舞姫   作:匿名コメは手加減って悪口言われるの前提?

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国境の関所を襲う闇の者達侵攻、意識の戻らない精霊の巫女を守る戦士達が今立ち上がる


火と水と女神②

「この子が敵襲だって言っているような気がして仕方ねえんだからしょうがねえだろがっ!疑うならこの子の手に触れてみな!」

鬼百合が差し出した命の手に精霊との契約者の刻印を見つけた隊長は廊下に飛び出し

「第一級の警戒体勢を取れっ!」

と大声で命じ部屋に戻り二人を指令室に伴い善後策を練ろうとした

だかそれでは間に合わないとばかりに目を閉じたままの命は宙に浮き

ーレム、それと貴女は鬼百合と言いましたね?真琴達には既に屋上に集まるように伝えてありますから貴女達も急いで向かいなさい

隊長の貴女には兵に弓矢を用意させなさい

敵は毛玉達とそれに運ばれてくる腐った死体達と一体ごとの兵力は大した事はありませんが両者を併せて千を下らない無駄に多さですから油断大敵、矢をたっぷり用意するようにしなさいー

 

 

 

命、魔導師のローブ、バスタオル、旅装のマント

真琴、魔導師のローブ、魔剣黒竜炎、刀子

タンクトップと短パン、白いミニのワンピース、編み上げのサンダル

レム、皮鎧、銅の剣、ロングソード

鬼百合、胸当て、戦斧/深紅の胴丸、大太刀、太刀、脇差し、先尖鞭、ロングソード

阿、肩当て、武道着、拳鍔、木こりの斧

吽、肩当て、武道着、鈎爪、鉈

沙霧、山刀、槍、黒命、魔導師のローブ、バスタオル、旅装のマント

真琴、魔導師のローブ、魔剣黒竜炎、刀子

タンクトップと短パン、白いミニのワンピース、編み上げのサンダル

レム、皮鎧、銅の剣、ロングソード

鬼百合、胸当て、戦斧/深紅の胴丸、大太刀→黒い勾玉の大太刀、太刀二本、脇差し二本、先尖鞭

阿、肩当て、武道着、拳鍔、木こりの斧

吽、肩当て、武道着、鈎爪、鉈

沙霧、山刀、槍、ロングソード

千浪、皮鎧、刀子?本、大型タガーナイフ四本、狩猟用の弓、ソードブレーカー

黒蓮、武道着、剣鉈

潮、武道着、剣鉈

白浪、皮鎧、カットラス二本

波頭、皮鎧、カットラス、大太刀

翼、ミニのワンピース

チサ、ミニのワンピース

投網、背負子、行基、背負いかご

 

 

 

そう言って本人はそのまま櫓まで翔ぶように移動し未だ見えない敵に向かい…

ー八叉の黒竜炎っ!ー

と、呪文を放ち駆け付けた沙霧に投げ付けると

ーこの神剣、貴女に託しましょうー

そう言って更に

ー八叉黒竜炎っ!ー

と、呪文放ち

ーこれは貴女にー

そう言われた千浪が驚きながら受け取ったのは一対の小太刀で

ー八叉の黒竜炎っ!ー

と、三度目の呪文を放つと遅れてきた鬼百合に神剣を投げつけ

ー鬼百合のです、その代わり三人に頼みが有りますが鬼百合は黒い勾玉の大太刀をレムに渡しレムのロングソードは沙霧の勾玉の弓矢、千浪の大型タガーナイフ二本と共に私が預かり然るべき協力者に託すつもですー

 

 

