早く、ミノたんとの戦い書きたいのに...
「すいませーん。おはようございまーす...」
僕は《豊穣の女主人》をあとにし、ある場所に来ていた。
「ん?ベル、おはよう。元気だった?」
「は、はい。ナァーザさんも...眠そうですね」
「うん。ちょっと昨日、寝てなくて...」
眠たそうに目をこするこの女性は、この店を出している主神ミアハ様のファミリア、【ミアハ・ファミリア】唯一の団員ナァーザさんである。
ここにはよく...ではないが、ポーションなどを買いに来ており、うちの神様とミアハ様は、なんでも神友らしい。
「で、今日はなにをお買い求め?私的にはこのハイポーションがオススメだけど」
「あ、あはは...普通のポーションで。そういえば、ミアハ様は留守なんですか?」
そう言いながら、僕はポーションをカウンターに持っていく。
「うん。ミアハ様は今日の夕方まで、私用で帰ってこない。今日は私だけ。はい、1500ヴァリス」
「そうですか、大変ですね。あ、そこにあるマジックポーションも3本」
「うん。でも、借金もあるしね。だから、ベルが買いに来てくれて嬉しいよ。...って、マジックポーション?ベル、魔法覚えたの?」
話を切り、ナァーザさんは僕に聞いてくる。
「はい、いろいろ諸事情がありまして....。あ、おいくらですか?」
「えっと...ポーションと合わせて合計、27000でいいよ。でも、いいの?お金」
「はい、最近稼ぎがいいですから!それに3本も買ったのは、今後のためですしね。はい、27000ヴァリス」
「...うん、ちょうど。ありがとうベル。いつも買いに来てくれて」
「あはは、いえいえ。気にしないでくださいナァーザさん。ここのポーションにはいつも助けられてますから。それでは」
「え、あ、うん。気をつけてね?」
その言葉に返事をしながら、僕はリリとの待ち合わせ場所に向かった。
しかし、最後にナァーザさんが顔を背けたような気がしたけど、気のせいかな?何か...悲しそうな顔をしていたような。
(まぁ、気のせいだよな。さて、急がなきゃ!)
そして、待ち合わせ場所に着いたわけなのだが...リリに姿がどこにもなかった。リリは今まで、待ち合わに遅れたことはなかったんだけどな...。
「おい、...せ!」
「ほん...もう..です!!」
あたりをキョロキョロと見渡すと、草陰の向こうでリリらしき人物と数人の冒険者が何かもめていた。
「っ!リリ!!」
「おっと、まちなクソガキ」
僕がその草むらに行こうとした時、腕が一本行く手を阻む。その手の先には、背にロングソードを装備した、黒髪の男がいた。
そう、あの路地裏で争った冒険者だ。
「やっぱりテメェか。っち、まぁいい。お前、あのチビとつるんでるのか?」
「...どうしてですか?あの子は追いかけてたパルゥムとは違いますよ」
そういったし瞬間、男は急に笑い出した。僕には、なにがおかしいのかわからない。
「まぁ、そう思ってんなら別にいいさ。せいぜい、間抜け演じてろや。...それよかお前、俺達と組めよ。んで、あのチビをはめんだ」
「...あ?」
およそ、僕の声だとは思えない低い声が喉から出る。男は僕のその声を聞き、一本後ずさる。
「っく、もちろん報酬も払うぜ?あのチビから巻き上げた金で...」
「もういい。黙れ」
僕は男の胸ぐらを掴み頭を引き寄せ、睨みつける。これは本当に僕がやっているのかわからなかった。
男は前と全く違う僕を見て、慌てている。
「今すぐここから消えろ。じゃなきゃ...消すぞ」
「っつ!?お、お前髪が...っく!後悔してもしらねぇからな!!」
男は
そして、いつの間にかリリが後ろに立っていたのに気がついた。
「べ、ベル様...ですよね?どうしたんですか、その髪」
へ?髪...。
俺は前髪を手で引っ張り見ると...見事な赤色だった。
「って、またかぁぁぁい!!?」
「!!?」
「あ、わ、悪いリリ。いきなり叫んで...。でも、またこの口調になってやがるし...あぁ!!どうなってんだ!!?」
「べ、ベル様でよろしいんですね?髪を染めたのですか?そちらもお似合いですよ。でも、口調は...」
「ちょ、ちょっと待てリリ」
そうだ。前は戻れって言ったら戻ったはず...いや、でも最初はダメだったよな?思い出せ俺!俺は元に戻った時になんて言った!!
