とりあえず、そんなことは置いといて全機体最軽量のフレームを組み上げました。紙装甲です。けど速い。クー〇ー兄貴も気に入るのではないのでしょうか。「速さが足りない!」なんて言われません。どうでもいいですね。
「ふーんふん、ふーんふん、ふーんふん、ふーふんふふん」
さーてさて、学年別個人トーナメントは今月だし、少し機体を弄ろう!最初から展開しておくのはやっぱり
あとは、ブースターを変えよう。となると、フレームとかも変えないとなー。ある程度製図は終わってるからあとは、制作を頼んでー、組み立てるだけかな?
そうそう!
秋磨の言った通り、以前無人機の襲撃が起きた時、箒に向けた攻撃を受けるために射線上に入った時、咄嗟に展開したものだ。
このプライマルアーマー整波装置は、原作中では肩部武装扱いとなっており、両背部にはつけられないが、秋磨が両背部武装扱いにしようと試行錯誤している最中のため、働いたり働かなかったりしたのだが、危機的状況で働いたのだ。また、作中と違うのはそこだけではなく、コジマが使われていないISにはシールドエネルギーの減りを極限まで減らすことを目的に重きを置いている。
あれからなんとか、調整に調整を積み重ね何とか完成間近となっている。
「さて、今回はどんなアセンにしようかなー。やっぱり軽量機体なのは前提。前回のアセンよりも少し軽めにしたいかなー。やっぱり、速度重視ってかっこいいよね!こう、シュンッ!シュンッ!ってあっちこっち動いて撹乱するの。でもでもー、中量機体でバランスよく整えるのもいいしー、重量機体で攻撃力特化もいいよね。あっ、攻撃力特化と言えば外せないのはやっぱりあれだよね!
今、猛烈に独り言を話す秋磨がいるここは、1人で作業をするアリーナのハンガー。フレームは今日までに決めないと間に合わない。無理を言ってかなり急いでもらって作ってもらっている。
もちろん、ただではない。確かに、秋磨の専用機や簪の専用機を後回しにして迷惑をかけるところだった。しかし、これを提示して機体を自分で作りたいと言い、その部品を作ることを急がせた。その代わり、機体のデータなどを詳細に送ることで両者納得した。
しかし、秋磨の作る機体のデータは現状のどのISよりも性能が数段上なのだ。よって、千冬が秋磨を守るためにもう1人のIS制作者の束と連絡を取り、どの部分を送っていいのかを決めている。
秋磨を守るためとなれば意識的に気合が入る千冬は、秋磨をそれだけ大事だと思っているのだろう。
「取り敢えずフレームはこれでいいかなー」
頭部(HEAD)
HD-LAHIRE(OMER)
胴部(CORE)
CR-LAHIRE(OMER)
腕部(ARMS)
AM-LAHIRE(OMER)
脚部(LEGS)
SOLUH-LEGS(ALGEBRA)
FCS
FS-JUDITH(OMER)
JENERATOR
GANO02-NSS-G(GA)
MAIN BOOSTER
CB-JUDITH(OMER)
BACK BOOSTER
ARGYROS/B(TORUS)
SIDE BOOSTER
03-AALIYAH/S
OVERED BOOSTER
LINSTANT/O
ある程度水平水力を犠牲にして燃費を向上させ、QB(クイックブースト)を多く使えるように、というのがの今回のコンセプトかな?
これでも、QBとかを連発させればマッハ1は超えるからね。クレイドル03の破壊の時なら一瞬でも2000km/hは超えるからね。現状のISの中ではトップのスピードだからね!かっこいいよね!
