笑って、群れて、失った    作:こっここーまん

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06 二年生になりました

 二年のクラスが発表され、掲示板に人が集まっていた。遼太も人をかき分けて掲示板を見上げる。

 

「あー……おっしゃ! 名前あった!」

「留年する気だったの?」

「A組だ! お前らは?」

 

 二人に聞けば、凛は掲示板を見上げて、首をかしげたあとに、思い出したような声を上げ、また掲示板を見上げた。

 

「え? なに今の……どういう反応だよ」

「いや、たまに自分の名前忘れない?」

「忘れねぇよ!!」

「あ、みんな一緒のクラスだよ」

 

 潤也の言葉に、遼太も確認してみれば、なぜかよく話すメンバーとも同じクラスになった。

 

「ジュン……」

「ツナたちは知らないよ」

「……ツナたちは、ねぇ」

 

 それ以外は裏で回したということらしい。雲雀の名は、兄だろうが弟だろうが関係はないようだ。

 教室に行けば、京子と花も既に来ていた。

 

「顔ぶれが随分変わらないわね」

「ラクでいいじゃん」

「まぁ、しかし、ロンシャンなんてうるせー奴と同じクラスになったよね」

「ロンシャン?」

 

 花に指された先では、マフィアだとクラスメイトに公言しているロンシャンがいた。

 

「まぁ、巻き込まれない分にはいーんじゃない? 楽しそうで」

「そうだね」

「京子まで……」

 

 ちらりと凛を見ると、また嬉しそうに笑う。

 

「?」

「凛ちゃん、最近楽しそうだから」

 

 少しだけ目を見開いた凛は、花の方に目を向けると、

 

「楽しそう?」

「店員でスマイル増えたんじゃない?」

「子供相手にスマイル0円はしてないんだけどなぁ」

「私、絶対あんたのところでバイトできないわ」

「花、子供苦手だもんね」

 

 始業式だけで、本来なら今日は疲れる予定はなかったのだが、

 

「つかれたー!!」

「同感……リボ山はもういいよ」

「というか、今日の場合、リボ山のせいじゃないよね」

 

 初日から担任が休み、代理としてきたリボ山に、前の授業参観の悲劇がまた起きるかと思えば、今回はロンシャンたちのせいで、大変だった。

 

「あの彼女はないって。どう反応すればいいんだよ……バカって、若干照れながらあのタイミングとか、完璧すぎて、かわいく見えた」

「凛。落ち着いて。女は内面とかいうけど、さっきあの子、もう知らないとか言って、ロンシャンのこと着拒してたから」

「あぁ……女の闇が」

「待て待て。お前ら、アレ、オッケーなのか?」

「人を見かけで判断しちゃいけないんだよ」

「女を顔で判断するとか、気をつけろよ……?」

 

 二人の言っていることは合っているが、圧倒的に何か間違っている。

 

「おーい。遼太。早くいこうぜ!」

「お、おう! 今行く!」

 

 山本に呼ばれ、遼太も鞄を手に部活へ向かった。

 

***

 

 さすがに、四時半ともなれば子供たちもあまり来なくなる。

 

「ちゃおっす」

「あれ? 珍しいお客さんだね」

 

 リボーンは、まるで自分の家のように居間まで入ってくると、

 

「エスプレッソ」

「ないよ。ここは喫茶店じゃないし」

「軒下にいろいろあるじゃねぇか」

「……なんで、凛のコレクション知ってるの」

 

 軒下には、変わった茶葉やコーヒー豆、酒が置いてある。酒に関しては、キドニーの物だが、他は全て凛の趣味で集めているものだ。炊事をよくやっているおかげで、買い出しとして、お小遣いとは別に金をもらい、それをうまく使い集めていた。

 キドニーがいうには、結構いいものが集まっているらしく、勝手に飲んでいることも多い。

 

「最強のヒットマンだからな」

「やってることは泥棒と同じだよ」

 

 一応、軒下を覗いてみれば、置かれているコーヒー豆をひとつ手に取って、見よう見まねでエスプレッソをいれる。

 

「雲雀の弟にしちゃ、ずいぶん普通だな」

「それ、よく言われる」

 

 恭弥なら、誰かのためにコーヒーをいれるなんてまずしない。どちらかといえば、いれられる側だ。

 

「まぁ、ファミリーには情報戦ができる奴も必要だからな。お前はうってつけだぞ」

「やっぱり勧誘かぁ。あ、そうだ。じゃあ」

 

 見上げるリボーンに、微笑みながら、

 

「凛を殺してくれたら、ファミリーになってもいいよ」

 

 それは、偽りが全くない笑顔だった。

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