空中戦艦ーDeus ex machina 出撃する! 作:ワイスマン
―――――8月10日 PM6:00 東ジャワ島ジェンティング飛行場 外周陣地
ジャワ島東部にある飛行場の一つジェンティング飛行場。
人類側との最前線で損傷した飛行機が次々と帰ってくる中、外周陣地を守っている深海棲海軍の兵士級達は、自身に与えられた哨戒任務を忠実に、そして機械的にこなしていた。
その時外周陣地の中に、一陣の風が引き抜ける。
そしてその風と共に一人の金髪の男が、何の前触れもなく現れた。
認識の隙間に入り込むような、何の警戒も示せずごく自然に現れたその男に、兵士級達は一瞬呆然となるものの、すぐさま敵と判断、自身の役割を果たすため、機関銃を向け排除しようとする。
しかし、その判断はあまりにも遅く、男が姿を現した時点でもうすでに終わっていた。
兵士級達が動こうとした瞬間、いつの間にか自身の体に付けられた傷が一斉に花開き、兵士級達は何が起こったのか全く理解できないままその場にいた全員が命を落とした。
持ち前の俊足を生かし兵士級を切り刻んだ、ルーク・ヴァレンタイン准尉は陣地の制圧を確認すると、背後の森に合図を出す。
すると、後方に控えていた、バレンタイン小隊と、ベルンハルト小隊が、音もなく次々と陣地内に侵入を果たした。
「さすがだぜぇ~兄貴」
「お前はいちいち騒ぎすぎだ。今回の仕事は潜入制圧だ、静かに動け」
「大丈夫ですかね、本当に……」
近くではやし立てるヤン・ヴァレンタイン曹長と、それを軽くあしらうルーク・ヴァレンタイン准尉を横目で見ながら、U-890は2つの小隊に指示を出した。
「ではベルンハルト小隊は、このまま外周陣地の制圧を、ヴァレンタイン小隊の皆さんは滑走路の制圧をお願いします。
あぁ、滑走路の方は三本すべて、無傷で手に入れてください。
二か所の制圧が終われば、小隊全員で、飛行場姫を袋叩きにします」
軽く任務の確認をすると、U-890二つの小隊全員の顔を見回し、気負った様子など欠片も見せず任務開始の合図を出す。
「では、始めてください」
徐々に闇に染まる飛行場の中を、闇の眷属たる吸血鬼の集団が、静かに、迅速に駆け抜けていく。
人間の兵士より鋭い知覚を持つ兵士級だったか、夜という吸血鬼の独壇場に立っては、ただのカモにすぎない。
哨戒活動をしている部隊が―――
防衛陣地で監視をしている防衛隊が―――
背の高い見張り台で周辺を警戒している兵士級が―――
陣地にて休止状態で待機する戦車級が―――
背後から音もなく現れた小隊の隊員に、首を一閃され、核を破壊され、最後の断末魔も上げることなく、絶命し、破壊されていく。
夜の飛行場に、蠢く吸血鬼の軍隊は、夜が更けていくにつれて進軍速度を上げて、飛行場というキャンバスを深海棲艦軍の血で真っ黒に染めていった。
司令宿舎の地下にて飛行場を統括するジェンティング飛行場姫が異変を感じ始めたのは、外周陣地にて監視活動をする部隊からの定時連絡が一切なかったことからだった。
定期的に入る連絡がないことを不審に思った飛行場姫は、その部隊に向けて通信を試みるものの、一向につながらない。
そこで飛行場姫は、滑走路で警戒活動をしていた部隊に、連絡が途絶した部隊の確認に向かわせた。
しかし、その部隊もしばらくののち、何の前触れもなく連絡を絶ってしまう。
いや、その部隊だけではない。
いまや飛行場周辺に展開する部隊全てと、連絡が取れなくなっていた。
ここでようやく自身の飛行場が何者かの襲撃を現在進行形で受けていることに気が付いた飛行場姫は、近辺に点在する基地に対し救難信号を出そうとするも、ノイズがかかり外部との連絡が一切取れなくなっていた。