うーん・・・・・・でも、そうなるとレギュ1.15の期待も再現したいなぁ。あれ、エネルギー系の減りがないからね!それに、基本的にレギュ1.40での機体だからなぁ。もしそうなれば速度にモノを言わせた・・・・・・
「───おい」
「ひあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「・・・・・・そんなに驚くことか?」
「あ、ち、千冬さんですか・・・・・・死んだかと思った。あれ?自分、幽体離脱とかしてないですよね?」
「馬鹿か」
「そ、そうですよね・・・・・・」
「また新しいフレーム作りか・・・・・・加減しろ、と言っても聞かないんだろう?」
「あ、あはははは・・・・・・はい」
「肯定するな。まあ、いい。そう言えば山田先生がお前に部屋を伝えたはずだが確認はしたか?」
「いえ、してません」
「だろうな。荷物がそこにあるからな」
「どんな部屋なんですか?」
「それは見てからのお楽しみだ」
そう、悪戯を仕掛けた時に似た笑い方をする千冬を見て秋磨は悟った。
「(あぁ、自分にまた不幸が降りかかるんですね、わかります。卒業・・・・・・いや、進級するまで自分の胃、生きてるかなぁ・・・・・・)」
「もう既に消灯時間間近だ。夕食は摂ったか?」
「はい。卵豆腐を」
「お前・・・・・・まあ、いい。部屋に帰ってもう寝ろ」
「いえ、最近ほんとに人が近くにいることが多くて、その、胃にダメージが・・・・・・先日病院に行ったら、いっとき、刺激物を摂るなと注意を受けてしまって・・・・・・」
「ふっ、はははははは。そうか、原因はあいつだろう。楯無だろう」
「わかってるならやめさせてくださいよ・・・・・・自分にとっては生死がかかっているので」
「なら、なお寝ることだな。
「ここだね。きっと、1人部屋か一夏と同室だよねー。やっと落ち着けるなぁ・・・・・・」
廊下に1人しかいないためか、普段に比べて口数が多い秋磨。すぐに部屋の中の気配を探る。結局、他に人がいないようだ。
「・・・・・・」
秋磨は何かに疑問を感じたのか、何かを確かめるために躊躇いながら中に入る。そして、それが何を意味するのかわかったようだ。
「また、ですか・・・・・・」
そう。部屋が広いのだ。1人部屋にしては。更にベットがもう1セット配置されているのを見るとどう考えても相部屋である。
一夏という線は完全に断たれた。なぜなら、彼は健康志向を第一の条件としている。なので、消灯時間が決まっていればそれを遵守するのだ。そんな一夏がこんな時間に外に出ているはずがない。
それと、もう1つ。一夏はあの
よって、政府は一夏の安全を優先させ秋磨を相部屋にしたのだが───
「・・・・・・うっぷぇ」
先のことを考え、口に手をして何かを抑える動作をする。どう考えても胃にダメージがある秋磨の方が優先されてもおかしくない。
しかし、これも既に決定されたことだし覆ることは無い。
「もう寝よう・・・・・・死ぬ前に」
そう、小さく呟いた声が寂しく、1人にしては広い部屋に響くのだった。
「やっぱりハヅキ社製のがいいよね!」
「え?そう?あそこはなぁ・・・・・・デザイン優先感がありすぎて嫌なんだよねー」
「そのデザインがいいんだけどなぁ」
「えー、私は性能的に見てミューレイのがいいかなぁ。特にスムーズモデル」
「あー、あれねー。ものはいいけど高いんだよなー」
とか
「ねえ、聞いた?」
「そりゃもう聞いたよ」
「え、何の話?私知らない」
「え?知らないの?めちゃくちゃいい話なのに」
「どう?聞く?」
「もっちろん!」
「もちつけもちつけ。いい?この話は絶対、 男子の2人にしたらダメよ?女の子だけの秘密の話なんだから。実はね、今月の学年別トーナメントで───」
月曜日の朝から女子というのは元気なのはいつの時代も同じらしい。しかし、週の始まりはどれだけ胃にダメージを与えないかの勝負の始まりな秋磨にとっては地獄と言っても過言ではない。
以前ほど接触がなくなったものの、未だに秋磨と話そうとする楯無に追い払うことがついにできなくなった秋磨はもう諦めて話すことにしたのだ。まあ、それも2言3言ぐらいなのだが。それに、拒否する反応もしっかりと見せている。
例えば、良くされるのは詰め寄られた時に手首を掴まれるのだが、即座に手首を返してその手からすぐに逃れる。これをされた時の楯無の顔は、本人には悪いがとても花の女子高生の顔ではなかった。哀しみに埋もれすぎて。
「そう言えば、織斑くんと肝属くんのISスーツってどこのなの?」
「あー。2人とも特注品なんだ。特に秋磨のものはなぁ。えーと、俺のはイングリッド社のストレートアームモデルって聞いてる」
「じ、自分のは研究機関に勤めてる知り合いが特別なスーツを作るから、そのデータ取りのためにって」
野球やサッカーをしている人は分かると思うが、普通ISスーツというのは、スポーツする時のインナーや水泳の水着のようなピチピチしたものを着る。ISは体に纏って動くのだから余分なところを作ると邪魔になるのだ。なのでそのようになっているのだが、秋磨のはセシリアとの代表戦の時に言ったように普通の長袖のスポーツウエアのようなのだ。
