それと、ルビの打ち方、どうやったら上に持っていけるのかわからないんですよね。説明は見たのですが説明通りにしても文字の横に小さく出るだけなんですよ。魔法科高校の劣等生でやってみたのですがやり方よくわからないんです。
まぁ、そんなことは置いておいて、遅くなりましたが読んでいただけると大変ありがたいです。
「なぁ、箒。いつまで怒ってるんだよ」
「怒ってなどいない」
「すごく不機嫌そうなんですがそれは」
「生まれつきだ」
今、自分は一夏と箒と一緒に『食堂』で食事を摂っています。え?メニュー?自分の朝食はかき玉汁に雑炊。胃に優しい食べ物しか自分は食べたらダメだとお医者さんからドクターストップが出されているからね。えっ?甘い物の食べすぎで胃がもたれて悪いじゃないのか?いえいえ、そんなわけないじゃないですか。甘味とは自分にとって胃薬同様なくてはならない存在なのです。糖尿病?いえ、知らない子ですね。お医者さんが言うには、自分は糖を分解する働きを持つ酵素が人よりも異常に多く、しかも、体に何の悪影響も及ぼさないという謎現象。お医者さんが「あぁりえないぃ」と、どこぞのカードゲームの顔芸みたいに声を震わせていたのを鮮明に覚えている。でも、こんな体で良かった。甘いものが食べ放題なんて羨ましいでしょ?え?そうでもない?ごめんなさい・・・・・・
未だに一夏と箒はいい合いを続けています。一夏に『女の子と同居!あんな事にならないかな?こんな事にならないかな?ドキがムネムネ!』何ていうのは期待するだけ無駄なんだよね。
「ねぇねぇ、彼が噂の男子だってー」
「なんでも、あの千冬お姉さまの弟らしいわよ」
「あれっ?もう1人の男子はどこにいるの?」
そう、一緒に食べているはずの自分はバレていない。なぜなら気配を完全に絶っているから。極限まで自分の影を薄くするこの技術を身につけるまでにかなりの時間を要した。1度視線を外すと誰にも認識されないこの技術にも弱点はあり、ずっと見られているとこれご発動できない。それと、幼馴染には効かないということ。
「お、織斑くん、隣いいかな?」
「へっ?」
ど、どどどどうしよう。ここここのままでは自分の存在がバレてしまう!解決方法はな、何かないだろうか・・・・・・いや、アセロラアセロラ。もとい、焦るな焦るな。まだ間に合う!
「あれっ?肝属くんは?」
「・・・・・・っあー、えっと、その、なんと言うか、なぁ?箒」
「う、ううむ、なんと言うかだな、うん、なぁ?一夏」
「「「?」」」
もうダメだー!少しずつ自分の隣に近づいてくるもん!オワタ・・・・・・
「いるって言ったらいるんだけどいないって言ったらいない、みたいな?」
「そ、そうだ!そんな感じだ!」
核心突いてるよそれ!誤魔化してないよ!こっちに近づけせないように、あ、あぁぁ!
「まぁ、なんだ?そこに座ればいいだろう」
こんなことを言い、自分が座っているところを指す。すると、一夏が小さく「おいっ!」と、言ったところで箒は「しまった!」というような顔をしている。せっかく静かに───2人の言い合いを除けば───朝食を摂っていたのに・・・・・・
そんなことを考えていても、こっちに近づいているわけで。
「ひうっ!」
「うわっ!?って肝属くん!?」
3人のうち、1人が空いているよう『見えた』席に座ろうとしたことで秋磨の体と女の子の体がぶつかってしまった。そのことで秋磨は認識されてしまうわけで。
「ひゃあっ!?」
「いつからそこに!?」
もちろん驚かれる。一夏と箒が「あちゃあ・・・・・・」とでも口にしそうな顔で手を額に当てている。君たちにも非はあるんだよ?もちろんこんな性格の自分が悪いことはわかってるけど。
「あー、ごめんね?秋磨くん」
「い、いえ、こ、こちらこそ、こんなところで、食べ、ててごめん、なさい」
「「「「「・・・・・・」」」」」
ガクガクブルブル震えながら自分がしゃべるとみんな沈黙してしまう。空気が重すぎて胃が・・・・・・あ、自分のせいだ。ほら、やっぱり自分はみんな迷惑かけてる。不快に思われたのならば責任を取ってHARAKIRIしなきゃ。
「そ、そんなことより、女子ってそれだけしか食べないで平気なのか?」
気を利かしてくれた一夏。本当に助かります。あのままの空気だと自分が死んでる未来しか思い浮かばないからね。けれど、自分の隣のことは考えようよ。箒が不機嫌になってますよ?
