ビーラビットも異世界から来るそうですよ?   作:shin-Ex-

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今回はジンくんがメインになります

あと、原作のとある人物が話題にあがります

そしてラストでは・・・・

それでは本編どうぞ


第18話

フォレス・ガロとのゲームを終え、少し休息を取った後、オズはジンの案内で本拠地内の武器庫に向かっていた。ちなみに、アリスも付き添いで来ている。

 

「ごめんねジン。ジンも疲れてるのに・・・・」

 

「いえ、僕なら大丈夫です。ゲームでは大したことしていませんし」

 

疲れているであろうジンに謝罪するオズだが、ジンは苦笑いを浮かべながら平気だという。

 

・・・・・その笑顔に少し影があったのをオズは見逃さなかった。

 

「だがオズ、なぜ急に武器庫になど行こうと思ったのだ?」

 

「とりあえず剣を探そうと思ってね。俺の力をアリスに譲渡しても最低限戦えるようにしておこうと思ってさ」

 

オズとアリスの力はいわば天秤だ。どちらかに力を受け渡してしまえばどちらかが力を失ってしまう。故に、オズは自分が力を譲渡してしまっても最低限戦えるようにと剣を持とうと思ったのだ。

 

「オズさんは剣の心得があるんですか?」

 

「うん。最低限のことは教わったしブレイクから手ほどきも受けてたからね」

 

「ブレイクって・・・・"サウザンド・アイズ"のあのブレイクさんですか?黒ウサギから聞いていましたが・・・・・本当にお知り合いだったんですね」

 

「まあね。ブレイクにはいろいろと助けてもらってたからね」

 

「あんな奴の助けなど私は頼った覚えないがな」

 

ふんっと、忌々しそうな表情でそっぽを向くアリス。

 

「・・・・あの、オズさん。アリスさんってブレイクさんと仲悪いんですか?」

 

「悪いっていうか・・・・天敵っていうか・・・・・まあ色々とあるんだよ」

 

「あのピエロ・・・・次会ったら今度こそボコボコにしてやる・・・・くくくっ」

 

「・・・・大丈夫なんですかこれ?」

 

「いつものことだから平気だよ。それに嫌ってるわけじゃないし」

 

なんだかんだ恨み言を言いながらも、決して嫌っているわけではない。アリスとブレイクの関係はあれぐらいでちょうどいいのだ。

 

「そうですか・・・・ならいいのですが。ブレイクさんと何かあったらと思うと・・・・正直気が気でないので」

 

(ブレイク・・・・・本当に有名なんだな)

 

ジンの態度から、ブレイクが箱庭に来てから95年の間でどれほどの事をやったのかと思いを馳せるオズ。

 

そうしていると・・・・武器庫の前に到着した。

 

「あ、ここが武器庫です。どうぞ」

 

一応武器を保管してあるということで掛かっていた鍵をジンが空け、3人は武器庫に入った。

 

「なんだ?武器庫というには随分とみすぼらしいな」

 

アリスの言うとおりであった。武器庫の中にあった武器の数は数える程しかない。部屋の広さに対して武器の数が圧倒的に少なかった。

 

「以前・・・・コミュニティが魔王に襲われる前は豊富に武器があったのですが、魔王とのゲームに敗北したことによってその多くが奪われて・・・・・残り数少ない武器も生活のためにいくつか売ってしまったんです」

 

「そっか・・・・・だったらそれも魔王から取り返さないとね」

 

「何を言ってるオズ。それだけでは足りん・・・・・魔王が持ってるものも全て掠め取ってしまえ。そうすればここも魔王とゲームをする前より充実するだろう」

 

「あはは。それいいね」

 

(魔王から武器を・・・・・二人共なんでも無いようにそんなこと言えるなんて・・・・・)

 

オズとアリスとてコミュニティが受けた被害の一旦・・・・魔王の爪痕はその目にしている。それなのにこのような強気な物言い・・・・ジンは二人に素直に感心し、同時にその強気さを羨ましいと思った。

 

(僕も・・・・それぐらいのことを平気で言えるくらいに強ければ・・・・もっと力があれば・・・・)

 

ジンは力を渇望していた。さきのフォレス・ガロとのゲームに置いて・・・・ジンはほとんど活躍できなかった。そのことにジンは嘆いていた。

 

自分にもっと力があれば・・・・・と。

 

「・・・・よし、とりあえずこれでいいかな」

 

オズは壁に立てかかっていた剣を手にとった。その剣は無銘ではあるが、質は上々であった。

 

