ビーラビットも異世界から来るそうですよ? 作:shin-Ex-
まあ、彼はサウザンドアイズ所属ですが・・・・・
それでは本編どうぞ!
「ピエロ!貴様なぜここにいる!」
突如として現れたブレイクに、アリスがビシッと指を差しながら言い放つ。
「おやおや、久しぶりの再会だというのにこれは手厳しいデスネェ」
(・・・・・久しぶり?)
ニコニコと笑顔を浮かべて答えるブレイクだが、オズは彼の言う久しぶりという言葉に違和感を覚えていた。
「ほう、こやつらがおんしが前に言っていたオズとアリスか」
「ええ、そうですよ白夜叉様。中々白夜叉様好みのショタとロリでしょう?」
「おんし・・・・・私をなんだと思っておるのだ?まあ私好みであることは否定はせぬがな・・・・・中々可愛らしいではないか」
「「!?」」
ニヤリと笑みを浮かべながらオズとアリスを見る白夜叉。その瞬間、二人の背に悪寒が走った。
「そ、そんなことよりも・・・・・・ブレイク、本当にどうして箱庭にいるのさ?」
「それはこんなところで立ってするようなお話ではありませんネ。白夜叉様、中でお話してもよろしいデスカ?」
「いいだろう。そもそもはじめからそやつらを中に招くつもりであったからの」
ブレイクが許可を取ると、白夜叉は黒ウサギ達の方に目を向けながら言う。
「白夜叉様、彼らはノーネームです。ウチの規定では・・・・」
「構わん。ノーネームと分かっていながらも名を尋ねる性悪店員の詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私とブレイクが責任をとる」
「え?私も責任取るんデスカ?」
「おんしもそこの二人を招いたのだから当然であろう?そうでなくともおんしは私の懐刀なのだからな」
「酷いデスネ」
ばんざいと手をあげるブレイクであったが、その表情は穏やかだ。とくに不満思っているわけではないらしい。
「では案内しよう、ついてこい」
白夜叉の後に続き、一同は支店の中へと入っていった。
オズ達は枯山水の美しい庭が見える部屋に連れてこられた。どうやらここが白夜叉の部屋らしい。香が焚かれており、部屋をそよそよと吹き抜ける風と共に命達の鼻をほのかにくすぐる。
やや広い和室の上座に腰を降ろしたブレイクは、5人と黒ウサギに向き直った
「さて、そちらの方達ははじめましてなのでご挨拶させていただきましょう。私は白夜叉様直属の部下のザークシーズ・ブレイクと申します。どうぞお見知りおきを」
ブレイクは初対面の十六夜、飛鳥、耀の3人に自己紹介をし、にこりと微笑みを浮かべながら礼儀正しくお辞儀して見せる。
その態度から3人は紳士的だと思ったが・・・・・
(・・・・・相変わらず胡散臭い)
(ピエロが・・・・)
(・・・・・この人はこの人でものすっごい問題児なんですよねぇ)
ブレイクの人柄を知るオズ、アリス、黒ウサギはジト目を向けていた。
「というか・・・・まさかオズさんとアリスさんがブレイクさんとお知り合いだったとは驚きです」
「黒ウサギはこのピエロのこと知っているのか?」
「ピエロって・・・・・まあ、確かにあたってはいますね。ですが知っていて当然です。数多のゲームを単身攻略し、絶大な強さから"サウザンドアイズ"のエースとまで評され、果てには白夜叉様の懐刀となったブレイクさんですから。彼の事を知らない人の方が今箱庭では少ない方ですよ」
「ちょっと待って・・・・・・ねえ、ブレイク。俺の感覚だと最後にブレイクと会ってからまだ1日も経ってない。それなのにその活躍ぶり・・・・・それにさっきあった時ブレイク久しぶりって言ったよね?ブレイクはいつこの箱庭に来たの?」
先程から感じていた違和感を口に出すオズ。
「ああ、なるほど。それは確かに気になるでしょう。私はこの箱庭に来てかれこれ・・・・・95年ほどになりマス」
「「95年!?」」
予想だにしない年数を耳にして、オズとアリスは驚きを顕にする。
「95年って・・・・・ねえブレイク。それ色々とおかしくない?」
「そうだ。冗談も大概にしろよピエロ」
「いえ、冗談ではないのですが・・・・・これを話すとなると少し長くなりますので後ほどということでどうデスカ?そちらの方々をあまり待たせるわけにも行きませんし」
ブレイクは横目で十六夜達を見ながら言う。
「まあ確かに、そっちの内輪の話は興味ないわけじゃないが俺達にはあまり理解できないかもしれねえからな。後でそっちはそっちで勝手にやってくれた方が助かる」
「知りたくなったらいつかオズくん達に聞けばいいものね」
「・・・・・今はこっち優先で」
「だそうですが?」
「・・・・・わかったよ。アリスもそれでいい?」
「む・・・・・仕方ないな」
確かにここでブレイクの話を聞くとなると十六夜達はおいてけぼりになってしまう。
仕方なしに、オズとアリスは後ほど話を聞くということで納得した。
「ではあとは白夜叉様、よろしくお願いいたしマス」
「うむ、では私も自己紹介しておくかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」
「はいはい、お世話になっております本当に」
