夢を馳せる少年   作:主任大好き

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設定に書き忘れてたこととがあって、自分には向いてないのかなぁ、なんて思っていたりします。言い訳をさせてもらいますとこれでも3、4回は確認したりしてるんですよ?結果がついてこないだけで。まぁ、自分が悪いんですけどね。


2話 クラスメイトは言葉の意味を知る

「「あー・・・・・・」」

 

奇しくも一夏と同じ嘆息が口から出しまったようだ。

もうムリだよ、胃がマッハでヤバい・・・・・・胃薬が効いてる気が全くしない。ぶっ倒れでもしたら授業を受けない不真面目な生徒と思われ、もっと注目を浴びてしまい、最後にはクズやカスなどのあだ名をつけられるかもしれない。

別に授業の方は問題ない。入学1週間前に届いた参考書を高校に向けて一人暮らしをするつもりだった借家で外に出ず読み耽っていた。おかけで、その1週間はとても有意義に過ごせたといっても過言ではない。「べ、べべ別に外に出るのが怖いんじゃないんだよ?ひ、ひ人に会うのが怖いだけなんだよ?」なんて言い訳してみたり。

そうじゃなくて、何がムリなのかって言うと、さっきも言ったが人の視線で身が、というか胃が痛いのだ。ジロジロ見られ、初めて見る動物に好奇心という何とも熱い視(死)線を感じる。

 

「(助けてよ、弾・・・・・・数馬ぁ・・・・・・)」

 

思わず泣きそうになる。胃の痛さと現在の自分が置かれている状況にだ。

 

「・・・・・・ちょっといいか?」

 

「え?」

 

「・・・・・・箒?」

 

そんなことを考えていると、救いの手が差し伸べられた。思わず涙で目が潤んできてしまったようだ。最初から自分は気づいていたのだが、一夏はさっきの自己紹介の時に初めて気づいて助けを求めたが、きっと箒は恥ずかしかったのが理由で目を背けたのだろう。

 

「久し振りだな、一夏も秋磨も。去年の全国大会振りだな」

 

「あぁ、うん。本当に同じクラスでよかったよ」

 

「良かった・・・・・・知り合いがいて、まともに話せる人が3人いるだけでも全然違う・・・・・・」

 

「お前・・・・・・前よりひどくなってないか?」

 

「いや、だいぶ良くなったんだぞ。6年前を思い出してみろ?知らない人の視線に晒されれば血を吐き、知らない人に話しかけられたら即気絶してただろ」

 

「一夏ぁ、それフォローになってないよ・・・・・・」

 

そんなこんな話している間に教室の中も外も少しずつざわめきが大きくなっていた。箒がこちらに話しかけてきたからなのだろう。だからだろうが、「知り合いっぽい!?」や「仲良さげじゃん!出遅れた・・・・・・」などという声が聞こえてくる。

 

「あっ、箒そろそろ時間だよ」

 

「むぅ・・・・・・」

 

「名残惜しいのは分かるけど早く席に戻らないと千冬姉にぶっ叩かれるぜ?」

 

そう一夏が言うと、箒は「わかった」と一言残し自分の席に着く。だが、知り合いがいて気が楽になったか、というとそういう訳では無い。それは何故か、自分に、いや、自分と一夏に向ける強い敵意を含んだ視線をビンビンに感じているのだ。場所は1つ左の1番後ろの席からだ。自分たちは彼女になにかしたのだろうか・・・・・・

 

 

 

 

「────────であるからして、ISの基本的な運用は、現時点で国家の承認が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合、刑法によって罰せられ────────」

 

隣を見ると一夏は教科書を1枚めくるが、全く理解できないと言いたげな顔をしている。

彼の名誉を守るために伝えるが、別に彼は頭が悪いわけではなく、むしろかなりいいと言えるだろう。中学の時の成績は大体10番以内にはいただろう。

一夏は右隣の女の子を、じっと見つめている。その時、窓際の一番前の席からもの凄い恐怖を感じる。言わずもがな箒なのだが、一夏は一夏で必死なために気づいていないみたいだけどね。

 

「織斑くん、何かわからないことがありますか?」

 

山田先生の教え方がうまいのか1度目を通しただけだが、頭にすんなり入ってくる。確かに覚えていることではあるが、それでも流れるように理解できるのは教え方が上手いのだろう。

そんな一夏を見かねたのか教鞭を振るっていた山田先生が声をかける。

 

「わからないことがあったら訊いてくださいね?何と言っても私は先生なんですから」

 

