今日もいい天気ですね、「声」さんは今日も鬼畜仕様です。 作:徠花
俺の人生で生物学上人類のメスに好意を持たれたことは一度もない。
俺が受けた感情は憎しみ、蔑み、忌避の念……
な?好意なんてかけらほどもないだろ?言ってて泣きたくなるが(笑)
まぁ俺自身自分が女子と話すことが出来るとはこれっぽっちも思っていない。
…………………………わずか3時間前までは。
[3時間前]
「ん…?」
俺は謎の頭痛で目が覚めた、なんていうかガンガンするような頭痛じゃなくて…、頭の中に直接声が響いてくるような頭痛だ、こんな感覚はさすがにはじめてだ、気持ちが悪い…だが学校を休むほどではないから俺は重い頭を無理やり起こし登校準備を始めた。
学校に向かっていると頭の中の謎の声は大きくなっていった、
「この頭の中の人(?)は話すことが出来るのかな?」
俺は気になったことはすぐ確かめるタチだ、すぐに脳内に問いかけた。
(あなたは誰ですか?)
自分でもバカバカしいとは思ったが、なぜか答えが返ってくると思っていた。俺は何をしてるんだ、と自分に呆れた時その「声」は聞こえた。
(ワタシニ、名トイウ概念ガアリマセン)
…なんてこった、返事が来ちまったよ、ついに頭がおかしくなったか…どうしたものか…名前がないんじゃ質問もしづらいし。
そのタイミングでまたその「声」はした。
(ワタシニ名ヲクダサイ)
それはまた難しい課題を…っ。俺がこいつの名付け親になれってのかよ!こんなのは断るべきだよな、あぁ、絶対に断ってやる!
(おい、それはおかしいだろ、どう考えても)
(ェ…)
その「声」はとても悲しげな雰囲気を与える、やめろ!俺が悪者みたいじゃないか!
しかしその「声」の容赦ない責めは止まらない。
(ヒドィョ、ァンマリダョ……)
(悪かったから!その声はやめてくれ!)
こんなことをやっているうちに学校に着く。
この学校の名は「秋月高校」。
俺はクラスメイトに挨拶をしていこうとドアを開ける。
しかしドアの前で話していた強女子の軍団(俺は巨人軍と読んでいる)は俺を見た瞬間汚いものを見る目で逃げ出す。
今となっては慣れっこだが最初は軽く自殺ものだった。
男子に挨拶をする分には問題はないので挨拶をして回る。
え?なんでこんなに嫌われているかって?そんなの説明させるなよ…
簡単な話だ。俺はよくある「陰キャラ」ってことだ。
クラスの角の席で数少ない友人とアニメやら漫画やら下ネタやらを
話しているからだ。俺が女子でもこんな男は嫌だな、うん。
別につらくなんかないけどな!(苦し紛れ)
そこであの「声」が先ほどより多少知能を得たような話し方で
こんなことを言い出した。
(ボクはアナタがこのなかで嫌ワレテイルコトを遺憾ニ思いマス、
モット仲良くするベキです!)
…色々言いたいがまず一つ、「めちゃくちゃ片言だな!!」
うわ、思わず大きな声を出しちまった、見ろよあの巨人軍たちの目、ゴミを見てるよね、俺の後にゴミでもあるのかな、あ、俺か……。
ってそれどころじゃねーよ!なんだよ、もっと仲良くするべきって、出来るならとうの昔にやってるわ、
と、そこでまたあの「声」が話し出した、関係ないけどこいついきなり雄弁だな、
(みなさんと仲良くデキルさぽーとヲサセテいただきマス)
なーにいってんだこいつは、どうやってサポートするってんだよ……
その時だった、さっきまでとは比べ物にならないような流暢かつ
質の良い声が脳内で響いたのは。
【①女子たちの目を気にせず挨拶をしに行く】
【②女子たちの目を気にせず下ネタの話をしに行く】
は?どういうことだ、これは。
もうほんとにばかばかしい、やってられるか。
そこでまた友人の方に顔を向けると、その友人はいなくなっていた、どういうことだ?さすがに意味がわからず頭の中の「声」に
聞くことにする。
(どういうことだ、これは、どうなってやがる)
(ボクなりのサポートデス!どっちか選ばないと今アナタと共ニアル
大切ナものヲ失ウコトニなりマス!)
なるほど、わからん。
とりあえず無視はできないことはわかった、でもどっちも選べねぇよ、こんなのに答えるくらいなら友人の1人や2人捨ててやるよ。
(ショウガナイですネ、アナタだけニ特別大サービス!
ドチラカノ選択ヲした時ノ未来ヲ見セテあげマス!)
はぁ、まじでくだらない、これで頭のやつがいなくなってくれるなら楽な話だ。
(じゃあ①の未来を見せてくれ。)
(ワカリマシタ!)
【①選択後の未来】
俺は嫌々ながら巨人軍に挨拶を改めてしに行く。
「おはよう、今日もいい天気だな。」
巨人軍たちはそれはもうこっちが見るのも嫌になるような顔で
こう言ってくる。
「そうね、あなたに話しかけられなければ。」
「マジで今日1日最悪なんだけどー!」
「……話しかけないで。」
うわ、全力で嫌がられてるよ、でも振り向いてもまだ友人たちは消えてしまっているままだ、これじゃあダメだってのかよ!なら…!
「そんなこと言うなよ、もう少しでいいから仲良くしてくれないか?」
これはかなり譲歩したよな!?さすがにマイナスな意見が出るわけ…
「無理」
「やだ」
「死ね」
うっひょー、俺ってこんな嫌われてるのか、
「すんませんでした…」
悲しみに明け暮れながら自分の席に戻っていった。
友人たちは復活していた。その間の記憶はないようだ、いろんな
意味でよかったな…。
(ドウシマスカ?)
こんなもん決まってる、
「俺の選択は…①だ!」
②なんか選んだあかつきにはまじで自殺しなきゃいけなくなるもんな。
さっき見たようなことが起こって、元の日常が戻ってきた。
まさかこれから先、この「声」さんに苦しめられるとは俺自身も思っていなかった…。