『さぁ、目覚めろ。お前はいったいなにを求める』
「....ん、ふぁ〜」
【ヘスティア・ファミリア】の本拠地、教会の地下部屋。
僕は、故郷の田舎で、いつも朝早く起きているからだろう自分の寝ているソファーから時計を見ると朝の五時ぴったりだった。
「ん?」
そして気がついたのだが僕の上に軽い重みがある。なんだと思いながら自分の布団をとると、そこには自分の胸に顔を埋めるる我らが主神ヘスティアが寝ていた。
「寝ぼけたのか?」
改めて神様の顔を見たがやはり美少女だ。そして、女の子特有の香りと柔らかさがある。おそらく抱きついたら予想通り柔らかいだろう。
「ん、ん〜」
っ!!?やばい、神様はその背丈から想像ができない胸の持ち主だそんな神様が僕の胸に寝ているつまり...
(やばいこれ以上は!!?)
僕は、神様を起こさないようにソファーから抜け出した。
そして急いで身支度をする。
「まさか、神様が僕を殺しに来るとは...」
僕はそうして小さな声で行ってきますと言い部屋を出た。
「あー、お腹減ったな」
急いでホームから出てきた僕はご飯を食べてくるのを忘れ腹をすかしていた。
「でもこの時間じゃどこも....っ!?」
いきなり誰かに見られている気がし後ろをッパっと振り向く。が、そこにはなにも無い。
....気のせいか?なんとも気持ち悪い感じだったなんというか体を隅々まで見られたような...。
「あの...」
「!」
後ろからの声にすぐさま反応し身構える。だが、声をかけてきたのは僕と同じヒューマンの少女だった。
白いブラウスと膝下くらいまであるジャンバースカートで、その上に長めサロンエプロン。髪は薄い鈍色のかみを後ろでダンゴにまとめている。はっきり言ってすごく可愛い女の子だった。
「ご、ごめんなさい!ちょっとびっくりしちゃって」
「い、いえ、こちらこそ驚かせてしまい...」
慌てて僕は頭をさげる。まさかこんな子に身構えたのか僕は!!?なにしてんの!?
年は僕より一つか二つくらい離れているように見える。
「そ、それで僕に何かようですか?」
「あ、はい。これ、落としましたよ」
彼女の手に乗っていたのは小さな魔石だった。
昨日換金し忘れてたのかな?でも、昨日....まぁいいか。
「すいません、ありがとうございます」
「いえ、気にしないでください。ところでこんな朝早くからダンジョンに行くのですか?」
「え、はい、ちょっと軽くいってみようか....」
グウー
「.......」
は、はっずかしーー!!?なにいまの僕の音!?おい、僕の腹いまのタイミングでなるか普通!!?
きっと今、僕の顔は真っ赤になっているだろう。
「うふふっ、お腹、空いているんですか?」
「.......どうやらそうみたいです。今日朝食をとっていなくて....」
そう言うと少女は、「少し待っててくださいね」と言いすぐ目の前の店に入っていった。が、すぐに戻ってきその手には小さなバスケットを持っていた。
「これ、よかったらどうぞ、まだお店やってなくて」
「えっ!でもそんなの悪いですよ。それにこれあなたの朝食でしょ!?」
少女は少し照れているのかはにかんだ。
あ、この人本当に純粋で可愛い。多分体の内から可愛さがにじみ出ててくる系だ。あれだ、もし好きになったらもっとどんどん好きになっていくみたいな感じ。
「このままじゃ私の良心が痛んでしまうんです。だから冒険者さんが受け取ってもらわないと困ります」
「っつ」
う、上目ずかいで涙目だと....そんなことをされてらよけい断りにくくなるでしょうが!
