ビーラビットも異世界から来るそうですよ? 作:shin-Ex-
まあ、Pandora Heatsの原作において見慣れたものではあると思いますが。
それでは本編どうぞ。
「さて、オズくんとアリスくんの試練も終わったことですし、ギフトの鑑定をしないとデスネ白夜叉様」
「だから私は専門外だというに・・・・・」
ブレイクにギフトの鑑定を促されると、白夜叉は困ったように扇子で口を覆う。
「どれどれ・・・・・ふむふむ・・・うむ、5人ともに素養が高いのは分かる。しかしこれではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトをどの程度に把握している?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「答える義理はない」
「俺はまあ大体?」
「うおおおおい!?オズ以外まともな答えではないではないか!いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が進まんだろうに!」
「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札張られるのは趣味じゃない」
ハッキリと拒絶するような声音の十六夜と、同意するように頷く飛鳥と耀。オズとアリスに至ってはおおよそは把握できているのであまり必要と考えてもいない。
困ったように頭を掻く白夜叉は、突如妙案が浮かんだとばかりにニヤリと笑った。
「ふむ。何にせよ"主催者ホスト"として、何より星霊のはしくれとして試練をクリアしたおんしらには"恩恵ギフト"を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」
白夜叉がパンパンと拍手を打つ。
すると5人の眼前に光り輝くカードが現れた。
カードにはそれぞれの名前と身に宿るギフトを表すネームが記されていた。
コバルトブルーのカード
逆廻十六夜
ギフトネーム
"
ワインレッドのカード
久遠飛鳥
ギフトネーム
"威光"
パールエメラルドのカード
春日部耀
ギフトネーム
"
"ノーウォーマー"
5人はそれぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。
「ギ、ギフトカード!?」
カードを見た黒ウサギは驚いたような声を上げる。
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「ち、違います!このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの"生命の目録"だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」
「つまりレアなアイテムってことだね」
「なんか適当じゃありませんオズさん!?あーもうそうです!超素敵レアアイテムなんです!」
半ばヤケクソな黒ウサギ。価値があるものなのだろうが・・・・なんともそのありがたみがわかりにくい。
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは"ノーネー
ム"だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」
白夜叉は自分のカードを取り出し説明を進める。
「ふぅん・・・・もしかして水樹って奴も収納できるのか?」
十六夜は何気なく黒ウサギの持つ水樹にカードを向ける。すると水樹は光の粒子となってカードの中に呑み込まれた。
十六夜のカードは溢れるほどの水を生み出す樹の絵が差し込まれ、ギフト欄の"正体不明"の下に"水樹"の名前が並んでいる。
「おお?これ面白いな。もしかしてこのまま水を出したりもできるのか?」
「出せるとも。試すか?」
「だ、駄目です!水の無駄遣い反対!その水はコミュニティのために使ってください!」
チッ、とつまらなそうに舌打ちする十六夜。黒ウサギはまだ安心できないような顔でハラハラと十六夜を監視している。まあ現コミュニティの惨状からしたら貴重な水をくだらないことに使われたらたまったものではないだろう。白夜叉は両者の様子を高らかに笑いながら見つめていた。
「そのギフトカードは正式名称を"ラプラスの紙片"、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった"恩恵ギフト"の名称。鑑定はできずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」
「へえ?じゃあ俺のはレアケースってわけだな?」
ん?と白夜叉が彼のカードを覗き込む。そこには確かに"
「・・・・いや、そんな馬鹿な」
ヤハハと笑う十六夜とは対照的に、白夜叉の表情の変化は劇的であった。パシッと表情を変えた白夜叉がカードを取り上げる。
「"
真剣な眼差しでカードを見る白夜叉は、不可解とばかりに呟く。
「何にせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ」
今度はパシッと十六夜がカードを取り上げる。
だが、白夜叉は納得できないように怪訝な瞳で十六夜を睨む。それほどギフトネームが"正体不明"とはありえないことだった。
(そういえばこの童……蛇神を倒したと言っていたな)
神格保持者とは生来の神々や精霊ほどではないが種の最高位だ。時に天変地異を起こせるほどの蛇神が神格を持たぬ人間に負けるなどまずありえない。
(強大な力を持っていることは間違いないわけか。・・・・・しかし"ラプラスの紙片”ほどのギフトが正常に機能しないとはどういう・・・・・まさかギフトを無効化した?)