その国境警備隊基地司令官の提案を聞いたレムも

「もしそれが許されるならば急いで命様を医者に見せたいのですが…」

そう言って鬼百合を見ると鬼百合の方も嵐と司令を見て

「みこを医者に見せてやりたい、頼む…」

そう言って頭を下げると

「遠慮は無しだ、精霊の巫女様の前でつまらん駆け引きや遠慮は互いに要らんだろう?」

そう言ってニヤリと笑うと鬼百合も同じくニヤリと笑って返し

「まぁそうゆー訳だから誰を付き添わせるよ」

そう鬼百合がレムに問い掛けると

「鬼百合、阿、白浪の三人にお願いしたいのですが…」

そう答えたので驚いた鬼百合が

「同行しないのか?、二人供お前も一緒の方が良いのだろうに…」

そう言われて

「自分達の勾玉を受け入れた貴女達に不満はないはず?それに鬼百合、真琴は貴女に対し戦士として尊敬の念を隠していないのだから同行してくれれば嬉しいはずです

それ故後は向こうでの受けの問題だろうが貴女はそれなりに名の通った賞金稼ぎなんだろう?」

そのレムの問い掛けに

「まぁその筋じゃちったぁ名の知れた姐さんさ」

そう苦笑いで答えると

「なら問題ない、私も貴女なら背中を預けて良いと思える戦士の貴女に命様を託せぬ訳はない

異界から来た私達にとり貴女に出会えたのは幸運としか言い様が無い」

「そんなこっ恥ずかしい事を正面切ってゆんじゃねぇーよ…だか、まぁあれだな?

アタイだって長年追い求めていた水の精霊の巫女と出会えてやっと運命を見出だせた今、アタイにとってもあの二人はもう大事な守りたい子達なんだからよ…わかった、二人の事は任せろ」

照れ臭そうに言われて安心した表情で任せると答えるレムだった

 

 

 

 

 

③公女宮の主人

 

