ダンジョンに夢を求めるのは間違っているだろうか   作:虎神

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すいません。あと、もう一話だけやらせていただきます。
早く、ミノたんとの戦い書きたいのに...




13話

「すいませーん。おはようございまーす...」

 

僕は《豊穣の女主人》をあとにし、ある場所に来ていた。

 

「ん?ベル、おはよう。元気だった?」

 

「は、はい。ナァーザさんも...眠そうですね」

 

「うん。ちょっと昨日、寝てなくて...」

 

眠たそうに目をこするこの女性は、この店を出している主神ミアハ様のファミリア、【ミアハ・ファミリア】唯一の団員ナァーザさんである。

ここにはよく...ではないが、ポーションなどを買いに来ており、うちの神様とミアハ様は、なんでも神友らしい。

 

「で、今日はなにをお買い求め?私的にはこのハイポーションがオススメだけど」

 

「あ、あはは...普通のポーションで。そういえば、ミアハ様は留守なんですか?」

 

そう言いながら、僕はポーションをカウンターに持っていく。

 

「うん。ミアハ様は今日の夕方まで、私用で帰ってこない。今日は私だけ。はい、1500ヴァリス」

 

「そうですか、大変ですね。あ、そこにあるマジックポーションも3本」

 

「うん。でも、借金もあるしね。だから、ベルが買いに来てくれて嬉しいよ。...って、マジックポーション?ベル、魔法覚えたの?」

 

話を切り、ナァーザさんは僕に聞いてくる。

 

「はい、いろいろ諸事情がありまして....。あ、おいくらですか?」

 

「えっと...ポーションと合わせて合計、27000でいいよ。でも、いいの?お金」

 

「はい、最近稼ぎがいいですから!それに3本も買ったのは、今後のためですしね。はい、27000ヴァリス」

 

「...うん、ちょうど。ありがとうベル。いつも買いに来てくれて」

 

「あはは、いえいえ。気にしないでくださいナァーザさん。ここのポーションにはいつも助けられてますから。それでは」

 

「え、あ、うん。気をつけてね?」

 

その言葉に返事をしながら、僕はリリとの待ち合わせ場所に向かった。

しかし、最後にナァーザさんが顔を背けたような気がしたけど、気のせいかな?何か...悲しそうな顔をしていたような。

 

(まぁ、気のせいだよな。さて、急がなきゃ!)

 

そして、待ち合わせ場所に着いたわけなのだが...リリに姿がどこにもなかった。リリは今まで、待ち合わに遅れたことはなかったんだけどな...。

 

「おい、...せ!」

 

「ほん...もう..です!!」

 

あたりをキョロキョロと見渡すと、草陰の向こうでリリらしき人物と数人の冒険者が何かもめていた。

 

「っ!リリ!!」

 

「おっと、まちなクソガキ」

 

僕がその草むらに行こうとした時、腕が一本行く手を阻む。その手の先には、背にロングソードを装備した、黒髪の男がいた。

そう、あの路地裏で争った冒険者だ。

 

「やっぱりテメェか。っち、まぁいい。お前、あのチビとつるんでるのか?」

 

「...どうしてですか?あの子は追いかけてたパルゥムとは違いますよ」

 

そういったし瞬間、男は急に笑い出した。僕には、なにがおかしいのかわからない。

 

「まぁ、そう思ってんなら別にいいさ。せいぜい、間抜け演じてろや。...それよかお前、俺達と組めよ。んで、あのチビをはめんだ」

 

「...あ?」

 

およそ、僕の声だとは思えない低い声が喉から出る。男は僕のその声を聞き、一本後ずさる。

 

「っく、もちろん報酬も払うぜ?あのチビから巻き上げた金で...」

 

「もういい。黙れ」

 

僕は男の胸ぐらを掴み頭を引き寄せ、睨みつける。これは本当に僕がやっているのかわからなかった。

男は前と全く違う僕を見て、慌てている。

 

「今すぐここから消えろ。じゃなきゃ...消すぞ」

 

「っつ!?お、お前髪が...っく!後悔してもしらねぇからな!!」

 

男は()の手を振りほどき、そのままどこかに行った。周りは少しこちらを見てざわざわしているが、気にはしない。

そして、いつの間にかリリが後ろに立っていたのに気がついた。

 

