笑って、群れて、失った    作:こっここーまん

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04 合流しました

 久々に帰ってきた並森は、なにか大きく変わったわけでもなく、懐かしい気分になる。

 散策したい気持ちを抑えて、早々にアジトに向かうが、不思議なことにミルフィオーレがいない。

 

「どういうことでしょうか?」

「まぁ、尾行がないっていうならいいことだけど……」

 

 不気味だ。

 警戒は解かずに、アジトの近くに行けば、人の気配。

 

「沢田殿!」

 

 いち早く気がついたバジルが顔を出せば、綱吉たちも驚いたように声を上げ、山本も遼太をじっと見つめると、

 

「りょ、遼太、だよな?」

「おう! 久しぶりだな! 十年前って、こんなに小さかったか!」

「リョウがでけぇんだよ」

 

 久々の親友との再会に喜んでいるのも束の間、バジルと遼太の腹はもう限界だった。親友や仲間と出会えたからか、今まで耐えてきた腹の虫が一斉に鳴り響く。

 

「……」

「ムリだァー! 腹減ったァ!!」

「えぇぇええ!?」

 

 座り込んでしまった遼太とバジルに、綱吉たちも慌てて二人をアジトに連れ帰り、京子たちに料理を作ってもらったのだった。

 二人は、ものすごい勢いで料理を口に運びながら、今までのことを話していた。

 

「遼太君、父さんのところで働いてるの!?」

「まぁな」

 

 当たり前のようにチェデフに所属していると明かされたものの、十年前から来た綱吉にとっては驚きだ。

 

「あの後、家光さんに頼んではいたんだけど、もう少し待てって言われてな」

「それってあの時の……」

 

 なにか決意したように病室を飛び出していった時のことは、綱吉たちにとっては、まだ数日前でよく覚えている。

 

「あ゛……そういや、あの時はまだ言ってなかったっけか……まぁ、そうだな。あの時にな」

「にしても、意外だな。テメェは、あのまま逃げると思ってたのによ」

 

 牛乳を一気に煽ると、困ったように眉を下げながら笑う。

 

「あのまま、何も見なかったことにしてたら、ダチを見捨てたって、俺が俺を許せなかっただろうしな。……後悔はしてねぇよ」

 

 関わらないようにしていたはずなのに、十年後の今、引きずられるように深くまで関わってしまっていた。それに後悔はしていない。もうこれが日常でもあった。

 しかし、綱吉たちの表情は暗い。

 

「ま、まぁ! とにかく、ボンゴレ狩り始まってからは、仲間と連絡つかないし、ジュンが送ってきたツナたちのことと、このアジトが本当にあること信じるしかなかったんだけどな」

「潤也も生きてんのか」

「そうだ! 二人は一緒じゃないの!?」

 

 遼太を含め、潤也、凛の話題は、ここにきてから一度も出てきていなかった。てっきりボンゴレ狩りに巻き込まれたのかとも思ったのだが、遼太がこうして生きていて、潤也から情報が送られてきたというなら、凛も生きているはずだ。

 一緒に行動していたことの多い三人なら、十年後でも一緒にいる気がしていたが、遼太の渋い顔を見る限り違うらしい。

 

「なんていうか……うーん……まぁ、メールがくるくらいなんだし、生きてはいるんだろうけど、ぶっちゃけ俺も潤也の居場所はわかんねぇんだよなぁ」

「一緒じゃなかったのか?」

「拙者も聞きそびれていましたが、所属する機関については知っておられるのですよね? ここなら同盟ファミリーや機関の情報が調べられるのでは?」

「ジャンニーニとフゥ太なら、ある程度知ってるはずよ」

「マジっすか!? ヴァリアーは!?」

「「「「え゛!?」」」」

 

 ヴァリアーという言葉に、全員が驚いて声を上げた。そりゃそうだ。ついこの間まで、命をかけて戦っていたのだから。

 今回は味方だとは聞いているが、やはり真っ先に出てくるとは思わなかった名前だった。

 

「ヴァ、ヴァリアーなら、前に通信入ったけど……」

「ザンザスの野郎が6弔花の奴をぶっ飛ばしたってな」

「スクアーロも元気そうだったぜ」

「そっか! よかった!」

「あ、あのさ、もしかして……」

 

 遼太の今の喜び方からしても、ヴァリアーにどちらかがいるのは想像がつくが、先程、潤也の居場所を知らないと言っていた。つまり、残りは一人だ。

 

「近衛さん、ヴァリアーにいるの……?」

「あぁ」

 

 十年前から来た全員が叫んだ。

 

「きょ、極限になぞだァ!!!」

 

 了平が叫びたくなるのもわかる。確かにベルフェゴールとは仲が良さそうだったが、ヴァリアーに入るとは思わなかった。

 

「そ、そんなこと言われてもっすね……! そもそも、凛が誘拐されたのは中三だし」

「誘拐!?」

「ヴァリアーにな」

 

 凛も中卒が必要ないなら、このままでいいかなんて、テキトウな考えでそのままヴァリアーに残ることを決めてしまった。

 

「俺も俺で、中学卒業してからは家光さんのところで修行してて、帰ってきたら、ジュンはいなくなってるし、店もなくなってて……それ以降、たまに会うくらいで、一緒にはいなかったんだよ」

 

 絶句している綱吉に代わって、獄寺が思い出したように、ヴァリアーの通信に凛のことが一切出てきていないことを聞けば、「凛だから」の一言。

 

「だけどよ、いくらヴァリアーが健在でも、あいつが生きてるとは限らねぇだろ」

「大丈夫じゃね? ザンザスとスクアーロ生きてるなら、まぁ、死んでることはなさそうだし。それこそ、ヴァリアーがやられてないかぎり、凛は生きてるよ」

 

 言い切ってしまう遼太に驚くが、すぐに苦笑いに変わった遼太は潤也から聞かされたそれを、獄寺たちにも聞かせる。

 

「なんでも、ベルが凛を殺せるか不安になってきたって言うレベルだぜ?」

 

 あのベルフェゴールにそこまで言わせるとは、少しだけ凛と会うのが怖くなってきた。

 

「さて……ツナたち、どっか行くつもりだったんだろ? 飯も食ったし、付き合うぜ?」

 

 立ち上がるとふらつく足元。すぐに山本が支えてくれたため、倒れることはなかったが、隣に座っていたバジルは顔を机に叩きつけるように、寝ついてしまった。

 体力がもう限界だった。

 

「遼太たちは休んでろって」

「わ、悪ぃ。バジルは俺が部屋に運んでおくから」

「大丈夫? 手伝うよ?」

「大丈夫だって。ラルのスパルタ教育に比べれば、こんなのちょろいもんよ」

 

 それには少し納得してしまった綱吉たちだった。

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