エイナさんとの約束をし、ホームに帰ってきた僕。
い、今思ったんだけどこれってデ、デートじゃ...いやエイナさんの事だからそんなこと考えてないか...。
「はぁー...明日どうしよう」
「ん?何か言ったかいベル君」
「い、いえ何もないです」
「ん、そうかい。なら、久しぶりにステイタスを更新しようか!」
僕はあのシルバーバックと戦ってから、ステイタスを最新していなかったためすごく楽しみだ。
そして上着を脱ぎベットの上に仰向けに寝転ぶと、その上に神様が乗っかる。
いつも思うんだけどこれって上に乗る意味ってあるのかな?
「あああああぁぁぁぁぁ!!!」
「うえぇ!!?」
突如、奇声をあげた神様に驚く。何やら言葉を選んでいるようだった。
「ベ、ベル君...魔法が出現した」
「.....え、えええええぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
勢いよく起き上がり上にいた神様を吹き飛ばす。
神様は、ベットの下に落ちていった....ってーーー
「すすすすいません神様!?」
「いてて、いいよ別に。とにかく紙には書くから待ってて」
そう言って渡された紙には...
ベル・クラネル
Lv.1
力:E448→E478
耐久:G216→G259
器用:D502→D528
敏捷:D583→D599
魔力:H107→H179
《魔法》
【
・各色によって発動できる魔法が変化
・通常時発動不可
《スキル》
【
・力を宿す
・各色によって能力の変化
・黒
【】
・赤
【】
・銀/
【世の理を覆し鬼よ
酒に酔いし我、友と共にこの世を否定せん
ひとつちぎれば恐れられ
ふたつ喰らえば逃げ出され
みっつ引き裂きゃ死合いを望まれたもう
我の名聞きたきゃ目を覚ませ】
・金
【】
まぁ、ステイタスの伸び方は普通として、(普通ではないです)魔法が発動した!?そ、それにこの《スキル》銀界の鬼...多分童子さんのことだ。ってことは、童子さんは僕の《スキル》ってこと!?
「ふぅ、とりあえず落ち着いたかいベル君?」
「は、はい...今も結構信じれませんがだいぶ落ち着きました」
「そうかい...まぁ、《魔法》は、はっきり言ってもしかしたらと思ってたんだ」
「え、どういうことですか?」
僕が《魔法》を覚えるってわかってたってことかな?
「《魔法》に必要なのは魔力だ。これは、《魔法》を覚えないとはっきり言って上がらない、にもかかわらず、あの時魔力は上がったが《魔法》は出てなかった。つまりそう長くない間に《魔法》が発動するかなって思ってたんだよ」
な、なるほど...。つまり、あの時にはまだ完璧に発動してなかったってことか。
「そして、君も聞きたいであろうその《スキル》【
これはヘスティアの嘘だ。
あの時ヘスティアは、能力も定かではない《スキル》をベルに教えるわけにはいかなかった。だが、今回この《魔法》【
「そ、そうなんですか...ん?神様この新しい《魔法》通常時発動不可って書いているんですけど」
「ああ、今からそれを言おうと思ってたんだ。ベル君よく聞いて...その《魔法》は今のままでは発動できないんだよ」
「...え?」
ま、まさか僕の魔力がたりない!?
「ああー、多分君が思っているようなことではないんだけど...この《魔法》は、この【
あ、そういえばあの時も何か言ってから不思議な力が使えたなと思い出す。
「その顔を見ると、何か心当たりがあるようだね。僕に教えてくれないかい?」
「あ、はい、あの時シルバーバックと戦っている時に
あれ、どうして僕は...
「んー、嘘はついてないようだね。そういうことならわかったよ。悪かったね、疑うようなことをして」
「い、いえ、心配してくださってありがとうございます神様」
「いいよいいよ、ボクと君の仲じゃないか〜。《スキル》や《魔法》については、のちにわかっていくさ。気を落とさないように!!さぁ、今日はもう寝ようぜ?」
そう言って神様はベットにダイブする。すると数秒後に寝息がきこえてきた。
ーーーって神様寝るの早すぎでしょ!?なんか最近疲れているようだけど何してるんだろう?
「...考えても仕方ないし僕も明日に備えて寝よう...」
そしてソファーに寝ころび意識を手放した。
『おい、ベルよ』
童子さんの声により、僕の意識は覚醒した。
...ここはあの時の銀世界?