「冒険者さん、これは利害の一致です。私もちょっと損をしますけど...」
「代わりに今日あなたの働く店に来てというんでしょう?」
そう僕が言うと少女は少し驚いて
「そうです!そうしたら私の今日のお給料は高くなり今冒険者さんのお腹も膨れるということです」
少女はフフンという感じで胸を張る。
「はぁ〜、ずるいなぁ」
「うふふっ...」
「あはは...では、今夜寄らせてもらいます」
そう言い僕はバスケットを受け取る。
まったく商売が上手い人だ。少女はお待ちしておりますと言っている。
「僕は、ベル・クラネルって言います」
「シル・フローヴァです。ベルさん」
お互いに笑い僕らは名を交わしあった。
「っふ!」
『ギャウ!?』
僕は今コボルトというモンスターと戦っている。
こいつはこのダンジョンで一番弱いモンスターだ。だが、僕らは神から『恩恵』を受けているから倒せるが受けてやっと倒せるが昔は、『恩恵』を受けず倒していた人がいたのだから頭が上がらない。
「いい加減しつこいよ!」
『ギャアウ!!』
僕は横の壁を蹴りコボルトの背に周り持っていたナイフで首を切った。コボルトは、声をあげながら地に伏せる。
『グルオァァ!!』
はぁ〜、五体か...まぁいけるか?
「今日はちょっと出費があるから稼がないといけないんだよ!」
そう叫び僕はコボルトの群れに飛び込んでいく。
一番前のコボルトを蹴りつけ、横から来たコボルトには、持っていたナイフを腕に振り落とす。
『ギャアァァ!』
次は三体同時に突っ込んでくる。
真ん中のコボルトの頭にナイフを投げると、見事コボルトの頭に刺さりそのコボルトは死ぬ。残りの二匹は先ほどと同じように壁を蹴り突進を避け、先ほど投げたナイフを拾い最初に蹴り飛ばしたコボルトの首を飛ばす。
「さぁ、残りはお前達だけだ」
『グ、グルァ...』
コボルト達が後ずさりしたその瞬間を逃さず、腕を切り落とした奴に得意の俊敏をいかし近づく。
そして胸を刺し、残りの二匹の片方を右足で蹴り壁にぶつけ、もう一体は攻撃してきて腕に擦り傷をうけたが、気にせず回し蹴りで先ほど飛ばしたコボルトの上に蹴る。
「っは!」
『ギャッァァアア!!』
最後はその重なった二匹の首を切りこの戦闘は終えた。
「フゥ〜、初めて五体一緒に戦ったけどやっぱり無茶をするもんじゃないな...」
実は結構ギリギリだったのだ。こんなこと、エイナさんにばれたらまた説教される。
さて....
「やっぱりこれはなれないな...」
先ほど殺したコボルトの胸部のなかの小さな輝く紫色の欠片を摘出する。
これが『魔石』。
これはモンスターから魔力のこもった結晶。つまりモンスターからしたら心臓と同じようなものだそうだ。魔石もいろいろ加工が出来その技術で電気のようにもできるらしい。僕達冒険者はこれを換金して生活を成り立たせている。
「お、ドロップアイテムもある」
これは、たまにモンスターが落とすアイテム。これは換金も出来るし防具などの素材にもできる。僕の場合は今は速攻売るけどね。
『ギオアアア!』
「....少しは休ませろよこのバカ!」
そう言い僕はモンスターに向かっていく。
ベル・クラネル
Lv.1
力:I91→H130
耐久:I26→I50
器用:H140→G212
敏捷:H175→G245
魔力:I0
《魔法》
【】
《スキル)
【】
「.......え?」
ダンジョンから帰っていつものように神様に【ステイタス】を最新してもらいその結果の紙を貰うとそこには信じられない数字が並んでいた。
「神様これ、書き写すの間違ってないですか?」
「なんだい君は、僕が簡単な読み書きもできないと思っているのかな?」
な、なんか怒ってる?
「で、でもこの耐久部分とか、僕擦り傷をうけたぐらいですよ!?」
「........」
そう今日僕は、あのコボルトの攻撃で受けた痛くもない擦り傷のみなのだなのにプラスが20オーバー....え?どうなってるのこれ!!?ついに僕バグったか!!?
「あ、あの神様?神様ーもしもーし」
「.......」
やっぱり。
神様の機嫌がすこぶる悪い。というか怖い。
あれ、僕なにしたんだ?思い出せ思い出せ.....うん、わからん。
「あの神さ「知るもんかい!」...」
ま、まだなにも言ってないのに....
いつもはべったりな神様がこんなになるなんて...まさか反抗期!?
