さて、そんな中1年の自分たちだけが練習するのですが、練習終わりにこんな会話がありました。
自分「高校生って、なんかエロくね?」
福岡イケメン「それな。なんかもう、1つしか変わらないのに高校の時に感じなかった魅力というかエロさがある」
千葉イケメン「足の絶対領域とかだろ?関東とか階段とかエスカレーターやばい。見てしまって謎の罪悪感がある」
自分「あの、勝手に自分たちが神格化してしまって汚してしまったとか思うあれだろ?」
佐賀イケメン「修学旅行の時とか、ぶっちゃけどこか見るより女子よスカート楽しみしてたわ」
高校が近くだったイケメン「それな。ほんとそれ。ネズミーランドとかぶっちゃけアトラクション目当てじゃなくて並んでる女子見ることが目的だったわ」
全員「それな」
ちなみに、あと数人います。
自分の周りにいる陸上部は共通して脚フェチなるものが沢山います。かく言う自分もそれです。また、それに加えて鎖骨とうなじです。
この作品をお読みの女子高校生の皆様方、自分は注意を促します。皆様方が、襲われることなく安全に過ごせるよう願っております。
それと、共感していただいた男性諸君はお気に入り、またはコメントくださいお願いします。
セシリアの休日
「痛っ」
わたくし、セシリア・オルコットは今、慣れない料理に挑戦している最中です。しかし、なかなかうまく行きません・・・・・・どうしたらいいのでしょうか。それでも、最初に比べるとかなり良くはなってはいるのですが。ただ、お母様からも教えていただいたことがありません。それどころか、料理はすべて
ここで諦めるのですか?セシリア・オルコット。いえ、そんなことはできませんわ。何としてでも作り上げて見せます。
あら、そう言えば・・・・・・秋磨さん、いつも湯豆腐とか味噌汁とか全くと言っていいほど胃に優しいものしか食べませんわね。
でも、スイーツとかは喜んで食べてますし・・・・・・というより、あんなに食べて太らないなんて、なんて羨ましい!そして1つ気になることがあるのですが、血糖値は大丈夫何でしょうか・・・・・・聞いたらスイーツは秋磨さんの心を満たしてくれるものであり、胃薬の代わりにもなっている、とのこと。どういうことなんでしょうか。
「BLTサンド、なかなかいい形になりましたわね・・・・・・」
1度、味見をせずに秋磨さんにだそうとしました。その時、通りすがりの箒さんがそのことについて聞いてきたため自分で味見をした時、急に目の前が真っ暗になって気がついたら目の前には白い天井があったことを鮮明に覚えています。
あの時は自分の料理の腕に対して戦慄を覚えたのも記憶に新しいことです。
しかし、なにか物足りなく感じてしまいます。もう1品作りたいですわね。そうですわ、イギリスのスイーツとして1番ポピュラーなスコーンにしましょう。あれなら、一緒にお茶も飲めますし、ゆっくりとした時間を秋磨さんにご提供できるかも知れませんしね。
「ふんふんふんふふんふーん」
しかし、思ったのですが、ベーコンはどうなのでしょうか。少し小さめにはしているのですが・・・・・・まぁ、きっと大丈夫ですわ。一夏さんと箒さんも少しなら大丈夫と言いましたし。
・・・・・・もう1つ、問題が出てきてしまいました。それは何か。スコーンの焼き方がわかりません。くっ、何てことでしょうか。こんなところに落とし穴があったなんて。さて、こんな時はインターネットで調べましょう。もちろんco○kp○dですわ。
「えっと、なになに・・・・・・」
「出来上がりましたわ!」
なんとか、苦労すること約3時間30分。朝、早くから準備して朝食を食べて、7時から行い、1時間30分をBLTサンドに費やし、合計5時間。秋磨さんのためですもの。このくらい、がんばれますわ。
