仮面ライダードラゴンナイトStrikerS   作:龍牙

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第五話『仮面ライダーシェルクラブ』

仮面ライダードラゴンナイトに変身した統夜は鏡面に飛び込むと周囲を見廻すが、フェイトの姿も彼女をここに連れてきたライダーの姿も見え無い。

 

「くっ!(もう動いてたか、何処だ!?)」

 

そう考えながらドラゴンナイトは飛び込んだ場所から移動する。

 

機動六課の建物の中で変身して鏡に飛び込んだというのに、そこは明らかに別の場所へと繋がっていた。『やっぱり、『ベンタラ』に似ているな』等と言う感想を感じながら、振り向き様に裏拳を放つ。

 

『ゲェ!』

 

ドラゴンナイトの振り向き様に放った裏拳が叩きつけられたのは、背後から近づいていたレッドミニオンの顔面だった。

 

「舐めるなよ…お前等程度じゃ…オレの相手には程遠い!」

 

 

 

『SWORD VENT』

 

 

 

カードデッキから抜き出したカードをドラグバイザーに装填、ドラグセイバーを召喚し、そのままレッドミニオンへと斬撃を浴びせ蹴り飛ばす。そして、左右から迫ってきた二体をドラゴンナイトがバックステップで避けると、二体のモンスターはそのまま正面衝突し地面に倒れる。

 

「不意打ちってのは、もっと上手くやるんだな。」

 

しっかりと倒れたレッドミニオン達にトドメを刺しながらカードデッキから一枚のカードを抜き取り、ドラグバイザーにセットする。

 

 

 

『ATTACK VENT』

 

 

 

電子音と共に召喚されるアドベントビースト・ドラグレッダーを一瞥し、ドラグセイバーを持ちながら、

 

「ドラグレッダー、ハラオウンと敵のライダー(?)を探してくれ。」

 

ドラゴンナイトの指示に頷き、ドラグレッダーは飛び去っていく。

 

予断だが、『?』を着けたのは見えたのは飽く迄腕の部分だった為である。モンスターとは違う人のそれに近い腕なので、八割方ライダーで間違いはないのだろうが。

 

「足止めのつもりか…?」

 

ドラグレッダーを見送り、二重の意味で湧き上がる苛立ちを押さえながら、その言葉を正しいと肯定する様に次々と現れるレッドミニオン達を睨みつける。

 

「良いだろう…全員纏めて相手してやるよ、雑魚共!!!」

 

ドラグレッダーが居ない事でドラグクロー・ファイヤーやドラゴンライダーキックと言った大技は使えないが、どの道この先ではまだ未知のライダーが待っているのだ。大技を温存する気は有ってもこんな所で雑兵相手に使う気は無い。

 

ドラゴンナイトの仮面の奥でレッドミニオン達を睨みつけながらそんな事を考え、ドラゴンナイトはドラグセイバーを振るいレッドミニオン達と刃を交える。

 

「はぁ!!!」

 

ドラグセイバーだけでレッドミニオン達と戦いながらドラグレッダーが戻ってくるのを待つ。

 

下手に動き回るよりも飛行できるドラグレッダーが上空から探して貰った方が確実であると判断した結果であり、自分を足止めする様に現れたレッドミニオン達の相手もする必要が有るのだ。

 

背中から巨大な手裏剣の様な武器を取り出して切り掛かってくるレッドミニオンの武器をドラグセイバーで受け止め無防備になった腹部を蹴り飛ばしドラグセイバーで追撃を加え、体を回転する様に動かし左右から近づいてきたレッドミニオンを切り裂く。

 

「ちっ!」

 

後から近づいてくるレッドミニオンに肘討ちを放ち、ドラグセイバーによる追撃を加える。

 

そして、次のレッドミニオンへとドラグセイバーを振るおうとした時、上空から降り注ぐ炎がレッドミニオン達を吹き飛ばす。

 

「ドラグレッダー!?」

 

ドラゴンナイトは上空に存在する赤い龍『ドラグレッダー』を見上げ、その名を叫ぶ。ドラグレッダーが戻って来たと言う事は、

 

「ハラオウンは見つかったのか!?」

 

ドラゴンナイトの言葉に肯定の意思示すようにドラグレッダーは首を上下に振る。そして、ドラグレッダーの攻撃によってレッドミニオン達が一通り片付いた事を確認すると、増援が現れる前にドラグレッダーの背に飛び乗ろうとした時、