「....」
「ベル様?どうかしましたか」
俺はあの時...
「戻りたいと言ったのか」
その瞬間。ベルの髪が、前と同じように赤から白に染まっていく。リリもそれを見て、目を見開いている。
しかし、やはりだ。これは
あ、そうか。戻れでは、命令のように聞こえるが戻りたいと願えば、戻れるというわけか。
「べ、ベル様?なにやらニコニコしていますが...」
「え、そう?ちょっといいことがあってさ!」
「いいこと...ですか。それよりもベル様、先ほどの冒険者様は?」
どうやら先ほどの光景を見られたらしい。会話までは聞いていなかったようだが、なにやら鋭い視線を送ってくる。
「別に?道を聞かれただけだよ」
「そう...ですか。では遅くなりましたがいきましょう!」
リリはそういって歩き出し、僕もそれを追いかけるようにダンジョンに入っていった。
ここはギルド受付前。
メガネをかけたハーフエルフの女性が身支度を整えていた。
「あれ?エイナもう上がるの?」
「うん、ちょっと用事があって」
「ほぉ...これは男ですな!って、痛い痛い!!。エイナ!!ギブッ!!」
「もう、馬鹿言ってないで仕事しなさい。じゃあね」
「うん、バイバーイ!」
私は同僚に手を振りながら、ギルド本部をさった。
そして、自分の家...ではなく、反対にある道を進んでいく。理由はただ一つ。自分が担当している冒険者のベル・クラネルのサポーターである【ソーマ・ファミリア】を調べるためだ。
以前、相談を受けてから少し調べてみたが...やはり、かなりの評判の悪さだった。
そのことからベルくんのサポーターが所属している【ソーマ・ファミリア】のお酒を探しに来たのだった。
(...にしても、私別に恋愛に興味がないわけじゃないけどなぁ)
突然、同僚の言葉を思い出した。
私は別に恋愛に興味がないわけじゃない。ただ、好きな男の人がいないだけで...そう、ベルくんは弟みたいな感じだし!
(そう、ただいい人がいないだけ!)
私としたらベルくんみたいに保護欲が溢れる人のほうがいい。できれば、かっこいいとかじゃなくて可愛い男性が。
(うん。ベルくんみたいな人が...)
いや、ベルくんみたいな人ってなに!?ベルくん人じゃん!!そんな事を一人考えて、道を歩いて行った。
「あ、着いた着いた」
そして私は、目的の場所である店《リーテイル》という【ソーマ・ファミリア】が運営している前に着いた。
中に入ると、ポーションなどのアイテムなどもある。私はその中からおめあてのものを見つけることができた。
「あ、あったあった。ソーマ...って高い!?」
なんと、そのお値段は60000ヴァリス。いくらなんでも自分の財布のお金では足りない物だった。
もしもこれを買ったりすれば、今後のエイナの生活がどん底に落ちるのは目に見えていた。
「はぁ、しょうがないか」
諦めて帰ろうとした時
「エイナか?」
後ろから女性の声が聞こえた。いや、その声はエルフならば、誰でも知っている声の持ち主。
女神に匹敵する美貌。透き通った声。そして、綺麗な薄緑色の長い髪の毛。そう、【ロキ・ファミリア】の副団長であるリヴェリア・リヨス・アールヴその人だった。
「リ、リヴェリア様!?」
「やはりお前か。随分と綺麗になったな、見違えたぞ」
「あ、ありがとうございます!過度なお言葉身に沁みるおもいで!母からもよく聞いております!!」
「その言葉使いはよせ。里で生まれた者ならわかるが、お前は違うだろう。それにその言葉遣いは苦手でな。私を敬うなら私の心中を先に察してくれ。というか、あのアイナでさえ娘にこのような事を教えていたか...」
リヴェリア様は人間とのハーフの私とは全く違う、本物のエルフ。いや、さらにその上の存在であった...