そう言えば、もう午後の12時ですわね。秋磨さんに食べてもらえるのか心配ですわね。
「ただいまぁ・・・・・・」
「おかえりなさい。ずいぶんとお疲れのようですわね」
「うん・・・・・・部活で先輩たちがずいぶんと張り切っちゃって」
ちょうど、包装するためにあたりを探していたら同室の友人が帰ってきました。帰ってくるなり、少し会話をしたらベッドに勢いよく倒れ込み顔を埋めたまま動きません。
しかし、勢いよく顔を上げたかと思うと、
「あれ?いい匂い。セシリアー!」
と、大きな声を出されました。くっ、バレましたか。なのでここは逃げるに限ります。
「少し出て来ますので、失礼しますわ」
「行かせないよ!」
「きゃあ!なんですの?あなた、さっき疲れていたじゃないですか!」
「ふふーん、そんなことは関係ないのよ!さて、何を隠しているのか教えなさい」
「何もかくしてなんて・・・・・・」
「下手な嘘はだめよ。包装してるってことは・・・・・・ふーん、へー、ほー、うん。頑張ってね」
「ちょっ、やめてくれません!?その得意げな顔は!」
「そんなに恥ずかしくなることないじゃない」
「くっ、言ってきますわ!」
「はいはーい、頑張ってねー」
全く、もう!あの方はからかうのが好きすぎですわ。
まぁ、何はともあれ無事秋磨さんのところへ行けますわ。少し、緊張してきました。勇気を出していざノックを───
「入って、いいよ」
「なっ───」
「ふふん、来る気がしてた。今日が同室なのが最後だからね。鈴もいるよ」
「遅かったですか・・・・・・秋磨さんは?」
「ゲームしてるわよー。ISのモデルになったゲーム」
「見てみたいですわね・・・・・・」
「中に入ってよ。取り敢えず待ってたから」
その言葉に甘え、中に入らせてもらいました。秋磨さんは本当にゲームに熱中しています。
・・・・・・せっかく2人でゆっくりと過ごせると思ったのですが、まぁ仕方ありません。簪さんも鈴さんも秋磨さんのことを深く
「・・・・・・」
ふと、ゲーム画面に目を移すと本当にIS通りの機動で敵を屠っていく秋磨さん。いや、逆ですわね。ゲーム通りに機動を行う秋磨さん、が正しいかもしれません。
しかし、本当に何故ほぼ1人でISを作れたのでしょうか。束博士にご教授を受けたとお聞きしましたが、それだけでは作れるはずがありません。
けれど、今はそんなことを置いておいて───
「秋磨さん、お昼はもう食べましたか?」
「え?食べてないです」
「その、よければこのBLTサンドを食べていただけないでしょうか」
すると、簪さんと鈴さんのいる方向から敵意のようなものが漂ってきました。なので、先ほどの意趣返しとして得意げに笑みを浮かべてそちらを振り向きます。
『ちょっと、セシリア!』
『抜け駆けはダメ。絶対』
『何のことでしょうか?』
「その、いいの?」
すると、ゲーム画面を一時停止させて秋磨さんがこっちを振り向いて少しためらいながら聞いてくる。
「はい!どうぞこちらを」
「ちょーっと、私たちのもあるのよね?」
「そうだよ。セシリア、赦さないよ?」
「わかってますわ」
ちゃんと用意しておいて良かったですわ・・・・・・
「そう言えば秋磨、秋磨って料理できるの?」
「え?う、うん。人並みには多分」
「ちょっとあんた。あれで人並みなんて言うの?冗談はあんたの胃だけにしてよ」
「鈴ひどい。訴訟も辞さないよ」
「えっと、どっちの意味で?」
「できないなら私たちが・・・・・・」
「あー、無理無理。一夏ですら勝てないのよ。こいつの料理の腕には」
「「えっ?」」
「なら、よく考えてみなさい。人間恐怖症、家からほとんどでない、1人で過ごしていたい。そんな人間が人と関わらないようにすることに全力を尽くしたらどうなるか。秋磨はそれが究極的にまで突き抜けちゃって自分の髪ですら普通に切ってるのに」