「わ、私たちは、ねぇ?」
「う、うん。へいかな?」
「私はよくお菓子食べるからね〜」
最後ののほほんとした空気を発する女の子は体重はプラマイゼロ、いや、むしろプラスなのでは?
「・・・・・・織斑、私は先に行くぞ」
「ん?あぁ。また後でな」
ほら、不機嫌になっちゃった。箒は運動部なんだし人よりも多く食べるのに『女子』って言って箒のことを考えないからそうなるんだよ。3人の女の子も割と本気で怯えているし。
「ふ、2人とも、昨日も喋ってたけど篠ノ之さんと仲がいいの?」
「織斑くんは同じ部屋だって聞いたんだけど・・・・・・」
「あぁ、まぁ、幼馴染だしな」
一夏はさも当たり前のように答える。まぁ、その通りなのだから当然なんだけどね。でも、箒からしたらただの幼馴染ではないんだよね。
しかし、周りにいる女の子は大いにどよめいている。食堂にいた女の子たちは秋磨たちの会話に聞き耳を立ていたようだ。
「え、それじゃあ───」
と、周りの女の子の1人が質問しようとしたところで突然手を叩いた音に食堂は支配され静まり返る。
「いつまで食べている!食事は迅速に摂れ!遅刻したらグラウンド10周の刑に処すぞ!」
えっと、IS学園のグラウンドはたしか・・・・・・1周あたり5kmのはず、だったよね?
「(一夏には悪いけど先に帰らせてもらおう!)」
「い、一夏。さ、先に帰ってるね」
「お、おう・・・・・・」
2時間目が終わった時には既に一夏はグロッキー状態になっていた。でも、今は腕を組みながら頭を悩ましているがしっかりと教科書を見ている。いや、眺めてるように見える。眺めてるだけでは勉強にならないよ。
しかし、そんな一夏が状況でも授業は進んでいくのは、もうこのクラスの日常になってしまっている。
「そういうわけで、ISは宇宙での作業を想定して作られているので操縦者の全身を特殊なエネルギーバリアで包んでいます。また、生体機能も補助する役割があり、ISは常に操縦者の肉体を安定した状態へと保ちます。これには、心拍数や脈拍、呼吸量、発汗量、脳内エンドルフィンなどが挙げられ───」
「先生、それってとても危険なように感じるんですけど大丈夫なんですか?体の中を無理矢理にいじられてるみたいで怖いんですけど・・・・・・」
クラスメイトの1人が尤もな疑問を呈する。
脳内エンドルフィン。たしかこれは、脳内分泌のホルモンような物質で、性質としては療養麻薬の6.5倍の鎮痛作用。人の欲求を満たすことにより分泌され、快を与える───はず。
ISに乗ることで自分が何でもできる、万能感を感じてしまう、このような人がいると聞いてるけど自分はこのことが原因なのではないかと思ってる。本当は別の問題が原因かもしれないし本人の性格の問題なのかもしれないけれどね。
「そんなに難しく考えなくて大丈夫ですよ。そうですね、みなさんはブラジャーをしていますよね?サポートはすれど悪影響はないですよね?もちろん、自分に合ったサイズのものを選ばないと型くずれしてしまいます、が・・・・・・」
そこまで言って気づいたんだと思う。自分は『ブラジャー』という単語が聞こえた時点で顔をしたに向け、耳を手で塞ぎ音を遮断することにした。だって恥ずかしいもん。自分の顔がトマト並みに赤くなっていることは簡単に想像できる。だから、こっちに視線を向けないで、くださいぃ・・・・・・
「んんっ!山田先生、授業の続きを」
「は、はい!」
一夏から肩を叩かれ助かったことを確認。これ以上視線に当てられていたら血が出てくるところだった・・・・・・ここ最近になってから、何回もストレスで死にそうになってるこの現状をどうにかしないと。
「そ、それと、もう1つ大事なことはISにも意識と似たようなものが存在していて、お互いの対話───つまり、一緒に過ごした時間でわかり合うというか、えっと、その、操縦時間に比例してIS側も操縦者を理解しようとします。なので、間違っても道具として扱ってはいけないのです。ISは私たちの良きパートナーとして認識しましょう」
すると、すかさずクラスメイトが挙手し、質問する。
「せんせー、それって彼氏彼女みたいな感じですかー?」
「そ、それは、その・・・・・・どう、なのでしょうか?私には経験というものが無いのでわかりませんが・・・・・・」
チラチラと自分と一夏の方を見てくる。クラスメイトの女の子全員も。しかし、そんな中意外な人物が自分に目を向けている。
千冬さんまで・・・・・・やめて、見ないで、これ以上はきついんですよ・・・・・・あなたいつもは止める側じゃないですか。このままだと胃がやばい。
キーンコーンカーンコーン
メキョ!バキョ!ベキ!ゴキュ!