驚異の身体能力と命から授かった水の翼のチカラを以て一行が大公の居城に着いたのは間も無く東の空が白み始める頃だった

「国境の砦から火急の用だ、入城の許可を頼む」

隊長の嵐がそう叫ぶと正門の横の通用口にある覗き窓から様子を見るた門番が嵐の顔を見ると驚いてドアを開け放ち相方に見張りを任せ

「嵐様、案内いたします」

そう告げる兵士の態度は明らかに一隊長に対するものではなく鬼百合は気付かぬ振りで済ませたがその理由はすぐに解った

鬼百合達と共に歩く隊長の嵐にいきなり抱きつき頬擦りする男が

「嵐…我が妹よ、兄はお前に会いたかったぞーっ!」

と叫んだからで最初は不意を突かれ狼狽えてた嵐も何とか気を取り直して

「大公閣下っ、客人や部下の前なのですよっ…お願いですからご自分のお立場をお弁えくださいっ!」

そう言われて渋々嵐の身体を離すと

「久し振りの兄妹の再会に大公閣下とは相変わらずつれないぞ…嵐」

そう言われて門番と鬼百合達を横目で見ると視線を反らし見ない振りをしてるのに気付いて溜め息を吐いて

「貴方は現職の大公で私は勤務中の一隊長に過ぎないのですから当然の対応ですっ!」

そう答えられて今度は大公の方が溜め息を吐き

「客人から話を聞きたい、客間の支度と医者の手配を大至急するように」

そう言われて後ろに控えていた侍女の一人が頷くと重ねて大公は

「眠っておられるお嬢様は貴き方なのだからくれぐれも粗相の無いよう頼む」

そう指示を与えると驚く嵐と門番を気にせず

「真琴…少しは休めたか?命を頼むぞ…」

命を気遣い様子を見守る真琴とその眠っている命を抱いている阿と白浪にもそう声を掛けると

「十分です…」

真琴は鬼百合に答え阿と白浪が黙って頷くと

「そうか、なら宜しく頼む」

大公に命じれた侍女に軽く頭を下げる鬼百合に

「畏まりました」

そう言ってお辞儀をして三人を客間に案内した

大公が侍女を引き連れ二人を執務室に案内し部屋に灯りを点けると

「御主人様はいつものでお客様には何をご用意致しましょうか?」

そう話すのを聞いた嵐が

「私には閣下と同じお茶を頼むが客人には酒と適当なつまみを頼む」

と答えると頷き退室した

「嵐、水の精霊の巫女様が私を頼っておみえになった…と、そう解釈してよいのだな?」

顔には出さないけど今度はさすがに驚きつつも

「さすが賢公の噂に高き歌の国の大公閣下、水の精霊とその巫女の願いを聞き届けてほしい」

そう言われて

「ひとつだけそなたに問う、そなたの目的、狙いはなんだ?」

探るような視線を感じなから聞かれた鬼百合は笑って

「そんなもの何もねぇ、アタイは水の精霊の巫女様がアタイを運命へと導くって宣託を受けてるから水の精霊の巫女の守護者になっただけだ

だから取り敢えずその巫女の明るい笑顔を見てみたい、早く冒険の旅を共にしたい…だな」

そう言われて

「成る程、きっと誰もが虜にならずにはいられない笑顔…だろうな…

あい解った…隊長、当面は水の精霊の巫女様とお連れの方達を頼む

後日大公家の重鎮達と共に詳しい話を聞きたい…で、宜しいかな?」

寂しそうに言う大公に

「あ、兄上如何なされましたか?」

と聞くと

「私がもっと若ければそれこそ自らが陣頭指揮を執るのに…そう思うとそなた達が羨ましくてな…」

寂しそうに笑う大公に

「巫女様が可愛いと思うなら…幼い現し身と裏腹に今尚人と異なる自分を忌み嫌い自分を否定してる巫女様を愛してやってくれ…温もりを与えてやって欲しい」

辛そうに言う鬼百合に

「良いのか?その様に振る舞っても?」

そう言われて

「自分は罪深き子、生まれてくるべきではなかった…生きていてはいけない子だったんだ…そう言ってる子にそれ以外の何が必要だ?」

本当に悲しそうに言う鬼百合に

「そうだな…あの淡雪の様に触れたら消えてしまいそうな第一印象は間違って無かった訳か…」

そう悲しそうに呟く大公に

「巫女様が可愛いと思うなら…幼い現し身と裏腹に今尚人と異なる自分を忌み嫌い自分を否定してる巫女様を愛してやってくれ…温もりを与えてやって欲しい」

辛そうに言う鬼百合に

「良いのか?その様に振る舞っても?」

そう言われて

「自分は罪深き子、生まれてくるべきではなかった…生きていてはいけない子だったんだ…そう言ってる子にそれ以外の何が必要だ?」

本当に悲しそうに言う鬼百合に

「そうだな…あの淡雪の様に触れたら消えてしまいそうな第一印象は間違って無かった訳か…」

そう悲しそうに呟く大公だった

 

この大公家には絶対もと言える暗黙のルールが存在する

女性の訪問者はまず何をおいても公女に訪問の挨拶をせねばならないだったのだけど当然の事ながら社交界に縁の無い真琴がそれを知るはずはなく…

居合わせる侍女も余り気の回る方では無くただ不安そうに眠っている命と治癒の魔法を使う真琴を祈るように見守っているだけだった

それでもただボーッと呆けているわけではなく滝のように汗を流し治癒魔法を妹に施す真琴の着替えと入浴の支度

入浴後の軽食や飲み物などはすでに準備してあり区切りの良いところで休憩すると約束を取り付けていた

侍女と阿が見守る中ひたすら治癒魔法を掛け続ける部屋に一向に挨拶に訪れない訪問者に業を煮やした公女自らかお出ましになったそれでも真琴は公女に気付く事なく懸命に治癒魔法を掛け続けついに魔力が尽きる…即ち真琴の精も根も尽き果て命の横に崩れ落ちた