「これで剣は確保した・・・・・今度時間があるときにまたブレイクに手ほどきしてもらおうかな」

 

「あのブレイクさんに剣の手ほどき・・・・・オズさん、その時は僕も連れて行ってください」

 

「ジン?」

 

「僕は・・・・強くなりたい。いえ、強くならないといけないんです!僕はリーダーだから・・・・リーダーとして敵を倒せるぐらいに強くならないといけないんです!」

 

力強くオズを見据えながら言うジン。それは強い決意ではある。だが・・・・オズはそれを危うさだと思った。

 

強くなりたいという気持ちは大切だ。だが、その方向性を誤り、気が早ってしまえば力の振るい方を間違えてしまうことがある。

 

今のままのジンでは・・・・そうなってしまう可能性があるとオズは危惧した。

 

「ジン・・・・ジンの言う強さっていうのはただ力が強いことを言うの?」

 

「・・・・え?」

 

「俺は・・・・戦う力がなくても強い人を知ってるよ。例えば・・・・・レイム・ルネット」

 

レイム・ルネット・・・・それはオズの知る限りでは、非力でありながらもっとも強い者であった。

 

「レイム・・・・ああ、あのメガネか」

 

アリスは数瞬考えてようやく思い出した。まあ、アリスは彼とはそこまで接点があったわけではないため、仕方がないといえば仕方がないが。

 

「レイムさんには戦うための力はなかった。だけど・・・・それでも俺は思っているよ。レイムさんのおかげで俺達は負けなかったって。レイムさんがいたから前に進めたんだって」

 

レイムは戦うことができなかったからこそ、自分に出来ることを模索し、常に知恵を振り絞り、最善に近い結果を残してきた。普通の人間としては、おそらくもっとも大きな功績を残した人物であるだろう。

 

「・・・・戦えなくても・・・・ですか?」

 

「そうだよ。戦えなくたって出来ることがある・・・・あの人の事を思い出すたびに俺はそう考えるんだ。何よりレイムさんは・・・・あのブレイクの親友だからね」

 

「あのブレイクさんの!?」

 

その事実に、ジンは驚きを隠せずにいた。まあ、あのブレイクの親友でいられる人物がいるという事実は、それなりに衝撃なのだろう。

 

「ブレイクは・・・・俺にとって最強の仲間だった。だけど、ブレイクは最強であっても脆いところがあったからね・・・・多分レイムさんがいなければ折れていたと思うんだ。戦えなくても・・・・レイムさんは戦える人を支えることはできた」

 

破天荒なブレイクの唯一の親友・・・・それがレイムであった。割と平気な顔をして無茶なことをするブレイクをたしなめ、気遣えるのは彼だけであった・・・・・そんな彼がいなければ、ブレイクはどこかで折れてしまっていただろう。

 

「戦えなくても・・・・それ以外のことで力を尽くし、結果を残せる人だっているんだ。もちろん戦う力を求めることが悪いっていうわけではないけれど・・・・・だけど戦うことだけが全てじゃないのも事実だ。その上で聞くよジン。君は・・・・君が求める力は戦うための力なのかな?」

 

「それは・・・・」

 

オズに問われ、ジンは考え込む。

 

確かに、戦うための力はあるに越したことはないだろう。だが・・・・それだけが全てでないことも事実だ。今オズが言った人物・・・・レイムのように、戦えなくてもできる事はある。そしてジンは・・・・自分にはそっちの方が向いていると自分でも理解できている。

 

それでも・・・・ジンは迷ってしまう。

 

自分に戦うための力があれば・・・・・仲間たちを守ることができるから。

 

「・・・・まったく、何を難しく考える必要がある」

 

迷い、考えるジンに、アリスは呆れたように声をかける。

 

「私は難しいことはわからんが・・・・貴様が戦う必要があるとは思えん。はっきり言って貴様には向いていないし期待もしていないからな」

 

「・・・・・」

 

アリスの言うことにむっとしながらも、事実なのでジンは何も言い返せなかった。

 

「だがな・・・・それでも貴様が役立たずだとも思わん。戦わなくても・・・・貴様には出来ることがある。そして貴様ができる事は私達の助けになるかもしれない。だったら・・・・下手に戦うよりはそっちの方がずっと役に立つ。貴様は戦わず・・・・後ろで私達を助けるために頭を使えばいい」

 

いっそ清々しいと思える程に戦いにおいては戦力外だと言っているようなものであった。だが・・・それでもそれはアリスなりの気遣いでもある。

 

