ビーラビットも異世界から来るそうですよ? 作:shin-Ex-
ちょっと短いですが・・・・・
それでは本編どうぞ
「心の準備はいい飛鳥ちゃん?」
「大丈夫よ」
再びガルドの居る屋敷の前に戻ってきたオズと飛鳥。
既に飛鳥の心は決まっている。あとは・・・・・実行に移すのみだ。
「それじゃあ行こうか」
「ええ」
二人は決着をつけるべく屋敷の中へと入っていた。
「GURURURURU・・・・・」
ガルドのいる部屋にやってきたオズと飛鳥。二人の眼前いるガルドは唸り声をあげて威嚇している。
そして・・・・・・その鋭い牙と爪で二人を引き裂かんと襲いかかってきた。
「無駄だよ・・・・・君が俺達を傷つけることはない」
オズはガルドに向け二本の鎖を飛ばし、それをガルドの身体に巻きつけて拘束。ガルドの動きを封じる。
確かにゲームの制約により指定武器以外ではガルドを傷つけるけることはできない。しかし、それは一切の物理干渉を受け付けないというわけではなく、拘束することができるのだ。
オズはガルドと対した時にそれに気がついた。故にアリスに力を譲渡するように言い、飛鳥のサポートに回ったのだ。
「動きは封じた。あとは・・・・飛鳥の仕事だ」
「わかったわ・・・・・ありがとうオズくん」
オズに感謝の言葉を述べた後、飛鳥は銀の十字剣を構えてガルドの前に躍り出た。
「GAAAAAAA!!」
これから何をされるのかを察したのか、ガルドは叫ぶ。だが・・・・それでも運命が覆ったりはしない。
「・・・・・さようなら」
飛鳥の手で振り下ろされる剣。そして引き裂かれるガルドの身体。
「GYAAAAAAAA!!」
ガルドは悲鳴をあげる。その悲鳴は断末魔の叫びとなり・・・・ガルドの身体は力なく横たわりピクリとも動かなくなる。
「死んだ・・・・のかしら?」
「うん・・・・・そうみたいだね。これでゲームクリア・・・・・俺達の勝ちだ」
「そう・・・・・はあ」
ゲームの決着がつき、飛鳥は力が抜けたのかその場にへたりこんでしまった。
「大丈夫飛鳥?」
「平気よ・・・・って、言いたいところだけど正直大丈夫ではないわ。これが殺すということなのね」
飛鳥はガルドの血で濡れた剣を見つめる。剣はカタカタと震えていた・・・・・いや、震えていたのは飛鳥の腕、飛鳥の身体であった。
「今でも耳に残ってるわ。ガルドの断末魔が。目を閉じれば・・・・引き裂いたガルドの姿がしっかりと浮かんでくる。凄く・・・・・恐いわ。覚悟していたのに・・・・・それを遥かに上回っていた」
「それが殺すということだよ。飛鳥はその業を一生背負うことになる。それから逃れることはできるけど・・・・それは人の道を外れ外道になるということ。飛鳥がそれを望むのなら止める気はないけど・・・・」
「・・・・いいえ。背負うわ。確かにガルドは非道だったけれどそれでも・・・・・彼を殺したのは私。その現実を私は一生背負い続けるわ」
「そっか・・・・・強いね飛鳥は」
「強い・・・・そうあって欲しいわ」
差し出されたオズの手をとる飛鳥。その手は非常に弱々しくも・・・・しっかりと握られていた。
「アリス達のところに戻ろう。耀ちゃんのことも心配だしね」
「そうね。行きましょう」
屋敷をあとにしたオズと飛鳥は、アリス達の下へと戻っていく・・・・だが飛鳥は途中で振り返り、死したガルドに向けて言葉を放った。
「さようならガルド・・・・・あなたのことは忘れないわ」
「む?帰ったかオズ」
戻ってきたオズと飛鳥であったが、そこにはアリスしかいなかった。
「ただいまアリス。耀ちゃんとジンは?」
「耀は治療のため黒ウサギが。あのガキは十六夜が連れて行ったぞ」