「「えっ?」」
「鈴、聞き間違いじゃなかったらまるで自分が異常って聞こえるんだけど」
「そう言ってんのよ」
「鈴がひどい!」
何というか突き抜けてる人と言うのは本当にどこまでも突き抜けているようですね。
「でも、そんなことも秋磨っぽくていいと思う」
「そうですわね」
簪さんの言葉に相槌を打つと秋磨さんは顔を赤くさせて俯きました。こんなことを言われるのになれていないのかもしれません。
「じゃ、じゃあお礼になにか作ってくるね!」
そう言って台所へ言ってしまいました。
その後、昼食を終え4人で部屋で静かに、時に騒がしく、また静かに遊び、時間を過ごしました。夕食は昼食で材料が切れてしまったために食堂で摂りました。
本国にいる時はこのように友人と共に楽しく、騒がしく、また普通の女の子として過ごすことをしたことがなく、ある意味で毎日がとても新鮮です。
今、わたくしは机に向かっています。既に予習、復習は終わらせています。なので勉強ではありません。では、何をしているのかというと───
「・・・・・・この時間、大切にしたいですわね」
───日記を新たに書き始めたのです。将来、このようことがあった、あんなことがあった、そう思えることが幸せなのかもしれない、そう思ったからです。
「なーにおばあちゃんみたいな事言ってんのよ」
「ひゃあ!?ちょっと!やめてくださいまし!」
「きゃー!セシリアが怒ったー!」
このような日常が過ごせること、数ヶ月前のわたくしでは想像できませんでした。これも秋磨さんのおかげかもしれませんね。
今はこの想いは伝わらないかもしれません。ですが、いつかきっと、貴方にこの思いを───
更識姉妹の仲直り
「え?視線を感じる?」
「う、うん。な、なんかね?食堂に行く時とか、人気のないところをひとりで居るいていたりとかするとなんか、結構強い敵意を感じて・・・・・・胃が痛くなって、最近胃薬が届いたのに半分も無くなっちゃって」
「んー、なんでそう思うの?というか、それホントに胃薬?危ない薬じゃないよね?」
「違うよ、ちゃんとした胃薬だよ。そうじゃなくて、その、自分で言うのもなんだけどね、人の視線が怖いから余計に人の視線に敏感になってて、自慢にならないけど1km圏内ならどここら見られてても、感覚的に背筋が凍るような感じがして・・・・・・」
「・・・・・・よく生きてこられたね」
ホントにそう思う。でも、誰だろう。難しい問題だよね。秋磨と一夏は世界でたった2人のISを動かせる男子としてここにいる以上、いくら見慣れていると言っても注目の的なのは変わる訳では無いから。
「でも、心当たりは───」
無いとは言いきれない、ね。もしかしたら、いや、十中八九自分の家が関わってると思う。じゃないと私と同じ部屋にしようなんて思わないはずだから。本音だっているし、その方が監視しやすいしね。
でも、それだけじゃないような気がする。何が目的なんだろう・・・・・・まだ、お姉ちゃんのことが分からない。
「取り敢えず、私の方も気にかけておくね」
「あ、そ、そのありがとう・・・・・・」
「ふふっ、どういたしまして」
こうしてたまに移動したりする時とかに秋磨を見かけるんだけどホントに人の視線がどこから来るのかとかわかってるみたい。仮に私が正面以外の角度から見てると、こっちの方を向いて来る。
・・・・・・これ、暗部の人間からしたら予想以上の天敵じゃない?
そして、今食堂に向かってるんだけど、隣にいる秋磨が大きくビクッと震えたあと汗をダラダラ書き始め、胃の部分をお腹の上から手を当ててる・・・・・・ホントにこれ危なくない?
