舞姫   作:匿名コメは手加減って悪口言われるの前提?

18 / 32
戦いの傷も癒えた舞姫の舞台の幕は開くって


風が舞う④

この一件で少年騎士の真琴の知名度はうなぎ登りとなり真琴に恋い焦がれる乙女達に事欠く事は無い状態になったのは喜ぶべきか悲しむべきか微妙なところではある

 

④唄うなら

 

遅めの夕食が終わる頃自室に戻った王妃の元に訪問者が現れた

ミナを伴った命で散々迷ったあげくの訪問だが王妃の自室前に着いて尚迷う命を他所に

「この様な夜分の訪問が失礼に当たるのを重々承知の上の厚かましいお願いを申し上げますが我が主人、命様のお目通りお願いできませんでしょうか?」

そのミナの声に反応した王妃は

「遠慮は要りません、入りなさい」

そう言って二人の入室を許可するとミナに案内された命はおずおずと口を開き

「今日みこね…りんちゃんのお母さん達のお手伝いしたんだ…海の中はとっても楽しかったんだよ…」

そう楽しそうに昼間の海での体験を話す命を見守っていると頭を下げたミナがどうやらお茶を酌みに行ったらしくその場を離れていくのが見えたので命を腰掛けるように促し辿々しく話す命の様子を暖かい目で見守っていた

命の話も後半に入り預けてあったそれをミナから受けとると

「形が歪だから市場に出しても大した値が付きませんから…ってゆわれて貰った生の貝を鬼百合達に食べて貰ったんだけど鬼百合が食べた貝からこんなんが出てきたんだ…」

そう言って命に見せられたのは淡いピンクパールで色、質的にはかなり上等な部類に入る天然真珠ではあってもサイズ的には一国の王妃が身に付けるにはかなり物足りないものと言わざるをえず

正直なところ命自身も恥ずかしくてその後に続く言葉を言いあぐねているのだった

「鬼百合がね、ゆったんだ…こいつは今日頑張って漁のお手伝いしたみこへのご褒美だから有り難く貰っときなっ♪って…

でも…みここーゆーのよくわからないから要らないってゆったら…」

そう言って一旦言葉を区切り

「なら大好きな人やお世話になってる人に贈ったらどうだ?って…」

そう言って再び口をつぐむ命を見ながら考え込む王妃は

「そう、それで私がその人に選ばれたのですね?」

そう問われた命が小さく頷くとその命の頭を抱き締め

「有難う…みこちゃん」

そう言われて真っ赤になった命に

「みこちゃんさえ良ければ今夜は私の部屋に泊まりませんか?」

そう声を掛けると何と答えれば良いのかわからない命がミナを見ると頷いて

「お寝間着お持ちしますから暫くお待ちください」

そう答え王妃にも待ってもらうことにして支度を急ぐミナ

着替えを終えた命を王妃の寝室に残してミナとマイは従者の控え室に待機する事にした

「今夜は私達も隣に控えますからご用が有りましたらお呼びください」

そう王妃に伝えて…

深夜に喉の乾きで目を覚ますと隣で眠る王妃の寝顔に驚いたけど王妃の胸にすがり付き再び眠りに落ちた命の寝顔は幸せそうだった

未だ臼ぐらい早朝に目覚めた王妃は声を出さずに涙している命に気付いた自分も喉の乾きを覚えていたため泣いている亊には敢えて触れずに当番の侍女をベルで呼んだ

現れたのはミナでも無ければマイでも無く本来の王妃付の今夜の当番の一人であるマキと言う侍女だった

王妃は知らない話ではあるけど歌の稽古の為早起きな命の為に着替えの支度を既に始めている

ミナは命の稽古の間は命の側で出来るユカの仕事をこなすのでそれの準備もあり命の側を離れていたのでマイに無理を言って王妃の呼び出しに応えたのだ

マキは残念ながら俯いてる命が涙を流している亊には全く気付く様子は無く

「私にはお茶と命にはほんのり甘いジュースを」

そう指示したのたけど侍女が持って来たのは命には大きすぎるグラスに冷たかっただろうジュースと熱すぎるお茶だった

(このグラスでは命には大きすぎる位解りそうなのに…)