ギフトが正常に動作しない。そこで白夜叉の脳裏に一つの可能性が浮上した。
(・・・いや、ありえんか)
浮上した可能性を、白夜叉は苦笑と共に切り捨てた。
修羅神仏の集う箱庭においては無効化のギフトはそう珍しくない。だが十六夜のように強大な奇跡を身に宿す者が、奇跡を打ち消す御技を宿しては大きく矛盾してしまう。それに比べれば、"ラプラスの紙片"に問題があるという結論の方がまだしっくりくる。
"ラプラスの紙片"のエラー。白夜叉はこの不可解さをそう結論づけひとまず納得することにした。
「ところで、オズくんとアリスさんのギフトはなんなのかしら?」
「・・・・やっぱりあの鎌と鎖がギフトなの?」
ふと、飛鳥と耀はオズとアリスに尋ねてみる。先ほどの戦いぶりからして、大層なギフトを持っているのだと思ったのであろう。
「それは・・・・・アリス、話しちゃう?」
「オズがいいなら私は構わん。そもそも隠す気はないからな」
(・・・・先程答える義理はないと言っておったくせに)
白夜叉は若干の理不尽さに凹んでいた。
「それじゃあ見せるよ・・・・・これが俺とアリスのギフトだ」
オズとアリスは自分達のギフトカードを差し出してみせる。
ゴールドとブラックのカード
オズ・ベザリウス
ギフトネーム
"
スカーレットとブラックのカード
アリス
ギフトネーム
"
「え?黒・・・・うさぎ?」
二人のギフトカードを見て、真っ先に反応を示したのは黒ウサギであった。
自身の名と同じ名前のギフト・・・・・興味を持って当然だ。
「・・・・へえ、随分と面白いな。てっきり鎌と鎖の二つのギフトを持ってるのかと思っていたが、一つのギフトだったのか」
「それに・・・・・読み方は同じなのに名前が違う」
「二人共うさぎにはめないし・・・・・どういうことなの?」
十六夜は面白そうに笑みを浮かべ、耀と飛鳥はどういうことなのだろうかと首をかしげる。
「説明してもいいけどそれなら・・・・・アリス」
「なんだ?」
「一旦力を全部俺に渡してくれないかな?」
「・・・・・見せるのか?」
どうやらアリスはオズが何をしようとしているのかをすぐさま理解したようだ。
「うん。その方が手っ取り早いからね」
「わかった」
アリスはオズの言うとおり、力を全てオズへと移した。
「・・・・・皆に見せてあげるよ。俺の本当の姿・・・・・黒うさぎのオズをね」
クスリと微笑みを浮かべながらそう告げると、オズの姿は変貌する。赤き衣装に白い蝶ネクタイをした・・・・大きな黒いうさぎの姿に。
「これが俺の本当の姿だよ・・・・・俺は、黒うさぎの人形がチェインと化した存在なんだ」
「チェイン?オズさんは・・・・・人間ではないのですか?」
「まあ、そうなるね。あの鎖と鎌はこの黒うさぎの力の一部なんだ」
「ほう・・・・ブレイクよ、おんしはこのことを知っておったか?」
「ええ。もっとも、オズくんの黒うさぎとしての姿を見るのはこれが初めてですがね」
オズが元いた世界で黒うさぎの姿でいたのは箱庭に来る直前のこと。その時にはブレイクはもう・・・・・死んでしまっていたのだ。だからブレイクはオズの黒うさぎとしての姿を知らずにいた。
「それがお前の本当の姿だっていうことはわかった。ただ・・・・・それならアリスはどうなんだよ?アリスもビーラビットなら正体はそのチェインってやつなのか?」
「・・・・・いいや、アリスは違うよ」
「確かに、私はかつてオズから黒うさぎの力を取り込んでいた。その時に記憶を失って自分がチェインであると思い込み、アヴィスを彷徨い、力を振るった結果ビーラビット・・・・・血染めの黒うさぎと呼ばれるようになったのだ」
「どうしてアリスさんはオズさんから力を取り込んだんですか?」
「「・・・・・・」」
黒ウサギからのこの問いかけに、オズとアリスは沈黙した。
アリスがオズから黒うさぎの力を取り込んだのは・・・・オズを守るためだ。その時に起きたことがすべての始まりに起因するのだが・・・・・そこには少々込み入った事情があり、この場で話すことは躊躇われるようだ。
「まあいいじゃねえか黒ウサギ。本人達は答えたくないようなんだ、詮索しないでやろうぜ」