「お、おい?秋磨どうした、大丈夫か?」
セシリアと鈴も秋磨から聞いていたのか、私と同じように周りを見回してる。むぅ、私だけだと思ったのに。でも、箒も同じように周りを確認しているから多分だけど話を聞いてるみたい。一夏は心配役かな?そこは変わって欲しかったなぁ・・・・・・
「まぁ、いいわ。秋磨、あんたスイーツだけでいいんじゃない」
「う、うん。そうする、ね」
息も絶え絶えの虫の息状態。秋磨は死なない、よね?不安になる。
その時、私と同じ髪の色が目の端に映った。やっぱりお姉ちゃんだった。
「ホントに、彼、肝属秋磨君は何者なのかしら・・・・・・」
「お嬢様、もう諦めてはどうですか?」
「そんなの嫌よ。だって、あんなかわいい簪ちゃんと同じ部屋なのに手を出さないなんて!出したら怒ってあんなことやこんなことをして[ピーーー]を[ピーーー]して[ピーーー]した後に彼を[ピーーー][ピーーー][ピーーー]してやるんだから!」
「あの、お嬢様、それでは選択肢がないのですが」
「だけど、彼は簪ちゃんから向けられる無限のような好意に対して全く反応しない。それなのにあろうことか、簪ちゃんの好意をいいように使って![ピーーー]してやるわ!」
先程から放送コードを余裕でアウト判定を受けることを叫ぶ少女を『お嬢様』と呼んだ少女は深い溜め息を落とす。
「・・・・・・そんなことより、簪お嬢様と仲直りしてみてはいかがです?簪お嬢様も最近は明るくなられたご様子ですし、簪お嬢様を明るくしたのはその彼ですよ。何でも、その肝属秋磨はお嬢様の気配に既に気づいているようですし、簪お嬢様にも相談しているみたいですよ。さらに言えば、お嬢様のせいで『秋磨がホントに死にそうだからやめて欲しい』と憤っているようです」
「・・・・・・本音ちゃんが?」
「ええ。「楯無お嬢様に必ず伝えてて」と言われましたので。このまま行けば仲直りをする機会は失われそうですが?」
「うわあぁぁぁぁぁん!」
「なら、仲直りすればいいものを・・・・・・」
「出来たら苦労なんてしてないわ!」
「威張らないでください。元より、原因はお嬢様が簪お嬢様に対して口下手すぎることなのです。悪いのはどちらですか?」
「うっ・・・・・・その、私、です」
「なら、謝るのはどちらですか?」
「私です・・・・・・」
「ご自分でもわかっているようですが?」
「うぅー!虚のばかー!」
「あっ、まだ仕事は終わっていませんよ!」
虚と呼ばれたその少女にすべての仕事を押し付け、また、その部屋から逃げ出すのだった。
「あら?」
今、向こうの方に見えるのは例の男子は人の少ないところに行こうとしているみたい。
あら?少し気分がいいのかしら・・・・・・「I'm thinkerとぅーとぅーとぅーとぅとぅー」なんて口遊んでるし。あの曲はオールドキングが口遊んでた曲よね。あー、あのゲームは名作だったわ。簪ちゃんとの話題を作ろうとして簪ちゃんがよくしてるっていうゲームを聞いて私もやってみたんだけどね、あれは面白かったわ。ただ、
「ふっふっふっふっ・・・・・・今回は私の勝ちのようね」
彼が浮かれている今なら、バレることはないでしょう。
「っ!?」
「えっ?」
彼が私に気づいたのか身体を大きく震わせてキョロキョロとあたりを見渡すのを私は隠れてそれを見る。すると、目をこちらに向けた時、遠くから「ひぃっ!?」って悲鳴を上げられた。そして逃げる。
・・・・・・いいじゃない。やってやるわ。今回は私が勝ってみせる。
今まで、さりげなく見た時もビクついて逃げる、
「けれど、それも今日で終わり、よ!」
私はそう言って彼のあとを追うべく駆け出した。
かなり足が早いわね。曲がり角を曲がると、もう前が見えないし気配がほとんどない。けど、私だって秘策はあるんだから。
数分後に、気配を察知することだけに意識を集中させた楯無は秋磨の後ろ姿を捉えた。
油断しているようね。今がチャンス!
「捕まえたわ!」
「ひいぃぃぃぃぃ!?や、やめ、やめて、うわ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「」
「はっ、はっ、はっ、かはっ」
「ちょっ、え?私!?私のせい!?」
「コヒュー・・・・・・コヒュー・・・・・・」
やばいやばいやばいやばいやばい!こ、こんな時はどうすれば・・・・・・あ、あれ?本当にどうすればいいんだったけ?ちょっ、は、早く彼をここから連れてどこかに行かないと!
「あんた、なにやっ、て・・・・・・?」
「(あ、織斑一夏君。終わった・・・・・・)」
「ちょっと!あんた、話は後で聞くから誰か呼んできてくれ!」
「わ、分かったわ!」
取り敢えず、この場から逃げ出したかった。その、公の場で、しかも無実の人を私が追いかけて殺したなんて話になって欲しくない。流石にそれはまずい。
「話半分で聞かなければよかったわ・・・・・・」
今更になってとても後悔する。
というよりも、彼はどうやって生きてきたんだろうか。
「すごく気になるわね」
「あ、あれ?ここは?」
「お、気がついたか。いやー、危なかった危なかった」
「いち、か?あれ?自分何してたっけ?あっ・・・・・・」
ひぃっ!?さっきのことが頭の中をよぎっちゃったよ!あの、髪の色が水色の、こ、ここここわい人!