 

 

『やあ、元気そうだね、トウヤくん。』

 

 

聞きたくもない声が聞こえた。

 

「そっちから出てきてくれるなんて、ありがたいな…アビス…いや、ゼイビアックス!!!」

 

そう叫びながら、ドラグセイバーを声の聞こえた先に居る水色のサメをイメージさせる仮面ライダーアビスへと突きつける。

 

「やれやれ、随分と過激だね、トウヤくん。私は戦いに来たと言う訳ではないと言うのに。」

 

肩を竦めてそう告げるアビスに対して油断なくドラグセイバーを向けるドラゴンナイト、ドラグレッダーもまたアビスを威嚇する様に唸り声を上げている。

 

「態々、オレの近くで動いてくれて、オレに用なんじゃないのか?」

 

「いやいや、確かに君に用は有るが、まだ此方の準備が整っていなくてね。それに、あれは部下が勝手にやった事だ。私は君が時空管理局に協力すると言う話を聞いたのでね、丁度良い機会なんで、こうして話をしに来たと言う訳だよ。」

 

アビスの言葉を聞きながらカードデッキから何時でも大技を叩き込める様に『ファイナルベント』のカードを抜き取る。

 

「いやいや、先代と同じDNA情報を持っているだけの事はある、君も裏切るのだね、ベンタラの仲間(ライダー)達を。」

 

「っ!?」

 

そう言ってアビスはその場から姿を消していた。そんなアビスの姿を無言で見送りながら、ドラゴンナイトは改めて、ドラグレッダーに騎乗する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラゴンナイトと戦っていた所とは少し離れた場所…

 

『GURAD VENT』

 

 

 

蟹をイメージさせる蒼いライダーが、甲羅を連想させる盾を構えてBJとデバイスを装着したフェイトの放つ魔法を防ぐ。

 

「くっ。」

 

フェイトと戦っている蒼いライダー…ベンタラに存在する仮面ライダーの一人『仮面ライダーインサイザー』に似たその仮面ライダーはインサイザー同様ゼイビアックス製のライダーの中でも特に秀でた防御力を持つ仮面ライダー、『仮面ライダーシェルクラブ』。

 

 

 

『STRIKE VENT』『ATTACK VENT』

 

 

 

余裕と言った様子でシェルクラブはデッキから取り出す二枚のカードを取り出し盾を構えていた左腕のバイザー『クラブバイザー』へと差し込む。それによって響き渡った電子音と共にシェルクラブの右腕に大型の鋏方の武器『シェルシザース』が装着される。

 

 

…………………どうでも良いのだが、鋏型のバイザーと鋏型の武器を両腕に装備したその姿は正に青い蟹。

 

 

「この!」

 

実際、シェルクラブの攻撃は一位直撃する事はないが、逆にシェルクラブに対してフェイトの攻撃は当っているのだが、シェルクラブの装甲に阻まれて、それらはダメージになっていない。

 

シェルクラブの大振りなシェルシザースでの攻撃を避けて、シェルクラブの後に回り込みサイズの形の魔力刃を展開させたバルディッシュを振るう。

 

だが、

 

「がはっ!」

 

シェルクラブの背後…丁度フェイトが回りこんだ先に現れたシェルクラブと契約関係にある四つの腕を持った大型の蟹型モンスター『スティンガークラブ』が横凪に振った鋏が叩きつけられ、そのまま地面を転がる様に倒れる。

 

「くっ!」

 

「オラァ!!!」

 

何とか立ち上がるが、その隙を逃さずシェルクラブはフェイトにシェルシザースを叩きつける。

 

再び地面を転がりながら倒れ、その衝撃でバルディッシュを手放してしまう。

 

「いいなぁ、コイツの力は、高ランクの魔導士が…手も足も出ないなんてな。」

 

これ以上は邪魔だとでも言う様な態度で甲羅を模した盾『シェルディフェンダー』を投げ捨てて倒れているフェイトに近づいていく。

 

そんなシェルクラブの行く手を阻み、『止めろ』とでも言う様にアドベントモンスター・スティンガークラブが前に立つ。

 

「殺さなきゃ良いんだろ、この執務官様には恨みが有るんだよ。ちゃんと、生かして連れてけば良いんだろう?」

 

シェルクラブの言葉を聞きスティンガークラブは道を開ける。

 

「ゲホ…。」

 

