FAIRY TAIL~世界を見通す瞳~ 作:星の王子(笑)。
「…やはり奴らの狙いはニルヴァーナだったか」
漆黒の蒸気に包まれた森、その大地にはかつてーー
「――あなたの封印した善悪転換魔法が眠っている、ですか?」
背後に突然現れる気配と声。
「…お前だな、謎の気配の正体は」
振り向かなくても分かる。コイツから感じるのはただの魔力ではなく――
「…貴様、どこでチャクラの練り方を覚えた?」
正真正銘、俺と同じチャクラだった。
この世界ではチャクラは異質の存在であるにもかかわらず、だ。
「私たちと一緒に来ればお教えいたしますよ、レン・ウィスタリア殿?」
ゆっくりと、少年を視界に捉える。黒い羽織に灰色の袴を履いた、金髪で右目が隠れた髪の長い少年だ。
(…これで一応は
マントの中から右手を出し、その手にチャクラを圧縮させる。
「――お断りだ、小僧が」
瞬身の術で少年に近づいて右手を振るう、が―――
「…やはり影分身か」
少年は、元からそこにいなかったかのように煙を立てて消え去る。
「…そろそろ集合場所に戻るか。まぁ既に行動しているだろうが」
ナツたちは、ボブの別荘から走って作戦地点に向かい、それに続いて他のギルドの魔導士も負けじと駆けていく。
残ったジュラと一夜はやれやれと呟いて出口へ歩き出す。
だが、一夜はジュラの隙をついて背後から殴りかかる。
「させないぜ?」
「メェーン!?」
それは突如現れたレンにより、一夜が蹴り飛ばされるという結果に終わる。
「い、一夜殿?…それにあなたは…?」
マーキングしておいた場所に飛ぶと、
「まだまだ修行が足らんな、聖十のジュラ・ネエキスよ」
「む…黒いマントに長い黒髪、そして見た目は二十歳前後…と言うことはあなたが」
「話は後だ。あの一夜は偽物、恐らくは
壁をぶち壊して別荘の外まで飛んで行った一夜の偽物。だがその程度ではくたばる訳がなく、
「……何故バレター」
二体の星霊となってふわふわと飛んで戻ってくる。
「成る程、星霊だったのか…道理で二体分の魔力な訳だ。大方この作戦で一番の不安要素を取り除こうと思ったんだろうが、残念だったな。俺の眼には魔力が色で視える。だから特定も簡単な訳だ」
その星霊と思われる容姿、肩からかけている謎の紐の向き以外は全て共通している姿形であり、どことなく双子を思わせる。
そして―――その主人もまた、現れる。胸元を大きく開いた服装で、両方に羽があしらってある。
「バレるのはさすがに予定外だったゾ。でも‥残念なのはそっち、作戦は全てわかったゾ」
「僕たち変身した人の考えまでわかるんだ」
「ピーリピーリ」
「そうか……だが迂闊だったな。思念体だろうと…俺の前に姿を現したことが…」
奴は完全に油断しきっていた。俺の眼をまともに視たのだ。
「…魔幻・枷杭の術」
比較的簡単にかけられる幻術の中で、耐性のない者には効果の高い幻術をかけた。
奴は思念体だが、今ごろ本体も同じ幻術にかかっているだろう。
「な、なんだこれは?聞いてないゾ!?」
「無駄だ、貴様ごときには解けん……貴様ら全員、闇の前に散れ」