じゃないですすいません。
どこだかわからない空間で、俺は過去の記憶を振り返っていた。
...振り返らされた、の方が正しいか。
いつもの変わりない教室の中。
ツバサちゃんの周りにグループが集まっていて。
(ここで勇気を出していれば、もっと早くツバサちゃんと仲良くなれたのかもしれないな...。)
そんなことを思いつつ、寂しい気持ちに浸っていた。
だが、何かが違う。
何かがおかしい。
彼女が、
周りにいるグループもつられて笑っているようだった。
...俺の知っている過去とは大違い。
だが、原因を探ってみると、すぐに見つかった。
男の子。
誰だかわからない男の子が、そこにいた。
見つけた途端、時間が止まった...らしい。
他の人が動いていないのだ。...ソイツを除いて。
こちらに振り向いた彼は、俺の方へズンズンと歩いてくる。
そして目の前で止まった時、彼は口を開く。
「どっちも助けてくれて、ありがとうね。」
「え...?」
どっちも...?
ツバサちゃんを間一髪で助けた記憶はあるのだが...。
「あの...。誰...ですか?」
「...妹も助けてくれた、と言ったら分かりやすいか。」
「...!もしかして!?」
「そうだよ。僕があの子の兄だ。」
...そうだったのか。
...この人がいれば...ツバサちゃんはずっと笑顔でいられたのかと思うと、胸が苦しくなる。
この人のツバサちゃんへの影響力は凄い筈。
...俺なんか、及ばないくらいに。
「...そうだったんですか...。」
「うん。...さて、君には真実を知って欲しかったんだ。話、聞いてくれるかい?」
「勿論です。」
何の迷いもなく、そう言った。
...俺だって知りたいから。
「大体のことは妹から聞いた通りだよ。そして、告げてなかったことがあるんだ。」
まず一つ目。
...君のお母さんはね。
実は、僕の母が殺そうとしたんだよ。
背筋が凍り付いた。
殺そうとした、なんて言葉が出てくる筈ない、そう思っていたから。
「あの紙の束は、僕の母を糾弾する為に送られたもの。だけど母は、君のお母さんを追い詰める為に、その紙を横流しした。」
だけどね、と続ける。
「君のお母さんは、とても強かった。自殺なんて、しようとしなかった。
...あれは自殺未遂なんかじゃないんだよ。」
「僕の母は、僕が死んで以来、PTSDを患った。...そこで全てが狂ってしまったんだよ。...そこからは復讐をするために動いていた。」
PTSD、家族を失った時に発症する可能性があると聞いたことがある。
復讐...か。
「僕の母は君の家へ行き、君のお母さんを殺そうとした。
もちろん自殺に見せかけてね。」
それも...知らなかった。
完全に自殺未遂だと、思っていたから。
「...そして母はその後、家で自殺しているのが発見された。
一旦正気に戻ったのかもしれないね。」
「えっ!?じゃあアイツは...。」
「安心して。父が一緒だ。...ふふ、君は本当に優しいな。」
「そ、そんなこと...。」
面と向かって褒められると照れるな...。
...じゃなかった。
「そしてもう一つ。ツバサちゃんは僕によく懐いていてね...。」
「聞きました。そして事故を起こし...。」
彼は頷き...
「ああ...。記憶喪失。」
そう告げた。
だがその顔は余りにも悲しかった。
「君の場合は...心配なさそうだな。...ツバサちゃんとあの子を、よろしくね。」
「...えぇ。わかってます。」
「...ありがとう。そろそろ時間みたいだよ。ほら、覚醒だ。」
やっと、覚醒か...。
真実を知ったが、何だかモヤモヤした気分だ...。
...だけど俺の決意は変わらない。
もう、後戻りなんてしたくない。
「駿くん...だったかな?」
「はい?」
彼の方を振り向く。...先程まで悲しそうな顔だったのが、嬉しそうな顔に変わる。
「本当に...ありがとう。...いつまでも見守ってる。」
「...はい!またいつか...。」
...言っていいものか?...会える確信はない...。
「またね、だったっけ?」
「ちょ!?やめて!?」
「ははは!ごめんごめん、さぁ、早く起きてあげな!」
「...なんか腑に落ちない!」
最後に弄られ、気が抜けたが、覚醒に備える。
もう迷わないと決めた。こんなにも優しい人が見てくれているのだから。
待っててね、ツバサちゃん。
そして、覚醒。
したのはいいのだが...
頬にキスをされた時に起きた。
...これは気まずい...。
だが声が上手く出ない...。
そして精々言えたのが...
「...ぁ...ぁ...あり...が...と...ツバ...サ...
ちゃん...」
この言葉だった。
「ありがとう」
すると彼女は俺に優しく微笑み、そっと抱きしめてくれた。
主人公おっきした(意味不)
24歳、覚醒です。
あっ、そうだ(唐突)
新劇場版 頭文字D Legend1〜覚醒〜
このBDが発売してるので買って、どうぞ。
そして僕とツイッターで頭文字D談義しましょうぞ()