ラブライブ! 過去と今   作:頭文字F

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第27話 背後にいた者

 

 

後ろを向いた時にいたのは、只の中年女性。

 

..,それなのに、見た瞬間に冷や汗、脂汗が混ざったようなものが一気に吹き出してきた。

俺はこいつが怖い。それは事実だ。

だが何故怖い?そんな事もわからぬまま、その女性は段々と間合いを詰めてくる。

 

...そして当の今、俺は身体が硬直してしまい、後ろへ後ずさることが出来ないのだ。

 

誰か助けてくれ。

 

...そう心で叫ぶことが出来ても、実際に声が出ない。

 

そして俺の目の前で女性はストップ。

ゆっくりと口を、開き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...どうだい?...さっさと死んでればよかったのにね...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"轢いてあげた" んだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ードンッ!!!

 

...思い出した。

 

ードサッ...

 

...コイツは...!

 

ーあぁ...ぁ...が...

 

ツバサちゃんを轢こうとしていた、張本人。

 

 

 

 

 

「...お前っ!!」

 

それがわかった瞬間、恐怖よりも怒りが沸き起こってきた。

そのおかげでやっと、ちゃんとした声を出すことができる。

 

...とは言うものの少し怖いのは事実。

それはコイツも汲み取ったようで。

 

「...怖いのに無理をするな...。もう楽になればいいんだ...。」

 

「うるせぇ!!お前の目的は何なんだ!!」

 

「...本当はお前が一番分かってるんじゃないか?」

 

「...っ!」

 

確かに、薄々気がついてしまっている。

コイツはまだ、諦めていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ツバサちゃんを...殺すことだろ...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...自分で言った言葉が信じられない。

だが、それが事実。

 

 

きっとこいつの正体は...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...正にその通りだね。相沢くん。」

 

「うるせぇ呼ぶな!!そんな事して、お前の家族が喜ぶとでも思ってんのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩美の...母親。

 

 

 

 

息子を殺された恨みを込め、ツバサちゃんに復讐をしたい。

多分、その筈だ。

いや、絶対に。

 

「...あぁ喜ぶさ!!どれだけ悲しんだと思ってるんだ!!!これは私の家族に対する "愛情" だ!!!」

 

「バカが!!その愛情がお前の夫を刺したりすることなのか!?復讐することなのか!?」

 

「あぁそうだ!!復讐は私の "愛情" だ!!残念ながらあの人には分かってもらえなかったけどね...。

...フフッ、そうだ...。」

 

そう言ってその女は、奇妙な笑顔を浮かべる。

元々奇妙だったものに、余計に拍車が掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前も私に復讐したいんじゃないのかい?」

 

「...は...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...自殺に見せかけるのは、大変だったよ...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーお母さあああああああん!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...クソがあああああああああ!!!!!」

 

何故だか分からない。俺はその言葉を聞いた瞬間拳を握り...

 

...その握り拳を、その女にブチ当てるために走り出していた。

...が。

 

「...ッ!」ピタッ

 

顔の前で拳を止めてしまった。

殴ってどうなる...?俺が "復讐" をしてどうする...?

誰かを守るための拳は理解はできる。

だが、一時の感情のための拳は絶対に駄目だ。

...そう、思ってしまったのだ。

 

「...ふふふ...。殴れないのかい?」

 

「...殴ったら、お前と同じになっちまうから...。」

 

「...そうかい。まあいいさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

...もう綺羅 ツバサを殺すことに決めているから。」

 

「やれるもんなら...やってみろ!!」

 

そう、強気に言い放った。

...こいつに負けたくなくて。自分の感情だけでそう言ってしまったのだ。

 

「...楽しみにしてなよ。じゃあね。」

 

そう言ってその女は闇へと消えていった。

 

いなくなった途端に、ヘナっと力が抜けたように地面に座る。

そのまま10分間、ずっと外にいた。

...これからどうなるか。守りたいが、絶対に守りきれるのか。

...そんな不安を抱きながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー...。」

 

「遅かったわね?大丈夫?」

 

少し心配をしたのか、ツバサちゃんは扉からひょっこりと顔を出してそう聞いてくる。

 

「ああ。大丈夫だ...。」

 

「...そう...。」

 

俺が大丈夫と答えると、彼女は少し暗い表情になる。

その表情は、どこか "寂しさ" のようなものを感じさせていた。

俺には彼女が何故、そんな表情を見せるのかわからなかったが故、彼女に直接聞いてみた。

 

「...なぁ、なんで寂しそうなんだ?」

 

「...やっぱりバレちゃった?」

 

彼女はそう言って少し舌を出す。

 

...当たり前だ。何年一緒にいたと思っているんだ。

 

 

...しかも好きな人なら、尚更だ。

 

俺は彼女をじっと見つめる。何故そんな表情をしているか。その答えを見つけるために。

すると彼女は口を開いた。

 

「...会話が聞こえてたの。...駿くんが叫んでたからどうしたのか気になって...。

 

 

 

それでね?

 

 

 

 

 

 

 

私を守る、って言ってくれたのが凄く嬉しかった。

 

 

でも、同時に怖さも感じるの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...駿くんが無理して...死んで...しまわないか...。」

 

そう言う彼女の目には、涙が浮かんでいる。

 

...彼女の言うことも分かる。

まず、あんな物騒なヤツとの真っ向勝負。

...無傷でいられるワケはないだろう。

 

 

だが、絶対に死なない。

彼女の言葉を聞いた瞬間に決意が固まった。

 

「...大丈夫。死なないから!」

 

彼女の悲しむ顔を見たくない。

だから、強く、そして元気に振舞って見せる。

 

少しでも安心してもらいたくとったその行動は。

 

「...約束してね?」

 

「ああ!」

 

「...よかった。」

 

...効果てきめんだったのを覚えている。

そこにはもう、俺が何回も救われてきた、眩しい笑顔があった。

 

そして、何回も何回も誓い合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと一緒。」

「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...そんなもの、幻想だとも知らずに。

 




これからの展開、ご期待くださいね。
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