学校のオリエンテーションとやらでした...
「...行っちまった...」
そう、ツバサちゃんが一旦、着替えを取りに自分の家へ戻った。
ツバサちゃんが俺の家に泊まるって...?
「...やばくないか?」
夕食の時のことを思い出す。
「する?」とからかわれたのだ。
あの時でさえ崩壊しかけた俺の理性だ。
お泊りで崩壊しないわけがない。
「やっぱ断るか...」
万が一のこともあるしなぁ...
そう思っていると。
「戻ったわよ〜!」ドタドタ
ツバサちゃんが戻ってきた。
なんで走ってるんですかねぇ...
「おかえり。...あのさツバサちゃん「私はこのスペースで寝るわ!」人の話は最後まで聞こうよ。」
この子は人の話を最後まで聞かない。
お父さんはそんな子に育てた覚えはありません!!
「...やっぱり、お泊まりはやめにしない?」
そう切り出す。
さあ、折れて「やだ」くれなかったですね、はい。
「なんでそこまで拘るの...」
「駿くんだから。」
「え?」
理由が意味不明だ...
俺だからって...
「ごめん、イミワカンナイ。」
<イミワカンナイ!
...なんか今外の方で本家が聞こえたような気がするが放っておこう。
「ここまで言ってわからないの?」
「え?うん。」
「...鈍感なんだから...」ボソッ
ボソッと何かを呟く。
聞こえなかったが...
「とりあえず!!今日は泊まりたいの!!」
顔の距離を一気にこちらに詰め、そう言う。
ここまで言って折れないのか...
...しょうがないか...
「わかったよ。泊まっていきなよ...」
「やった!」
「とりあえず風呂沸かしてくるから、俺の部屋で待っててくれ。」
「わかったわ!」
...死ぬ気で理性を保たないとな...
ツバサside
「駿くんの部屋に入るのなんか初めてね...」
初めて入る彼の部屋。
なんだか不思議な気分だ。
そして誰もいないことを確認する。
「...探索よねっ♪」
そう、探索。
これをしたかったが為にお泊まり会を提案したと言っても過言ではない。
一緒にいたいってのが本音だけど...
「まずはここっ!」
机の引き出しを開けてみる。
...特に面白そうなものは無い...
次の引き出しを開けてみる。
ここも面白そうなものはない。
「え〜...もしかして何もないんじゃない...?」
そして最後の引き出しを開けてみる。
「...?」
何か箱のようなものがある。
それを開けてみる。
「...!!」
それには、私が彼にあげたネックレスが入っていた。
...千切れていたはずだ。
だが、
「あれ...?千切れてない...?」
そう、繋がっていたのだ。
「あ、見つかっちゃったんだ...」
後ろから声がし、私は急いで振り返る。
駿side
見つかってしまったならしょうがない。
しっかり説明しないとな...
「ツバサちゃん、あの時千切れたのは、丸環だったんだ。
チェーン本体は無事だった。」
未だツバサちゃんは「?」を浮かべている。
「幸運なことに、丸環部分は千切れてもすぐ取り替えられた。
もし、チェーン本体が切れていたら俺は取り替えなかったよ。」
「...なんで?」
ツバサちゃんは少しだけ涙目になっている。
「君からのプレゼントが嫌だったってことは絶対にない。
むしろすごくうれしかったんだから。
...チェーン本体を取り替えるのが嫌だった。」
やんわり否定してから本題へ。
「君との関係を表すものじゃなくて、別の人の関係に変わっちゃうんじゃないかって。」
そういうと彼女は目を大きく開く。
「でも、丸環部分は取り替えても微々たるもの。
...まあ、一時は丸環部分だけでも嫌だったんだけど...」
でもね、と続ける。
「人間って少しずつ変わっていくんだよ。
俺だって、言葉があの時と比べて荒くなってるし。
でも、一番言いたいのは...」
君が "あの時" と比べると、驚くほど明るくなったってことだ。
「...過去を悔やんだって、どうにもならない。
今をしっかり生きて、未来へ道を繋げていく。
過去を悔やめないなら、なんで過去があるのか?
これから先、同じ過ちを繰り返さない為だと俺は思うんだ。」
今、君は過去を振り切って、性格も明るく変わった。
だけど、俺は。
「少しずつ...本来の明るい君を、傍で支えたいって思ったから。」
丸環部分はツバサちゃん。
チェーンは俺。
チェーンは変えていないので傷だらけだ。
俺は、少しずつ変わっている。
その証拠に、少しずつ傷が増えている。
だが、ツバサちゃんは俺よりも大きく変わった。
新しく生まれ変わった丸環を、傷だらけのチェーンが傍で支える。
「これが、ちょうどいいんじゃないかって思ったんだ。」
「...なら。」
ツバサちゃんはそのまま続ける。
「2つとも、新しく変えちゃいましょ?」
俺は自分の耳を疑った。
「...別の人の関係に変わるのが怖いってさっき...」
「ううん、変わりなんかしないわ。」
「いじめられていた私と駿くん。
今は、別人のように変わった。
いじめなんて振り切って変わってる。」
いじめを受けていた私と、駿くんはもうどこにもいない。
でも、私は過去の自分に...とても感謝している。
だって、駿くんと出会わせてくれたんですもの。
「駿くん、そこまで考えていてくれてたのね。
ありがとう♪」
「やめろよ...照れるから...」
「...大好き」
そう言うと彼女は。
俺の唇に彼女の唇を合わせた。
ひゅーひゅー。熱いですねぇ...熱い熱い。
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