「有難う、貴女はもう暫く休んでなさい…未だ夜明けには時間がありますからね」

そう言われて頭を下げて退出した

溜め息を吐いてそれを見送り振り替えると命は竪琴を抱え鼻唄を唄っていた

「さあ、ジュースが来ましたよ」

グラスを差し出すと竪琴を横に置き両手でグラスを受け取るとグラスの半分位を飲んでテーブルに置いて

「美味しい」

と、そう言って小さく笑う笑顔が可愛かったのだが…

夜が明けて暫く刻が経ちドアを叩く音がしてユイですと言う声が聞こえ許可を得て入って来たユイが難しい顔をして考え込む命に気付いて心配顔で何を悩んで居るか聞こうとしたら王妃に笑って止められ

「大丈夫、今日はお外に行けないから昼間どうして過ごそうかって考えているだけですから」

王妃からそう聞いたユイは

「ねぇみこちゃん、竪琴貰った人とお話ししてきたらどうかな?

それなら外出しないで済むから私が彼女の都合聞いてきましょうか?」

そう言われて

「でも…ユイさんだってお仕事忙しいんでしょ?」

そう聞き返すと

「大丈夫ですよ、忙しくなるのは朝食が済んでからですから」

そう答えると

「じゃ、じゃあユイさんに行って貰ってきて良い?」

駄目と言われたら泣き出すんじゃないかと言う表情で言われたら駄目とは言えなかった…勿論そんなつもりもなかったのだけど

まぁ、今日は大公領から使者が来るのだからあまり予定は入れてないから暇と言えば暇なのだから

「では朝の報告…何か変わった事は?」

「何も、少なくとも今現在はそのような報告は一切有りませんが一度執務室に戻り何もなければ楽士寮に行きます」

そのユイの答えを聞いた王妃も

「任せますが楽士に会いに行けると良いですね」

そう告げると

「ユイさんのお仕事の方が大事だから…」

 

そう心配そうに言う命に笑いながら

「失礼します」

そう言って出て行くユイを見送り命は習い覚えた曲のお復習を始め王妃はそれを聞きながらユイが置いていった書類に目を通した

戻って来たユイの報告は

「礼拝堂でお祈りしてますから宜しければ竪琴を持ってお越しください、午前中はそこで過ごしますから…」

だった

 

「お姉さんおはよー」

祈りを捧げているのを無視して抱き付いた命

「あれから竪琴の調子はどうですか?」

と笑顔で問い掛けると

「良く解らない…だけどみこの気持ちが解るみたいなの」

「そうよ、その子は弾き手の気持ちが音色に表れるのですからね

そういえば私はまだみこちゃんの唄を聞いた事なかったわね…良かったら何曲か聞かせて貰えますか?」

首を横に振り

「みこの方が聞いて欲しいの…みこの唄そんなにお下手じゃないって思う…でも、誰に感想聞いてもただお上手としか言ってくれなくて…

だからみこの唄って本当はお下手で皆は本当の事言えないんじゃって…」

弱々しく言う命に

「まずは聞いてみないと…ね、さぁ唄って下さい」

 

一通り歌い終えた命に

「みこちゃんは随分古い唄を知っているのね…大丈夫お上手ですよ、素人レベルなら」

そう言われ感じていた疑問を口にした

「何処がダメなの?」

と素直に聞かれ

「私は唄の専門では無いけれどその私の耳でも解るほど声が出し切れていないし唄ってて声を出すのが辛くなる時が有るでしょ?

上手になりたいのなら基礎的な発声練習から始めるのが一番ですから私の知り合いに唄の女神の祭典で審査員になってる人が居るから教えて貰えるように頼んでみましょうか?」

そう笑顔で言ってくれてるけど…

「観月ちゃまに相談してみる」

としか答えられない命

「何故自分の事なのに自分で決めないの?」

「だって…そう言うのってお金要るんでしょ?

