FAIRY TAIL~世界を見通す瞳~ 作:星の王子(笑)。
「…何?」
「その程度かと言ったんだ。小僧」
この程度の殺気で…この俺を殺そうものなど…
「なら試してみろ。この剣に斬れん物などない…貴様をバラバラに解体してやろう」
ソウマが言い終わった瞬間、上体を逸らす。目の前を鋭い刀身が高速で通り抜ける。
「ぐっ…ふんっ!!」
お返しとばかりに上体を逸らした状態から、大剣を振り上げる。
だが、攻撃は掠ることもしない。
「その程度の速度では当たらんぞ」
「…そうだな、今のままでは、な」
「…?」
ソウマは大剣を地面に突き刺して、両手で印を結ぶ。
身体の周りにバチバチと、帯電状態になる。
「…成る程、雷遁の身体強化と言うわけか…貴様らは皆忍術を使えるようだな。やはり詳しく話を聞かなくてはだな」
「これで貴様の速度を越えられる。あとは首をはね飛ばすだけだ」
雷遁の影響でクセっ毛だった金髪は更にはねる。
「雷遁のチャクラを武器に纏わせる…中々のチャクラコントロールだ」
(雷遁の性質は貫通…当たれば只じゃ済まんな)
ふーっ、と一息吐いて刀を構え直す。
数秒の間が空く。風が吹き、木から木の葉が揺れ落ちる。
それを合図にソウマは動き出す。
「…ふっ!」
雷の速度は目に見えるものじゃない。ただし、其れが特別な瞳力なら違ってくる。
レンには雷の速度で近付いてくるソウマが、止まって見えている。正確にはゆっくりと進んでいるのだが。
「遅い」
大剣は強化されているから斬るのは難しい。なら狙うはソウマ自身、目さえ合わせてしまえば情報を抜き取ることも出来る。
ソウマの動きに合わせ、左手で首を掴む。
「ぐはっ!」
「だからその程度だと言ったんだ…諦めろ、小僧」
「舐めるなぁっ!」
レンの手から辛うじて抜け出て、大剣を振りかぶる。
「なっ……!?」
「先程貴様の身体に呪印を仕込ませてもらった。其れは身体を縛るものでな、貴様では解けん」
ゆっくりと歩み寄り、ソウマの握り落とした大剣を拾う。
「さて、これでゆっくり話ができるな……貴様らの組織、すべて洗いざらい吐いてもらう…」
「いえ、そうはさせません」
「ッチ…また貴様か、小僧」
そこに現れたのは、やはり着物の少年リィヤであった。
「ソウマ君は大切な人材、そして組織を拒んだあなたには
レンは大剣リィヤに向けて一直線に構える。
「貴様らの事情は知ったことではないが、俺の周りをうろちょろされるとウザくて溜まらんからな。どうせ下らん組織なのだろうから消してしまっても問題ないだろう」
「……流石に分が悪いですねぇ。ここは大人しく引かせてもらいます、…ああ、私たちを追うのも勝手ですが…余所見ばかりしてるから解けちゃいましたよ?…ニルヴァーナの封印」
突如、黒く太い光が天に向かって伸びた。
ニルヴァーナの封印が解けた印だ。
「馬鹿な…あのガキ共如きに……」
いつの間にかソウマを抱えていたリィヤの口の端が上がっているのを見逃さなかった。
「…成る程、貴様の影分身か」
「ご名答、というかソウマさん重いので降りていただけます?」
やはりソウマの体格は標準と言っても、それを支えるリィヤが小柄なため思いようだ。
「…やはり貴様には詳しく聞く必要があるみたいだな」
「お断りさせていただきますよ、人柱力殿?」
呟いた瞬間、その身体は消え去った。
「…逃げられたか。幻術使いにあのレベルの剣士、そして時空間忍術に解呪の使い手とは……中々興味深い…っと、今はニルヴァーナをどうにかしないとな」