『ベル、こっちじゃ』
「童子さん!ってことは....ここは夢の中ですか?」
『うむ、少し話すことがあって我が呼んだのじゃよ』
カカッと笑いながら、銀色の長い髪の女性ーーー茨木童子はそう言った。頭には日本の短いツノ。極東に古くから伝わる、鬼という種族なんだそうだ。
童子さんの微笑みながらも真面目な目を見て、僕は少し驚く。
「話すこと?」
『そうじゃ。まずわかってると思うが、あの紙を二本束ねている娘...いや女と話していたことじゃが』
「あ、あの時なぜか童子さんのことを話してはいけないような気がして...」
『別にいけないことではないのじゃが...まぁ、なんじゃ。我がお主の中にいると知られると、いろいろめんどくさいことになりそうじゃったから、少し手を加えたんじゃ。それによく思い出してみろ、お主は嘘はついてはいない』
え?確かあの時...「なぜか急に頭の中に言葉が浮かんできて」...あ、本当だ。嘘は言ってない。急に言葉が浮かんできたって言うのは本当だ!
『そうじゃろう?じゃからお、主は嘘などついておらん安心せい』
そう言い童子さんは僕の頭を撫でてくる。優しい手だ。
『そして次にあのすきる?とやらのことじゃ。あれは、いわば我とベルとの繋がりを書いているものじゃ。証明書とでも思おてくれれば良い。よかったの、これで我は決定的に主の矛となったわけじゃ」
「そ、そんな童子さんは、矛なんかじゃ...」
矛。確かにかっこいいが、その呼び方は嫌だった。
瞳子さんは少し驚いた顔をすると、いつもと同じように大きく笑った。
『くははは!悪い悪い、言い方が悪かったのう。つまりはベル...我はお主の力であり味方であるということじゃ』
「味方であり、力...」
『そう。だからベル、たまには我も呼ぶように。鈍ってしまってはいざという時に、上手く力をかせんかもしれないからの』
「は、はい!ありがとうございます!」
『カカッ!礼などよい。じゃが我ばかり頼るのではなく、お主自身も強くならねばダメじゃぞ?』
「はい!わかりましーーー」
『そこでじゃ!』
突如、童子さんの言葉に、僕の声は押しつぶされた。
見ると、何故だか童子さんは凄く楽しそうに見えた。
『お主に剣の基本的な使い方を教えてやろう。我は刀しか扱ったことしかないが、基本的な事は少しは教えれるからの』
「い、いいんですか?」
『お、案外乗り気じゃの!そういうのは好きじゃぞ。では...ほれ』
そう言いどこからかヘスティア・ナイフ、ラスト・オーダーの長さと同じくらいの、真っ白な武器を僕に渡してきた。
これは...氷?
『まぁ、最初はどこまで動けるかじゃな。見ているだけではよくわからんからの〜』
童子さんはそう言って立ち上がり、僕に投げた武器とは全く違う真っ黒な空間から、一本の刀を取り出した。
そして、それと同時だった。
「っつ!!?」
僕は、何歩も後ろに飛んでいた。
なんだあの刀。
自分なんかでもわかるあの刀の異様な雰囲気にゴクリと喉を鳴らす。感じた事のないものだ。
『ここは夢の中じゃから、死にはせんし痛くもない。...が、斬られたという感触は残るからの。いい練習になるじゃろ。では、まぁ我に一太刀浴びせてみよ』
「ひ、一太刀だけでいいんですか?」
『そうじゃ、一太刀でよい。じゃがまぁ...
「ッ!!」
感覚...いやカンと言ったほうがいいのかもしれない。
僕は、またも全力で後ろに飛んだ。
すると先ほど自分がいた場所には、童子さんが刀を振るった格好をしていた。
少しその目は嬉しそうな目だ。
『おおぉ!!ベル、今よくかわしたの!見直したぞ!!』
まるで自分のことのように喜ぶ童子さんを見て、夢の中なのに鳥肌が止まらない。僕と童子さんの距離は少なくても5〜6Mほど空いていたはずなのに...あそこにいたままじゃ確実に斬られていた。
『ふむ、ではもう一度行くぞベル』
そうだ、今目の前にいるのはあの『鬼』だ。
生半可なことでは、すぐ斬られる。そして、あの刀...上手く言えないが一言で言うとやばい正直に言うと今にでも目を背けたい。
(でも、僕が目指すあの人に...アイズ・ヴァレンシュタインに追いつくために!!)
そう決心し、ベルは両手の武器を構える。
童子はそれを嬉しく思った。
(ほう、この刀の威圧感を受けながら覚悟を決め構えるか...)
まさか初太刀を避けられるとは思わなかった。いや、あれは避けたのではないか?