みこお金持ってないから…」

哀しそうに言う命に

「そう、じゃあ私も一緒にお願いしてあげるけど出来れば唄の勉強したいんでしょ?」

そう確認すると

「うん、お勉強したい」

力強く答えた命の手を握り

「じゃあ早速観月様にお願いに行きましょう」

礼拝堂を出ると控え室に居たミナが声を掛けてきた

「ご用なら私に申し付け下さい」

と声を掛けてきたので

「観月様の所在とみこちゃんが話したい事があると伝えて下さい

私達は礼拝堂に居ますから…お願いしますね」

と聞いた彼女は頭を下げると立ち去り暫くしてミナが観月と王妃を案内してきた

「どうしたのみこ?そんなに改まってお話しって…?」

「お姉さんがお唄が上手になりたいのならちゃんと先生に習った方が良いって」

「私が先生紹介しましょうかと言ったらみこお金無いからって…」

溜め息をつき

 

そう心配そうに言う命に笑いながら

「失礼します」

そう言って出て行くユイを見送り命は習い覚えた曲のお復習を始め王妃はそれを聞きながらユイが置いていった書類に目を通した

戻って来たユイの報告は

「礼拝堂でお祈りしてますから宜しければ竪琴を持ってお越しください、午前中はそこで過ごしますから…」

だった

 

「お姉さんおはよー」

祈りを捧げているのを無視して抱き付いた命

「あれから竪琴の調子はどうですか?」

と笑顔で問い掛けると

「良く解らない…だけどみこの気持ちが解るみたいなの」

「そうよ、その子は弾き手の気持ちが音色に表れるのですからね

そういえば私はまだみこちゃんの唄を聞いた事なかったわね…良かったら何曲か聞かせて貰えますか?」

首を横に振り

「みこの方が聞いて欲しいの…みこの唄そんなにお下手じゃないって思う…でも、誰に感想聞いてもただお上手としか言ってくれなくて…

だからみこの唄って本当はお下手で皆は本当の事言えないんじゃって…」

弱々しく言う命に

「まずは聞いてみないと…ね、さぁ唄って下さい」

 

一通り歌い終えた命に

「みこちゃんは随分古い唄を知っているのね…大丈夫お上手ですよ、素人レベルなら」

そう言われ感じていた疑問を口にした

「何処がダメなの?」

と素直に聞かれ

「私は唄の専門では無いけれどその私の耳でも解るほど声が出し切れていないし唄ってて声を出すのが辛くなる時が有るでしょ?

上手になりたいのなら基礎的な発声練習から始めるのが一番ですから私の知り合いに唄の女神の祭典で審査員になってる人が居るから教えて貰えるように頼んでみましょうか?」

そう笑顔で言ってくれてるけど…

「観月ちゃまに相談してみる」

としか答えられない命

「何故自分の事なのに自分で決めないの?」

「だって…そう言うのってお金要るんでしょ?

みこお金持ってないから…」

哀しそうに言う命に

「そう、じゃあ私も一緒にお願いしてあげるけど出来れば唄の勉強したいんでしょ?」

そう確認すると

「うん、お勉強したい」

力強く答えた命の手を握り

「じゃあ早速観月様にお願いに行きましょう」

礼拝堂を出ると控え室に居たミナが声を掛けてきた

「ご用なら私に申し付け下さい」

と声を掛けてきたので

「観月様の所在とみこちゃんが話したい事があると伝えて下さい

私達は礼拝堂に居ますから…お願いしますね」

と聞いた彼女は頭を下げると立ち去り暫くしてミナが観月と王妃を案内してきた

「どうしたのみこ?そんなに改まってお話しって…?」

「お姉さんがお唄が上手になりたいのならちゃんと先生に習った方が良いって」

「私が先生紹介しましょうかと言ったらみこお金無いからって…」

溜め息をつき

 

そう心配そうに言う命に笑いながら

「失礼します」

そう言って出て行くユイを見送り命は習い覚えた曲のお復習を始め王妃はそれを聞きながらユイが置いていった書類に目を通した

戻って来たユイの報告は

「礼拝堂でお祈りしてますから宜しければ竪琴を持ってお越しください、午前中はそこで過ごしますから…」

だった

 

