色々あったんです...多分←
さぁ45話の始まりです!
守からは、若干の悔しさ...そして、悲しさが見て取れた。
その悔しさや悲しさの理由は、その場の全員が言葉なしでも理解している。それも、嫌という程に。
...守以外の3人は口を開こうともしなかった。それが、守の話を途切れさせない為なのか。それとも、あまりの衝撃に言葉が出なかったのか。
...本人たちにしか、知る余地がない。
だが、そこにいる全員が知っていた事象がある。
それは...
「...でも、優木さんがやったとは決まってないじゃないですか!」
そう。あんじゅはそんな事は絶対にしていないということを。
まるで代表を務めたかのように、1人だけ意見を主張した智樹に、冷たい。それでいて鋭い視線が射抜かれる。
「...何か証拠でもあるのかい?」
その視線と共に発せられた言葉には、怒りの色が込められているのが分かった。
怒り。守のそんな様子を見た事が無かった智樹や他の2人は。
「...そ...それは...」
ただ、黙っているしかなかった。
それもそうだ。守 "しか" 当時の状態を知らないのだから。
現場の血痕や指紋。その他、凶器になり得たもの。それを隅々まで聞かされた筈だ。...嫌でも。
「...僕も信じられなかったよ...あんじゅがそんな事をしたなんてね。」
...彼の拳が固く握られる。俯きながら小さく震える様は、守がどんな気持ちだったのかを全員に理解させるのは容易だった...。
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「...」
何分経っただろうか。この間にも、誰も口を開こうとしなかった。
ツバサと駿、智樹は口を開けるような雰囲気ではないことは察していたので、ただただ俯いた守を、ずっと見つめることしか出来なかった。
だが長時間見つめていれば、少しの体勢の変化でも気付いてしまう。
「...」
「「「...!」」」
守を除く3人とも、彼の変化に気付いた。
...表情に少しの余裕、そして目線がほんの少し、上へと向けられたのだ。この変化を合図とし、3人はもう一度覚悟を決める。
これからまた語られるであろう、悲惨な出来事に。
...だが語られたものは、3人が想像していたものとは少し違った。
「...その事件が起こった時...真っ先に僕のところへ電話がかかってきたんだ...」
「...?...病院からですか?」
その言葉にふと疑問を持った智樹が問いかけると...。
予想だにしない答えが返ってきた。
「いや。
...あんじゅの母から...だね。」
「...えっ...?」
正に意表をつかれてしまった、そんな感覚。
「だって...あんじゅちゃんのお母さんは...」
「...誰も同時に亡くなった...なんて言ってないよ。」
その部分について話そう。そう言って、守は当時の出来事を話し始めた。
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当時、守はとある会社で働く会社員であった。妻もいない、子供もいない。正に普通、そんな人生を送っていた。
そしてある日。
いつも通りの業務に加え、残業も終えたところで退勤しようとしたその時。
プルルル...
「ん...?電話?誰からだ?」
その時の時刻は午後8時ほど。あまり電話もかかってこない時間であったため、少し不審に思いながら発信者を確認する。
「あれ...?義姉さん?」
普段あまり話すこともない人からの着信。...原因不明の胸騒ぎを押し込め、恐る恐る電話を耳へと当てる。
「...もしもし?」
『...守...くん...』
「...?お義姉さん、どうしました?」
守によると、彼女の声は弱々しく...普通ではなかったという。
まるで大切な何かを...
『...
「!?兄さんがどうかしたんですか!?」
『...頭から...血を...!』
...失くしてしまったかのように。
「!?俺に電話してる場合じゃないでしょう!!救急車を!!」
『で...でも...!』
「でもも何も無いでしょう!!俺が呼んでおきますからそこでじっとしてて!!」
...彼女は何かを伝えようとしている様子だったが、そんなことよりも優先すべき事があった。
急いで電話を切り、119番へと電話する。
「救急です!!!場所は...」
...救急車は無事到着、病院へ搬送されたらしいが。
守が病院へ着いた頃にはもう、育則は息絶えていたという。
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当時起きた事件から育則の死亡まで話した守。何故かはわからないが、先ほどまでの落ち込み、迷い等が消えていた。
「...だけど、一つだけ...おかしい点があったんだよ。」
ところが一転。表情に曇りが表れる。
守の言う "おかしい点" それは...。
「...病院に、あんじゅがいなかったんだよ。」
...父親が搬送されたにも関わらず、病院にあんじゅの姿は無かった。
守は初め、あんじゅが小さい頃だったため、近所の人に預けている。若しくは、あまりのショックのために家で休養させているのか。
その2つの内どちらかである。...勝手にそう、決め付けてしまっていた。
だが、蓋を開けてみれば...。
「... "あの人" を殺した張本人を...ここに連れて来る訳無いでしょう...?」
「...は?」
彼女の奥底に眠っていた...醜い感情が姿を見せた...。
「はぁ...はぁ...!」
それを聞いて守は、一目散に兄の家へと走り出した。
"...あんた、最低だな" そう、言い残して。
何分...いや、何時間走ったのかわからない。ついに目的の場所が見えてきた。そしてドアを乱暴に開き、リビングへと飛び込むと...。
「...!?あんじゅちゃん!」
「...」
机の横で気絶しているあんじゅを発見した...。
体勢はうつ伏せで倒れていたため、義姉はあんじゅを放置していたのではないか。
普通だとソファーやベッドで寝かせるのではないか。
そういった不安にとどめを刺したのが...。
" あの人 "を殺した張本人...。この言葉であった。
彼女はもしかすると、あんじゅを自分の子どもとして見ていないのかもしれない。
その事に対し、怒りが湧いてくる。
そしてふい、と机を見ると...。
「...ここに血が...」
こんな小さい子ども、しかも女の子が男性の体勢を崩す事が出来るのか?
周りを見渡しても凶器らしいものは無い。
ならこれは...
「...事故...なのか...?」
45話、終わりでございます!
読んでくれた方々、ありがとうございました!
そしてお伝えしたいのですが、R18第二弾、完成に近いです。わーい、ですね。
完成次第、活動報告にて配布という形にさせていただきます!
あ、そうだ(唐突)
頭文字F新作、「渡辺曜とイチャイチャする話。」絶賛連載中でございます!
よろしければ一度、読んでみてくださいね!
それでは!!