しかしまぁーーー
『さすが我の見込んだ人間じゃ!』
童子が先ほどと同じように、ただ純粋に速い速度でベルに突っ込む。
だがベルも先ほどとは違い、しっかりとまではいかないが、童子の攻撃を目で追おった。
「ちゃんと、みえないけ...っど!!」
刃と刃が交わる音がなる。
ベルは刀を剣で受けナイフで斬りかかる...が、そう簡単にはいかない。童子は、くるりと身を回しさらに高速の斬撃を入れてくる。ベルもそれを即座に剣を逆手に持ち防ぐ。
(あの状況でこう防ぐとはやりおるな)
受けた剣を押し込みナイフで何度も攻撃をする。
しかしそれをことごとく避け、ベルの攻撃が少しでも途切れようならその隙に斬撃を入れる。
何度も何度もその状況が続く。
そして、だんだんとベルが押されていった。
もちろん童子は、ベルのレベルに合わせ攻撃をしている。だが、童子は少し驚いていた。
『ベルよ、やはりお主やりおるな。ここまで耐えるとは思わなかったぞ』
「はぁ、はぁ、あ、ありがとうはぁ...ございます」
実のところ、もっと早くにーーー厳密にいうと初めの一振りで終わらせるつもりだったのだ茨木は。
だが、ベルはそれを避け、あまつさえ数々の攻撃を避けていった。
『しかし、現実に害がないとはいえ、そろそろ限界じゃろう。...次で終わらしてやろう』
まるでここ周辺だけ重力が重くなったかのように感じるほど、先ほどとは比べものにならない圧倒的な気が充満する。
『受けれるのならば受けてみよベルよ』
「っつ!!」
そう言い童子さんは僕に向かい先ほどとは違う構えを取る。
いや、先ほども構えなどとっていなかった。それでもなお、僕は童子さんに押された。手加減されてるとわかっていても攻めきる事は出来なかった。
だったら...この一撃くらい防いで見せる!!
互いの刃が相手に向き合っている。そして、茨木は振るった。
『
ジャキンッーーー
そんな音のみがその場に響いた。
いつの間にか童子さんは僕の後ろにいて刀を僕の首に当てていた。
いつの間に?
そう思いふと目を手に向けると、先ほどまでこの手にあった武器が両方とも数十M先に刺さっているのが見えた。
「え、な、一体何が...」
『それがわかれば上々じゃよベル。じゃが、今のお前では見ることもかなわんかったじゃろうな』
そう言って刀を鞘にしまいそれを後ろに捨てると、いつの間にか消えていた。
...手も足も出なかった。手加減をしてくれたのにもかかわらずまったく歯が立たなかった。
「あ、あの...すいませんでした」
『なにがじゃ?』
「せっかく手加減をしてくださいいたのに僕...」
情けなかった。相変わらず、僕は弱いままだと自覚した。きっと童子さんも呆れているに違いない。そう思った。
だがーーー
『....くく、くはははは!!べ、ベルよ。お主まさか、我にかなうと思っておったのか!?くはははは!!』
「い、いえ、そんな事は!」
『くふふ...あぁー、やっぱりお主は面白いの。しかしベルよ、もし謝罪が今の敗北に向けたことならばやめておけ』
「え?」
『はっきり言って我は感心しておる。まさかあそこまで打ち合えると思ってもみなかったからの。最後のあの剣技だって使うつもりはなかったのじゃ』
「だったらなんで...」
『もちろん....お主に見せたかったというのと、上の者という存在を見せるためじゃ。...まぁ、簡潔にいうとーーー褒めて欲しかったのじゃよ」
....ん?
「ご、ごめんなさい。今なんと?」
『じゃ、じゃから褒めて欲しかったんじゃよお主にな。凄いじゃろう!?見事であったじゃろ!?不思議で不思議でしょうがないじゃろう!!?だから見せたかったのじゃ!』
え、つまり今の技を使ったのはーーー
『お主に我の力を見せる。そして、まぁーなんじゃその...よくここまでしのいだというご褒美も兼ねて?』
「なぜ最後疑問形なの!?」
「で、でも僕は...」
『馬鹿者。お主は誇っていいんじゃよ。ここまで打ち合えると我も思っていなかった。つまりは、お主はこの茨木童子に目にもの見せたということじゃ!!それはすごいことなんじゃよ』
「童子さん...」
『くく、本当にお主は...面白いの。我が見定めを誤るのはいつぶりじゃ?まったく自信なくすのじゃ』
「す、すいません」
よよよっと泣き真似をする童子さん。しかし、彼女の顔は笑っていた。
『よいよい、ではそろそろ終わりにしようかの。害はないというても限度があるからの。そして...最後にベルよ』
『お主は、強くなりたいか?』
童子さんが真剣な顔で聞いてくる。もちろんそんなこと決まっている。
「はい!」
『そうか、ならばこの茨木童子、この身にあるものすべてをお主に預けよう。我らは一心同体。決して破れぬ誓いをここに誓う!我が主人ベル・クラネルよ!』
「ぼ、僕からも改めてよろしくお願いします!」
「うむ!よく休め!」
そう言って僕の意識は再度途切れた。
(まったくベルお主は本当に面白いの)
『あの時我は、両方武器を折ろうとしたんじゃぞ?』
童子は先ほどまでベルが持っていた武器を手に取る。
ナイフの方は真っ二つに折れているのに対し、剣の方はーーー半分までヒビは入っているが折れてはいなかった。
あの時刀を剣に向けた時、まるで
『はぁー、ここも一人が結構気に入っていたんじゃがの』
そう言っていつもの定位置に戻った。