また少し番外編をいつか書きたいなー...と。
いつになるかはわかりませんが...
倉庫の中には2人が見合ったまま立っている。
その横には折れた角材。そして一人は腕を抑えている。
...誰が見ても乱闘が起きたと分かる状況。
だが不思議な点が一つ。
「...私だけ...見てるって...。」
「どういうことなんだよ...。」
彼らのことを知っている人ならば分かるだろうが、とても仲の良かったこの二人が何故闘っているのか。
...これが、洗脳。
相手の弱みに付け込み、その人を狂わせる。
彼女はこの "洗脳" に蝕まれてしまっていた。
外は快晴から曇り、そして雨へ。
案外、彼女の心の変化を示しているのかもしれない。
そして彼女はまた、男の方へとゆっくり歩き出す。
「...ねぇ...しゅ...いえ、相沢くん?」
「!?」
「...私だけ見てるって言ってたのに...。遊んでたの...?」
「遊んでなんかない!俺はツバサちゃだけ見て「うるさい!!!」...。」
彼がその子を説得しようと試みたところ、彼女は彼の言葉を途切るように叫んだ。
心の悲痛な叫び。彼女が彼女でないかのような雰囲気を醸し出していた。
それでも少年は、諦めず叫び続ける。
「本当だって!!!一生守るとも約束した!!!
裏切るわけないだろ!!!」
「...。」ピクッ
少年がそう叫ぶと、少女の肩が少し震える。
突然の大声に驚いたのか。それとも...。
「...でも、もう信じられない...。」
「え...?」
「だから...私はこうして...。」
そう言って少女はまた、ゆらりと歩き出す。
少年は近付かせまいと後ずさりをする。
だが、それが間違いだった。
ガッ...ゴトッ...
「!?...角材...?」
後ずさりをしている途中に、角材の束を倒してしまったのだ。
つまり、角材が倒れ、いつでも手に取ることができる状態。
これが意味することは...。
「...もう...終わりにしよう...?私ももう限界...なの...。
さよなら。」ダッ!
もう終わりにしよう。その言葉に少年はショックを受ける。
ショックで物事が考えられず、ガードの準備をすることも出来ない。
...ガードをしていなかった少年の横顔を、角材の端がしっかりと捉える。
「ぐッ!?」
横顔を角材が直撃。少年は飛ばされてしまう。
倒れた少年は、頭が揺れるのを実感していた。
...襲い掛かる吐き気、そして罪悪感。
自分の知らないところで彼女を傷つけていた。
そう考えると、罪悪感を感じずにはいられなかったのだ。
「...ごめんな...っ!...ツバサ...ちゃん...。」
確かな痛みを感じつつ、彼女にそう言う。
彼女を苦しめていたことに気づかず、身勝手な行動をしていた。
...そう、感じたから。
少女は少年の側に立つ。
そして角材を振り上げ、少年の顔に狙いを定める。
...最後に一言、彼女はこう言った。
「さよなら。」
角材が振り下ろされたその時。
「駿ちゃーん!!」
「駿!!」
「お...まえ...ら...?」
少年の親友二人が、倉庫内へ入ってきた。
彼女が振り下ろした手を止めている隙に、一人は彼女を取り押さえ。
一人は少年の無事を確認していた。
「綺羅さん!!やめろって!!」
「離して!私は裏切られたの!!」
「よく考えてみろ!!こいつがそんな事するか!?」
「いや!!もう信じない!!!」
...智樹はツバサちゃんを羽交い締めにし、押さえてくれている。
大輝は俺の横にしゃがみ、立たせてくれた。
「大丈夫かいな、駿ちゃん?」
「おう...。なんとか...。」
立ち上がった俺は、ツバサちゃんの前へと歩いていく。
...彼女に、謝るために。
その瞬間。
「うわっ!?」
智樹が振り払われてしまう。...そしてツバサちゃんは角材を手に取り、こちらに走ってくる。
「駿ちゃん!!!」「駿!!!」
ツバサちゃんが振った角材は、俺の左側頭部を捕らえている。
振っている隙にツバサちゃんの前に進み、角材が当たらない場所に避ける。
「...ッ!!」
そして勢いよく抱きしめた。
「...ごめん...ツバサちゃん...。...知らない間に傷つけてたんだよな...。」
「...。」
彼女の返事はない。
...が、嗚咽に似たようなものが少しだけ聞こえる。
...俺は、目に涙を溜めながら彼女に。
「...もう、ツバサちゃんの前から消えるから...。
2度と現れないから...!正気に戻ってくれって...!!!」
「...!」
情けないが、涙を流しながら彼女に思いの丈をぶつける。
俺は彼女が幸せならそれでいい。そう考えている。
...彼女の隣が、俺じゃなくても。
彼女が幸せなら、その運命を受け入れる。
その事を考えると、自然と涙が零れてしまう。
「...絶対...幸せに...!!」
「...駿...くん...。」
彼女が俺の名を呟くのが聞こえた。
俺は驚き、彼女の顔を見る。
...目を見開き、何かに気付いたような表情。
思い出を話し、彼女に目を覚まさせようとしたその時。
「ツバサちゃん、こっちにおいで。」
「...お前...!!」
まただ。
...また、あの女だ。
ヤツは俺たちと反対側にいる。
それも2階に。
するとツバサちゃんはその方向を目指して歩き出す。
...何度声をかけても、彼女は歩みを止めない。
そして彼女は、反対側の2階に到着してしまった。
「...やぁ、相沢くん。...どうなっちまうんだろうね...?」
「...お前...!」
まだ、悪夢は終わらない...。
段々と怪しい方向へ!
一体どうなってしまうのか!
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