まぁ、まず秋磨に知り合いなんてのはほんのひと握りなので、研究機関に勤めてる知り合いというのは誰のことが容易にわかるだろう。
「へー、いいなぁ。ああいうのがいいなぁ」
その後、山田真耶がスラスラとISスーツについて説明しながら入室したが、クラスの女子にいじられる。既に日常と化してしてまった風景だ。どんなにできる女を目指して実践したところで実を結ぶことがないことを早めに気づくいた方がやさ良さそうだ。主に彼女の精神面で。
「諸君、おはよう」
「お、おはようございます!」
それまでざわざわとしていた教室が千冬が入ってきた瞬間に空気が変わったかのように張り詰めた糸のように緊張感を持った雰囲気になる。
服装は先日、一夏が「千冬姉は衣服に頓着がないからなぁ。スーツくらいはしてやらないと」と、張り切って準備していたものだ。
「今日からは本格的な実践訓練を行う。訓練機ではあるが油断はするなよ。ISを使うのだからな。気をつけなければ事故が起こる。自分だけならまだしも、人にまで迷惑を掛けることになるのだからな。それと、各自ISスーツが届くまでは学校指定のものを使え。忘れた者は水着で訓練を受けてもらう。それすらも忘れたやつは下着だ。それと、最後に言っておこう。忘れたら肝属が死ぬことになるからな。充分に注意しろよ」
この言葉に女子は首を傾げるが、一夏はどういうことかが分かっている。秋磨本人は顔を真っ赤に染めて胃があるであろう場所に腹の上から手を当てて、反対の手で口を抑えている。
「ふん、では山田先生、ホームルームを始めてください」
「は、はいっ」
ろう・・・・・・あぁ、自分たちがいるからか。あまり、話しかけてこない人だったらいいなぁ・・・・・・本当に、もう限界だから)」
そんな無駄なことを思いながらも、そう思わずにはいられない切実な願いが叶うことを希望するがすぐに意味をなさなくなった。
なぜなら───
「失礼します」
───その言葉とともに教室に入ってきたのは、男だったからだ。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」
やはりというか、シャルルが自己紹介を終えると空気が凍ったようだった。
生徒は皆、一様に呆気に取られているようだったが、秋磨1人だけが違っていた。
「(フランス、か。フランスでデュノアと言うとデュノア社か・・・・・・あそこで男性の子供は聞いたことないんだけどね。少し、警戒が必要かな。もし、本当に男の子ならもっと騒がれているはず。なにせ、まだ3人しかいないのだから。自分たち、1人目と2人目が同時に見つかったっていて多少インパクトに欠けていても世界的に大きなニュースであることには変わらないんだし)」
教室内は音響炸裂爆弾のように大きな声が響いているが耳に入ってきていない。
「あー、うるさい、騒ぐな。静かにしろ」
「み、みなさんお静かに。まだ自己紹介が1人終わっていませんから」
最初の方がインパクトが強すぎるが、もう1人の方も、秋磨にとっては、いや、クラス全員にとってもいたんだった。
輝くような、透き通るかと思わせるほどの綺麗な銀髪を腰近くまで下ろしている。しかし、整えているかと言えばそうではないようで、伸ばし続けた結果、と言ったような表現がしっくりとくるそれ。また、左目に眼帯をつけている。医療用ではないことが一目でわかるそれは、異様なまでの存在感を示していた。
そして立ち姿から秋磨は、その人物が軍出身であることを理解して、自分からは絶対に近づかないことを心に決める。絶対に怖いからだ。現在も既に重い空気が伝わって来ている。緊張と空気の重さとシャルルの視線で胃に物理的に穴が開きそうなのだ。もうそろそろ胃が限界に達しそう。
「あ、あのー、自己紹介、お願いできますか?」
「・・・・・・」
千冬は大きく溜め息をつくとすぐに自己紹介を促す。
「・・・・・・挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
秋磨の思った通りのようで、異国の敬礼を千冬に向けたラウラにクラス全員が口を開いてぽかんとしていた。
多分だとは思うけど、確かドイツの方にISとかの指導者として仕事を受けたんだっけ?帰ってきてから一夏と一緒に怒ったなー。急にいなくなったからね。
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではない。ここではお前も一般生徒だ。私のことは今後、織斑先生と呼べ」
「了解しました」
またまた、大きな溜め息をつく千冬。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・・・・」
今度は別種の重い雰囲気が秋磨に漂って来ていて、本当に辛そうに顔を歪ませいる。
もはや、一夏のように「以上です」すらも言わない。
「あ、あのー、以上・・・・・・ですか?」
「以上だ」
ひいっ!?目が合って・・・・・・あれ?え?何で?なんでこっちに来るの?