「お姉さんおはよー」

祈りを捧げているのを無視して抱き付いた命

「あれから竪琴の調子はどうですか?」

と笑顔で問い掛けると

「良く解らない…だけどみこの気持ちが解るみたいなの」

「そうよ、その子は弾き手の気持ちが音色に表れるのですからね

そういえば私はまだみこちゃんの唄を聞いた事なかったわね…良かったら何曲か聞かせて貰えますか?」

首を横に振り

「みこの方が聞いて欲しいの…みこの唄そんなにお下手じゃないって思う…でも、誰に感想聞いてもただお上手としか言ってくれなくて…

だからみこの唄って本当はお下手で皆は本当の事言えないんじゃって…」

弱々しく言う命に

「まずは聞いてみないと…ね、さぁ唄って下さい」

 

 

一通り歌い終えた命に

「みこちゃんは随分古い唄を知っているのね…大丈夫お上手ですよ、素人レベルなら」

そう言われ感じていた疑問を口にした

「何処がダメなの?」

と素直に聞かれ

「私は唄の専門では無いけれどその私の耳でも解るほど声が出し切れていないし唄ってて声を出すのが辛くなる時が有るでしょ?

 

上手になりたいのなら基礎的な発声練習から始めるのが一番ですから私の知り合いに唄の女神の祭典で審査員になってる人が居るから教えて貰えるように頼んでみましょうか?」

そう笑顔で言ってくれてるけど…

「観月ちゃまに相談してみる」

としか答えられない命

「何故自分の事なのに自分で決めないの?」

「だって…そう言うのってお金要るんでしょ?

みこお金持ってないから…」

哀しそうに言う命に

「そう、じゃあ私も一緒にお願いしてあげるけど出来れば唄の勉強したいんでしょ?

そう確認すると

「うん、お勉強したい」

力強く答えた命の手を握り

「じゃあ早速観月様にお願いに行きましょう」

礼拝堂を出ると控え室に居たミナが声を掛けてきた

「ご用なら私に申し付け下さい」

と声を掛けてきたので

「観月様の所在とみこちゃんが話したい事があると伝えて下さい

私達は礼拝堂に居ますから…お願いしますね」

と聞いた彼女は頭を下げると立ち去り暫くしてミナが観月と王妃を案内してきた

「どうしたのみこ?そんなに改まってお話しって…?」

 

「お姉さんがお唄が上手になりたいのならちゃんと先生に習った方が良いって」

「私が先生紹介しましょうかと言ったらみこお金無いからって…」

溜め息をつき

「だから私に相談したい…って訳ね

解るんだけど、相談して貰えなくて寂しがってる人が居るって知ってる?」

「?、?、?…」

「王妃様がみこの力になりたいのよ、解る?」

何で?と言う表情の命にどう説明したら良いのか悩んで居ると

命の小さな身体を包み込むように抱き締め

「それは私がみこちゃんを好きだから」

驚きのあまり目を見開いて

「みこは…生まれて直ぐなのにお母様が棄て無きゃいけない悪い子なのに?」

虚ろな顔の瞳は全ての感情が消え失せていた

「もう良いのよそんなに自分を責めなくても」

そう言われてさえなお

「でも、みこのせいでまこちゃんまで棄てられた…

みこを取り上げた人逹は穢らわしい黒い血の子、触れることさえ厭わしい闇の子、こんな醜い子は災いをこの里にもたらす前に相応しい闇に葬ってしまえば良いって言ったのを聞いた…

その言葉の意味はまだ良くわからなかったけど余り知りたくなかった

みこは多分生まれてきてはいけない子なのだから…私には人に優しくして貰う資格なんかない…」

全く感情のこもらぬ声で話す命に

「もう良いのよ、貴女は王妃様や観月様やその他の沢山の人に愛されているのよ勿論私も…まだ会ったことはないけど真琴さんや翼さんもね」

そう言われてもやはり

「本当に良いの?みこ…皆に甘えても…みこは…みこは」

 

マイはこの時泣いて問い掛ける命を見て決意した…この幼子の魂を持つ命の力になりたいと

自分に大した事は出来ないのは知っているけど出来るだけの事を精一杯御勤めしようと決めた

その後今夜のダンスパーティーの打ち合わせが始まり命も立ち会うことになり湊の提案でパーティーの開幕を告げるオープニング曲を命の歌で飾ってはと言うことなり指揮者の操が