「アリスは・・・・俺達のことを待っててくれたの?」
「ま、まあ・・・・・私まで行ってしまってはお前達が・・・・・特にオズがいらん心配すると思ったのでな」
どこか照れくさそうに、頬を染め、そっぽを向きながら言うアリス。
「アリスさん優しいのね」
「なっ!?別にそいうわけでは・・・・・というかそれやめろ」
「それ?」
「さん付けするなと言っているのだ。むず痒いというか・・・・・とにかくやめろ」
「わかったわアリス・・・・ふふっ」
「何を笑っている?」
嬉しそうに微笑む飛鳥に怪訝な表情を向けるアリス。
「いえ。なんていうか・・・・これまであまり呼び捨てにして呼ぶような人がいなかったから嬉しくて」
「黒ウサギは呼び捨てにしてるだろう」
「あれは別よ。それよりも私達もジンくん達のところに行きましょう」
「そうだね・・・・なんだかさっきから移動しっぱなしだね」
「文句言わずに歩け」
ジャングルと化した"フォレス・ガロ"の居住区を抜け、"ノーネーム"の本拠地に戻ってきた3人。そこで3人は"フォレス・ガロ"に吸収されたコミュニティの者達に旗印を返すジンの姿を見た。
「あれは何をしているのだ?」
「"フォレス・ガロ"に吸収されたコミュニティに旗印を返してるんでしょ。ああして貸しを作ったり名前を売り込んだりしてるんだ」
「何のためにだ?」
「"ノーネーム"復興の足がかり・・・・ってところかしら?」
「だろうね。たぶん十六夜も一枚かんでるんだろうね・・・・・あぞこで満足げに見てるし」
オズが指差す方には、壁に背をつけて笑みを浮かべている十六夜がいた。
「・・・・・ゲームに参加していないくせに偉そうにしているのが腹立つな」
「同感だわ」
「気持ちはわかるよ。十六夜も色々と考えてるんだろうけどさ・・・・・まあとりあえず行ってみよう」
3人は十六夜に近づき声をかける。
「随分と面白いことを考えてるようね十六夜くん」
「さて、なんのことだかな」
「とぼけ方が下手だよ・・・・・それよりも耀ちゃんは?」
「心配ない。2,3日安静にしてれば完治するって黒ウサギが言ってたぞ」
「ならいいが・・・・それより終わったようだぞ?」
アリスはジンの方を指差しながら言う。どうやらジンは旗印を配り終えたようだ。
「それじゃあもうひと仕事してくるわ」
そう言って十六夜はジンの下へ行き、何やら演説を始めた。
「・・・・本当に頼もしいね十六夜は。ああいうところ少しブレイクに似てる気がする」
「昨日あった彼に?」
「うん。頼りになるところとか掴みどころがないっていうか・・・・・むしろ掴ませないって感じがね」
「何を言うオズ。十六夜の方があのピエロよりも数千倍マシだ」
「まあわかるけど」
「・・・・・一体二人は彼に何をされてきたの?」
オズとアリスがブレイクとどう過ごしてきたのかが思わず気になってしまった飛鳥。
「・・・・まあ色々利用されたり?」
「人を小馬鹿にしたようなあの態度がムカつく」
(本当に仲間だったの?)
そう思われても仕方がない気もする。だってブレイクだもの。
「ともかく"ノーネーム"としての初ゲームは終わった。まだまだ先は長いけど・・・・・一歩は踏み出せたんだ。これから忙しくなるだろうね」
「望むところよ。そうでなくてはわざわざ箱庭に来た意味がないもの」
「せっかく来たのだ・・・・・存分に楽しませてもらうさ」
「そうだね」
"ノーネーム"としての初ゲームに勝利し、3人は更に意気込みを強くした。
今回はお茶会はおやすみです
そして次回から投稿はだいぶ遅れるのであしからず
次回もまたお楽しみに!