「ふんっ」
神様はクローゼットに向かい神様用に採寸されたコートを羽織った。
「ボクはバイト先の打ち上げがあるから、それに行ってくる。君もたまには
そう言いバタン!と大きな音を立ててドアが閉められた。
「....なんだったんだ一体...まぁ、とりあえず行くかな」
帰ってきたらもう一度聞いてみよう。
でも、本当になんだったんだろう。
僕は考えながらシルさんの店に足を向けた。意外に夜は冷えるなもうちょっと厚着するべきだったか?
しかしああだこうだ考えてると店の前に着いた。
「ここ...だよな?」
そこは、二階建の店だった。看板に【豊饒の女主人】と書いてある。この店の名前か...僕は少し様子見で覗くと、カウンターにはドワーフだろうか?大きな女の人が料理を作っていた。おそらくここの女将だろう。
そして、その料理を運ぶ猫耳を生やしたキャットピープルの女の子や、なんとエルフまでいたのにはびっくりした。
(これ僕に難易度高すぎないか?)
はっきり行っていますぐ撤退したい気分だ。
よし今日は帰り「ベルさん」.....
いつの間にかシルさんが横に立っていた。
僕は苦笑いしながらこう言った。
「....やってきました」
「はい、いらっしゃいませ」
シルさんの服装は今日あった服装と同じだ。
「お客様一人はいりまーす」
そんなの酒場っていちいち言うの!?あまり目立ちたくない僕は体を縮こませる。
「では、こちらにどうぞ」
「あ、どうも」
そう言い座らせられたのはカウンターの真ん前女将さんと向かい合うような形になった。
「アンタがシルのお客さんかい?ははっ、冒険者のくせに可愛い顔してるねぇ」
いや、ほっとけよ。
僕だって自分で男らしくないってわかってるんだから。
「何でもアタシ達に悲鳴を上げさせるほどの大食漢らしいじゃないか!じゃんじゃん料理出すからじゃんじゃんお金使ってってくれよぉ!」
「ほわぁ!?」
僕は背後にいるシルさんに目を向ける。おい、なんで目をそらす?
「シルさん僕っていつから大食いキャラになったんですか!?僕自身びっくりな新事実ですよ!?」
「.....えへへ」
「えへへ、って...」
いや可愛いけど誤魔化されないよ?
「その、ミアお母さんに知り合った方をお呼びしたいから、たっくさん振る舞ってあげて、と伝えたら...」
「尾鰭がついたと....いや100%故意じゃないですか!?」
「私、応援してます」
「そんな応援いらない!?」
誰だ純粋そうな子とか言った奴!...僕だよ!
「絶対に大食いなんてしませんよ!うちは貧乏なんですから」
「......お腹が空いて力が出ないーなー」
「せこいな!?」
「てへ」
思いっきり棒読みじゃないか!
するとシルさんは、急にクスクスと笑い出す。
「ふふ、冗談ですよ。ちょっと奮発するくらいでいいのでごゆっくり」
「....はぁ、まったく」
僕が今日持ってきているお金は6700ヴァリス。これのため、張り切ってモンスターを狩りまくったら過去最高額となった。
しかしいろいろ買わないといけないしな。
「酒は?」
お酒はよく祖父に飲まされていたので飲める方だと思う。
僕はもらいますと言いお酒を貰う。それとパスタを一つ頼んだ。
「楽しんでますか?」
「圧倒されてます」
パスタを食べ終えたころ、シルさんに話しかけられた。どうやら余裕があるようだ。
「そういえば今日のパンありがとうございました。美味しかったです」
「頑張って渡してよかったです」
「......」
決して、頑張って売り込んだんじゃなくて?など言わない。
だって言ったらなんかまたいじられそうだし....。
「でも、繁盛してますね」
「はい、お給料もいいですしね!」
僕があははと笑うとシルさんもフフフと笑い合った。
「でも、こうして沢山の人がいると、沢山の発見があってそしたら知らない人と触れ合うことが趣味になってきちゃったんです」
「!....そうですか確かにいいものですよね人って」
「はい」
こうして話していると一つの団体が入ってきた。
僕でもわかる。見るからに全員生半可な実力じゃない。
その中で僕は見つけた。黄金のように光る長い髪と女神のような容姿をした僕を助けてくれた人物ーーー
ーーーアイズ・ヴァレンシュタインがそこにいた。