「べ、ベル様...ですよね?どうしたんですか、その髪」

 

へ?髪...。

俺は前髪を手で引っ張り見ると...見事な赤色だった。

 

「って、またかぁぁぁい!!?」

 

「!!?」

 

「あ、わ、悪いリリ。いきなり叫んで...。でも、またこの口調になってやがるし...あぁ!!どうなってんだ!!?」

 

「べ、ベル様でよろしいんですね?髪を染めたのですか?そちらもお似合いですよ。でも、口調は...」

 

「ちょ、ちょっと待てリリ」

 

そうだ。前は戻れって言ったら戻ったはず...いや、でも最初はダメだったよな?思い出せ俺!俺は元に戻った時になんて言った!!

 

「....」

 

「ベル様?どうかしましたか」

 

俺はあの時...

 

「戻りたいと言ったのか」

 

その瞬間。ベルの髪が、前と同じように赤から白に染まっていく。リリもそれを見て、目を見開いている。

しかし、やはりだ。これは戻りたい(・・・・)。この言葉がキーだ。

あ、そうか。戻れでは、命令のように聞こえるが戻りたいと願えば、戻れるというわけか。

 

「べ、ベル様?なにやらニコニコしていますが...」

 

「え、そう?ちょっといいことがあってさ!」

 

「いいこと...ですか。それよりもベル様、先ほどの冒険者様は?」

 

どうやら先ほどの光景を見られたらしい。会話までは聞いていなかったようだが、なにやら鋭い視線を送ってくる。

 

「別に?道を聞かれただけだよ」

 

「そう...ですか。では遅くなりましたがいきましょう!」

 

リリはそういって歩き出し、僕もそれを追いかけるようにダンジョンに入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはギルド受付前。

メガネをかけたハーフエルフの女性が身支度を整えていた。

 

「あれ?エイナもう上がるの?」

 

「うん、ちょっと用事があって」

 

「ほぉ...これは男ですな!って、痛い痛い!!。エイナ!!ギブッ!!」

 

「もう、馬鹿言ってないで仕事しなさい。じゃあね」

 

「うん、バイバーイ!」

 

私は同僚に手を振りながら、ギルド本部をさった。

そして、自分の家...ではなく、反対にある道を進んでいく。理由はただ一つ。自分が担当している冒険者のベル・クラネルのサポーターである【ソーマ・ファミリア】を調べるためだ。

以前、相談を受けてから少し調べてみたが...やはり、かなりの評判の悪さだった。

そのことからベルくんのサポーターが所属している【ソーマ・ファミリア】のお酒を探しに来たのだった。

 

(...にしても、私別に恋愛に興味がないわけじゃないけどなぁ)

 

突然、同僚の言葉を思い出した。

私は別に恋愛に興味がないわけじゃない。ただ、好きな男の人がいないだけで...そう、ベルくんは弟みたいな感じだし!

 

(そう、ただいい人がいないだけ!)

 

私としたらベルくんみたいに保護欲が溢れる人のほうがいい。できれば、かっこいいとかじゃなくて可愛い男性が。

 

(うん。ベルくんみたいな人が...)

 

いや、ベルくんみたいな人ってなに!?ベルくん人じゃん!!そんな事を一人考えて、道を歩いて行った。

 

「あ、着いた着いた」

 

そして私は、目的の場所である店《リーテイル》という【ソーマ・ファミリア】が運営している前に着いた。

中に入ると、ポーションなどのアイテムなどもある。私はその中からおめあてのものを見つけることができた。

 

「あ、あったあった。ソーマ...って高い!?」

 

なんと、そのお値段は60000ヴァリス。いくらなんでも自分の財布のお金では足りない物だった。

もしもこれを買ったりすれば、今後のエイナの生活がどん底に落ちるのは目に見えていた。

 

「はぁ、しょうがないか」

 

諦めて帰ろうとした時

 

「エイナか?」

 

後ろから女性の声が聞こえた。いや、その声はエルフならば、誰でも知っている声の持ち主。

女神に匹敵する美貌。透き通った声。そして、綺麗な薄緑色の長い髪の毛。そう、【ロキ・ファミリア】の副団長であるリヴェリア・リヨス・アールヴその人だった。

 

「リ、リヴェリア様!?」

 

「やはりお前か。随分と綺麗になったな、見違えたぞ」

 