「あー、別に悪気は無かったららしいから。少し気になっただけみたいだぞ?」
「で、でも、あの人コワイ」
「はははっ、まぁ、目も覚めたことだし千冬姉に報告してくる」
「あっ、うん。分かったよ。で、でも、早く戻ってきてね!」
ぐぅおぉぉぉぉぉぉ・・・・・・近くに知らない人の気配がする。一夏ぁ、早く帰ってきてぇ。ていうか、気配がすぐそこだよ!?あ、ちょ、ホントに怖いからぁ!
あれ?え?扉に手をかけてい、いやぁぁぁぁぁ!あ、地獄の扉が開い・・・・・・て・・・・・・
「あ、あの、その、ごめ───」
「ひいぃぃぃぃぃ!?や、やめ!あ、あのこ、こここここここれで、かかかかか勘弁して、ください」
そう言って秋磨が急いで取り出しものはお金だった。金額は1万。どれだけ嫌なことなのかが分かる。
「」
さすがのこれには楯無も絶句。どれだけ本気で関わらないで欲しいかが一瞬でわかる行動であると同時に、相手の心を甚く疵付ける行動である。
そして、またまたタイミングが良いのか悪いのか、一夏と千冬が入ってきた。
「秋磨、大丈夫・・・・・・」
楯無は「終わった」と言いたげな絶望的な顔を浮かべていた。
「はぁ、更識。お前は私を疲労で殺す気か?ん?そこはどうなんだ?答えろ?どうした?答えられないか?ん?」
「ひぃ!?」
あれ?更識って言った?ということは、さら、えっと、簪さんのお姉さんということかな?
簪のことを『更識さん』と言いそうになって言い直す。これは、以前簪に他の人が下の名前で私だけなんでなんだと泣きそうになりながら迫られたからだ。秋磨はあの時、とても胃が痛い思いをした。
それと同時に、前に簪が秋磨に話した昔の話を思い出した。
千冬さんたちが出たら話をしようかなぁ。
「む?もうこんな時間か。肝属、大事にしろよ」
「あぁ、俺も帰るなー。まぁ、今回は災難だったな」
「う、うん。バイバイ」
ちょうどのタイミングでその場を出ていった2人が出ていったことを確認。本題に入ろうかな。
「あ、あの」
「な、何かな?」
「か、簪さんから、貴女のこと、き、聞いて他の思い出して・・・・・・」
「・・・・・・そう、ということは家のこともってことよね?」
ひ、ひぃ!?嘘なんてつけない雰囲気を全身から発してるんですけど!こここ怖い!
「は、ははははいいいぃ!」
「そう」
「・・・・・・そ、その、仲直り、しようとしないんですか?」
「昔みたいに?確かに、それが理想よ。けど、私は簪ちゃんを守るために突き放したの。簪ちゃんを傷つけないために」
「・・・・・・そうですか。けど、簪さんには大きな心のしこりとなって残ってましたよ」
「っ!」
「どんな理由で、なんて言うのは理解している、なんて言いません。それは当事者でないとわからないことですから。けれど、ある程度予想はできます」
「・・・・・・」
楯無は何も言わない。痛みに耐えるように、秋磨を睨めつけながら。
秋磨は尚も
「簪さんは仲直りをしようという気持ちはあるみたいですよ。ここまで引きずってしまったのは自分が無視し続けたからだって」
「それは違う!あの子が辛い思いをしてるのは私が勝手に突き放したから!」
「・・・・・・そう思うのであれば、一刻も早く仲直りをするべきです。世界に2人と無い、貴女の妹なんですから」
そう、楯無にも聞こえるように小さく呟き、恥ずかしそうに笑う。しかし、楯無は気付いた。秋磨の浮かべたその小さい笑顔の中に、寂しさ、哀しみがあることに。
そこで思い出した。秋磨が孤児院に世話になっていた理由を。
「(・・・・・・彼にとって、家族間のトラブルでさえ羨ましいものなのかもしれないわね)」
すると、医務室の外から少しずつパタパタと音が聞こえてくる。誰かが秋磨を看に来たのだろうと当たりをつけて、誰が入ってくるのかを確認しようとする。
少しして、ドアが開くとそこにいたのは───
「かん、ざしちゃん?」
「おねえ、ちゃん?」
秋磨はここで、簪にこくんと頷いて促す。
「あ、あの、お姉ちゃん」
「な、なに、かな?」
「秋磨、何でここにいるの?」
・・・・・・あれ?えっと、これ、自分が思った展開じゃないよ?あれ、どうしてこうなったのかな?あの・・・・・・仲直りするチャンスですよ?それと、あの、簪さん、ちょっと怖いですよ?目が据わってるのですが・・・・・・ひぃっ!?ちょっ、やめ、こっちに来たァァ!?
