第55話
※前略皆様へ、今回の話はこれまでにないほどのキャラ崩壊が発生してしまう事案が生じてしまいました。ですので、そうしたものが苦手な人はブラウザーバックを行ってください。
【プロローグ】
[ 屋上 ]
「アイツ…………今、俺を名前で…………!!」
絢瀬が去り際に言った言葉………アイツは間違いなく俺を名前で呼んでいた!名字や先輩といった言葉ではなく、ちゃんと名前で呼んでいたのだ!!
「アイツが名前で呼んでいたのは、中学時代の時まで…………だが、今のアイツは俺のことを嫌っていたんじゃないのか?だから、名前で呼ばなかった………だが、何故今になって名前で呼ぶ必要があったのだろうか?」
ブツブツとつぶやきながらも、俺のこのちっぽけな脳みそでありとあらゆることを構想していた。アイツの性格・癖・言動・俺とアイツとの関わり・アイツが俺を嫌う理由・希の話、そして、廃校……………だめだ、まだ何かが抜けている気がする………!
何かが足りない…………何かが…………!!
俺はその答えを尋ねるかのように雲1つない空を仰ぎ見上げた。
そして、これから起こる出来事に一抹の不安を抱えながら……………
―
――
―――
――――
[ 生徒会室 ]
「はぁ…………はぁ…………はぁ……………」
この部屋に戻ってからも息切れが止まらなかった………心臓の鼓動も早くなったまま収まらない…………止まってほしいと思っていても、その前に、さっきの言葉が頭の中で木魂する………!
『………企画を作成しても無駄………』
『……出されてくる企画は………魅力も何も感じられないもの………………』
「う、うう………………うあぁぁぁぁぁぁぁ………………………うあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
言葉にならない叫びが部屋中に響き渡った……………
「えりち!!!!!」
「………のぞ………み………………」
扉の方を向いてみると、希がそこに立っていた。
………………私の声を聞いてきてくれたのかしら?
………いや、希はここに私がいることに気付いてやって来たんだわ…………そうよ、そうに違いないわ…………希はよく気付くもの………私が困っているときだって答えを導き出してくれるし、私がどこにいたのかだってすぐに答えて…………
………
………………………それって、すっと見ていたってことなの?希は私をずっと見ていたの?
それじゃあ……………………
………………
希は私の両肩に手を置いて私を揺すった。
まるで、親が子供に何かを聞き出そうとするかのように………………
「えりち大丈夫なん!?どうしたんや?なんか怖いことでもあったんか!?」
どうして希はいろいろなことを知っているの?
どうして希は私しか知らないことをよく知っているの?
どうして希はそのことを話す時、嬉しそうな顔をするの?
…………希………………それって……………………私のことを………………
「の、のぞみぃ……………」
「ん、どうしたん?ウチはここにおるで!」
「のぞみ…………」
……………………
(バキッ……!!)
その時、絵里の心に大きなヒビが入り込んだ…………
それはとても多きく、同時にかたくなな心ができ上がってしまった…………
今の絵里には正常な判断が出来なくなっていた…………
「…………放して……………」
「えっ?」
「放してって言ってるよ……………」
「えりち何を言って……」
「いいから放しなさいよ!!!!!!!!!」
「ッ!?」
希は絵里の声に反応して肩に置いていた手を放した………
「のぞみぃ………のぞみは何でも知っているのよね?」
「な、何でもってほどやないけど………け、けど、それが今のこの状況に何か関係があるん?」
「関係あるから聞いているのよ!!!!!!!!!」
「ッ!!!?」
「ねぇ、のぞみ…………あなた……さっき私があそこにいたことを知っているのよね?」
「さっきって………ウチが理事長室に居た時のこと?」
「そうよ………あなた……ずっと知ってたんでしょ………」
「えっ………」
「私にあの会話を聞かせるために、わざと知らないふりをしていたんでしょ?」
「なっ!?何を言うとるんや!ウチはそんなことはしとらんよ!!!」
「じゃあなんであなたがここに居るのよ!!!あそこで聞いていた人がどうして私だってわかったのよ!!!どうしてこんなに早くこの場所に来ることができるのよ!!!!」
「それはえりちがあそこに置いて行った書類を見てそう思ったんよ!!」
「どうしてその書類が私のだって思うのよ!?私のだって確証は無いでしょ?!」
「解るんよ!ウチには解るんよ!!これがえりちの書いたもんやって、えりちが何日もかけて考えだしたもんやって、ウチにはよく解るんよ!!!!!」
「どうして解るのよ!!のぞみに解るはずもないわよ……私がこの数日間どんな思いをしていたのかなんて解りっこないわよ!!!」
「どうして、ウチを信じてくれへんのや!?ウチはえりちのことをずっと思っとるんよ!!今日に至るまでずっと、ずぅっと後ろから見て来たんやから解っとるんよ!!!!」
「解っているならッ!!!!!………解っているならどうして理事長の言葉を鵜呑みにしちゃうのよ………私があの場にいなくても、のぞみには私のやらなければならないことを否定してもらいたくなかった………のぞみの口から私のやっていることが無駄だって聞きたくないのに!!!!」
「あ、あれは…………違う…………ウチがあのまま引き下がると思うんか?あんなひどいことを言われてそのまま帰ると思ったんか?ウチはせめて、あともう一度だけチャンスを与えてほしいと考えていたんよ!!ウチも一緒になって頑張るって言いたかったんよ!!!!」
「そんな取って付けたような言い訳をしないでよ!!!あなたも私の考えたものが無駄なものだって思っているんでしょ!?そうやって、私のことをバカにしているんでしょ!!?」
「ば、バカになんてしとらんよ!?どうしてそんなことせえへんといかんのよ!!?」