ブレイクに促され、白夜叉が自己紹介すると黒ウサギは凄く投げ遣りな言葉で流す。貴重なコネクションなのだからもう少し大切にすべきなのだろうが、この様子だと普段からよっぽど色々なセクハラをされているに違いない。
・・・・何とも哀れである。
「その外門って何?」
黒ウサギの隣に座っている耀が小首を傾げて聞いた。
「箱庭の階層を示す外壁にある門のことです。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。白夜叉様がおっしゃった三三四五外門などの四桁の外門ともなれば名のある修羅神仏が割拠する完全な人外魔境ですね」
黒ウサギは皆にわかりやすいように紙に上空から見た箱庭の略図を描いていく。図は七つの階層に分かれていた。
「・・・超巨大玉ねぎ?」
「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」
「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ」
「バームクーヘン・・・・・食べたいなぁ」
「私は肉が食べたい」
「そんな身も蓋もない・・・・・というかオズさんとアリスさんはマイペースすぎです」
黒ウサギは問題児5人のあまりの言いように肩を落とす。
「うまいこと例えますね。私もバームクーヘンはですね」
「私もだな。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は"世界の果て"と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、中々に強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ。例えばその水樹の持ち主の蛇神などがな」
白夜叉は薄く笑うと黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向けた。
「して誰がどのようなゲームであの蛇神に勝ったのだ?。どうやって手に入れたのだ?知恵比べか?それとも勇気を示したか?」
「ふふふ・・・なんとこの十六夜さんが素手で叩きのめして勝利したのですよ!」
「なんと!?直接倒したとな!?」
「これは・・・・・驚きですねぇ」
まるで自分のことのように自慢気に黒ウサギが言うと、白夜叉とブレイクは声をあげて驚いた。
「その蛇神っていうのはそんなに強いの?」
「ええ。まあ、私にかかればそこまで手こずることはないでしょうが」
「なんだ、ならたいしたことないな」
オズの質問に対するブレイクの答えを効いたアリスは鼻で笑ってみせた。
神格持ちだというのに・・・・・・・蛇神哀れなり。
「そこの小僧はもしや神格持ちの神童かの?」
「黒ウサギはそうは思いません。神格持ちなら一目で分かるはずですし」
黒ウサギが首を横に振る。白夜叉も彼女の実力は認めているのでその言葉が真実だとわかると首を傾げる。
「確かにそうだな。しかし神格なしであやつを倒したとなると種族間のパワーバランスが大きく崩れている時だけのはず・・・・種族の力で言えば人と蛇はドングリの背比べなのだが・・・」
そんなことを呟きながら思案する白夜叉。
「白夜叉ちゃん、その神格って言うのは?」
「ふむ。神格とは生来の神そのものではなく種の最高のランクに体を変幻させるギフトのことだ。例えば蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。人に神格を与えれば現人神や神童に。鬼に神格を与えれば天地を揺るがす鬼神と化す」
(オズさん・・・・・よもやあの白夜叉様をちゃん付けするとは。しかも白夜叉様はちゃん付けスルーしてますし)
オズの質問に丁寧に答えて見せる白夜叉。ただ、黒ウサギからしたらあの白夜叉をちゃん付けで呼んだオズと、それをスルーした白夜叉の方が気になって仕方がないようだ。
「つまり・・・・生物を進化させるギフトっていうこと?」
「少し違うの。神格を持つことで他のギフトも強化されるからの。故に箱庭にあるコミュニティの多くは各々の目的のためまずは神格を手に入れることを第一目標とし、上層を目指して力を付けるのだ」
「なるほどな」
オズは今の白夜叉の説明で理解したようだ。
「ところで白夜叉様。白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」
「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」
「へえ、ってことはお前はあの蛇より強いってことか?」
十六夜は好戦的な目を向けて白夜叉に尋ねた。
「ふふん、当然だ。なにせ私は東側の"階層支配者"だぞ?この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者などいない最強の主催者ホストなのだからの」
"最強の主催者"。その言葉に、十六夜、飛鳥、耀、アリスの4人は瞳を輝かせる。
「そう・・・・それはつまり貴方のゲームをクリア出来れば私達のコミュニティは東側で最強という事になるのかしら?」
「無論そうなるの」
「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」