「え、ええと、その、お、ち、何か急に意識が無くなって・・・・・・」
「ふーん。じゃあ、原因の心当たりある」
「え?あ、あの、ち、血を、吐いた・・・・・・から?」
「へー。何でそうなったの?」
「ひえっ、えっと、その、あの、お、追いかけられて・・・・・・」
「分かった。じゃあ、最後の質問。誰に追いかけられたの?」
「ひぃっ!?えっと、その、あの、えっと・・・・・・」
チラリと楯無の方を向くと少しずつドアに近づいている。しかし、まだまだ遠い。
楯無は言わないで、そう言いたそうな顔をして首を振っている。
す、すみません!ここで言わないと、自分の命が危ないですから!
「あ、あちらの、逃げそうな方です・・・・・・」
簪はしっかりと聞いていたようで、首をゆっくりと回して楯無の方向に向ける。
「ぴいっ!?」
簪の雰囲気が閻魔もかくや、といった様子らしく恐怖を感じて震える楯無。ちなみに、秋磨も楯無同様震えてしまう。
「お姉ちゃん?オハナシ、しようね?」
「ひいぃぃぃぃぃ!?」
ど、どうしよう。あと、もう少しで漏れるところだった・・・・・・
後日、私とお姉ちゃんはしっかりと姉妹間で謝り、仲直りをした。のはいいんだけど───
「ひ、ひいぃぃぃぃぃ!?や、やめ!こ、来ないで!」
「何で私と話してくれないのよ!」
「や、やめ!来ないで!寄らないで!近寄らないで!」
と、来ないで三段活用を一気に吐き捨てる秋磨。あの必死さかわいい。
また、別の時は───
「しゅーうm「ひあぁぁぁぁぁぁぁ!?」えっ?」
ビターーーーン!!
道場で朝から鍛錬に勤しんでいる秋磨に後ろから話しかけるが、いつの間にかお姉ちゃんは床に叩きつけられていた。正直、あれに反応できるのなんて人間やめてる人しかいないんじゃないかな。
まぁ、拒否され続けて泣きそうなお姉ちゃんに止めを指したのがこれだった。
「秋磨くん・・・・・・何で私と話してくれないの?」
「だが断る。この肝属秋磨が最も好きなことの1つは自分と話したいと思っている人に『NO』と断ってやることだ」
ブフゥッ!!あははははは!お腹、お腹痛いよぉ!・・・・・・ぶっふぅ!・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・死ぬかと思った。
最近、新しく買った漫画でこんなセリフがあったらしい。間違いなくジョ○ョだよね。
「ウワァァァン!秋磨くんのバカぁぁぁぁぁぁぁ!」
そう言って遊びに来ていた秋磨の部屋を出ていく。残った私は秋磨の方を見るとちょっとした達成感で顔がホクホクしてる。うん、かわいい。
まぁ、お姉ちゃんと仲直りすることは出来たし、秋磨のおかげで学校も楽しい。
「あ、秋磨。山嵐のFCSのロックの調整がわからないから教えて」
「え!?いじっていいの!?やったぁ!」
弄っていいとは言ってない。けど、まぁ、うん。子供モードかわいい。
鈴ととある休日の外出
久しぶりに外に出よう。うん。そうしよう。どこがいいかしらねー。やっぱり、あそこは外せない!