その直後、司令宿舎全体が爆風に包まれた。
「あのアホ女くたばりやがったか?」
「この程度の攻撃で飛行場姫が死ぬものか」
飛行場姫がいると思われる建物にパンツァーファウストを撃ち込んだヤン・ヴァレンタイン曹長、ルーク・ヴァレンタイン准尉は軽口を叩きながらも、油断なく燃え盛る建物を見つめていた。
飛行場周辺に展開する部隊を全て制圧したベルンハルト小隊、ヴァレンタイン小隊の両隊が建物の周囲を半包囲し、銃口を構える中、突如建物が内部から吹き飛び、憤怒の表情を浮かべその身に艤装を展開しながら現れた。
「貴様ラカ!私ノ基地ヲ襲撃シタノハ!!」
「そうだよ~ビッチ。この基地にいた兵士はみ~んな俺らがぶっ殺しちゃいました~!」
「この基地は今後の作戦行動のため、我々ミレニアムが接収する。無駄な抵抗はやめて投降したまえ」
現れた飛行場姫に、小隊員すべての銃口向けられる中で、ヤン・ヴァレンタイン曹長は挑発的な言葉を発し、ルーク・ヴァレンタイン准尉は、慇懃無礼な態度で飛行場姫に対し投降を促す。
明らかに相手の神経を逆なでするような物言いであり、投降を促す者の発する言葉ではない発言をする二人だったが、これは最初から飛行場姫が投降するとも、投降してもらおうとも、欠片も考えていなかったからだった。
これは、ただの確認作業、戦闘前の挨拶にすぎない。
小隊員が解き放たれる寸前の狼のごとく、むき出しの闘争本能を見せる前で、飛行場姫は展開した艤装を構え、予想道理の言葉を言い放った。
「ハッ!投降ダト?オ前達ヲ、全員始末スレバイイ話ダ!!」
「ハッハッー!!!そう来なくちゃ。んじゃ、ボス討伐と行きますかねェ!」
「無限に近い命を持っているわけでも、鋼糸を使うわけでもない貴様なんぞ、私の敵ではない!!!」
打ち終わったパンツァーファウストを投げ捨て、それぞれカスタムされつくしたP90、カービン銃を両手に構えたヴァレンタイン兄弟と、重火器を構えた二つの小隊は飛行場姫の砲撃の合図と共に、戦闘を開始した。
多数の護衛戦闘機に守られた深海棲艦軍の爆撃機編隊がジェンティング飛行場に向けて、飛行を続けていた。
そもそもの始まりは、ジェンティング飛行場との通信が突如繋がらなくなったことからだった。
ここ二か月ほど、正体不明の勢力による飛行場、補給基地、輸送艦隊などに対する襲撃が相次いでいたことから、深海棲艦軍は各地の飛行場からジェンティング飛行場に、すぐさま偵察機を向かわせるも、飛行場に到達する寸前で、全ての偵察機が一斉に連絡を絶ってしまう。
全ての偵察機が連絡を絶ったことから、撃墜されたと判断、そして同時にジェンティング飛行場が、正体不明の勢力による攻撃を受けていると判断し、その勢力を撃滅するため各地の飛行場、基地から爆撃機編隊と陸軍一個師団を急行させていた。
空を飛行する大規模な深海棲艦軍の爆撃機編隊は、目標であるジェンティング飛行場まで後少しの上空を警戒しながらの飛行を続ける。
編隊を組む航空機群には、戦闘になるであろう正体不明の勢力に対する明確な憎悪が周辺に漏れ出していた。
二か月ほど前から行われた度重なる襲撃のため、ジャワ島の航空機運用能力は大幅に低下。
このせいで、スマトラ島に展開する深海棲艦軍に対する航空支援が縮小、スマトラ島よりたたき出され、あげくジャワ島上陸を許してしまうという結果の一因なったのは言うまでもない。
このため、深海棲艦軍の航空機達は、下手人をこの手で始末してやるという復讐の炎を燃やし、一糸乱れぬ編隊飛行を続けていた。
傍から見れば、飛行場を襲撃する敵を駆り立てる獰猛な猟犬の群れ。