チャイムと同時に胃が出してはいけないような音が鳴り響く。これにはクラスメイトや山田先生、千冬さんまで驚いたようだ。胃薬どこだっけ?・・・・・・あ、口の中血の味がする。
事態が収まったあと、一夏は女の子たちに囲まれていた。おかげで近くにいる箒の謎のプレッシャーによって回復したばかりの胃にまた負担がががが・・・・・・
そんな中、女の子の1人が一夏に触れてはいけない質問をした。
「千冬お姉様って、ご自宅ではどんな感じなのか教えてください!」
一夏、これには素直に答えるな!
「えっ?案外だらしな───」
「(志村後ろ!)」
と、人がある状態では言えないので心の中に留めておく。心の中で叫んでも届くはずはないのでもちろんこうなるわけで。
パァンッ!
「休み時間は終わりだ小娘共。ん?こいつみたいになりたいか?」
そう言っていた顔はとても綺麗な笑顔だったんだけど、なんと言うか笑顔という別の何かだった。
「ところで織斑、肝属。お前らのISだが、準備まで時間がかかる」
「へ?」
「?」
「いや何。もともと学園側でお前らには専用機が渡されるはずだったんだが遅れている。肝属のは織斑のあとになるらしいがな」
え?なんでそんなことするの?テストパイロットであることは考えたらすぐにわかること。けれど、考えてみて欲しい。通常、テストパイロットに選ばれるのは、それなり以上の実績があり、国家や企業、などといった大きな組織に所属していなければ無理だろう。ましてや、自分と一夏は代表候補生でもない。自分たち2人は男性パイロット
「・・・・・・貝になりたい。貝になって暗い海の底で誰にも合わずにゆっくりとひっそりと一人の世界で暮らしていたい」
「どうした!?」
一夏の声が教室に響くがなんかもう、どうでもいい。
「あぁ、もういい。放っておけ。それより織斑。お前はわかっていないようだから教科書の6ページを音読しろ」
一夏が千冬さんに言われた通り教科書を読み上げたことを纏めると、こういうことだ。
現在、世界中に存在しているISの数は467機あり、そのすべてのコアは『篠ノ之博士』によって作り出されてもので、未だに解明されておらず博士本人にしか作れない。しかし、博士はこれを作ることを拒否しているためこれ以上増えることは無い。
もっと詳しく言うのであればその、全てのコアを、各国家、企業、組織、機関に割り振り使用されている、とのこと。さらに、322機は実戦配備されていて、145機が企業や、国家機関に使用され、研究されたり専用機となっている。しかし、その145機のうち数十台はIS学園の訓練機として配備されているため、実際はもう少し少ない。
そんなこんなしていると話の流れが変わり箒が篠ノ之博士の妹であることが千冬さんの口から暴露されてた。いや、正確に言うともしかして・・・・・・→そうだ。という流れ。今は昔と違い、姉との仲は良好だから箒が「世界を騒がして申し訳ないが、あれでも私の自慢の姉なんだ」と大人の対応。これには千冬さんも微笑んでいた。しかし、姉嫌いが治って良かったと思うよ。箒は良くも悪くも頑固だからね。
「安心しましたわ。訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」
休み時間、急に声を掛けられて秋磨の体が跳ねる。構えていてもなんの意味もないとは秋磨談。なんともまぁ、不便な体質である。
「で、でも、じ、自分は、訓練機、です。はい」
「・・・・・・」
セ、セシリアさんは何か言いたげにこちらを睨んで来てる。やめて、ください・・・・・・胃が痛いんです。
「まぁ、あなたは仕方ありませんわ。けれど!それで手加減してもらえるとは思わない方が良くてよ」
そう言い残してセシリアさんは自分の席へ戻り、授業の準備を始める。とても怖かった・・・・・・まだ手が震えてるよ。
「一夏、残念だったね」
「思い出させないでくれよ!というより、何でお前は箒に勝てるんだよ」
「・・・・・・一応、全国で優勝したんだぞ。なのに、動きがついていけなかった・・・・・・」
放課後、1人アリーナでISの練習をしていた秋磨を一夏と箒が探しに来て、道場へ移動し剣道の勝負へ発展。最終的には秋磨は全勝し、箒は秋磨に全敗、一夏に全勝。一夏は全敗という結果に終わった。
「まぁ、千冬さんとやってたからね」
「「えっ!?」」
「一番長くてどのくらい続いたかな・・・・・・たしか、20分くらいかな?」
「も、もはや剣道ではないな」
「千冬姉と・・・・・・勝負の結果は?」
「うーん、何回か負けてるけどだいたいは自分が勝ってる」
「それじゃあ、勝てる道理がないのも頷けるな・・・・・・」
肩を落としていた一夏と箒にそのことを言うと納得と言いたげな雰囲気を出す。そんなに自分は人外なのかな?