若干、胸を張りながらそう言うが、一夏は全く余裕がなさそうだ。きっと自分でどこがわからないのかすらも解っていないのだろう。

 

「先生!」

 

「はい、織斑くんっ!」

 

一夏がやる気と何かを決意したような眼差しで山田先生を見る。それにつられ、山田先生もやる気を孕んだ声で応える。

知ってるよ、これ。これは一夏の悪い癖が出る前のことだって・・・・・・

 

「ほとんど全部わかりません!」

 

「・・・・・・ぜ、全部、ですか?」

 

あぁ、やっぱりやっちゃったか・・・・・・

純度100%の困惑した顔でそう聞き返す。

 

「きもつ────────」

 

ビクンッ!と震えた自分を見た山田先生はさらに困惑。

「ち、違います!家で全部理解してきたので大丈夫です!」と返したかったのだが、実際はと言うと・・・・・・

 

「え、いや、あの、えと、その、ち、違くて、ご、ごめ、ごごごめんなさい」

 

全力でガクガクブルブルと震えながらこう答えることしか出来なかった。

しかしここで千冬さんから、自分にとっては助け舟、一夏にとっては地獄行きの片道切符を渡された。

 

「肝属は大丈夫だろう。どうせ、外にも出ずに参考書に齧り付き全部理解済みだろうからな」

 

・・・・・・助け舟ではあるけれども何故そんなことが分かるんですか?あ、今までの行動のですか。

 

「問題は織斑だ。入学前の参考書は読んだのか?」

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

一夏がそういった瞬間、パアンッ!と、今日1番の破裂音が教室内に響いた。

 

「後で、再発行してやるから、1週間で覚えろ。いいな?」

 

「えっ!?いや、あの、はい・・・・・・ガンバリマス」

 

聞き返した途端、千冬さんに睨まれ引き下がる一夏だった。

 

「ISはその機動性、攻撃性、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういう『兵器』を深く知らずに扱えば、必ず事故が起こる。そうならないための基礎知識と訓練だ。理解しなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ。」

 

そう。千冬さんが言った通りなのだ。自分が今現在、この世で一番嫌いなのは女尊男卑という馬鹿げた風潮ではない。別にこの世の女性すべてが何を言おうが何をしようが自分にとってどうでもいい。外に出なければいいだけ話だし。ただ、ISをそういう『兵器』として扱っていることだ。元々、宇宙探索用のパワードスーツとして『篠ノ之束』博士が開発したものだ。千冬さんが『兵器』として見ていないのは知っている。しかし、ISという教育機関で教師として勤めている身としては、『兵器』として教えなければならない。仕方が無いこととはいえ辛いだろう。

 

 

 

 

結局、今のISの在り方に辟易しつつ授業が終わり休み時間を迎える。

すると、例のキツい視線の送り主がだんだんと近づいてくるのがわかる。

 

「ちょっとよろし────────」

 

「ヒィッ!」

 

「えっ?あの・・・・・・」

 

「やめっ、来ないで、うあ、うああああ・・・・・・」

 

「ごめっ、ちょと待ってて!」

 

一夏がこちらに気付いて声をかけてくれる。

 

「おい、大丈夫か?落ち着け、ゆっくり呼吸をしろ、ゆっくり、そう、ゆっくりだ」

 

ただならぬ雰囲気に周りにいた女の子たちがこちらに目を向けくてる。自業自得ではあるが胃が痛くなってきた。

 

「え?あ、あの・・・・・・す、すみません」

 

「おい、秋磨。大丈夫か?謝罪された時はなんて言うんだ?」

 

「だい、じょうぶ・・・・・・自分も、ごめん、なさい。急に、驚か、せて」

 

一夏の言うことは完全にオカンのそれではあるが、一夏と一緒に秋磨を介抱していた箒は別の意味で衝撃を受けていた。

 

「・・・・・・本当だ。一夏の言う通りかなり改善されている。秋磨、頑張ったのだな」

 

「うん・・・・・・千冬さんの荒治療のお陰かな?」

 

まだ気分がすぐれないけどなんとか返事を返すことが出来るまでは回復できた。2人ともありがとうね。

 

「え?今のでかなり改善・・・・・・?」

 

「昔ってどんな感じだったんだろう?」

 

「人に怯えて蹲る秋磨くん・・・・・・ジュル」

 

そんな声が聞こえてきてしまったため、また震えだしてしまう。最後の人には絶対に近づかないでおこう。

 

「ンンッ!仕切り直しますわ」

 