でも、あそこだけじゃあ面白くない。ま、別に邪魔をすることはないだろうから一夏も連れていこうかしら。最近、外に出てないって言ってたし。
ふむ、そういうことなら早速実行に移すのみ!
「秋磨ぁー」
『・・・・・・何?』
「外に行くわよ、一夏も一緒で」
『今、外に、出れない、ひぇっ』
「あんたゲームしてんでしょ」
『うん』
「あとどのくらいでキリが良くなるのよ」
『・・・・・・』
「ちょ、あんた、早く外に出て来なさーい!」
『えぇ・・・・・・鈴、今日は貴重な補習のない土曜日だよ?』
「だから外に行くのよ」
『見解の相違だよ』
「あーあ、弾の店に行こうと思ってたのに」
「よし、行こう」
こいつっ、すごい早さで掌返したわね・・・・・・
「一夏も誘うわよ。どこにいるか分かる?」
「・・・・・・自分いる?」
あぁ・・・・・・そうだった。こいつ、気づいてないんだったわね。まぁ、他の女子から一夏のことで相談を受けてたこと内容をそのまま秋磨に話してたからなぁ・・・・・・悪いのは全部一夏ね。
「・・・・・・バカ」
「?」
「何でもないわ。それより、早く行くわよ」
「うん」
「久しぶりの外だなー。弾の家行ったあとどうする?」
「あまり特に考えてないわ。どこかゲームセンターにでも行く?最近行ってないからわからないのよね」
「え?あ、あんな人が沢山いるところに・・・・・・?や、やめない?ねぇ」
「秋磨、諦めって言葉、知ってるか?」
「ひどい!」
これよこれ。久しぶりに中学時代に戻った気分。これに弾と数馬の5人で遊んだのよね。このやり取りが好きだったのよ。変わってないこの感じが心地いい。
「着いた着いた」
ガラガラガラと音を響かせて店内へ入る。この音、匂い、雰囲気、何も変わってない。私が好きだった時のまんまだ。
「おっ?秋磨と、一夏に・・・・・・り、ん?」
「そうよ」
「おいおいおい!戻ってきたんなら連絡くらいしてくれてもいいじゃねーか!」
「弾、うるせぇぞ」
「はい・・・・・・」
何も変わってなければ弾の立場も変わってないみたいね。そうなると、蘭との上下関係もそのままよね。
「おう、ガキども注文しねぇなら帰ってもらうぞ」
「ご、『業火野菜炒め』お願いします」
何故か秋磨はここの食堂のご飯はとても気に入っていて胃もダメージなく食べれるみたい。
そのことを知った厳さんがそれなら、と張り切って秋磨が普段食べられないものを用意することもしばしば。どれもこれもが完成度が高く、ちょうどその時いた客にはとても好評となっている。まぁ、厳さんの気まぐれメニューというやつね。
「あれ?蘭はどうしたのよ」
「いや、今日はどうしても中学の用事で外せないらしくてな。少なくとも、帰ってくるのは夕方らしいぞ」
「へー。すごいよなぁ、蘭。取り敢えず生徒会長なんて俺にはできねえ」
「まぁ、お前の場合は全生徒の約
「そうだね」
「そうね」
「何で分かるんだよ。やってみないと分からないだろ」
「いーや、絶対に分かることね」
「これは確定事項だな」
「生徒会長になれないとは限らないけど、弾が言ったことは確実だよ」
「弾、今日の仕事はもう上がっていいぞ。とっとと出てけ」
「おう。あんがと」
「ふん」
相変わらず、厳さんも変わってないわね。遊びに行ってもいいって直接言わのもね。これがツンデレってやつね。なるほど、箒がそれにあたりそう。ギャップ萌え・・・・・・秋磨のツンデレなんてどうかしら。
『ふ、ふん。そ、そんなに言うなら一緒に食べてあげる』
思い浮かべたのはその言葉とともに顔を赤くさせて、そっぽを向く秋磨の姿。
ふっ、めちゃくちゃかわいいじゃない!なにそれ、なにそれ!男のツンデレってバカじゃないのなんて思ってた自分が恥ずかしいわ・・・・・・秋磨のがツンデレになるのかわからないけど。
「な、なにしてるの?」