しかし、正体不明の勢力―――ミレニアムにとっては、数だけを揃えた羊の群れでしかない。
深海棲艦軍の偵察機が消息を絶った付近で、護衛戦闘機がはるか上空から、急降下する物体群を目視した。
敵勢力の戦闘機による襲撃―――
それに気が付いた護衛戦闘機は爆撃機編隊に防御砲火の指示を出そうとしたものの、その戦闘機は圧倒的に早く、周囲にジェットエンジンの音を響かせた48機の戦闘機が、編隊が弾幕を張る前の爆撃機編隊に飛び込み、中心を飛行する重爆撃機に対し、空対空ロケット弾『R4M改』をそれぞれの目標に二発づつ撃ち込み、その脇を通り過ぎていった。
発射された『R4M改』は至近距離で発射されたために全機が目標に命中、命中したロケット弾は機体内部にて、520 gの高性能炸薬の力を解放、内部から重爆撃機を焼き尽くしたあげくに、腹に抱えた大量の爆弾に引火し大爆発、一機の例外もなく暗い空に巨大な火の玉を作り出していく。
一度に四十八機もの重爆撃機を撃墜したジェット戦闘機群は、大きくターンし、今度は爆撃機編隊の後方から攻撃を仕掛けてきた。
爆撃機編隊もようやく防御砲火を張るも、初撃で大量の爆撃機が落された影響は大きく、所々欠落した弾幕しか張れず、ジェット戦闘機群はその隙間から編隊に突撃、肉を啄むように、爆撃機が次々落されていく。
爆撃機編隊が、ジェット戦闘機群に蹂躙されている横で、護衛戦闘機も危機的状況に陥っていた。
編隊に対し攻撃が加えられた瞬間、護衛戦闘機にも同様に攻撃が始まった。
上空からの奇襲攻撃で乱れた隊列に、こちらはレシプロ戦闘機が次々格闘戦を仕掛け、爆撃機編隊から引き離されていく。
そうして始まった戦闘機同士による空戦だったが、墜落していく戦闘機は全て深海棲艦軍の護衛戦闘機という有様だった。
深海棲艦軍の護衛戦闘機が次々落されていく理由―――
それは、相手のレシプロ戦闘機が高性能なのもそうだが、統率された戦い方にあった。
すべての戦闘機が、有機的に効率的に、お互いの位置を把握、利用し、一切の無駄なく護衛戦闘機を撃墜していく。
いくら護衛戦闘機が背後を取ろうとも、別の戦闘機が最小限の動きで妨害し、最小限の動きだけで撃墜されていく。
空を必死で逃げ回る護衛戦闘機は、まるでチェスの盤上のように、この空域全体を支配するプレイヤーが三次元上に駒を配置し、自分達にぶつけているような、もはや自身の命がけの戦闘を、何者かがゲーム感覚で楽しんでいるような、立ち位置すら下げられる感覚に襲われた。
それはある意味で間違ってはいない。
爆撃機編隊を蹂躙するジェット戦闘機群、そして護衛戦闘機を刈り取るレシプロ戦闘機群、いや、それだけではない。
敵味方入り乱れる空全てを一人の男が完全に掌握しているのだから。
ジェンティング飛行場姫は、ヴァレンタイン小隊、ヴェルンハルト小隊の特殊極まる戦い方に手をこまねいていた。
飛行場姫に対し仕掛けるのは、常に一個小隊。
人間離れした動きで翻弄し、一定以上の距離からパンツァーファウストを正確無比に次々と発射。
それと同時に後続の小隊と入れ替わり、次弾装填の時間を稼ぐことで飛行場姫に絶え間ない攻撃を加えていた。
もちろん飛行場姫も、反撃をしようと艤装を小隊に向けようとするも―――
「隙ありってな!!!」
「よそ見をしている暇はあるのかね!?」
ヴァレンタイン兄弟が絶妙なタイミングで接近戦を仕掛けてくる。
二人の持つ武装では飛行場姫に対し、さほど効果のある攻撃はできないものの、相手の照準を狂わせ、隙を作ることくらいはできる。
そこに図ったように次々とパンツァーファウストの弾頭が着弾することで飛行場姫の攻撃を完全に封じていた。
