社会人って……忙しいね……
ショウゴのご両親と、彼の手足がもう無いことを伝えると、彼は私の予想より落ち着いた雰囲気だった。
ショックは受けてるけど……私の前で弱音を吐かないようにしているのか、必死に感情を押し殺そうとしているように見えた。
「その……ごめんなさい」
「え、なんでナターシャさんが謝るんですか?」
「私がもっと早くあなた達の元にたどり着いていれば……こんなことには……」
軍人として、IS操縦者として何度も戦場に赴いたことはある。でも、あんな光景は今まで見たことない。あんな酷い光景は……。
ISを使えると言っても、こんな子供1人守れないなんて……!
「ナターシャさんは、僕を助けてくれました」
「……」
「ナターシャさんが助けてくれなければ、手足どころか命までなくしているところでした。だから、ナターシャさんが謝ることではありません」
「でも……」
「ありがとうございます。僕を助けてくれて」
「っ……!」
この子は……両親を失って、自由に動き回る体を失って……それでも私にそんなことを言うの?
なんて……なんて強い子なの……。
「ふふ……元気付けるために来たのに、逆に元気付けられちゃった」
「それならよかったです」
ショウゴは少しぎこちない笑顔を浮かべてそう返す。本当にこの子は……
と、その時、ぐうっという音がショウゴのお腹から聞こえてきた。
「あ、その……」
ショウゴは恥ずかしそうに顔を背けた。その姿で、ようやく彼が年相応の子供のように感じることができた。
「お腹、空いたわよね。待ってて、今お医者さんにご飯食べていいか聞いてくるから」
私はショウゴの病室を出て、胸の内である決意をし、ショウゴの担当医の元へ向かった。
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『ちょ、ナタルそれは本気かい!?』
「冗談でこんなこと言わないわよ。それはあなたもよく分かってるでしょう?」
その日の夜、私はマネージャー(モデルの仕事の)に電話をかけていた。
『しかし、またどうしてこんな突然……モデルの仕事を辞めるなんて!』
「……やらなきゃいけないことができたのよ」
『今じゃないとダメなのかい?もう少し落ち着いてからでも……』
「ダメ、今じゃないとダメなの」
『……』
さて、あちらはどう出てくるか……何が何でも辞めさせないか、妥協策を出してくるか……。
『……わかった。上の方には僕の方から言っておこう』
「いいの?」
『やらなきゃいけないことがあるんだろう?それに、君にとってのモデルの仕事は、そこまで本気で打ち込めるものじゃなかったみたいだしね。君がやりたいことをやるといい』
今まで、マネージャーのことをカッコいいと思ったことがなかったけど、少しだけ見直したわ。
『ただし、今予定されてる仕事だけはこなしてくれ。それだけは頼む』
「わかったわ。ここまでワガママ言ったんだもの、それくらいはね」
『助かる。それじゃあ、僕は色々と手配を……』
「あ、待って。もう1つ、聞きたいことがあって」
『ん?なんだい?」
「子供って、どうやって育てればいいのかしら?」
『なっ!?』
いらぬ誤解を生んだことは言うまでもなかった。
短いですが……今回はここまで。
なんかクラリッサと似た感じに……