アリスは決してジンをないがしろにしているわけではない。むしろ、ジンのことを頼ろうと考えているのだ。

 

出会って一日しか経ってないが・・・・それはジンにも十分すぎるほどわかった。

 

そしてジンは・・・・答えを出す。

 

「・・・・オズさん、アリスさん。僕は・・・・今の僕では戦うことはできません」

 

「うん、そうだね」

 

「当然だな」

 

「だけど・・・・それでも僕は皆を守りたい。戦えなくても・・・・コミュニティのリーダーとして皆を守りたいんです。そのためなら僕は・・・・戦えなくても、それ以外のことで力になってみせます。僕のできることで・・・・・皆を守ってみせます!」

 

先程と同じように、決意を秘めた目で力強く言い張るジン。だが、先程と違い、そこからは危うさは感じられない。

 

(・・・・うん、大丈夫そうだね)

 

これなら安心だと・・・・オズは思った。

 

まだまだ未熟なところは確かにある・・・・だが、それでも見失わずに決意を固めることができている。

 

ほんの小さな一歩であるかもしれないけど・・・・・それでも、オズはジンの中にリーダーとしての覚悟を見た。

 

「・・・・期待してるよジン」

 

「まあ、せいぜい頑張るがいい」

 

「はい!」

 

オズとアリスの激励に、ジンはしっかりと返事を返した。

 

これは自分もうかうかしていられないな、とオズが思っていたその時・・・・・どこからか何かが砕けるような音が聞こえてきた。

 

「なんだ今のは?」

 

「わかりませんが・・・・外で何かあったようですね」

 

「行ってみよう」

 

3人は音のした外に向って駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音の出処であると思われる場所に到着した3人。

 

3人の目には十六夜と黒ウサギ・・・そして黒ウサギのすぐ傍に金髪の少女の姿が映る。

 

(あの子・・・・一体誰だろう?)

 

見慣れない金髪の少女に首を傾げるオズ。

 

「あの方は・・・・」

 

「ジン、知ってるの?」

 

「はい。彼女は・・・・」

 

どうやらジンはその少女のことをしているようで、説明しようとしたその瞬間・・・・オズは気がついた。黒ウサギと、その少女に向って褐色の光が近づいていることに。

 

「オズ!?」

 

オズは走り出していた。アリスが名前を呼ぶが、それを意にも介さずに、黒ウサギと少女の下に走るオズ。

 

少女が黒ウサギからその光を庇うように前に躍り出る姿を目にして、オズの走力は増した。そして光が少女に直撃しようかというその瞬間に間に合ったオズは、少女がそうしていたように前に出て庇うように手を広げる。

 

それと同時に・・・・・オズの体は褐色の光に包まれた。

 

「オ・・・・ズ?」

 

呆然とした様子で、オズの名前を呟くアリス。

 

アリスの目に映るのは・・・・・両手を広げたまま石に変わり果てたオズの姿であった。

 

 

 

 




あとがきお茶会のコーナー!

今回はオズくんとジンくんの二人と進めてまいります!

というわけで今回のお茶、キームンをどうぞ。

「ありがとう」

「マイルドで飲みやすいですね」

それは何より。

さて、今回の話ですがなんといってもやはりレイムさんですよね。

「レイムさんは本当にすごい人だと思うよ・・・・・本当にあの人いなかったら詰んでたね俺達」

「そ、それほどの人なんですか・・・・」

個人的には普通の人間(だと思う多分)の中では最大の功労者だと思っております。

「奇人、変人の集まりの中であれだけの活躍してるもんね・・・・俺も頭が上がらないよ」

「よくわかりませんが・・・・とにかくすごい方なのだということはわかりました」

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「そこで宣伝するんだ・・・・」

少しでも広まればいいと思ってますので。

それはそうとして・・・・オズくん石になっちゃいましたね。

「そうだね・・・・まあしょうがないよ。女の子のためだもん」

「え?そんな理由でかばったんですか?」

「え?十分な理由でしょ?」

・・・・・オズくんにとっては十分なんでしょうね。

でも・・・・こうなったらアリスさんが恐い。

「・・・・俺のために怒ってくれるのは嬉しいんだけど・・・・ヤバイよね」

「やっぱり・・・・大変なことになるんでしょうか?」

ま、まあその辺りは次回でということで・・・・・

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・・







「「「次回もまた楽しみにね(お楽しみに)!!」」」
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