「ひゃあ!?な、なによ」
「どこ行こうかって話」
「鈴どこいくよー」
「はぁ?ゲーセンよゲーセン」
「い、嫌だ!あんな人が沢山いるところに行きたくない!怖いから嫌だ」
「何いってんのよ。シューティングゲームで全国スコア叩き出すあんたが何をそんなに」
「あぁ、あれか。動きを予想してるかのような百発百中のアレか」
「あれ、マジ意味わかんないわ。どうやったらあんなにできるんだよ」
「そ、それでも、行きたくない!行きたくない!」
「残念。拒否権はないわ。そういうことで、ほら、行くわよ」
「嫌だあぁぁぁぁぁ!」
嫌だ何だと言ってもゲームが好きなのはやっぱり変わらない。
今、私の目の前では先に2人でプレイした弾と一夏対秋磨をしている。勝敗の決定はシューティングゲームの進行具合。圧倒的に秋磨が上。
人が沢山いるけど負けた方が甘い物を奢るなんていうルールを出したもんだから秋磨はもう本気モード。さすがに1人1品みたいだけどね。
「え?なに?秋磨マジ意味わかんない」
「なんでそこ行けるんだよ。二人でも行けなかったぞ」
「うわ、早」
いきなり出てきた敵を一瞬でヘッドショット。いやいや、なんで反応できるのよ。
そんなこんなで最終ステージをクリアした後のあのホクホク顔も、また秋磨の魅力よね。
「もう、秋磨とゲームで勝負はやめよう・・・・・・」
「俺もそう思う・・・・・・」
勝ち目ないからね。
「さて、結構遊んだしもうそろそろ帰るかー」
「そうだな。また、家に飯食いに来いよ。あと、秋磨さん勉強教えてください」
「いいよー」
「よし!これで補習免除は確定した!」
「あんた・・・・・・」
今日は楽しかった。明日は日曜日だから休み。どうせ、秋磨は部屋にいるだろうし。またゲームでしょ?乱入してやろう。他の2人も来るかもしれないし。ていうか、絶対に来る。
帰ったら2人から抜け駆けだのなんだの言われそう。言われたらどうしてやろう。そうだ、ムカつくぐらいのドヤ顔をしてやろう。
「じゃーなー!」
そう言って、弾は家の中に入っていく。その直後、『おにぃ!』『ひぃ!?』なんてやり取りが聞こえてくる。やっぱりここも変わらない。
こういうの、なんかいいな。1年だけど、街は少しずつ変わる。けど、そんな中でも人の中身や関係が変わらないっていうのはやっぱりいいと思う。でも一概に、なんて言えないけどね。
「じゃあ、帰りましょうか!」
私が日本にいた数年間に得た、つながりは今もまだ、しっかりと繋がってたことがすごく嬉しい。
私がまた、日本に来てIS学園に入学して得たつながり、また、これから増えるつながりがいつまで続くのかが楽しみ。繋がってたら嬉しいし、途切れてたら悲しい、そういうのはやっぱりいいものね。
今と、これからのつながりがずっと続いていけばいいな。
あ!でも、1つだけ変わって欲しいつながりがあるわね。秋磨との関係は進んで欲しい!これ重要ね。
「───ふふっ」
「どうしたの?」
秋磨が顔を覗き込んで聞いてくる。別に、何でもないのに。
「何でもないわよ、ばーか」
「分かった。嬉しそうにしてたのは今日の食堂のメニューが好物だったからだろ」
あ、もう1つ変わって欲しいものがあった。一夏のこういうところ。こういう時ははっきりと言ってやるわ。
「・・・・・・馬鹿じゃないの」
「ひでぇ」
どうでしょうか。自分で納得いかないがこれ以上かけないという状況に陥りました。ご都合主義、とでも言うんでしょうか。特に簪と楯無の仲直り編。正直、うまくかけない自分を殴りたくなりましたね。横からこう、スパぁん!と。
では、次回から2巻目に入っていきます。ちなみに、幕間劇は1冊分が終わったら書いていこうかと思っております。次回の幕間劇のメインキャラは皆様のご想像通りの2人ともう1人となっております。
本編より長い幕間劇とはこれいかに。