「差し支えなければ命様の持ち歌をお教え願え願えないでしょうか?」

そう声を掛けたけど返事をしないばかりか振り向きすらしない命を見ながら苦笑いを浮かべ

(次に命様と呼んだら返事しないと言ってのは本気だったんですね…)

そう思いながら

「操さん、みこちゃんと呼ばなければ返事してくれませんよ?」

そう言われて複雑な表情で

「遠からず王女様になるかもしれない方をですか?」

そう呟くと

「その事は私も気になり観月様にお尋ねしたらみこを説得する等無駄なことは止めなさい

直に言い訳が出来なくなりますからそれ迄は本人が望むように呼べば良いだけの事なのですから…と仰いましたから」

そう説明され

「観月様…何て男前な方なんでしょうね…わかりました、その時が訪れる迄はみこちゃんと呼ばせていただきましょう…」

そう呟くと

「何かみこちゃんお薦めの曲はありますか?」

「あのね、未だ不安だけどね…ダンスの前にピッタリな歌があるんだけど…」

そう言って歌い出した曲は確かにダンスパーティーのオープニングを飾るにに相応しい曲(イメージ曲はシャルウィーダンス、大貫妙子)

命の歌に湊が即興で合わせ暫く練習し本番もこの曲で行く事に決まり

手入れも終えてそれも含めたリハーサルを繰り返した

勿論その事はパーティーの主催者である観月にも報告したら

「その曲なら私も知ってますが…いきなりみこの歌声でパーティーの開幕を知らされたら皆驚く事でしょうね

私も事前に知ってしまったのが惜しい位の企画、やはり柔軟な思考のみこは面白い発想をしますね

 

その方面については然程専門的な知識は持ち合わせてませんので貴女達に任せますからみこへのサポート頼みますね」

そう言われどう説得しようかと悩んでいた自分がバカみたい感じる操だった

命が午睡から目覚め本番前の最後のお茶休憩(茶菓はミナからの差し入れ)を終え本番前の総ざらえ

それを終えて一同は軽い食事と着替えを済ませに控え室に戻り命も自室に連れ戻されて着替え等の仕度をさせられたその命が阿に控え室に運ばれていくと今度はミナとマイの番でユウとユカの手により美しく変身していく二人も最初は私達なんかがと尻込みしているのを

「この先水の精霊の巫女として人々を導かねばならないみこの側近く仕えると言うことは貴女達もいずれユイやユウ、ユカ達美月のメインスタッフの様に社交の場にも付き添ってもらわねばなりませんがそれは理解できますね?」

そう言われた二人が頷くと

「ユイ達が私の側に居るようにみこの側で仕える存在になりなさい、その為にも私達が側に居る今の内に色々な事に慣れておきなさい」

そう言われて果たして慣れることが出来るか?という本人達の疑問はさておき国王夫妻がゲストを迎えその他の王室関係者の入場も終わったにも関わらず人魚姫の姿が見えない事を疑問に思い訝しげに辺りを見回す訪問者達

薄暗がりのパーティー会場内は参加者のざわめきの中、何の前触れもなく指揮者の操にスポットが当たり注目が集まり両手を振り上げると命の歌声と伴奏が同時に始まって…

事前に知らされていた観月は国王を…ユイは十四夜にチサは十六夜を誘いミナは歩風でマイは艇督をパートナーに指名すると他の淑女達も命の歌声に誘われ…各々が思うままにパートナーを選び指名して行きその歌を歌い終える間近に命も海兵隊の提督に右手を差し出し歌い終えると一言だけ