「ひ、ひぃ・・・・・・や、やめ、こ、来ないで・・・・・・」
あれ、なんか口の奥から何かが・・・・・・
「お前が織斑───」
そういった時、目の前が暗くなり始め、周りが慌てている様子が滲んで見えたのを最後に血を吐いて机の上に突っ伏した。
「コフッ・・・・・・」
「一夏・・・・・・か?」
ラウラの制服には机に落ちた血が撥ねて、いかにも傷害事件を起こしたような状態になっている。正直に言って怖い。
「え、えいせいへー!衛生兵ー!」
「・・・・・・は?え?え?あ、あの?えっと、あ、あれ?」
「ちょっと!何よ、このさわ・・・・・・秋磨!?秋磨!どうしたの!」
隣のクラスから注意しに来たと思われる鈴だったが、騒ぎの中心であるラウラを見たあとに、その前で机の上に突っ伏した秋磨を見て叫ぶ。
「ちょっと、ラウラさん。こちらへ」
「え?え?あの、これはどう言った・・・・・・」
「それよりも、早くこちらへ。さあ・・・・・・」
「ひ、ひいぃぃぃ!?」
目が据わっているセシリアに原初的な何かの恐怖を感じたラウラは悲鳴を上げる。
正直に言おう。もう手の施しようがなかった。
その後、なんとか気を取り戻した秋磨は一夏と共にシャルルの面倒を見ることになった。さて、ここで1つ問題が発生した。一般的には男性操縦者として送り込まれたシャルルが広まってしまい、未だに続く移動の時の強制鬼ごっこが始まることが予想された。よって、秋磨は一夏経由でシャルルを呼んで、自分と一夏たち2人の存在を視認できなくさせる。その間はなんとか、本音と箒が協力してくれて目を逸らさせてくれた。よって、今こうして余裕で廊下を歩いている、わけなのだが・・・・・・
「す、すごいね」
「だろ?ぶっちゃけ言って秋磨は人間じゃない」
「ひ、ひどい」
そう、3人は普通に廊下を歩いているのに、そこら辺を走って駆けていく女子たちは「者共ー!しっかりとあの3人を探すのじゃー!」や、「こちらにはいません!」「なんだと!では他に探していない場所は!?」などと、本気で自分たちを捜索しているのである。
以前は、秋磨だけしか隠せなかったのだが、一夏と基本行動を共にする秋磨は大体トイレも同じタイミングになる。その際、いつも強制鬼ごっこが始まるために、この術を身につける以外、どうしようもなかったのである。
「ホント、秋磨にはいつも助けてもらってるわ。ありがとうな」
「うん。仕方ない、仕方ないんだよ。自分が安全に過ごすためだからね・・・・・・」
「あ、あはははは・・・・・・」
すると、いつもの如く一夏はボタンを一気に外してベンチに投げる。もう少し丁寧しないと後で面倒くさいのにね。シワとか付いて嫌だよね。
あーあー、Tシャツもそんなに乱雑に脱ぎ捨てちゃって。もう少し丁寧にしたらいいのに。だからいつもアイロンかけてるんじゃないか。
「うわあっ!?」
「??」
・・・・・・今の反応で決まったね。なんでまた自分の部屋なんですかぁ・・・・・・ねぇ、なんで?