倒れるフェイトの首を掴んで持ち上げると腹部を殴りつけ、手を話した後に蹴り飛ばす。

 

「どうした? あの時みたいに偉そうな事言ってみろよ!?」

 

倒れる彼女の背中を踏みつけスタンピングを加えようとした時、

 

『ッ!?』

 

スティンガークラブに何かがぶつかり、

 

 

 

『STRIKE VENT』

 

 

 

そんな電子音が響き渡る。

 

「な……がぁ!?」

 

それと同時に龍の頭を模した手甲がシェルクラブの顔面に叩きつけられる。

 

「ドラグレッダー!」

 

ドラゴンナイトがシェルクラブを殴り飛ばすと素早くドラグレッダーへと指示を出し、ドラゴンナイトとフェイトが攻撃に巻き込まれない位置まで飛んだ所でドラグレッダーの火球が直撃する。

 

「ぐあ!」

 

続けて放たれる火球は契約者を助けに入ったスティンガークラブに阻まれる。

 

「ハラオウン、悪い…遅く「………で…んでよ…。」え?」

 

倒れるフェイトに声を掛けると悲しげな瞳で小声で何かを告げられる。

 

「…前みたいに名前で呼んでよ…トウヤくん。」

 

「…分かった…。あいつを倒したら直に医務室に連れて行って遣るから…少し休んでろ…“フェイト”。」

 

「……うん……。」

 

彼女の名前を呼びながら安心させる様に彼女の髪を撫で、立ち上がると目の前のライダー・シェルクラブを睨みつける。

 

「テメェ…邪魔すんじゃ、がぁ!」

 

叫びながらドラゴンナイトへと向かって来るシェルクラブにパンチモーションと共にドラグクローから炎を打ち出す。

 

「……焦らなくても、ベントしてやるから黙ってろ、青蟹(インサイザーモドキ)……。…後で聞かせてもらうぞ…何でオレをそんな眼で見るのかを…。」

 

怒りに満ちた声で前者の言葉をシェルクラブへと言い放ち、正反対の優しげな言葉で倒れるフェイトへと声を掛ける。

 

ドラゴンナイトのその言葉を合図にドラグレッダーがスティンガークラブへと攻撃を仕掛ける。

 

スペック上では全ライダーの中で最弱と呼ばれているインサイザー(日本名『シザース』)だが、実はそれほど弱くはない。カードこそ少ない物のその防御力は高く、日本版の龍騎ではウイングナイト(日本名『ナイト』)とのファイナルベントの打ち合いで勝ち、TVSPでは一度はストライク(日本名『王蛇』)を倒したと取れる描写がされている。

 

ドラグクローを投げ捨て、スティンガークラブへと投げ付けた後に地面に刺さったであろうドラグセイバーを抜き、無言のままシェルクラブへと切り掛かる。

 

「う…うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

シェルシザースで斬り付けようとしたシェルクラブの一撃をしゃがむ事で避け、その肩を蹴り付け軽々と吹き飛ばす。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

無様に地面を転がるシェルクラブが立ち上がる瞬間、頭からドラグセイバーを振り下ろす。生身の人間であったなら文字通り真っ二つになっていたであろう一撃が、

 

「ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

シェルクラブの顔面を切り裂く。

 

あまりの激痛にのた打ち回るシェルクラブの頭をサッカーボールの様に蹴り飛ばし、そのままスティンガークラブの方へと飛ばす。

 

「ひっ…ヒィ…。」

 

無言のまま抜き取るのは『ファイナルベント』のカード。それをドラグバイザーへと装填する。

 

 

 

『FINAL VENT』

 

 

 

「ハァァァァァァァァアア!」

 

空中に舞い上がり一回転の動作と共に右足をターゲットへと向ける。そして、ドラグレッダーがドラゴンナイトの周囲を廻る。

 

「ハァァァァァァァァ!!!」

 

そして、ドラグレッダーが炎を放つと同時にドラゴンナイトは飛び蹴りを放つ、ドラグレッダーの炎を纏ったドラゴンナイトが一直線に飛び蹴りの体制でシェルクラブとスティンガークラブへと向う。

 

「ドラゴンライダーキック!!!」

 

「っ…!!!」

 

ドラゴンライダーキックの直撃を受け、声にならない悲鳴を上げてのた打ち回るシェルクラブとその余波で吹き飛ばされるスティンガークラブ。だが、それで終わりではない。

 

「な、なんだよ…これ…?」

 

