過去と今、執筆者の頭文字Fと申します(丁寧)
前回は奇妙な展開に...。今回は果たしてどうなるのでしょうか...。
それでは、ご覧ください...。
「...ん...。」
ゆっくりと目が覚める。
ぼやけた目で辺りを見渡しても、見たこともない光景。
全く知らない場所に、私はいる。
...ご丁寧に両手まで縛られて。
「え!?だ、誰か!!」
状況を把握した私は倉庫に誰かがいることを祈り、助けを求める。
誰かいればこの手の拘束具を外して、ここから出してくれるはず。
...だが、来たのは。
「...起きたのかい。」
「...え...?」
...一番出会いたくない人物。
彼女が私を恨んでるのは知っていた。
...駿くんが教えてくれたから。
「...彩美ちゃんの...お母さん...?」
「...久しぶりだねえ...。 "ツバサちゃん" 。」
「...ッ!!」
彼女が私の名前を発した途端、背筋が凍りついた。
一言で表すと "動けない" 、そんな状態。
名前を呼ばれただけで恐怖を感じるはずがない。
なのに恐怖を感じてしまった。
何故だかわからない。
...ただ分かるのは...。
私に恨みを持った人物が目の前にいる、この事だけだ。
「...何で、こんなことするんですか...。」
「...分かってるだろう?...お前は私の唯一の息子を殺したんだ。」
「こ...殺して...なんか...。」
私がそう発した瞬間、女性の目つきが変わる。
...まさに般若。例えるならそれが妥当だろう。
眉間には皺が寄り、目はつりあがっている。
...誰が見てもその表情からは、怒りを感じるだろう。
...そんな顔で...いきなり首を絞められる。
「ぁがっ!?」
「お前の前方不注意の所為じゃないのか?息子が死んだのはお前の所為じゃないのか!!!!!」
...違う。そう言いたいが、元を辿ればそのように見えてしまう。
この状況では、尚更に。
「...ちがっ...うぅっ!?」
...その事を拒否しようとした瞬間、私の首を絞めている手の力が強くなる。
気道が閉まり、息が出来ない。
その状況で、彼女は怒りの咆哮をあげる。
「何が違うんだ!?あの子は死んだ!!!もう戻ってこない!!!お前が...お前がっ!!!」
怒りの咆哮とも、心の叫びとも言えるものを私にぶつけてくる。
それは、私の頭を鉄パイプで殴りつけたかのような衝撃を走らせた。
「...わた...し...が...?」
「あぁそうだ!!お前が!!!」
まるで洗脳をされているかのような感覚。
まだ正気を保ててはいるものの、洗脳されてしまうのは時間の問題だ。
...実際に、事故だったのか。それとも自分が殺したのか。
...それすらも判別し難くなってきているのだから。
それでも彼女は、私に畳み掛けてくる。
「...相沢...だったか?アイツもおかしいんだ...。
お前が殺したのに、殺してないと言い張る...。」
「!?駿くんは関係ない!!」
もう彼を巻き込みたくない。その一心でそう叫ぶ。
...だが。
「...本当は助けに来てほしいなんて思っているんだろう?」
「...え...?」
彼女は何故か、悲しげな声調で、私にそう語りかける。
するとポケットに手を入れ、何かを取り出す。
...その手に握られていたものは携帯。
すると彼女は、私の手に付けられた拘束具を外す。
それを私の前に差し出し、こう言った。
「...助けてほしいなら、呼べばいい。...いいヒーローじゃないか。」
彼女は少し微笑み、私にそう語りかける。
先程までの気迫は何処へやら。今となっては優しい女性にしか見えない。
だが警戒は解かない。
そして携帯を開く。
...自然に彼のメールアドレス。そして本文を入力していた。
本文には暗号も交えて。
そして自然に送信ボタンを押していた...。
いや、押してしまっていた。
...彼に迷惑をかけたくない、そう言ったはずなのに。
また彼に助けを求め、迷惑をかけてしまった。
...そう後悔していると、何処からか息の漏れる音が聞こえる。
その場所は他でもない。目の前だ。
「...くふふふふ...。あっはははははははは!!!!」
「...なに...?」
「...先に言っといてやるよ。
アイツは死ぬ。
お前の所為でな。」
その言葉を聞いた途端、思考が停止する。
どういう事なのか。未だに理解が追いつかない。
...そんな状態のまま、彼女は続ける。
「...アイツはニセモノなんだよ...。」
「...え?」
余計に何も分からなくなる。
彼はニセモノ。そんなこと。意味がわからない。
「お前の知ってるヤツは、どんな奴だった?」
「せ、正義感が強くて...いつも助けてくれて...。」
「正義感が強いんだろ?
ならお前が犯した罪を庇うわけ無いじゃないか。」
「そんなわけ...!」
「あるさ。...極め付けは私の娘だ。...公園で一緒にいるのを見たんだろう?」
「...!」
確かに覚えている。だが彼はそんな関係ではないと言った。
もう確信を得ているのだ。
だが、精神的に疲れているとよく考える事が出来ないのが人間だ。
「...娘はひどいことをされた、と言っていたけどね?」
「え...?」
ここで、疑ってしまったのだ。
一番信じていた彼を。一番愛していた彼を。
たった今、裏切った。
「な...?ニセモノだろう...?」
「...。」
「ふふふ。やっと気づいたのか...。」
お前は遊ばれていたんだよ。
この言葉で。
私の精神は崩壊した。
「ツバサちゃん!!!」
倉庫まで死ぬ気で走り、ここまで辿りついた。
ツバサちゃんはただ呆然としている様子だ。
近づき、彼女の手を取る。
「触らないで!!!!!!」
「!?」
驚いて手を離してしまう。
...彼女からそんな事を言われるとは思っていなかったから。
「...私...信じてたのに...。」
「は...?何を!?」
彼女はゆらぁ、と立ち上がる。
その目は、虚ろだった。
「...!!!」ダッ!
彼女はこちらへ走り出す。
...近くにあった角材を手に持って。
「!?...ぐっ!?」バキィッ!
両手を揃え、腕でガードをする。
その衝撃で角材が真っ二つに割れてしまった。
真っ赤に腫れた腕をもう片方の手で支えながら、ツバサちゃんの方を見る。
「...どうしたんだよ...。」
「...。駿くんが...裏切るから...。」
「裏切ってなんか!!」
「いや!!聞きたくない!!!」
そう叫ぶ彼女の目は、狂気に満ちていた。
まるで俺は彼女にとっては極悪。
...そう、言われているように感じてしまったのだ。
バトルものみたいですね()
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