言い方が壮大ですね。
「...なんでここにいるんだよ。」
「あら?学校が同じなんて良くあることじゃない?」
「そういうことを言ってんじゃねぇよ!!」
こいつに当たっても何か変わるわけでもない。
全て過去のことだ。
だが、逆上した俺はこの時、こいつに怒鳴ってしまった。
「...なんで今更話しかけるの、って顔してるわね。」
押し黙ってしまう。
ほとんど合っていたから。
「...ふぅ。」
相手が一息置くと...
「まずは...ごめんなさい。」
「...は...?」
俺は呆気にとられた。
いきなり謝ってきた。
何を企んでる?また彼女をいじめようとしているのか?
そんな考えが、頭を駆け巡る。
「詳しく話したいのだけど...時間、あるかしら?」
「...急ぎの用事があるから...今日は少し遅くなる。」
「...いえ、ここで待っておく。用事を済ませてきて?」
「...なんなんだよ...一体...」
俺はそう零し、理事長室へ走る。
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理事長室
「すいません、遅くなりました。」
ツバサちゃんや統堂さん、優木さんも大輝もいる。
「あら、相沢くん。...じゃあ、説明を始めましょうか。」
そう言って理事長は立ち上がり、俺たちの前へ来る。
「綺羅さん、統堂さん、優木さん。あなた達には
"A-RISEオーディション" というものに参加していただきます。」
「"A-RISEオーディション" ?」
そんなオーディションがあるのか...
ならツバサちゃん達は、まだアイドルになると決まったわけじゃないのか...?
「ええ、そうよ。...この学校の芸能科からはプロのアイドルや芸能人が数々羽ばたいています。
そしてスクールアイドルブームの今、この学校にもスクールアイドルを作り、もっと功績を挙げようと考えています。」
「ところで、"A-RISE" ってなんなんですか?」
大輝が理事長へ質問する。
「スクールアイドルのチーム名よ。
山田くん、"arise" という英単語を知っているかしら?」
「え?確か... "起こる" とか "生じる" って意味ですよね?」
「えぇ、そう。なら "rise" というのは?」
「"昇る" とかですよね?」
「そう。 "スクールアイドル界にいきなり生じ、頂点へ昇る" 。
そういう意味でこの名前を付けたのよ。
そしてオーディションで芸能科の生徒から、それに相応しい人材を確保する...そういうことよ。」
ここまで意味があったとは...
ツバサちゃん達は勝ち抜けるのか...?
「...説明はこれまでの通りよ。
...あなた達はこれでも、マネージャーが出来るかしら?」
俺はもう、決めたんだ。
大輝もきっとそのはずだ。
「「ええ、やってやりますよ。」」
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「有難いわねぇ〜。」
優木さんは気の抜けた声でそう言う。
「頑張ってサポートするからな。」
「嬉しいわぁ〜。」
だが3人にマネージャー2人か...
1人1人の短所を見つけて潰していきたい...
2人だと効率が悪いよなぁ...
そう思いつつ、昇降口まで歩く。
「あ、ツバサちゃん、今日は用事あるから先に帰ってて?」
「ええ、わかったわ。また明日。」
手を振って返す。
そして大輝と優木さんにも手を振った。
...さて。
「...遅かったわね。公園にでも言って話しましょう?」
「...ああ。」
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「んで、詳しい話って何だよ。」
出来れば早く帰りたい。
気分が悪い。
...過去のことを許容できない自分に腹が立っているのが分かるからだ...。
「ええ、小学校の時のこと。
実はね、私にはお兄ちゃんがいるの。」
「は...?お前自分で一人っ子って言ってたじゃねぇか...。」
そう、確かに言っていた。
なのにこんな嘘を...くだらない。
「ううん、あれこそ嘘。
そして、綺...ツバサちゃんとも、とても仲が良かった。」
「...!ふざけんな!!!」
「いいえ、ふざけてない。落ち着いて聞いて。
私とツバサちゃんは、毎日遊ぶような仲だったの。
とても楽しくて...親友と言っても差し支えないわ。」
俺は信じられなかった。
普通は親友をいじめることなんて出来ない。
ならこいつは嘘をついている。
そう思うしか出来なかった。
「ツバサちゃんはお兄ちゃんとも仲が良くてね。
お兄ちゃんもツバサちゃんを可愛がっていた。
そしてある日、お兄ちゃん、私、ツバサちゃんの3人で遊びに出かけた...。」
「...!」
何故かはわからない...が。
全身に寒気を感じた。
予想したくなかったが...予想がついてしまった。
「...はしゃいだツバサちゃんが道路へ飛び出し...
それを追ってお兄ちゃんは車に轢かれた...。
ツバサちゃんはお兄ちゃんに突き飛ばされて命は助かっていたわ。」
...だけど、お兄ちゃんは。
「死んだ。」
...やはり...予想が的中した...。
「突き飛ばされたツバサちゃんは頭をアスファルトに強打、一部の記憶を喪失してしまった...。」
「...!?その一部の記憶って...!!」
「そう、自分が道路に飛び出たこと、そして...
お兄ちゃんのこと。それは病院に搬送された時に分かった。
...同時に、お兄ちゃんは心臓破裂で即死だったことも。」
...こんな過去があったなんて...。
聞きたくない、という気持ちが募る。
だが、聞かなきゃならない。
...どうしても。
「...私はね、ツバサちゃんだけでも助かってくれて本当に嬉しかった。
...でもね、命を投げ打って...助けてくれた人を忘れているのは...許せなかった...!」
「...だからって...!」
「わかってる!!!...そんなことをしても意味がない...。お兄ちゃんは帰ってこないって事は...!
だけどお兄ちゃんが死んでから...お母さんが狂い始めたの...。」
...なんだよ...。
こいつの母親も絡んでくるのかよ...
「お母さんは...お兄ちゃんを死なせた奴を許すな...って...。
相手のドライバーを探し始めた...。
するとニュースで...刑務所内で自殺したって...。」
...ってことは...
母親の復讐の方向は...!
「...矛先が向いたのは...ツバサちゃんだった...。
お母さんはツバサちゃんのお母さんを責め始めた。
それと同時に私に...ツバサちゃんをいじめろと命令された...。」
「なんで拒否しなかった!?ツバサちゃんは親友なんだろ!?」
「...拒否したわよ...。
でも...その直後...首を絞められた...。」
...知らなかった。
こいつにこんな事情があったなんて。
「可愛いから」なんて理由はカモフラージュだったのか。
でも...首を絞められたなんて...。
「...私は...お兄ちゃんと比べると...出来損ないだ...って...。」
...そう、涙を流しながら話し続けている...。
俺の悪夢は...どこまで続く...?
伏 線 回 収
したいなぁ(願望)
正直バレバレな伏線でした。
もっとストーリーを錬れるよう、精進します。
あと文章力も...(小声)