規定ダメージを受けたシェルクラブの全身が粒子化していく。そんなシェルクラブの言葉を無視して背中を向けてドラゴンナイトは倒れているフェイトへと近づいていく。

 

「ま、待てよ…お前…オレに…何をしたんだよ?」

 

「ベントした。それだけだ。…お前とゼイビアックスの関係は知らないがな…精々飼い主に助けてもらうまで後悔でもするんだな…アドベント空間で。」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

振り向き様にドラグセイバーを投げ付けるとそれは粒子化しているシェルクラブの左腕へと深々と突き刺さる。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…。」

 

最後まで痛みに苦しみながら、消えていくシェルクラブ。最後に『カラン』と言う乾いた音を立ててシェルクラブのカードデッキが地面へと落ち、ドラグセイバーが突き刺さる。そんなシェルクラブに興味を向けず、倒れているフェイトへと近づく。

 

意識は失っている様でシェルクラブに痛めつけられた怪我は有るが、命に別状はないのだろう、呼吸は有る。

 

「ごめんな…オレがもっと早く駆けつけていれば…。」

 

意識を失っているフェイトをお姫様抱っこの体制で抱え上げ、急いで戻ろうとした時、『パチパチ』と言う拍手の音が響く。

 

「お見事。試作品(プロトタイプ)とは言え、インサイザーと同スペックのシェルクラブをこうも簡単に倒すとはね。」

 

アビス…ゼイビアックスが拍手と共に何時の間にかシェルクラブの存在していた場所に立っていた。そして、シェルクラブの蒼いカードデッキを拾い上げ、ドラゴンナイトへと視線を移す。

 

「…お前の相手をしている時間はない…。」

 

「寂しいねぇ。君達の最終目標は私ではないのかな? もしかして、今なら私を倒せるかもしれないよ、君一人でもね。」

 

「………黙れ………。」

 

「私を倒すと言う、ライダーの使命よりも彼女を優先するとは…やはり君は彼と“アダム”と同じだ。」

 

「…黙れといっている…。」

 

「君は何れ彼女達に味方し…他のライダー達を“裏切る”。」

 

「黙れ!!!」

 

叫び声と共にカードデッキから抜き出した一枚のカードを突きつけ、そう叫び声を上げる。

 

「黙れと言っただろう…ゼイビアックス。それがお望みなら、その仮面叩き壊して、醜悪な面(ツラ)、引きずり出して、もっとマシな顔に整形してやろうか?」

 

「おお、怖い、怖い。流石にまだ君と戦う気は無いよ。」

 

先ほどと同様に姿を消すアビス。そんなアビスを一瞥しながら、ドラゴンナイト…統夜はその場を立ち去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、その殻はもうダメの様だな。」

 

先ほどまでドラゴンナイトとシェルクラブが戦っていた場所から離れた場所にアビスのアドベントビーストの二体に運ばれた、ドラゴンライダーキックの余波でボロボロになったスティンガークラブを一瞥しつつ、アビスはそう呟く。

 

スティンガークラブは巨大な蟹の様な体は大量の円形の機械となってバラバラに崩れていく。

 

 

 

「いいデータが取れた。この世界の技術で作られた玩具だが、対魔導士戦には中々有効な様だな。」

 

アビスがスティンガークラブを構成していた円形状の機械『ガジェット・ドローン』の一つを蹴り飛ばし、そう呟くと、ガジェットの残骸の中から無傷の貝と蟹を混ぜ合わせたような姿の機械的なモンスター…『仮面ライダーシェルクラブ』のアドベントビースト、ヤドカリ型モンスターであるスティンガークラブの“本体”が現れる。それと同時にシェルクラブのカードデッキのエンブレムも蟹を模した物から巻貝を模した物へと変わっていく。

 

「AMF、これだけの数が揃えばライダー自身の防御力と合わせて高ランクの魔導士とやらの攻撃もほぼ無力化できるか。だが、まだまだ改良の余地は有るな。」

 

それ以上は興味なさげにアビスは振り返る。

 

「ふむ、他のライダーにAMFの改良型を装備させて、ドラゴンナイトとその協力者にぶつけてみるか。あんな小悪党ではなく、それなりの戦士を。良い戦闘データが取れるだろう。」

 

そう呟くアビスの掌の中には以前奪ったレリックが存在していた。

 

「ふふふ…。楽しみだよ、ドラゴンナイト。君を倒す為の最強のライダーが完成する日が。」

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