FAIRY TAIL~世界を見通す瞳~ 作:星の王子(笑)。
章を分けるので見やすいとは思います。
現代のフェアリーテイル
長い放浪の旅の末に、フィオーレ王国のマグノリアの近くまで来た俺は、久々にフェアリーテイルに寄ろうと街に入る。
「…この街も変わったな。最後に来てから50年ほどしか経っていないというのに」
普通に考えれば見た目が20歳の青年が言うには可笑しなセリフだが、中身は既に600歳の時を生きている大爺だから可笑しくはない。
目の前にそびえたつ大きな建物、そのマークは俺の左腕についている赤色のマークと同じ紋章だ。
「…建物を作り替えたのか」
入り口のドアを開けて中に入る。すると中では、
「うおおぉぉ!グレイテメェこの野郎!」
「んだとナツこの野郎!」
「私のケーキ!」
「うおぉぉぉ!漢だぁぁぁっ!」
見事に乱闘中だった。
「騒がしいギルドだな…何時まで経っても」
「何かギルドに御用かな?若いの」
感傷に浸っていると、2,3頭身程の小さな爺さんが歩いてくる。
「ほぅ?…貴様俺を捕まえて若いのと言うとは。偉くなったものだな、マカロフよ」
フードをとり、マカロフを見下して言う。マカロフが小さいから見下してしまうのは仕方ないが。
「ん?……あ、貴方はレン様!」
「久しぶりだな、少し見ぬ間に随分と老いたな」
「貴方はお変わりなくですな。ところで、今までどこへ?」
「ふっ…少し北の方をブラブラとだ」
「50年は少しではないと思いますが!?」
思いっきり口を開けてツッコむマカロフに手刀を当てて、酒場のところまで歩く。
「あら、お客さんかしら?」
「ああ、喉が渇いてな。水でもいいからくれないか?」
「ミラ!この方にはシャトー・ラトゥールを出すのじゃ!」
「おいマカロフ、それはワインだが!?」
「かしこまりました、マスター」
了承して用意をするミラ。このノリはやはりフェアリーテイルの者だな。
用意されたワインを仕方なく頂く。高級なだけあってあまり味わったことのない不思議な旨みと香りが、口いっぱいに広がる。
「…マカロフ…3代目をお前が継いだということは、やはりプレヒトは…」
漸く口に出した言葉はマカロフにとっては苦いことで、険しい顔になる。
「…そうか」
その表情が何を物語るのかを理解している為、それ以上の言葉はいらなかった。
そんなとき、後ろから大きな爆発音とともに何人かの人が吹っ飛んでくる。
「騒がしいな……少し黙らせるか」
俺がすっと立ち上がる。其れに慌てたマカロフはすぐに怒鳴りだした。
「やめんかガキ共ォ!」
「…賢明な判断だ」
マカロフは俺の力の一端を見たことがあり、新築したこのギルド程度なら呼吸するように壊せてしまう。
そこで桜髪の少年たちは漸く、マスターの隣にいる存在に気づいたのだ。
「あれじっちゃん、ソイツ誰だ?」
「こ、こらナツ!ガキ共はあっちへ行っておれ!」
「まぁ待て、そう言えばまだ行ってなかったが俺はこのギルドに入り直すことにした。名はレンと言う、これから宜しくな」
ナツに手招きして手を差し出す。その意味を理解して、ナツは手を取る。所謂握手だ。
「ああ、俺はナツだ」
ナツの手を握ったとき、何故か懐かしい感じがした。
これはおそらく…
(…イグニール。そうだ、これはイグニールのような暖かさか)