大きく喘ぐ真琴に

「貴女の妹ですか?」

その公女の問い掛けでやっと訪問者の存在に気付いたけど霞む視界は相手の顔を認識できない真琴は

「は…はい、僕…いいえ私の唯一人の家族である妹の命で私の名は真琴…魔導剣士です…が、失礼ですが貴方様は?」

かろうじてそう訪ねる真琴に

「私はこの地を治める大公の娘、観月です」

そう名乗る観月に

「すいません、この世界の事を何一つ知らない私は貴女の事も知りませんでしたからだらしない姿をお目にかけ申し訳ない事をしました」

そう詫びて尽き果てた気力を更に絞り出そうとあがき身体を起こし命の胸に両手をかざし

「申し訳ないですが私は未だ命の治療を続けます…えっ?」

「脈拍が異常に早く不規則

おまけに魔力もとうに尽き果てているのではありませんか?」

自分の手首を握りそう告げる公女の言葉に

「真琴ちゃん、一段落したらお風呂に入り食事を摂ってくれるって約束をしてくれましたよね?」

侍女がそう言って真琴を見詰めるとその背後で阿も頷くのを見て

「う、うん確かにそう約束したけど公女様がおみえになられてるのに中座するって失礼極まりない…よね?」

そう答える真琴がはっきり言って入浴を嫌がってるにも関わらずその言葉を鵜呑みする侍女は

「汗臭い方がもっと失礼ですよ?」

と答えそのやり取りを苦笑いで聞きながら

「ならば貴女の状態を見れば一人では入浴も儘ならないでしょうから私も一緒に入りますし…」

観月の視線に応え

「私が貴女の入浴のお手伝いをしますから取り敢えずこの冷たい飲み物を飲んで落ち着いては如何ですか?」

そう言われて勢いを得た侍女が何かを言おうとしたのを視線だけで制し

「真琴…でしたね?貴女の入浴の間に命の方も汗を拭きシーツを変え服を着せておきますから心配は要りません」

そう言って部屋に居た侍女を見て

「貴女もそのつもりで支度をしてあるのでしょ?」

観月にそう言われて不安そうに

「は、はい…仰る通り支度は整えてありますし…こちらにいらっしゃる騎士様に命様のお着替えを手伝っていただけるようお願いもしてあります」

その侍女の答えに満足そうに頷き観月の後ろに控える侍女達も感心するように声をあげ目を細めその中の一人が

「観月様、私が彼女を手伝ってよろしいでしょうか?」

との問いに振り返る事無く

「任せます」

とだけ答えた観月たったけど言外に

「磨けば光る逸材、彼女の指導も併せて任せます」

そう言ってるのを読み取りその上で

「承知しました」

そう答え命の側に近付いた

 

脱衣室に案内され侍女の助けを借り服を脱いだ真琴の身体を見て息を飲む観月と侍女達

それも無理はなくあばら骨を始め痩せ細り骨が浮き出ているにも関わらず艶やかな肌の真琴の身体は不自然を通り越して異様と言っても良かったのだから…

勿論先程握った真琴の手首の細さからある程度の予測はついていたが観月の予測を遥かに越えていた

「この身体を見られるのを嫌がってたのですね?

弱々しく頷く真琴に

「貴女の溢れるばかりの生命力があればしっかり食事を摂り十分に睡眠をとればまたまだ成長期の身体は遅れを取り戻せますが…」

そう言って言葉をと切らせる観月に

「命そうじゃない…ですね?」

真琴の言葉に頷き

「酷なことを言うようですが命の身体には生命力はおろか生きたいと言う欲求…意思すら感じられません」

その主の言葉に焦る侍女達に首を横に振って

「良いんです、その事なら私も本人から直接言われて知ってるしそんな事を言ってるみこがどうしたら生きたいと思ってくれるのかって悩んでますから…」

その真琴の独白に

「医師でない私には解りませんが真琴ちゃん…命ちゃんは何故生きてたくないと言ってるのですか?」

そう聞かれた真琴は

「私達は何故知らず物心つく前から迷宮で動く石像に育てられました

命はその全ての原因が自分にあり私はその巻き添えなのだと…

そんな自分が私の側に居る…生きてること自体が罪であり決して許されるはずがないのだ…

そう言って生きながらにして生きる事、自分が存在する事を忌み嫌い否定しながら生きてきました

ただ私達が捨てられた原因の黒き魔力が命の死を望む思いと裏腹にその不摂生にして不健全な生き方が更に魔力を高めた結果命は死とは程遠い魔導師の高みへ押し上げたのです」

真琴がそう告げると

「本人には遺憾なのでしょうが私達からすれば良くぞ無事に辿り着いたと喜ぶべき事ですが…

真琴ちゃん…今貴女に言えるのは貴女が辛そうな顔をしてたら自分の存在が貴女を苦しめた…

そう思ってる命ちゃんが今尚貴女を苦しめてる事実を知って生きたいと思いますか?」

侍女のその言葉に衝撃を受けた真琴が

「な、なら私はどうすれば…どうしたら良いんでしょうかっ!?」

そう聞かれた侍女は

「貴女が生きてる事を楽しむことです

笑顔でおいで…私と一緒に生きて

そう言わなければ説得力無いと私は思いますよ?」

そう言われて

「頑張るって…歯を食い縛るだけが頑張る訳じゃないって事なんですね…」

そう呟いて苦笑いする真琴に

「女神の岩戸隠れと言う話を知ってますか?」

観月のその問い掛けに疑問を持ちながらも

「いいえ、残念ながら知りませんが?」

そう答える真琴に公女は

「そうですね、余りにもの古き神代の物語ですから知ってる者の方が少ないでしょうが…」

そう言って暫くの沈黙の後に

「入浴後の休息の時にでも続きを話しましょう」

ぉらそう言って考え込む公女だった

 