「それとも黒ウサギはそれを責めるのかしら?自分達は肝心なことを隠そうとしていたくせに」
「それは理不尽だと思うよ?」
「うっ・・・・・わ、わかりました。これ以上の詮索はやめておきます」
オズとアリスの心中を察してか、フォローに回る十六夜、飛鳥、耀の3人。痛いところを突かれてしまったため、黒ウサギはそれ以上の詮索をやめた。
「ならこの話はここまで。それよりも・・・・・オズ」
「何耀ちゃん?」
「・・・・・触ってもいい?」
耀は目をキラキラとさせながら尋ねた。
まあ、耀からしたら今のオズはたいへん興味を惹かれる姿をしているのだから仕方がない。黒ウサギと違って、全身がうさぎなのだから。
「いや・・・・耀ちゃん黒ウサギの耳を十分堪能してたよね?」
「それはそれ、これはこれ」
「春日部の言うとおりだな。せっかくなんだから楽しませてもらうぜ」
「そうね」
じりじりとオズに近づく問題児3人衆。黒ウサギが3人にどう弄られたのかをその場で見ていたオズは身の危険から苦笑いを浮かべながら後ずさりする。
「待て!オズは私のものだぞ!勝手なことをするのはこの私が許さん!」
「アリス・・・・!」
そんな十六夜達の前に立ちはだかるアリス。それは独占欲からくるものではあったが、それでもオズにとっては救いであった。
「そんなこと言われると・・・・・」
「ますます触りたくなっちゃうわね」
「まあ、人間の性だな」
だが、そんなもので3人が引くまでもなく、むしろモチベーションは向上してしまっていた。
「させん!オズは私が守る!」
オズを守らんとするアリスと、オズを弄らんとする十六夜、飛鳥、耀の3名による攻防が始まった。
「・・・・・ブレイクよ。オズがアリスから受け取った力を返せばいいだけの話ではないのかの?」
「まあ、そうデスけど・・・・・面白そうなので放っておきまショウ」
「そうだの」
「あなた達はもう・・・・・オズさん、おいたわしや」
この事態を面白そうだと捉えた白夜叉とブレイクは傍観を決め込み、黒ウサギはオズに同情の視線を向ける。
もっとも・・・・巻き込まれたくはないと何も言わない黒ウサギも大概ではある。
こうして、問題児達のやりとりは30分近くも行われることとなるのであった。
あとがきお茶会のコーナー!
今回はオズくんとアリスさん二人と進めていきます
「あ、今回は二人でなんだね」
ええ、まあ。ちなみに次回以降はオズくんとアリスさん交互に出てもらいますので
「む?では今回のように私とオズが一緒に出ることはないのか?」
いえいえ、それはまあたまに一緒に出すようにはしますよ
それよりも今回のお茶、シナモンのハーブティをどうぞ
「ありがとう。というか思ったんだけど毎回どのお茶出すか考えるの大変じゃない?」
・・・・・そのうちネタが尽きるかもです
「その時は肉を出せばいいだろう」
「アリス・・・・・お茶会で肉はないって」
でも実際前回アリスさんが出たときは出したという・・・・・まあ、気を取り直してなにかお話しましょう
「そういえば今回俺の正体明かしたわけだけど・・・・・皆思いのほかすんなり受け入れたね」
いや、だって十六夜さん達だし?
「その一言で片付けられるんだね・・・・・問題児ってすごいな」
いやいや、オズくんもれっきとした問題児なんですからね?もちろんアリスさんも
「解せんな」
まあまあそう言わないで。あ、そうだ。本編と関係ないんですけどヴァニタスの手記を購入して読みましたよ
「ああ、あれを?どうだった?」
過度なネタバレを避けるために詳しくは言いませんが主人公がそこそこのゲスです
「ゲスなんだ・・・・・」
「なんだ?悪人なのか?」
そういうわけではないんですけどね・・・・まああれですよ。親しみを覚えるゲスです。まあ私個人の見解ですけども
「そうなんだ・・・・・話自体はどう?」
・・・・・Pandora Heartsに引けを足らない名作になる予感がしますね
「つまり良かったということだな」
読者の皆、気になったら本屋へゴーです
「もはや宣伝だね」
さて、今回はここまでにしましょう
それでは・・・・・
「「「次回もまたお楽しみに(楽しみにな)!!」」」