚で感じ取る事が必要なんだ。つまり、俺が駒王学園に入学するのが一番手っ取り早いんだよ。」

 

 俺が話し終えると風応丸は呆気にとられ言葉を失うが、土地神は相変わらず穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「なんやえらい話が大きくなってしまいましたなぁ。けど、いつの間にやら日も落ちたことやし、今日は解散しまひょ。こん子を家に帰さなければならへんしな。優介はん。今日はほんまにおおきに。ええ夢も聞かせてもらえました。あんさん夢がかなうとよろしおすなぁ。」

 

「はい。いい報告が出来るよう、頑張ります。」

 

 神様の前で宣言したんだ。中途半端じゃ引き下がれなくない。

 

 

 それから一か月後、俺こと鵺野優介は家族や地元の友達に見送られ生まれ故郷を旅立った。

 向かう先は悪魔の住む町、駒王町。

 景気が良い事を言ったが果たしてどうなる事やら。

 わずかな不安と大いなる期待を胸に、俺は新幹線のシートに背中を預けた。

 

 




今更ながらいろいろやっちまった感をヒシヒシと感じる今日この頃。
土地神様の口調については京都近隣出身の方には申し訳ありません。これが九州出身の作者に出来る精一杯でした。訂正があれば感想欄の方でお願いします。

最後に主人公の基本設定

・鵺野 優介(ぬえの ゆうすけ) 年齢15歳 2月23日生まれ 身長:172cm、体重:63kg、血液型:O型

 
鵺野鳴介とゆきめの子。6人兄弟の長男(6つ子ではない)。ゆきめが20歳の時に授かった子で、京介が高校1年生で始まるこの作品は、ぬ~べ~本編から20年が経った時間軸で進行していく。
母親譲りの青色っぽい銀髪と父親譲りの太い眉が特徴。両親ともに美形の為か、顔立ちのかなり整っていて女子からも人気があった。だが、調子に乗ると妖怪や幽霊の話ばかりして女子を怖がらせるため、周囲からは残念なイケメン認定されていた。
ゆきめは17歳にしてアイス事業を成功させ、やり手の女社長となっているため金銭面で苦労した経験がない。
また、周囲も霊や妖怪に理解のある人が多く、サポートも受けやすい立場であったので父親のように霊能力が理由で虐められることも無かった。過酷な生い立ちを背景に持つ両親とは大違いである!
しかも父親の人脈でヨーロッパのクラブで活躍するサッカー選手や日本三大妖怪の一柱とも面識があるなど人や妖怪の縁にかなり恵まれている。むしろ妖怪側の人脈がやばい。
大企業の御曹司としての立場や教師である父親の存在もあって勉強には真面目。運動も父親譲り。おまけに妖怪社会全体の未来を考える戦略眼も持つ。
 纏めると、イケメンで、金持ちで、顔が広く、成績も悪くなく、運動も出来て、将来の夢もばっちり持っているハーフ系男子という事になる。書いてて激しく爆破してやりたくなった。
日常面ではチートもいいところであるが、戦闘面の詳しい情報は本編で説明していきたいと思う。ただ、D×D勢のパワーインフレっぷりを見るに、多少の壊れ性能も仕方無いだろう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。