しかし、ある意味で綱渡りと同義語のような戦闘でも飛行場姫を撃破するには至らない。
至るところに傷を作りながらも、その闘争心に一遍の衰えもなく、憎しみの目を小隊全員に向けていた。
「かって~こいつ!レイドボスかっての!」
「1つの命が固いだけだ。無限に近い数の命を持っているわけでもない飛行場姫なんぞ、恐れるに足らん!」
「……あんちゃんポジティブすぎね?」
「コノ程度ノ攻撃デ私ヲ倒セルト思ッテイルノカ!!!」
飛行場姫と小隊と戦場は、司令宿舎から未完成の第四滑走路までその舞台を移していた。
コントのような掛け合いを見せる兄弟に、苛立ちを見せる飛行場姫。
すると兄弟は、飛行場姫に向き合い、勝ち誇った笑みを浮かべた。
「いや?私たちの仕事は、お前をここに連れてくることだ」
「いや~俺らのモンになる飛行場を壊されたら、たまらねーもんな」
「コノッッ!!!」
もはや自分の物になるということ前提で話をする兄弟に怒りだす飛行場姫だったが、よくよく周囲を見渡してみると先ほど自身を攻撃していた小隊のメンバーがどこにもいなくなっていた。
困惑する飛行場姫に兄弟は、最後の言葉を投げかける。
「冥土の土産に覚えておきたまえ。貴様を倒した相手。我々『ミレニアム』の名を」
「そんじゃあ、チャオ!」
それと同時に掻き消えるように兄弟が姿消した。
そして次の瞬間―――
「爆破♪」
足元で莫大な光が巻き起こり、飛行場姫は、光と共に消し飛んだ。
「あぁ、美しい光景です……」
小高い丘の上、爆破地点からかなりの距離を離してもなお届く爆風にU-890は銀の髪を靡かせながら、飛行場姫を飲み込んで、出来上がった巨大なキノコ雲に対して感嘆の声を漏らす。
ミレニアムは最初から携帯火器で、飛行場姫を撃破できるとは考えていなかった。
そこで最もシンプルな手段を取った。
それは『地雷』。しかしただの地雷ではない。
今回使用したのは、開発にて出た、有線式の533mm魚雷を改修、内部のほとんどを高性能炸薬に置き換え、自身の携帯艤装に装備して小型化、携帯艤装が一度にもてる本体の艦と同数、24本すべてを地面に埋め、遠隔操作で爆破するというとんでもないものだった。
一発につき、1,200㎏まで炸薬が詰め込まれた魚雷24本、炸薬合計28.8tもの凶悪な地雷は、携帯艤装での弊害で、威力が半減してもなお、飛行場姫を消し飛ばし、巨大なキノコ雲を打ち立てた。
「作戦終了。整備小隊は至急、第一第三滑走路に展開し、第一、第二戦闘機大隊に対する受け入れ、補給準備を整えてください」
『了解』
飛行場姫の撃破を確信したU-890は、飛行場近くに潜伏していた整備小隊に連絡を取った。
すると、しばらくののち、燃料を満載したタンクローリーと、弾薬を乗せたトラックの車列群が続々と展開し、整備小隊の隊員と、それと行動を共にする妖精さん達が忙しなく動き始め、飛行場はにわかに慌ただしくなる。
それを確認したU-890は、労を労うため、余裕をもって離脱したヴァレンタイン小隊、ベルンハルト小隊、そして危うく爆発に巻き込まれそうになり、冷や汗をかいた兄弟の元へ歩いて行く。
「ヴァレンタイン小隊、ベルンハルト小隊の皆さんお疲れ様でした。おかげで飛行場姫を始末でき、滑走路も無傷で手に入れることができました」
「お疲れ様でしたじゃねえよ!最後の爆発の規模大きすぎるじゃねえか!危うく巻き込まれるところだったわ!」
「……その辺にしておけ。まだ作戦は残っているんだ、無駄な体力を使うな」
しれっと労うU-890とそれに食って掛かるヤン曹長、そしてあきれ果てた声で制止を促すルーク准尉、そしてそれを笑いながら見ている二つの小隊は会話を弾ませながら、第二滑走路へと歩いて行った。
