ダンジョンに夢を求めるのは間違っているだろうか   作:虎神

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今回から童子さんの言葉は『』にしていきます


8話

翌日、僕とリリは朝早くからダンジョンに潜っていた。

 

「ところでベル様、あのナイフはどこにしまわれたのですか?」

 

「あーそれならプロテクターの中に収納したよ。また落としたりしたら嫌だしね」

 

そう答えると何故かリリが顔をしかめ、そうですかとつぶやいた。

 

「まぁいいです。それで今日はどこまで進むおつもりですか?」

 

「うん、今日も7階層あたりで夕方まで粘るつもりだけど...」

 

昨日の夜、神様に新しくステイタスを最新してもらったので、はっきり言って7階層あたりの敵に遅れを取る気はしない。

 

『ベル、あまり浮かれるではないぞ?主はまだ弱い』

 

突然童子さんに指摘され心の中ですいませんと謝る。

 

「じゃあ、行こうか!」

 

「はい、わかりました」

 

そして、7階層に進む間リリと少し話しをしたのだが、なんとリリにはもうスキルが発現しているらしい。うらやましい...

そして、途中何度かモンスターと会ったが余裕がある戦いで切り抜けて行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「31000ヴァリス....」」

 

これは7階層から帰ってきギルドの換金所に行った後の反応だ

そう、リリとベルがその換金所から受けとった金額だった。

 

「ねぇ、リリ。夢かなコレ?」

 

「いえ、決して夢ではないと思いますよベル様」

 

.....つまりは

 

「「やぁーーーーーーー!!」」

 

僕とリリは向かい合い笑顔でハイタッチを交わした。

 

「す、凄いですよベル様!!いえ、凄いなんてもんじゃないですよ!!普通五人組のパーティーが1日で手に入れれる金額が25000位です!つまり今回ベル様は冒険者五人分の働きをしたことになりましたよ!!」

 

五人で稼げるのが25000すると一人5000ヴァリス稼ぐという計算になるためベルは今回なんと、六人分の働きをしたということになる。

 

「いやぁ、兎もおだてりゃ木に登るって言うじゃない!?つまりそういうことだよ!!」

 

「いまいち何を言っているかわからないですけどとりあえずここはリリものっておきます!!ベル様凄い」

 

今回はいつもより童子さんの力をよく貸してもらったけどそれでも自分の成長を感じると嬉しいものがあった。

 

「いやぁ、でもリリのおかげでもあるよ!!」

 

そして、もう一度ハイタッチをした。

 

「...そ、それでは今日の分け前をくださいませんか?」

 

「あ、そうだね。はい」

 

そう言って16000ヴァリスをリリに渡す。

 

「え?」

 

「やったー!コレで神様に何か美味しいものでも食べさせてあげよう!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください」

 

リリはベルを言い止める。

 

「これはいったいどういうことですか!?」

 

「え?何が...」

 

今回の稼ぎは31000ヴァリス。にもかかわらず自分が受け取ったのが16000ヴァリスということはベルは15000ヴァリスということになる。たった1000ヴァリスだけだがサポーターである自分がキチンと半分...いや、それ以上貰えるなど思ってもみなかったのだ。

 

「いやーだって、リリがいなきゃこんなに稼げていなかったし...それにたった1000ヴァリスだよ?気にしないで」

 

「ですが....わかりました。今回はいただいておきます」

 

ベルの純粋な瞳に負けたのだった。

この人は本当に欲というものがないのだろうか?

 

「リリー!実はすっごく美味しい酒屋があるんだよ!よかったらいっしょにいこう!」

 

「ふぇ?ちょ、ちょっとベル様!?手を引っ張らないでください〜!」

 

 

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

【ステイタス】

 

力:C631

耐久:F360

器用:B705

敏捷:B793

魔力:G209

 

《魔法》

限定色魔法(リミットカラースペル)

・各色によって発動できる魔法が変化

・通常時発動不可

 

《スキル》

幻夢一途(ファント・フレーゼ)

・早熟する

・夢が続く限り効果継続

・夢の丈により効果向上

 

英雄色(ヒロイック・カラー)

・力を宿す

・各色によって能力の変化

・黒

・赤 クリア

・銀/銀界の鬼(オールドシルバー)

【世の理を覆し鬼よ

酒に酔いし我、友と共にこの世を否定せん

ひとつちぎれば恐れられ

ふたつ喰らえば逃げ出され

みっつ引き裂きゃ死合いを望まれたもう

我の名聞きたきゃ目を覚ませ】

・金

 

【装備】

《ヘスティア・ナイフ》

・ベルの主神ヘスティアが、神友のヘファイストスに何十時間と土下座をし勝ちとったものである。

・先から先までが黒く染まっており刃の方には【神聖文字】が書かれている。

 

《ラスト・オーダー》

・こちらもまたヘスティアがヘファイストスに頼んだ物。

・直剣のようだが片方にしか刃はついていない。

・ちなみに名前はヘファイストスいわく「もう二度とヘスティアの無茶なお願いは聞かない」と言うことで、最後の注文=ラスト・オーダーになったらしい。

・しかし、この事実を知るのはヘファイストスとヘスティアのみである。

 