「先ほどの話の続きですが…」

そう言って古より伝わる神代の話を風呂上がりに再開する公女々

「その昔…破壊の衝動に身を委ねる弟神達に大いなる怒りと深き悲しみに沈み岩戸に隠ってしまわれた輝神に呼応し天空の輝神もその姿を隠してしまい大騒ぎになった神

如何なる説得にも応じず耳を貸さない神々が困り果てていると笑いながら歌の女神が

ー歌いましょう、輝神の怒りを鎮めるために楽しい歌をー

その言葉に続いて舞の女神もー

ー舞いましょう、輝神の悲しみを癒す希望の踊りをー

そして二人の女神が声を揃えて

ーせっかく暗くなった今この時こそ宴の時です、共に浮かれ騒ぎましょうー

その二人の女神の誘導で始まった宴は輝神の本質を突いた二人の女神の目論みどうりいつのまにか岩戸から抜け出した輝神が主役となって大騒ぎになった

…それが私の知る神の岩戸隠れです」

そう言って溜め息を吐く公女に

「そうですね、岩戸に隠ってしまいになられた女神様と自分の殻に閉じ籠ってしまいアクエリアス様の声にも耳を貸さないみこ…

今の命が何に興味を示すかは解らないけどまず私が楽しまなきゃ命の気は引けませんよね?」

やっと納得した真琴に笑顔がでると内心

(観月様、かなり話がずれてますよ…大筋は間違ってはいませんが…)

と、言う苦笑いは胸にしまい

「先ずさしあたってですが観月様、真琴ちゃんの衣装、私が揃えて宜しいでしょうか?」

そのユイの発言を聞いて

「ユイ、抜け駆け反則」

と、言われたユイが

「デザイナーの貴女達は真琴ちゃんや命ちゃんのドレスをデザインすれば良いじゃないですか?特に命ちゃんはレディメイドの服はサイズが合わないでしょうから…

全ての服がオーダーメイドでないといけない上眠っていてさえ神秘的な姿の命ちゃんの衣装はいつにも増して気合い入れ無いとだめなんじゃないの?」

そう言われて改めて命を見る人達に

「命は精霊の巫女だから…約束したんです水の精霊アクエリアス様と…我が巫女と花の娘を守るって…」

観月と侍女達の表情が一変し

「貴女達は水の精霊様と会われしかも命は精霊の巫女…それに花の娘っ!?