「あ、あぁ、うん。じゃあ・・・・・・どういうご要件で?」

 

「まぁ!なんですの、そのお返事。私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではなくて?」

 

「わるいな。俺、君が誰か知らないし」

 

ムッとした一夏は機嫌が悪くなったのを隠そうとしない口調でそう返す。実際、一夏はこういった手合いが嫌いなのだ。

 

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリス代表候補生にして入試主席のこのわたくしを?」

 

名前は今初めて知った。覚えた方がいいのかな?多分覚えた方がいいよね?でも、覚えていて名前を呼んだだけでも「この屑が、わたくしに話しかけるなんてなんて無礼なヤツ!なんて無礼なヤツ!」って言われていじめられるんじゃないか?あぁ・・・・・・本当に胃が痛くなってきた。やばい、吐きそう。

 

「あの、代表候補生って何ぞ?」

 

これには周りにいた女の子たちも大きな衝撃受けていた。何人かは椅子から転げ落ちるような大きな反応を見せている子たちもいる。

 

「い、一夏?字を考えれば分かるだろう・・・・・・?」

 

箒もこれにはあまりにも大きい衝撃だったらしい。声が震えているしね。

 

「信じられませんわ。極東の島国というのはこうまで未開の地なのかしら。常識ですわよ、常識。テレビがないのかしら・・・・・・」

 

「で?何それ?」

 

「その国のIS操縦者に選出される候補生のことですわ。いわゆるエリート、と言えば解りやすいでしょう」

 

「なるほどなぁ」

 

「わたくしよのような選ばれた人間と、クラスを同じくするだけでも幸運なのですよ?それを理解していただける?」

 

「そうか。それはラッキーだ」

 

「・・・・・・馬鹿にしてますの?」

 

さっきから空気が悪い方向へ行っている。ぐおぉぉ・・・・・・目の前でそんなギスギスした空気を出さないでよぉ。・・・・・・もう、胃薬ずっと机の上に出しておこうかな?

 

「まぁ、ISのことが解らないことがあれば、まぁ・・・・・・泣いて頼まれたら教えて差し上げても良くってよ。なにせわたくし、入試で唯一、教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

「入試ってあれか?ISを動かして戦うやつ」

 

「それ以外何がありますの?」

 

「あれが倒したことになるのなら勝ったぞ?」

 

「は?」

 

そう、一夏は倒したのだ。まぁ、山田先生が突っ込んできて一夏は避けてだけだったのだが。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女子だけはっていうオチじゃないのか?ていうか、秋磨は完全に真っ向勝負で勝ってたぞ」

 

すると、一夏が燃え盛る炎の中にかなりの質量のTNT爆弾を突っ込む真似をした。ビクンッ!と震えた自分を箒は様子を見るために自分の顔を見た。その時の箒の顔は恐怖やら困惑やらが混ざったような顔をしていた。

 

「い、いい一夏?秋磨の顔を見ろ」

 

「え?・・・・・・あっ」

 

後で話を聞くと絶望に顔を染め、目のハイライトがどこかに飛んでいったような顔をしていたという。

 

「あなた!あなたも教官を倒したっていうの!?」

 

「あっ、馬鹿!」

 

バンッ!と自分の机を強くた叩き迫ってきた。その時に、(自分の胃の)限界がきた。

 

「・・・・・・ゴフッ」

 

すると、口から何か赤い液体状のものが出てきた。口の中には鉄のような味が広がっている。あっ、セシリア・オルコットさんの顔に赤にのが付いてしまっている。ごめんなさい。あれ?意識が朦朧としてきちゃった。目の前もだんだん暗くなってきたし、どうしたんだろ。

周りが騒然とし始めた時にはいつの間にか、秋磨は意識を失っていた。

 

 

 

 

余談ではあるのだが、このセシリアとの件で自己紹介時の織斑千冬の言葉の意味をクラスの全員が正確に把握した模様。さらに付け加えるのならば、その時に見に来ていた生徒たちの働きにより学園全体に伝わり『肝属秋磨を温かく優しく見守り隊』なるものが結成された。ちなみに非公式ながら多くの生徒がその隊員であり、その生徒たちの働きにより運営が行われ、秋磨の安全は意外と強固なものになったという。




うごごご・・・・・・あと143文字で5000字に届くのにぃ!5000字以上かける人がとても羨ましいですね。

さて、遂に血を見ることになる理由がわかりましたね?織斑先生は過保護すぎるんですよ。べ、別にこういう織斑先生が好きなだけでは・・・・・・はい、好きです。
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