《兎鎧Mk-II》

・【ヘファイストス・ファミリア】に所属する、ヴェルフ・クロッゾが作り上げた防具シリーズ第一弾。

・軽装のメリットでもある軽い。そして、防御力も高いというかなりの業物であったが、名前が致命的にアレなのでボックス行きになってしまいそうなところをベルが買い取った。

 

《グリーン・サポーター》

・価格7700ヴァリス

・エイナからの贈り物。彼女の目と同じエメラルド色。

・盾と同じ役割をするプロテクター。もちろん盾より耐久は弱いが軽量である。

・幅の面積が狭い代わりに細長く、短刀及び短剣ならば格納可能。

 

《アクセルペンダント》

・価格26000ヴァリス

・【ディオニュソス・ファミリア】所属のフィルヴィスからの贈り物

・首なかけるペンダントで赤い石がはまっている。

・装備者の敏捷が少し上がる。

・値段についてはもし言えば受け取ってもらえないと思い言わなかった。フィルヴィスいわく「少しでも生存率が上がるように」ということで、敏捷を上げるペンダントにしたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻はそろそろ夕暮れに入ろうとしている時間帯だった。西側のメインストリートを歩いて行くとちらほらと冒険者や商人とすれ違う。

 

「あぁー、疲れたー...」

 

ヘスティアはヘファイストスへの借金返済のため今日も今日とて仕事にあけくれていた。

 

「にしてもヘファイストスの奴、もうちょっと気を利かせてくれてもいいじゃないか...」

 

はっきり言ってヘファイストスは容赦がない。ヘスティアにとっては全てが初めてのことで困難を極めることだが、本当にまったく容赦なく仕事を振ってくるのだ。

 

「あぁ...ベル君にあいたいよー」

 

ぽつりとそう呟いた。

自身のこの疲弊しきった体を回復するためには、もうベル君の胸に飛び込むしかない!

そのようなことを考えながら家に帰っていると...

 

「ん?アレって...」

 

遠くからでもわかる白い髪の少年を見つけた。

 

ベル君だ!ーーー

 

そう思うが即ベルの方向に走り出そうとした...が、ヘスティアは見てしまった。

 

(え?)

 

ベルの横にはその体には似合わない大きなバックパックを背負いフードをかぶっているが一目で女とわかる体をしていた。

そして、何より....手を繋いでいたのだ。

 

(ベル君が...ベル君が....あぁああああああ!!!)

 

その光景を見たヘスティアは耐えられるはずもなく顔を真っ青にしながら走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「ぬぉぉぉおおおお....」

 

「か、神様大丈夫ですか?」

 

ヘスティアは凄まじい頭痛の痛みで起き上がった。昨日あの光景を見た後たまたま会った【ミアハ・ファミリア】の主神ミアハとやけ酒をしていたのだ。

 

「ミアハ様にも聞きましたが本当に大丈夫ですか?」

 

「あ、ああ、ありがとうベル君」

 

ミアハ様いわく「少し疲れているようだ。寝かせてやってくれ」と言われたがそんなにバイトがきついのかな?

 

「うぅぅ...そういえばベル君、今日はダンジョンいかないのかい?」

 

「こんな神様を放っておけるわけないじゃないですか」

 

そう言ってベルはヘスティアに水を一杯手渡す。それを一気に飲み干したヘスティアは昨日の事を聞くことにした。

 

「ベル君、昨日少し見かけたのだがあの子が前に言っていたサポーター君かい?」

 

「え、すれ違ったんですか?声をかけてくれればよかったのに...」

 

できるわけがないだろう!と、言いたいところだがそのまま話を聞くと、どうやらただ一緒にご飯を食べに行っていただけだったようだ。

 

「ふぅーん、君は昨日は美味しいご飯をそのサポーター君と食べていたってことかい」

 

「はい!」

 

「ほぉーう...あぁーあ、僕も行きたかったなー」

 

少し嫌味ったらしくベルに向け言う。

 

「じゃあ行きましょうか?」

 

「へ?」

 

「実は昨日行ったのもダンジョンでかなりの額を稼げたのが理由なんですよ。ですから神様とも少し豪華な食事にでも行こうと思っていたですけど...その調子じゃ無理...」

 

「なもんか!さぁー行こう今すぐ行こうベル君!!」

 

この神は超単純であった。

 

(これって...デデデデデデ、デートというやつでは!?)

 

一人内心おかしくなっているヘスティアを知らないまま話は進んでいく。

 

「でも、神様...体が」

 

「もう、治った!」

 

「いや、いくらなんでもそんな急に!?」

 

「大丈夫さ!僕を誰だと思っているんだい?ヘスティアだよ」

 

その意味のわからない根拠は置いておいて、確かに顔色は良くなったし大丈夫かな?

 

「わかりました。今から行くんですか?」

 

「んー...あ!」

 

 

「六時だ!」

 

ヘスティアは、何かを思い出したように時間を言った。

 

「南西のメインストリート、アモールの広場に集合だ!」

 

ヘスティアのテンションにポカンとベルはしているが、それをお構いなくヘスティアは僅かな荷物を持ってホームを飛び出していった。

 

「....そんなに美味しいもの食べたかったのかな?」

 

もちろんヘスティアのテンションのわけに気づいていないベルであった。

 

 

 

 

 

 

 

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