「今はそうやって同情しているような顔をしているけど、内心は笑っているんでしょ?そうでしょ?そうなんでしょ!?そうに決まってるわ!!!!!!!!」
「なっ……!?え、えりち…………」
「いつも私の秘密を知っていて、そのことを話す時のあなたは笑っていたわ…………そうやって、わたしをいつもバカにしていたのね……………そう……そうなのね……………」
「えりち何を言っとるんや!!確かに、えりちの秘密を言い当てた時は笑ったけど、でもあれは…………」
「やっぱり笑っていたんじゃない!!!!!!!!このウソツキが!!!!!!!」
「ッ!?!な、なんでそうなるんよ………ウチは………そんな思いで言ったんじゃ……」
「………もういいわ…………もうたくさんだわ…………」
「え、えりち………ウチは………!」
「…………出て行って頂戴………今すぐ!!!!!!!」
「待って………待ってえりち………ウチの話はまだおわっとらんよ………」
「聞きたくないわ………だから、出て行って…………………そうしないと絶交よ………」
「ッッッ!!!?……………う………そ…………………や…………そんなん………嘘に決まっとるよな?………そうなんやろ………?…………なぁ………えりち………嘘……やろ?」
「のぞみ……………次は無いわよ……………私が次に話す言葉は…………絶交よ……」
「ッッッ!!!!…………う……うぅ………ううぅぅぅぅぅ…………えりちの…………えりちのバカあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
希は劈くような声で絶叫し、その場から立ち去って行った…………その目には、涙が………
不幸なことに、希がいなくなったことで絵里の中にある、かたくなな心が崩れ落ちて行った。
まるで、2人の仲を引き裂くためだけに仕向けられたものだったかのようであった。
「うそ…………どうしてわたしはあんなことを…………あぁ……ごめんなさい………ごめんなさい…………わたしはそんなことを言うつもりはなかったのに…………………のぞみ………ごめんなさい……………」
正常な判断を取り度した絵里だが、そのすべてを悟った時、自らが行ってしまった過ちに気付いてしまった。その事実は、絵里の心を完全に打ち壊すものとなってしまった…………
「…………う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
―
――
―――
――――
「…………………………」
絶望のどん底に落ちてしまった絵里の瞳には、最早、光が無かった……
夕陽の光が部屋の中を赤く染め上げるが、濁りきってしまったその瞳の色は、黒一色だった……
「かえらないと…………ありさがしんぱいするわ…………」
力無く、体を左右に揺らしながら、自分の荷物に手を取り背負い始め、そのまま部屋を後にする。
しかし、絵里は施錠をし忘れたまま出て行った。
彼女の毎日の仕事であったはずのことすら、もう頭の中には無かったようだ。
ただ家に帰ることだけが彼女の使命となってしまった………
絵里は玄関で上履きから外履きに履き替えて外に出る。
帰路に向かう生徒たちが集まるこの正門広場には絵里の他に誰1人いなかった。
だが、そんな変化すら気付くことができなかった。
その瞳の先に何を見ているのか………?
それは、当の本人にすら解らないことなのかもしれない…………
彼女は今、体に沁み込まれた学校から家に帰るまでの道のりの上を歩いているのに違いない……
左右に逸れること無く、ただひたすら真っ直ぐ歩き続けたのである…………
「きょうのごはんはなににしようかしら…………そうだ……ありさのすきなぼるしちにしようかしら…………じっかのことをおもいだしてよろこんでくれるにちがいないわ…………」
壊れたラジオのスピーカーから流れ出てくる情報のように、はっきりとしない言葉をひたすらに語り続けている様子は、とても居た堪れない気持ちとなるだろう。
だが、そんな彼女を支えてくれる人は隣には居なかった………………
すぐ隣に居てくれた人はすべて自分の手で振り払ってしまったのだから…………
もう、誰も彼女を支えてはくれなかった………………
正門をくぐりぬけた彼女はそのまま横断歩道を渡り始める。
………が、その信号が赤に変わっていることを知らなかった…………
横断歩道の中間地点まで歩いたところで、左側からトラックがスピードを出して走ってきた。
(ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!)
腹に響く、鈍い大きな音が学校周辺に共鳴した。
さすがの絵里もその音に気が付いたものの………時すでに遅しだった…………
「あっ……………」
すぐ近くまで迫ってくるトラックを避けること無く、恐怖のあまり立ち止まってしまった………
(ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!!)
トラックのクラクションがまた、鳴り響いた……………
〈ジジジ・・・・・・・・ジジジジジジ・・・・・・・ザ――――――・・・・・・〉
(次回へ続く)
どうも、うp主です。
これが絢瀬編第9話となります。
えりちファンの皆さん、
ほんっっっっっっとに、
申し訳ございませんでしたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!
言い訳はこの章が終わり次第で………………
今回の曲も、
同人PCゲーム出身『ひぐらしのなく頃に解』のサウンドトラックより
DJ NETA-RAW/『狂気への回廊』
更新速度は早い方が助かりますか?
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ちょうどいい
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遅くても問題ない