FAIRY TAIL~世界を見通す瞳~ 作:星の王子(笑)。
…お蔵出しということで連続投稿します。
一瞬のうちに到着し、ウェンディを地面に降ろす。
「エルザの容態はどうだ?」
「…身体中に毒が回り始めてるわ。持ってあと一時間てとこかしらね」
右腕が薄い紫色に感染し、うなされているエルザを見てシャルルはそう判断したようだ。
「ああそうだ!ウェンディ起きてくれ!!頼む!エルザを助けてくれー!!」
「無駄だバカ。気絶するほど魔力を使ってしまったのなら、起こしたところで治療できまい」
「だからってジッとしてろっていうのか!?」
「そうじゃない。他にやるべきことがあるだろう?…治癒はそこのガキに任せ、俺たちは
ただの分身ではない。実体を持ち、尚且つ視界を共有できる血経限界の一つ。
「忍法・木遁分身」
身体から木が生え、そこから人の形を成して、最終的に俺の姿となる。
「おぉー、スゲェ!」
「レン殿が二人…?」
「何これ…何の魔法なの?」
見たことのない現象にナツやルーシィだけでなく、聖十のジュラまでも驚く。
「じゃあ後は頼んだぞ」
今度は、土遁・軽重岩の術によりふわりと身体を浮かし、過去の記憶を頼りに空を飛んでいく。
「翼もなしに空を飛んだぁ!?」
顔に線のような刺青が六つ書かれている強面の男、
「これでやっと…封印が解ける。私のニルヴァーナ…」
先程、天空の巫女と言う通り名の少女を態々攫い、復活させたジェラールに道案内、そして封印を解かせるため。
「ハハッ、これでようやく光のギルド連中を消せるな。ブレイン」
「ああ、長かった……最後までお前の出番はなかったな、リィヤよ」
ブレインの斜め後ろにいる白コートの深めにフードを被った青年らしき男に、挑発気味に声をかける。
フードの青年は特に気にせず、意味深な笑みを浮かべて言う。
「フフッ…本当にそうだといいですね…」
青年、リィヤはそう上手く行くわけがないと既に気付いて、封印を解くためのチャクラを練っていた。
「…どういうことだ」
低空飛行で真っ直ぐに進んでいる筈が、先程から全く進んでいない。
「幻術か…中々優れた奴が居るようだが…」
辺りを写輪眼で見渡せば、やはり時空が少し歪んでいる。
どうやら通った者を術に掛けるタイプのようだ。
「…なら、辺り一体を吹き飛ばしてしまえばいい話だ」
写輪眼で見たところ、生物反応はなかった。遠慮なくあの術を撃てる。
「塵遁・限界剥離」
両手を構えて白い四角上のチャクラを放つ。
辺りの木々に触れたかと思えば、原子レベルに分解されていく。
「…解けたか」
「……解けてしまいました」
赤フードを被った青年は、冷や汗を垂らす。
「…これは予想外ですねぇ。このままでは時間稼ぎにもなりませんねぇ…」
和服の青年リィヤも、左手を顎に当てて考える。
「…すみません」
「いえいえ、貴方が気にすることじゃあありませんよ」
あの威力を軽々と放つ程の者を相手にするのは、死と隣り合わせだということは、幾つもの場数を踏んだリィヤには理解できてしまう。
「予想以上の腕ですねぇ…本来の作戦とは異なりますが、行ってもらえますか?…ソウマさん」
ゆっくりと後ろを向き、木に寄りかかっている金髪でクセっ毛、鋭い眼光をした青年を見つめる。
ソウマはすっと立ち上がって、自身の愛剣であり、目を見張るほどの大きさの大剣を地面から引き抜く。
「……誰にモノを言っている。あの程度…五分で十分だ」
***
塵遁によって更地にした所からさらに進み、記憶の中のニルヴァーナの場所まで目前になった。
「…ニルヴァーナ、か…」
あの時代の事は、もう思い出すこともなくなっていたが…
「…そこに隠れている奴、出てこい」
木の陰に隠れるようにして立つ男により、考えるのを中断せざるを得なかった。
「…やはり気付くか」
「お前もあのガキ連中の仲間だな…さっきから監視してるようだが、俺を引き込もうと思うなら…諦めろ」
「…安心しろ、俺は貴様を引き入れるのには乗り気じゃない。力を図るといって…貴様を殺してしまっても構わんだろう」
身の丈ほどの大剣を構え、殺意を振りまいてくるが……
「温い…その程度か」