そんな会話をしながら2人と別れ、部屋に着く。入ろうとしたところ、中から少し大きめの声が聞こえてきたが何を言っているのかよく聞き取れない。結局、悩みながらとった行動はノックして部屋に入ることだった。
「し、失礼しま「自分で制作しますからもういいです!」ピィッ!」
秋磨の悲鳴に気付き、しまったと言いたげな顔をすぐに隠そうとするがその目には涙が浮かんでいる。きっと、簪に悲しいことでもあったのだろう。
「ど、どどどどどうしたの!?」
「ひゃあっ!?」
「ひぃぃ!?」
ここで自分の悪い癖が出てしまう。昔から一夏と一緒にいたせいか、感化されてしまったのかもしれない。困っている人を放っておけない、おせっかいな人間らしい。なんとも、この性格と矛盾したおかしなことだけどね。
簪は、いきなり近づかれてあんなテンパり具合で「どうしたの!?」なんて言われて驚かないわけがなく、これがもし秋磨だったら大変なことになっている。簪が悲鳴を秋磨の近くで上げてしまったため秋磨もそれに驚き悲鳴を上げる。なんだこれ、よく意味がわからなくなってくる。
「・・・・・・ふふっ」
更識さんは微笑んでいる。きっと自分のさっきの悲鳴だろう。かなり恥ずかしい・・・・・・
「心配してくれてありがとう」
その言葉とともに見た笑顔は、つい先程今にも泣きそうだった時とは違い、嬉しさなどが混じった綺麗な笑顔だった。
その後、簪を落ち着かせるために温かいココアを作り、飲み終わってから電話の内容が伝えられた。
つまり、彼女の専用機をもともと作るはずだった『倉持技研』は自分と一夏の専用機を作る方を優先することを選択し、それもいつ完成するか、目処が全くたっていない状態らしい。
しかし、1つだけはっきりしたことがある。『いつ完成完成するか、目処全くたっていない』。ということはどう考えても───
「自分と一夏データ取りと解析などに人員が割かれることになると思う。その、自分たちが原因なのには、変わらない、よね。だから、ごめん、なさい。このことは一夏にも伝えて、おこうと思うん、だけど、どうしたらいいのかな?」
「もう、自分で作るって啖呵切っちゃったから・・・・・・」
「えっ?いいの!?自分で作っていいの!?」
出来ることならしたい!自分のISを自分で作りたい!機体構成?それはもちろんACfaの機体をモチーフにするさ!
「ごめん!自分今から行くところができた!」
そう言い残し、秋磨は急いで千冬のところへと駆け出していった。
「・・・・・・急にどうしたんだろう?」
その呟きは開いていた窓へと吸い込まれ遠くの空に混じって消えていくのだった。
翌週の月曜日。みなさん今日は何の日でしょう。正解は自分の胃痛の原因の日です。胃薬がなかったら自分はもうとっくにこの世を去っていたことでしょう。
つい先程、同居人である更識さんと、その親友の布仏さんに「頑張って」って言われた。あまり、そうやって緊張させないで欲しいのです。これも胃が痛くなる原因の1つなので。
更識さんとは、一週間前のISの件でかなり───そう思っているのは秋磨だけで実際にはほんの少し。───話が増えた。彼女の少し内気な性格もあって、普段はお互いに必要なパーソナルスペースをしっかりと弁えていて自分の相部屋の同居人としては理想の相手だ。
布仏さんは割とぐいぐい来るのだが本当に(胃が)辛くて身を引いて欲しい時はきちんと引いてくれる。しかも、彼女の発する、まさに小動物系のほほんとした空気が相部屋にいるとリラックスさせてくれる。あれはいい。一家に一台は欲しい。ん?「いちか」に1台。なんちゃって。あぁ、きっとこういうのも一夏のせいだ。
「一夏、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。秋磨も一緒に特訓したんだし、あとは俺たち次第だよ」
今か今かとそわそわしている一夏に箒が声をかける。一夏はまだ後だろう?今そわそわしていたら後で緊張で死ぬんじゃないだろうか。現在の自分がそうです。本当に痛い。もちろん胃が。だって、アリーナの真ん中で戦うわけですよ。周りには観客席。どう考えても集中できる要素がない。
けれど、現状できるIS関連の特訓してきたつもり。現在自分はラファールという機体に乗っている。この機体を選んだ理由は、自分が作ろうとしているISの基本コンセプトが、つまり、後付け武装の第二世代機と似ているからだ。
