かなり空きました。かなり。空きました。
色々あったんです。色々。(トオイメ)
本当に申し訳ありません。
「綺羅さんの病名は...」
まるで厳重に閉じられた小さい箱。そんな部屋にツバサと入り、白衣に身を包んだ男の言葉をじっと待つ。
男が言葉を発するまでの時間、自分の鼓動が嫌という程よく聞こえてくる。それに伴い、焦燥感が自分を襲う。
どんなことを告げられるのか。もしかしたらツバサちゃんの病気は、不治の病なのではないか。
...考えれば考えるほど、不安要素が幾らでも浮かび上がり、じっとしていられなくなる。
...そんな状態に耐えられなくなり、こちらから言葉をかけようとした瞬間。
「...ルビ病です。」
「...は?えっ?」
...聞いたこともない病名にまた自分の鼓動が早鐘を打つ。
...なんだルビ病って...
中編
「え、先生...なんですかその病気は...」
ルビ病...だったか?
「いや、ね?この子時々英語言うじゃない?」
「え...えぇ...嫌という程...」
「それです」
「...いやいやいやいや...」
微塵も詳細を理解できない説明である。
だが医者がそのような説明しか出来ないということは、この病気の事があまり解明されていないのかもしれない。
少し不満を垂れたものの、自分にそう言い聞かせる。
その後の医者の話を要約すると、喋ったことが勝手に英語に変換されてしまう。そういうことだろう。
なんと厄介な病気なのだろうか...。
そして、"ルビ病" についての説明を聞いたところで最大の疑問点をそろそろ。
「...それで、いつぐらいに治るんですか...?」
そう。
期間についてである。
ある意味そこを一番知りたかった、と言ってもおかしくはない。
なぜなら、考えてもみてほしい。
「もし」。
ルビ病の患者と一緒に生活する事になったとしよう。
「
...バカは色々とまずいかもしれないので文字には起こさないが、生活が崩壊を迎える事になるだろう。俺の生活がアメリカンに、体型もアメリカンになるかもしれない。
...海外事情、特に英語圏を全くもって知らない国家に、英語圏の人物が入り込んでくるようなものだろう。
うむ。耐えづらい。それどころか耐えられない。
よって、俺にとっては一番重要な質問である。これから彼女といつも通りの日常を過ごす上でこの障害はかなりの強者になり得るから...。
『精々1週間でお願いします...』
そんな儚げな願いを胸に、医者の言葉をじっと待つ。
...時間だけが過ぎる。1秒1秒が、1分にも、1時間にも思えるほどに長い。...それでも、じっと待つ。
僅かな希望を、胸に抱きながら。
「無期限です」
「わけがわからないよ」
...長く待ったにもかかわらず、俺の願いは打ち消されてしまった。この一言で。
「はぁ...」
ため息をひとつ。
案外期間は短いかもしれない。そんなものは夢だった。
どうすれば...。先が思いやられる。
「
そんな俺の顔を覗き込み、心配そうな表情を見せるツバサちゃん(グローバルバージョン)。
...そうだ。
...俺よりも、彼女の方が不安に違いない。
「...なんとか。一緒に頑張ろうか。」
「
...一緒に乗り越えていこう、彼女と。
「...と、まぁ...そういうわけだ...」
「...っ...そりゃぁ...ぷっ...かわいそう...ふふっ...」
「あひゃひゃひゃひゃ!!!ル、ルビ病!!あひゃひゃひゃひゃ!!」
「大輝、お前覚えてろ」
学校の昼休み、智樹と大輝に話すとこれだ。
智樹はともかく、大輝がやたらと爆笑している。
他人事と思いやがって...。
「いやいやごめんやん!だって...おもろいやん!!」
「いつかお前にも感染させるからな」
「えっ、いや、ちょっ」
大輝の顔から、恐怖で笑みがなくなる。
散々爆笑していた大輝を黙らせてから解決法を模索する。
「...さぁお前ら。...どうやったら治ると思う?」
「...いや、当人を見ない限りはなんとも言えないというか...」
「そやね、ボクもまだ綺羅さん見てへんし...」
2人してまだツバサちゃんを目撃していないそうな。なんて幸運なヤツらだ。万死に値する。
...待てよ?
...さっきまでずっと笑っていたコイツらに、現実を見せるチャンスかもしれない。
よし。
「そうか...なら、その病気の恐ろしさ。その片鱗を見せてやろう。」
「「...は??」」
そう言って俺は携帯を取り出し、メールを打って送信。宛先はご存知の通り。
「もうちょっとでわかるさ」
そして、静かに携帯をポケットへなおした。
「
「なんだこれは...」
「たまげたなぁ...」
勝手にたまげた2人の前に現れたのは、もちろんツバサちゃんだ。
「な?これがルビ病だ。ね?グローバルちゃん?」
「
「...あ、ごめん、ツバサちゃん」
「
名前を間違える失態を晒してしまった。
なんたる不覚。
しかもどこをどう間違えたのかさえ意味不明なものである。
かなり困惑しているツバサちゃん。
...まあこうなるほどにルビ病は人々に混乱を与えた、ということにしておいてほしい。
「...まぁ、こういうこと。」
「「...なるほど...」」
かなりドン引きしている様子の2人。
まあそうなるはずだ。母国語じゃない言葉を急に発し始める。...この日本ではそれを意識高め...と言ったりする。いくら病気について説明したとしても、この2人にとってツバサちゃんは、今まさにその状態なのだから。
そうなることはわかっていた。
だけど、彼らに話した理由は他にもある。
それは。
「だから助けて。」
「「無理です」」
助けてもらうため。
少しでも治療のアイデアを欲しいがため。
必ず了承してもらわなければ、ツバサちゃんの人生がいろいろ変わってしまう...多分。
「無理(してでも僕たちは協力したい)です?」
「脳内補完すごない!?」
「そこまで補完されるなんて狂いそう...」
この補完能力も、俺の必死さの賜物である。
絶対に、協力させてやる。
いや、させてあげてやる。
...はい、進むのがおそい(自分で指摘するスタイル)
サンシャイン、来ますね。
曜ちゃんの方も続きをあげます、お楽しみに!