「あ、ありがとうございます!過度なお言葉身に沁みるおもいで!母からもよく聞いております!!」

 

「その言葉使いはよせ。里で生まれた者ならわかるが、お前は違うだろう。それにその言葉遣いは苦手でな。私を敬うなら私の心中を先に察してくれ。というか、あのアイナでさえ娘にこのような事を教えていたか...」

 

リヴェリア様は人間とのハーフの私とは全く違う、本物のエルフ。いや、さらにその上の存在であった...王族(ハイエルフ)だ。

勝手に頭を下げてしまう。

 

「はぁ、砕けろとは言わんが、過敏になるなと言っているんだ」

 

「は、はい...。リヴェリア様はどうしてこのようなところへ?」

 

「ん?ああ、私は酒の買い出しに来ただけだ。うちの神がすべて飲んでしまったのでな」

 

リヴェリア様はヤレヤレといった感じで首をふる。過去とはいえ、元王族に買い出しを頼むとは...さすが神。

 

「で、お前はなに用でここに?」

 

「へ?あ、いや...そのー....」

 

話してみろと言われ、私は【ソーマ・ファミリア】の事について少し隠しながら話す。

そして、リヴェリア様のところにソーマに異常な執着心を持っている方はいないか聞いてみたところ。

 

「ふむ、私はそこまでそのファミリアについて知らないが、知ってそうな奴ならばいるぞ」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「ああ、では行くか」

 

リヴェリア様はソーマの酒を片手に持ち、私にそう言った。

 

「え?」

 

「私たちのファミリアのホームに」

 

 

 

そして、私はリヴェリア様に連れられて【ロキ・ファミリア】のホームに行った。

結論から言うと、酒に詳しい人というのはまさかのロキ様その人だった。そして聞く話によると。

・このソーマとはアクのようなもので失敗作。しかし、美味しい

・本物は凄まじい旨さであり、飲んだものを中毒にする

・【ソーマ・ファミリア】の団員はその本物を飲むために金を集めている

・そして、それは競争のような物となっており、団員同士が蹴落とすのが当たり前

 

「と、まぁ、ウチが知ってんのはこれくらいや。役にたったエイナちゃん?」

 

「は、はい。ありがとうございました、神ロキ」

 

「にゃはは!いっていって。もしも、エイナちゃんのお友達がソーマんとこの子と知り合ってる言うんやったら、止めた方がええでぇ〜」

 

やはり、【ソーマ・ファミリア】は危険。それだけわかっただけでも収穫だ。あとはこれをベルくんに言うだけ...。

 

「ほれ、アイズ。んじゃ、あっちでステイタス更新しよか」

 

「....」

 

アイズ・ヴァレンシュタイン。このオラリオの中で最強の女性冒険者と呼ばれている人物。そして、ベルくんの憧れの人物。

ロキ様とヴァレンシュタイン氏は、そのまま部屋を出て行く。この部屋には私とリヴェリア様の二人しかいない。

 

「どうだ?役にたったか?」

 

「はい、ありがとうございましたリヴェリア様」

 

改めて、この場を用意してくれた目の前の人物に頭を下げる。

 

「ふふ、いいさ別に。....そうだエイナ一つ教えて欲しいことがあるんだが」

 

「?はい、なんでしょう」

 

「言えるところまででいいが...エイナは白髪で赤目の少年、名をベル・クラネル。知っているか?」

 

「え?」

 

白髪、そして赤い目で少年。そんな珍しい容姿は私が知っている限りベルくんしかいなかった。

 

「は、はい。ベルくんは私の知り合いですけど...。けど、どうしてリヴェリア様がベルくんを?」

 

「いや、前にダンジョンで倒れていたのをアイズと見つけてな。その時に色々話したのだ」

 

.......倒れていた?

 

「リヴェリア様?今の話詳しく教えてくれませんか?」

 

「ど、どうかしたのかエイナ。顔が怖いぞ...」

 

いえ、いっと気のせいです。それよりもベルくん...覚悟しておいてね?

 

そのあと、ロキの「アイズたんLv.6来たーーー!!」という声がホーム中に響いたのは、また別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っひ!」

 

「どうかしましたかベル様」

 

「い、いや、少し寒気が....」

 

「そうですか...ではベル様...行きましょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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