自分でも自覚してるし、まだ年齢が10歳の少年が言われても無理はないと思う。
でも、自分を偽って他の小学生とワイワイ遊ぶのは何か違う。
そんな僕を見て、何の関わりの無いランドセルの少女が僕に質問をする。
どうして友達を作らないの?
まず、自分の「友達」と呼べる人間を頭に浮かべて欲しい。
その中で、もし裏切られても信用できる友達を選ぶ。
何が言いたいのかと言うと、人は「信用できる友達」、「信用してないけど友達」、「嫌いだけど友達」な人が存在している。
でも、それは果たして友達なんだろうか?
結局、裏切られても友達と呼べる人間は誰であっても数人だけしか存在しないと思う。
そう、それが僕の結論だった。
視界が闇に閉ざされている。
その中で、耳が痛くなるくらいのチャイムの音が聞こえる。
その音に反応したのか、いつの間にか視界の闇はうっすらと光を映し出した。
ああ…寝てたんだ…って自分で気付き視界を完全に開いて目を擦る。
辺りを見渡すと、もう誰も座ってない椅子と机が並ぶガランとした教室に夕日が差し込む光景を見た。
寝起きには眩しいけど、目を細めて窓の方を見る。
外を見るには、一番後ろの真ん中の席に座っているから、立ち上がって窓の前まで行かなくちゃいけない。
「本当に、面倒くさい席…いっそ窓側だったら授業中も外を見てたのに」
ガタガタと椅子を動かして、110センチくらいの身長の男の子が机のランドセルかけにあるランドセルを背負って窓の前まで歩いた。
その窓から臨む世界は、ランドセルを背負った少年少女が校内走り回ってる光景が目に入った。
そう、ここは何処にでもある小学校、そしてその教室の一室
「お、やっと起きたか?早く帰ってくれないと先生も困るぞ」
男の子が、外を見てると廊下側の扉をガラガラと音を立てて長袖の青と白の縞模様をしたカッターシャツを着た男が教室に入って来て言った。
「ほらほら、西園寺 菊戸(さいれんじきくと)…帰った帰った」
そう言うと男は、菊戸という少年に教室のカギをわざとブラブラさせて見せた。
このカギを持った男は、この少年の教室の…4-1教室の担任である松永 徹(まつながとおる)だ。
「すぐ帰ればいいんでしょ?」
僕は、そう言った。
正直、誰かと一緒に帰るような仲の良い同級生はいないし、待たせる相手もいない。
僕の帰りが遅れて困るのは、この担任だけだ。
そう言って、ランドセルを背負い直して教室を出て行こうとした。
「菊戸…あのな」
担任の松永が溜め息をして、教室の扉を開けて出て行こうとした僕の名前を呼んだ。
その表情は、何故か悲しそうな顔をしていた。
「もう、お前も四年生なんだし…一人くらい友達を作ったりとか…一緒に帰ったりとか…」
またか…
この話は幾度となく前の担任にも言われてきた。
正直、しつこい
別に迷惑になる事してる訳じゃないし困らせる事した訳じゃないと何度も言ってきた。
でも、この担任は毎回毎回飽きないのか言ってくる。
「先生…いい加減うぜーっす」
僕は、教室の扉を話を切るようにガラガラと音を立てながら開けて、さっさと教室を出て行った。