ならば真琴、私達に頼りなさい…

この地は和泉の女神様と水の精霊様とが守りし水の都と呼ばれしこの地を納める大公家に訪れた水の精霊の巫女様…

私達はこの出会いが運命であると思いますから命の笑顔、私達にも見せてください…私達もその為の努力は一切惜しみません」

観月がそう言うと控えていた三人の侍女達も頷いた

「え、ですが…」

その展開についていけずに焦る真琴の声は全く聞き入れられず

「真琴と命の二人は例え父大公がなんと言おうとも公女宮並びに美月が保護しますっ!」

その力強い宣言に寂しそうな顔をする大公邸の侍女に

「貴女、名前は?」

と一言聞かれ

「わ、私の名はミナと申します…」

そう小さな声で答えると

「ミナですね、判りました…ユイ、ミナを二人の専属に固定するよう大公に進言を

ユカは当面ミナの支援(指導)を任せユカますから折角命の側付きになるのですから目が覚めた時の為の衣装の準備を色々進めておきなさい

ユウは真琴に社交界のマナーやダンス等々指導を任せますが…ただで施しを受けるのは気が引ける、そう言言いたそうな顔ですね?」

―その心配は要らない、二人の恩人の貴女達には多大な恩義が有りそれはこれから始まります―

一同の前に姿を表した花の娘がそう言って頭部を飾るバラの花を蔦ごと引き抜くと

ー些少ですがお納めください…ー

そう言って公女に薔薇を渡すとそのまま意識を失ってしまった花の娘の身体を抱き止めながら

「全く…なんと言うむちゃを…花の娘が命の…霊力の根幹たる花飾りをむしり採るなど自殺行為も甚だしい…

貴女にはモデルスタッフであり公女宮の見習い侍女を勤めてもらいますから気にしないように

ただ、命が目を覚ました時に美月のモデルスタッフを引き受けてもらえるよう説得に協力してくださいね…」

そう言われて

「わ、私なんかがモデルだなんて…そんな自信ありません…」

と狼狽える真琴を見ながら「真琴本人はこういってますが美月が誇るコーディネーターとデザイナー二人の意見を聞かせて上げなさい」

そう観月に言われて

「今から真琴ちゃんのコーディネートを考えると思うと当分は寝る間も惜しいくらいです」

ユイが嬉しそうにそう言えば

「私は当面命ちゃんの衣装を優先しますが真琴ちゃんの為のドレスについては思い付いた時にその都度デザイン画を書き留めておこうと思います」

ユカもそう言い

「私も水の精霊の巫女様に相応しいドレスとモデルスタッフならダンスパーティーのレギュラーになりますから…

真琴ちゃんの為のパーティードレスを急ぎ作りたいです」

そう言われて驚く真琴に

「と、言う事ですがなにか質問は有りますか?」

面白そうに笑う観月は更に

「真琴、貴女が社交界デビューを果たせばどんな騒ぎになるのか貴女には想像もつかないでしょうね」

そう言われて確かに全く想像のつかない真琴が不思議そうな顔をしていると

「まぁその時が来れば解るのだからその時を楽しみに待ちなさい…」

観月の話まを聞きながらうつらうつらとする真琴を見て阿に向かい

「頼めますね?」

と聞かれ「この程度の事などいちいち聞かずとも命ずれば良い

二人が世話になるのなら貴女方も我々の守るべき対象になるのだから力仕事荒事は遠慮なく使ってくれれば良い」

表情を変えること無く言う阿に

「二人の為協力しあいましょう、勿論貴女にも期待してますよ」

そう答えミナにも声を掛ける観月

と観月のその言葉に頬を紅潮させ感無量のミナ

命を中心に動き始めた刻

本人達は未だ知らない知らない事だけど闇の勢力への反撃の狼煙は今上がった

その翌日は真琴を連れ主に美月のスタッフを中心に公女宮の主要人物に紹介しつつ必要な物を揃えさせた

食事は取り敢えず自分達の部屋でミナ、ユカ、ユウに鬼百合と阿に白浪と共に済ませ

そして…夕食前に日課の素振りを済ませ浴室で汗を洗い流すと夕食も六人と摂る ことになった

そして一夜が明け早朝大公宮の庭を走り回り素振りと瞑想行を終えて部屋に戻ったのは夜明け間近の頃

「二人の少女達が回復したから貴女の仲間達も二人を連れてこちらに来ると連絡が有りました」

観月が鬼百合にそう話してるところで

「だそうだ、良かったな真琴」

鬼百合がそう声を掛けると

「貴女達のお友達?」

そう観月に聞かれ

「いいえ、ぼ…私が二人を見付けた時には既に瀕死の状態でしたから話した事も有りません

ただ抱き合って倒れている二人を見て私達と重なって見えたから助けたい、助けよう…そう思ったんです

だから二人の事は名前すら知らないんですよ…」

そう寂しそうに話す真琴に

「その事に関しては二日後の昼過ぎにはこちらに着きますからそれからの事

どのみち二人の事は考えてあげる必要があるのではなくて?」

勿論レム達もその例に漏れず真琴は真琴でその人達の反応に面食らっていた

言葉にすれば

「え…何この反応は?」

そんな感じだろうがそれを気にする者はなく

「この地に封印されし守り神たる和泉の女神と精霊達の封印から解き放ちたいと願うのはそなた達か?」

 

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