ISのことについて、あの後千冬さんのところへ行って事情を説明すると、「どんな理由で説明する気だ」と聞かれたため、「更識さんのが後回し、そして、目処が立たない状態ということは自分もその可能性があり、実際には一夏のデータの解析などでこっちに手が回らない可能性が高い」という尤もらしい理由を使った。事実なだけに向こうは反論できないだろう。
「まだ、一夏のが来ないね」
「仕方ないだろう。正式に発表があったのは約一週間前だ。多少の遅れなどを考慮してお前を先にしたんだ。もちろん、準備はできているだろうな?」
自分の呟きに千冬さんが答える。けど、そんなに自分を苦しめようとしないでください・・・・・・本当に冗談じゃないくらい胃が痛いんですよ。
数分してからか、急にピットの扉が開き、山田先生が駆け足でやってきた。いつも異常に慌てている。ということは・・・・・・やっと届いたかな。
一夏はそんな山田先生を落ち着かせるという名目でからかっている。
「一夏、後ろ・・・・・・」
声に出せたはいいが、如何せん声が小さい。よって一夏に届くこともなく───
パアンッ!
勢いよく頭を叩かれるのだった。
「目上の人間には敬意を払え。この、馬鹿者が」
「千冬姉・・・・・・」
「織斑先生と呼べ。学習しろ。できなければ死ね」
なんという言葉だ。間違っても身内に言う言葉ではない気がする。一夏がそのことに対して何を考えたのか分からないけど、千冬さんは見合いがどうこう、結婚がどうこう、と言っていた。
「山田先生、一夏の機体が来たんですか?」
「そ、そうでした!来ましたよ。織斑くん専用のISです!」
箒が一夏の機体見たさにシビレを切らし真耶に質問する。真耶はここに来た理由を一夏のせいで忘れていたようだが。
「秋磨。今から織斑のISの『初期化
「は、ははいぃ・・・・・・」
声が震える・・・・・・今から土下座すれば間に合うかな・・・・・・そう言えば自分、巻き込まれただけだもんね。
「秋磨、頑張って来い。お前なら行ける」
箒やめてよ!そんなこと言われたら胃がシクシクするんだから!
「応援してるからよ。勝てるさ、秋磨にならできるさ」
だから、そういう風に期待しないでよ・・・・・・胃が本当に死ぬ。やばい。あっ、胃がズキズキしてきた。
「肝属くん!頑張ってくださいね!」
「ヒィッ!?」
い、いきなり大きな声出さないでください・・・・・・胃に響くんですよ。
「あー、そんなに緊張するな。入試通りにやればいい。お前は巻き込まれただけだからな。負けても文句はないさ」
自分の味方は千冬さんだけらしい。一夏と箒、怨むよ。
「い、いいい行ってきます・・・・・・」
やはり、機体になれておいてよかった。
身体を僅かに傾けるだけで浮き上がりその方向へ進む。
それにしても胃が・・・・・・
ゲートが開放され、ピットからそろそろと出る。あまりにも派手な出方はしたくない。注視されたくない。
今、身体はセシリアさんと向き合っている。けれど、顔と心はそっちに向いておらずハイパーセンサーによって観客の顔がはっきりと見えてしまっていることに意識を持っていかれて、胃が痛み始めている。あぁ、ヤバい。胃薬がない。終わったら速攻胃薬コース確定してしまった。
「よく逃げずに来ましたわね」
その言葉をかけられて初めて、セシリアさんへと意識を向けた。
「それにしても、その恰好ふざけてますの?普通のスポーツウェアじゃありませんか。何のことわからない貴方じゃありませんわよね」
「こ、これは、自分、専用のやつ、だから・・・・・・」
「まぁ、いいですわ。では始めましょうか」
その言葉とともに───
『試合、開始!』
───クラス代表決定戦は始まったのだった。
はい。いつの間にかお気に入りの数が60超えていました。始めた当初はぜってー読んでくれる人そんなにいねーよ。なんて思っていたのですが、こんなにお気に入りしていただけるととても嬉しいですね。UAも2000超えてて驚きました。
大変烏滸がましいことかとは存じますが、批評などなんでもいいので感想を書いていただければ励みになります。
次回は早く出来るといいなぁ・・・・・・(フラグ)
そんなことより本文の文字数があともう少しで9000でした。頑張りました。