―――――8月10日 PM8:00 ジェンティング飛行場
制圧を終え、ミレニアムの支配下となったジェンティング飛行場、その第一、第三滑走路に、
大規模な爆撃機編隊を残らず刈り取ったジェット戦闘機の『Me262改』、
そしてレシプロ戦闘機である『Fw190』が次々と着陸し、
空戦によって失われた燃料と弾薬の補給を、整備小隊から受けている最中、第二滑走路上空に無数のプロペラの混声合唱が鳴り響いた。
マキナの巨大な船体の傍を飛行する、12機の中型ヘリコプター『NH90』、
そして護衛するように周辺を固める24機もの攻撃ヘリコプター『EC665 ティーガー』が第二滑走路の上空を飛行していた。
一足先に中型ヘリコプター『NH90』が着陸し、搭乗していたミレニアム大隊のメンバーは即座に展開、周辺の警戒を始める。
それに少し遅れるように、マキナの船体がゆっくりと着陸した。
タラップが降ろされ、残りの大隊メンバーが次々展開する中、マキナはゆっくりとタラップを下り、近くに待機していたU-890の所へと歩いていった。
「作戦ご苦労。よくやってくれたな」
「いえいえ、マキナさんの方こそ爆撃機編隊の攻撃阻止、ありがとうございました。
どうです?『基地航空隊』は使えそうですか?」
「かなり使えるな。自分の思うがままに統率できる」
『基地航空隊』―――それは陸上型艦娘を召喚できない人類が、陸上型深海棲艦に対抗するために設立された。
人類の飛行場を利用し、妖精さんが指揮操縦をする航空隊の呼び方だった。
だが、本来艦娘の補助としての働きが主であり、人的被害は一切ないものの彼ら自身の操縦技術はそれほど優れているわけではない。
それは、航空隊を統率できる存在の、陸上型艦娘が召喚できない以上それは仕方のないことでもある。
しかし、彼は、マキナという艦息は違う。
彼は飛行船。
空飛ぶ船。
だからこそ、彼は艦船にも分類されるし、
だからこそ、彼は、基地航空隊に所属することができるし、妖精さん達も艦息だからこそ統率できる。
加えて彼には、対空探索レーダーに、航空機管制システムが備わっており、航空機群から送られてくる膨大な情報を捌ききるだけの情報処理能力も備わっている。
この基地航空隊に所属する航空機は全て、マキナの忠実な、盾であり、矛であり、目であり、耳でもあるのだ。
「そろそろ出撃するか」
そして、彼は航空機にも分類されるし、艦船にも分類される。
飛行船の船体後部の巨大なタラップが地面に降ろされ、かつてU-890の船体が収めれらていた格納庫から、複数のキャタピラの音が周囲に響き渡った。
そしてゆっくりと、姿を現したのは7.5 cm KwK 42を主砲としたドイツ第三帝国の中型戦車、『V号戦車パンター』。
それが、統率された動きでタラップを伝い次々と展開していく。
この戦車群も艦船である艦娘の能力を使い全て、マキナの支配下にある。
今このジェンティング飛行場には―――
ミレニアム大隊、
V号戦車パンターによる2個戦車中隊
EC665 ティーガーによる攻撃ヘリコプター大隊
NH90の ヘリコプター2個中隊
Me262改 ジェット戦闘機大隊
Fw190 レシプロ戦闘機大隊
そして、空中戦艦Deus ex machina という、戦力が集結していた。
整列した兵士、兵器を見回し、マキナは今宵の戦争の開幕の宣言をする。
「目標、ジャワ島深海棲艦本拠地『バニュワンギ』!!!邪魔する奴は全員殺せ!!!進撃開始!!!」
飛行場が震えるほどの音を上げながら、ミレニアムはジャワ島深海棲艦本拠地へと進撃を始めた。
2016春イベントの基地航空隊が登場。E-7はつらかった…