「おいおい、シャルルも着替えたらどうだ?もう少しで時間来ちまうぞ」
「う、うんっ!?き、着替えるよ?でも、その、あっち向いてて・・・・・・ね?」
「あ?まぁ、うん・・・・・・って、秋磨!?お、おい!なんで遠い目して・・・・・・て、怖いから!ブツブツ何言ってるんだよ!着替えたなら早く行こうぜ!」
「もうやだァ・・・・・・死にたい。もう、死んだ方がいいよね。予想通りなんだよ。あは、あはは、あはぁはぁ!」
「財団はいいから!ほら!」
「ど、どうしたの?」
「あー、なんか被害妄想でこうなった。とにかく連れていくぞ」
「う、うん」
「む?肝属は・・・・・・何があった」
「気がついたらこんなになってました」
「はぁ・・・・・・おい、肝属目を覚ませ。さもなければ主席簿で叩く」
「う、え?あれ?ここは・・・・・・アリーナ?あれ?今さっき・・・・・・」
「肝属、早く並べ。授業が始まらん」
「は、はい!」
あ、あるぇ・・・・・・さっきは更衣室にいたはずなんだけどなぁ。どうしてこんなところに?あ、2人が運んでくれたのかな?寝てる間に何も無かった・・・・・・よね?何もされてないよね?本気で怖いんだけど。大丈夫だよね?
並んだ後、鈴とセシリアの2人は前に出て真耶と戦うのだが、戦う前に一夏に突っ込んでしまった真耶は、受け止めようとした一夏に胸を揉まれ妄想の世界へ飛び立つ。一夏は箒にきつく当たられていた。
しかし、試合が始まってみればいいように撹乱され、2人は弄ばれてしまい負けてしまった。
「ちょっと、セシリアどれだけ回避先読まれれば気が済むのよ」
「そういう鈴さんはどれだけわたくしの射線に入ってくるのですか?」
あれ?自分って、いつの間にかヤバい薬に手を出してたっけ?2人の後ろに結構ヤバい感じの龍と虎が見える。
・・・・・・手を出してたね。劇薬胃薬。
「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解出来ただろう。以後は敬意を持って接するように」
そうは言っても千冬さん・・・・・・このクラスの女子たちが言うことを聞くとは思えないのですが・・・・・・
「専用機持ちは織斑、肝属、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰か。では、できるだけ均等に並べ。そこから実習を始めていきたいと思う。そして、各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな?では別れろ。そうだ、言い忘れていたことがあったが、早く並ばなければグラウンドを100週させるからな。ということで、肝属、まあ頑張れよ」
・・・・・・鼻で笑われた上にストレスが溜まることを押し付けられてしまった。心と胃が痛いのですが。
自分はリーダーなんてしたくない。え?なぜって?ひ、人と話さないといけないし、顔を直視したら必ず顔を背けられるから。きっと、いや、絶対自分が根暗でコミュ症でどうしようもないバカだからなんだよね。あれ?目からブルー・ティアーズが・・・・・・
千冬さんのあの言葉のおかげかすぐに並び終えた。目の前には、比較的だが自分には他の人よりもまだ過ごしやすい空気を作ってくれる人たちが集まった。メンバーは布仏さん、鷹月さん、相川さん、四十院さん、鏡さん谷本さんの6人だった。あと、数人ほどいるんだけどその人たちはどこか違うところに行ってるみたい。
「よ、良かった・・・・・・他の人たちなら、し、正直に言って死んでたかも」
「あははは、まあ仕方ない仕方ない」
「でも、全員とそうならるといいけどね」
「う、うん。ええと、打鉄とリヴァイヴのどっちがいいかな?」
「うーん、秋磨くんの機体のコンセプト的にはどっちが似てるの?」
「り、リヴァイヴかな?」
「「「「「「じゃあ、それで行こう」」」」」」
「え?う、うん。分かった。取ってくるね」
えーっと、どういうことなんだろうね?自分の機体のコンセプトが似てるって言われても正直に言って後付け武装ってことだけだよ?