「くくっ・・・・・面白い」
4人は闘争心剥き出しにして白夜叉に視線を向ける。そんな4人を見て白夜叉は高らかに笑い声をあげる。
「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら私にギフトゲームで挑むと?」
「え?ちょっと!!本気ですか!?」
「よい黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えてのでな」
慌てる黒ウサギを白夜叉はは制した。
「オズはどうする?おんしの事をブレイクから聞いている私としてはおんしの実力も知りたいと思っておるのだが?」
白夜叉はオズに尋ねた。
「そうだね・・・・」
はっきりと言ってしまえばオズは白夜叉にゲームを挑む気などなかった。
白夜叉はあのブレイクを懐刀にしている。ブレイクは軽薄そうに見えて忠義には厚いが、そうそう簡単に誰かに傅くような人物ではいことはオズは理解していた。
それはつまりブレイクが認めるほどのカリスマ性を持っているか、あるいは強大な力を持っているということを想像させるのが容易ということ。
そんな白夜叉にゲームを仕掛けても・・・・・勝てる確率はそこまで高くないのではないかとオズは考えているのだ。
ただ・・・・・
(ここで降りたら場が白けるかな?アリス達もやる気になっているし・・・・・仕方がないか)
「あ、あの~・・・・・オズさん?やりません・・・・よね?」
黒ウサギは苦笑いを浮かべながら恐る恐る聞いた。比較的冷静なオズならそんなことはしないという淡い期待を抱いて。だが・・・・・
「・・・・まあゲームの内容次第かな?勝てる可能性は0ってことはないと思うし」
「そ、そんな~・・・・」
オズの一言は黒ウサギの期待を裏切るものであった。黒ウサギは頭を垂れてわかりやすく落ち込む。
「ふふ、そうでなければな。面白い。そうそう、ゲームの前に確認しておく事がある」
「なんだ?」
白夜叉は十六夜達に向き直ると着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印の紋が入ったカードを取り出し・・・・
「おんしらが望むのは"挑戦"か?・・・・・もしくは"決闘"か?」
白夜叉は不敵な笑みを浮かべて言った。その瞬間・・・・
「「「「!?」」」」
周りの景色が揺らぎ破れた。あたり一面の情景が変わり、いつの間にかオズ達は白い雪原と凍る湖畔、そして水平に太陽が廻る世界に足をつけていた。
「今一度名乗りなおし、問おうかの。私は"白き夜の魔王"。太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは試練への挑戦か?それとも対等な決闘か?」
『魔王白夜叉』。その幼い外見からは想像出来ない凄みのある笑みを向けられたオズ達は息を呑む。
星霊・・・・それは惑星級以上の星に存在する精霊であり妖精や鬼・悪魔などの最上級に位置する種で、ギフトを与える側の存在である。
(これは・・・・・いくらなんでもヤバすぎるでしょ)
空間さえも変化させてしまう絶対的な白夜叉の実力を垣間見たオズは冷や汗を流す。
これまで何人もの尋常ならざる者達と対峙してきて、修羅場を経験したオズでさえも思わざるを得なかった。
白夜叉はこれまで自分が出会ってきた誰とも次元が違う・・・・・・・最強の存在であると。
(おやおや・・・・・・大人気ないですね白夜叉様。さて、彼らはどうするか・・・・・)
不敵な笑みを浮かべる白夜叉と白夜叉に対峙するオズ達を見て、ブレイクはクスリと笑みを浮かべた。
あとがきお茶会のコーナー!
今回は皆のザクスお兄さんことブレイクさんをお招きしております!
「よろしくお願いします」
こちらこそ!それでは今日のお茶、レモングラスのハーブティをどうぞ。
「ありがとうございマス。いい香りだ」
お茶菓子はどうしようかなぁ・・・・・
「あ、そっちはいいデスヨ。持ち合わせがありますので」
それはキャンディ・・・・いえ、金平糖ですか?
「白夜叉様に教えていただいて以来お気に入りになりまして。小さいので瓶詰めにして持ち運びしやすいですし」
なるほど・・・・・やはり白夜叉さんと一緒にいると和菓子を食す機会が多くなるんですか?
「そうデスネ。まあ、和菓子も私は好きだから構いませんが。緑茶の苦味もはまってきましたし」
和のテイストに染まりつつあるブレイクさん・・・・・・そのうち和服とかきそうだな。
「着たことありますよ?動きにくいのであまり好きではありませんが」
・・・・・一部のブレイクさんファンの人歓喜ですね。和服ブレイクさんとか。
「それはそうとして私が箱庭に来て95年というのは?色々とおかしくありません?」
それについてはなんというか・・・・・100という数字がヒントになるかな?
「そういうことデスか」
やっぱりわかっちゃいますか。
「ええ。あ、あと私以外に登場予定の原作死亡キャラっていマス?」
いますよ。ブレイクさん以外では二人確定しておりますから。
「なるほど」
さて、今回ばここまでにいたしましょう。
それでは・・・・・
「「次回もまたお楽しみに!」」