俺が助けた彼女はもう死んだ   作:図らずも春山

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優悟、ツッコむ

「え?何それ?」

「説明聞きひんかったの?」

「あ、はい」

 今、優悟は先程部屋に入ってきて、すぐに出ていった人と部屋割りについて話をしている。

「だから、四人で一部屋を使うことになってるんや」

 優悟と話している人は男の子である。

「ほうほう、じゃあ後一人来るってことなんだな?」

 年は優悟より少し小さいだろうか。とっても元気そうな男の子である。

「そゆこと…だと思う」

 標準語で時々話す。

「どんな人かな?」

「キレイな人やと思うで…ムフフ」

 少し、エロい。

「そんでね、ごっつ胸が大きくてね…ムフフ」

 意外と、エロい。

「キレイなナマ足したおじいちゃんだと思うで。ムフフ」

 全然、エロくなかった。

 優悟はあはは、と苦笑いする。

「そーいえばおにーさんの名前きいてなかったよね」

「あぁ、そういえばね。俺は成瀬優悟。君は?」

「オレは伊達 明。よろしくな」

「おう」

「そんでユーゴさん」

 いきなり声のトーンを落として明は言った。

「どしたいきなり」

「ユーゴさんはあのおねぇさんとはどんな関係なんや?」

 そういって明は楓を指差す。

 今、楓は着替えて寝ている所だった。

「んー…わかんない」

「え、彼女さんとかやないの?」

「違う違う違う!全然面識ないんだよ!」

「え~ホンマかいな?さっきの行為はなんやろかねぇ?」

「そ、それは…」

 優悟は答えにつまってしまった。

 ーあぁ、こんなときに誰か来て流れをかえてくれたら…!

 ガチャ

 ドアの開く音がした。

 視線が一気にドアに注がれる。

 そこに立っていたのは、金髪碧眼ちょいロングヘアーの少女だった。

 先に明が声をあげた。

「こんちは!オレは伊達明。こっちが成瀬優悟で、あっちが月夜野楓。君は?」

 明お得意のマシンガントークが炸裂する。

「私はレンよ。よろしく」

「おう、よろしく」

「よろしく」

「ZZZ」

 

 簡単な自己紹介を済ませた優悟達は明日に備えて寝ることにした。

 

          ◆

 

 

 ゆさゆさ。

 体が揺れる。

 いや、揺らされている。

「ゆ……ご……きて…」

 声も聞こえてきた。

 仕方なく優悟は目を開けた

 目の前には明の顔。

「ゆーごさん。早くしないと朝食に間に合わんよ」

「おう。サンキュー」

 明の助けを借りながら起き上がる。そして洗面所で顔を洗った。幾分か眠気がとれたようだ。

 部屋に戻るとすでに三人とも支度が出来ていた。

「いこっか」

 優悟たちは朝食場所へと向かった。

 

 すでに多くの人が朝食場所に集まっていた。

「4219の席は…ここ…の3こ後ろ…かな」

 隣は…まだいない。

「ここはバイキング形式なのね。ちょっと面倒くさいわ」

 レンがつぶやく。

「せやな。けど仕方ないわ」

 明のその一言でみんなが動き出した。

 優悟は思った。なんだろう?この違和感。

ーー五分後ーー

「いただきます」

 みんな一斉に食べ始める。

「しもた。マヨネーズとりわすれてもうた」

「ついでにベーコンもとってきて」

 楓が堂々と明をパシる。「ほな、いってくるで」

 優悟は思った。何かがおかしい。

 優悟は目玉焼きを口に頬張った。

「……?」

 あまり味は感じられなかった。薄いのだろう。

「ねぇねえ、昨日よく寝れた?」

 隣の奴等の女子がレンに話しかけていた。そこに明が戻ってきた。

「ベーコンもってきたでー」

 明の手にはありったけのベーコン。 ついに優悟は堪えきれなくなって叫んだ。

「修学旅行かよ!!!!!」

 周りの人間が一気に振り向く。しかし優悟は止まらない。

「つか、だいぶ前からおかしいだろ!なんで資料とか配られてんだよ!学校の説明会か!」

「ど、どしたのゆーごさん??」

 優悟は続ける。

「それに四人一部屋朝食付き(バイキング)ってホテルかよ!しかも誰一人として気づかないって、お前らおかしいんじゃないの!!!!」

「……………」

「黙るなよ!!俺がおかしいみたいだろーが!」

「…………」

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

………………………

………………

………

 

「ゆーごさん?何ボーッとしとるの?」

「あぁ、ちょっと回想してたもんでね」

「回想?」

「そ」

 今のこの時間は朝食も終わり、放送で呼ばれて現世に行くのを部屋で待っているという微妙な時間だ。

「そう言えばみんなどこに住んでるの?」

 話題づくりのためにしゃべってみた。

「オレは長堀や」「あ、私も」「同じく」

「え、嘘?俺もなんだけど」

 これは偶然?

「え?じゃあみんな何しとって生きとったん?」

 九州弁らしき言葉で明が聞いてくる。

「俺は学生だ」

「おぉ、一緒や!」

「私は月夜野財閥の一人娘」

「え、あの月夜野財閥の…?」

「他にある?」

「えええええええええええええ!?」

「じゃあじゃあ、レンさんは何しとったわけ?」

「私は……」

 レンの口が止まった。

「……?レン?」

「……………」

 ピンポンパンポーン。

 そこに放送が流れ始めた。

『えー、4219、4219の部屋番号のグループは、今朝の朝食場所へ来てください。繰り返します……』

「ほ、ほら、行こ!」

 レンはわざとらしく言った。

 一体何して生きてたのだろうか?

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