あ、えーっと、リヴァイヴが残り1機あったから丁度だね。良かった良かった。あれ?重いなぁ。抱えられないことはないけど疲れたくないし。そういう時は・・・・・・
秋磨は片腕だけを展開してPICを発動させる。それによりリヴァイヴに掛かる重力を切る。なので普通に軽々と持ち上げたのだが、端から見ると飛ぶために軽量化されているとは言え、常人には持ち上げることすらできないのだ。
「ここでいいかな?」
展開していた腕部を元に戻すと、PICが切れる瞬間に地面に置く。
「えーっと、しゅうまん?」
「ISを持ち上げるって・・・・・・」
「ん?あれは別に自分の力で持ち上げたわけじゃないよ?腕部だけを展開してPICを発動。待機中のISに掛かる重力をカットした、って言えば分かるかな?そ、それよりも、早く終わらせて、ら、楽がしたいかなーなんて」
「・・・・・・そんな使い方があるなんて。まあ、私も早く終わらせたいし急ごう」
「テストに出てもこれでバッチリですね。今度教えてくださいね。」
「う、うん」
いざ始まってみるとみんなスムーズに行った。秋磨の指導が的確というのもあるのだろうが、最大の理由として挙げられるのは秋磨の班にいる6人がきちんと秋磨のことを理解しているからだろう。
1周終わったら報告しに行ったら、他がまだ半分しか終わっていないよう。特にひどいのは例の転校生、ラウラ・ボーデヴィッヒの班で、とても重苦しい空気が漂っているのが遠目にも分かる。
次に遅れているのは、一夏の班らしく1人が立ったまま解除したらしい。そのため、一夏は1人ずつ抱えて運んでいる。下ろす時もそうだ。
あ、箒が抱えられてすごく嬉しそうな顔をしてる。普通にしてたら綺麗なんだけどねー。一夏は一夏で好意に気づこうとしないし、あらぬ勘違いするし、唐変木だし。
「そう言えば、秋磨くんはISで高速移動中に方向転換してるけど、あれってなんで出来るの?普通なら、空気抵抗とかの問題で背骨とか折れるって話だけど・・・・・・」
「あー、それ私も思った。あれって危険なんでしょ?」
「い、1から説明してもいいけど・・・・・・難しいよ?空気抵抗は機体の速度、面積や大気の状態を全て計算しないといけないし。まあ、自分の『アリーヤ』は、計算公式を全て変数化してるだけで、さっき説明したPICがあるでしょ?あれを強化、発展系の技術だね」
すると、他の班でも終わったみたいでこちらの話に耳を傾けているようだ。まだまだ授業が終わるには早い時間である。
そんな状況なので、千冬は授業で説明する際に面倒なところなので楽をさせようと秋磨説明をさせるように促した。まぁ、正直にいえば、学生で詳しく説明できる方がおかしいのだが。
「この前のやつが説明しきれてなかったからね。まずこないだの続きから行こう」
するとみんなは一斉に頷く。さらには、数人ほどがどこからかノートと筆記用具を取り出した。ここで勉強するのもおかしな話だが。
やはりというか、秋磨の口調は必然的に変わる。余談だが、割とこの話し方と、キリッとした顔のおかげ、いや、せいなのか秋磨のファンが増えたのだった。
「前に教えたとと思うが、慣性というのは深く掘り下げるとベクトルの保持のことだ。それと、なぜ浮くのか。覚えているものはいるかね。もしくは、編入して来た2人でも構わないが」
「え、えっと、PICによってそれまで存在が仮定となっていた重力子が発見されたこと。まず、重力は物体に一定で力が加わり続けるので慣性が働いている。よって、PICが重力を完全にではないけれど中和している、だったかな?」
「ふむ、100点に近い回答だ。ありがとう、シャルル・デュノア君。説明していなかったが、なぜ『完全』に中和していないと言えるのだろうか」
この問には誰も答えられないらしく、答えらしい答えが返ってこない。どちらかと言うと、答えに期待しているような眼差しを向けてくる。