勝手に頭を下げてしまう。
「はぁ、砕けろとは言わんが、過敏になるなと言っているんだ」
「は、はい...。リヴェリア様はどうしてこのようなところへ?」
「ん?ああ、私は酒の買い出しに来ただけだ。うちの神がすべて飲んでしまったのでな」
リヴェリア様はヤレヤレといった感じで首をふる。過去とはいえ、元王族に買い出しを頼むとは...さすが神。
「で、お前はなに用でここに?」
「へ?あ、いや...そのー....」
話してみろと言われ、私は【ソーマ・ファミリア】の事について少し隠しながら話す。
そして、リヴェリア様のところにソーマに異常な執着心を持っている方はいないか聞いてみたところ。
「ふむ、私はそこまでそのファミリアについて知らないが、知ってそうな奴ならばいるぞ」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、では行くか」
リヴェリア様はソーマの酒を片手に持ち、私にそう言った。
「え?」
「私たちのファミリアのホームに」
そして、私はリヴェリア様に連れられて【ロキ・ファミリア】のホームに行った。
結論から言うと、酒に詳しい人というのはまさかのロキ様その人だった。そして聞く話によると。
・このソーマとはアクのようなもので失敗作。しかし、美味しい
・本物は凄まじい旨さであり、飲んだものを中毒にする
・【ソーマ・ファミリア】の団員はその本物を飲むために金を集めている
・そして、それは競争のような物となっており、団員同士が蹴落とすのが当たり前
「と、まぁ、ウチが知ってんのはこれくらいや。役にたったエイナちゃん?」
「は、はい。ありがとうございました、神ロキ」
「にゃはは!いっていって。もしも、エイナちゃんのお友達がソーマんとこの子と知り合ってる言うんやったら、止めた方がええでぇ〜」
やはり、【ソーマ・ファミリア】は危険。それだけわかっただけでも収穫だ。あとはこれをベルくんに言うだけ...。
「ほれ、アイズ。んじゃ、あっちでステイタス更新しよか」
「....」
アイズ・ヴァレンシュタイン。このオラリオの中で最強の女性冒険者と呼ばれている人物。そして、ベルくんの憧れの人物。
ロキ様とヴァレンシュタイン氏は、そのまま部屋を出て行く。この部屋には私とリヴェリア様の二人しかいない。
「どうだ?役にたったか?」
「はい、ありがとうございましたリヴェリア様」
改めて、この場を用意してくれた目の前の人物に頭を下げる。
「ふふ、いいさ別に。....そうだエイナ一つ教えて欲しいことがあるんだが」
「?はい、なんでしょう」
「言えるところまででいいが...エイナは白髪で赤目の少年、名をベル・クラネル。知っているか?」
「え?」
白髪、そして赤い目で少年。そんな珍しい容姿は私が知っている限りベルくんしかいなかった。
「は、はい。ベルくんは私の知り合いですけど...。けど、どうしてリヴェリア様がベルくんを?」
「いや、前にダンジョンで倒れていたのをアイズと見つけてな。その時に色々話したのだ」
.......倒れていた?
「リヴェリア様?今の話詳しく教えてくれませんか?」
「ど、どうかしたのかエイナ。顔が怖いぞ...」
いえ、いっと気のせいです。それよりもベルくん...覚悟しておいてね?
そのあと、ロキの「アイズたんLv.6来たーーー!!」という声がホーム中に響いたのは、また別の話。
「っひ!」
「どうかしましたかベル様」
「い、いや、少し寒気が....」
「そうですか...ではベル様...行きましょう?」