「みこと踊って」

と言うと提督も海の男に相応しくただ一言だけ

「勿論喜んで」

答え命の手を受け取るとその甲に口付けを落としダンスの曲に切り替わるとパーティーが始まった

最初は何も知らされいなかった参加者が戸惑ったものの粋な演出が喜ばれ以降は美月主催のダンスパーティー定番化となった

今夜のパーティーでユウとユカが不在の穴を埋めたのはミナが男達を喜ばせた

「社交界で遠慮はタブー」

は、やはり建前でミナが命に寄り添い仕えている姿を見て

「彼女の様な娘にあの様に側で世話してもらえたら…」

等と妄想する男は少なくなくそんな男の親達も

「うちのだらしない息子の嫁に来てくれたら…」

等と思っては溜め息を吐く者も少なくなく無くなかった

兎に角今までの美月に居なかったタイプのミナは人々の視線を集めていた

勿論容姿の方も派手なタイプでは無いけどその代わりに清純で可憐なミナは男達の保護欲をそそる存在

そしてマイ…以前何度か給仕として働いてはいたが全く存在感の無い地味な印象…

それが良くも悪くも覚えている者の記憶だ

ったのだから殆どの人間の記憶にはなく大抵初対面の挨拶をされた

だがそれも良い方に考えればマイが変わり人の目を引く存在になれたのだと言う事だからそんなマイを踊りに誘う者も少なくなくそれを見ている同僚達に羨ましがらせていた

マイの成長は確かに他の侍女達を驚かせたけどただたんに驚いただけの事に過ぎなかった

「やはり侍女達の教育をやりなおさなければ変わらないのですね…」

そう密かに呟く王妃だった

今回王は命とチサとは踊らなかったけどその代わりに十四夜は命に十六夜はチサに付き添い三人分のダンスの時間を使い二人の食事時間に当てさせた

ただえさえ退場時間の早い二人はそうでもしなければ食事するのもままならないからだ

そんな二人の退場時間も近付き今回も終盤はダンスから開放された命は楽士達に混じり演奏に加わった皆本音を言えば最後までダンスに加わって欲しいがあれだけ幸せそうな顔をする命に演奏を止めてとは言えない

最後の曲は本来ダンス曲ではないものの命の歌声に合わせ皆思い思いのパートナーとチークダンスを踊り始めた

国王は妻の王妃と、十六夜は勿論ユイで夫婦での参加者は当然配偶者と踊り

未だ結婚してなくても思い合う者達はその想い人と…

それぞれの想いを胸に共に踊ったのだった

そして命、チサの退場時間になり

「皆さん、今日も楽しい夜をありがとおございますっ♪みことチサちゃんはおねむの時間になったからお部屋に帰るけど…

今日はユウさんとユカさんがお仕事で居ないから観月ちゃま、今日は二人を最後まで宜しくお願いします」

そう言って会場を見回し宙を滑ると一人の侍女の身体にしがみつき

「今日はこのお姉さんがみこのお守りしてくれるから大丈夫だよっ、この後はもうお着替えして寝るだけだしねっ♪」

笑顔で告げる命の嬉しい提案に

「わかりました、確かマキと言いましたね?今聞いた通りパーティー半ばの退場は心残りでしょうけど命とチサを任せますよ」

観月にそう言われたマキは慌てて

「いいえ、滅相も有りません…なぜ私が選ばれたのかは分かりませんが巫女様に選らんで頂いて何の不満が有りましょうか?」

そうマキが答えるとしがみつくのを止めた命に手を差し出されたマキがその手を握ると命とチサに付き従うりんが二人と守護役の瑞穂と共に退場した

「みこちゃん、みこちゃんに相談があるけど良いかな?」

二人が部屋に戻りチサが命にそう話し掛けると「今夜は満月なんだね…」

そう言われ命以外が見上げた窓の外には蒼白く輝く月が浮かんでいた

「チサ、貴女の身体に在る私の勾玉が呼応し貴女の身体に有る魔力が私に教えてくれました

精霊の巫女として目覚めたいのですね…」

そう言われ頷くチサに

「分かりました…その切っ掛けを私が作りましょう…ですが私に出来るのはあくまで切っ掛けに過ぎませんからその先は貴女自身が選び取るもの…覚悟はいいですね?」

そう命に聞かれて頷くチサに

「わかりました、それでは今から火の精霊フレアに祈りなさい」

そう言われ祈り始めたチサの身体をアクエリアスの結界が包み込んだ

祈り続けるチサに時の概念がなくなり足下が不安定に感じ目を開けると周りには何もなかった…

室内に居た筈なのに床は勿論壁、ベッドなどの調度品も一切見当たらない

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。