「仕方ない、か。では理由だが、完全に中和してしまうと重力の働きを受けないため、そのまま無重力の状態となってしまう。常に中和し続けてしまうと、IS自体が人を乗せたまま宇宙空間へ行ってしまうだろう。イメージはつくかね?」
皆、一様に頷く。千冬は分かってはいたのだが、改めて舌を巻く思いをする。授業でさえ、ここまでわかりやすい説明が受けられるかどうかなのだ。
まずIS学園を卒業して、教師に就こうとする人材が少ないというのもある。なぜなら、成績がいい人間ほど、優良企業に就職するからだ。よって、成績がいいままIS学園の教師の数が圧倒的に少ないのだ。
千冬は前回のことと今回のことを考慮し、特別講師として教鞭を取らせようかと考えていた。しかし、純粋にそれだけを思った訳では無い。そうなれば「少しくらい、秋磨と一緒に過ごしたい」などと考えてはいるみたいだが。
「以前、実技の授業の際に一夏君が聞いてきたことがあった。それは、飛ぶためにはどうイメージしたらいいのか、という内容だった。ここで、飛ぶためには自分のやりやすいイメージを持つことだとセシリア君は答えた。その通り、1番やりやすいのは自分がイメージを持つこと。しかし、今回の授業のことを通して、教科書に載ってあった『自身の前に円錐を想像する』という内容だ。勘のいい者なら解るだろう?」
そう、秋磨は聞く。先ほどとは違い、答えはすぐに返ってきた。
「あ!それはIS自体のスラスターへのイメージということか!」
「その通り。正解だ」
秋磨が答えると、丁度のタイミングで授業終了の予鈴が鳴る。すると、2組のクラス代表の鈴が挨拶をする。
「礼」
「「「「「「「ありがとうございました」」」」」」」
この授業の数時間後、前回と同じように恥ずかしさのあまり床を転がり回る秋磨の姿を捉えた数枚の写真が『
「ふぅ、今日は楽しかったな・・・・・・」
ホクホクと上機嫌に呟く。場所は秋磨たちの部屋。なぜ上機嫌なのかというと、午後にあった訓練機の調整の授業の時に、余った機体を好きにしていいと言われたのだ。もちろん、秋磨は生粋の
このことから、次回秋磨たちのクラスが整備の授業がある度に、その調整の対象となった機体をめぐって争いが起こったのだ。その中には、学年問わず数人の専用機持ちもいた。
「・・・・・・そう言えば、シャルル君のことをどうにかしないとね」
思い出すのは午前中の授業。更衣室で一夏の身体を見た時に悲鳴を上げたらことだろう。さらに、どう見ても骨格が女性なのだ。男性と女性の骨格の違いが顕著に顕れるのはやはり、骨盤なのだ。自分と一夏、そしてシャルルの違いは骨盤の広がり方だ。そこを見ると、もう女性であることが、理解出来た。
それに、少ない男性操縦者であるのに一切の事前情報が無かった。明らかにおかしい。フランスはIS開発に遅れているのは周知の事実。それならシャルル君を引き合いに出して、少なくない支援が受けられるはずなのだ。なのにそれをせずに、ここに来るまで何の話題もなかった。隠すメリットがないのに、だ。
それと、シャルルのことはそうとう腹芸の下手な人間のことを考えたことだろう。何故なら、もしスパイとして送り込んでいるのならハイリスクローリターンで割に合わない。生徒会長が対暗部の人間であること。まず、入学、編入時に調べ上げるに決まっている。楯無の都合かどうかはわからないが、あとからなにかするつもりだろう。
デュノア社の社長は一般的に知られているのは男性であること。名前はセルジュ・デュノア。家族構成はその人の妻だけだったはずだ。
「まぁ、シャルル君が来てからだね・・・・・・一夏も無関係ではいられない、か。とりあえず呼ばないとね。自分1人じゃ話せないから」
最後の一言さえなければそれなりにかっこよくはあったのだが、なかなかに締まらない秋磨だった。
12000字超えました。やった!ハラショォォォォ!早く2巻分終わらせたい。2巻目の最後の話でやりたいネタがあります。というか、たはだ、それがやりたいだけ。下ネタですけどね。頑張って終わらしたいです。
最近、簪さんの出番がないようです。頑張って増やしたい。