おっぱいが好きだ   作:ゆきひな

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彼女のおっぱいが恋しい

 今日は僕の彼女について話そうと思う。

 彼女は、僕がスクールカウンセラーとして働いている男女共学の公立高校に通うごく普通の高校二年生だ。理事長の娘なんて言う華やかな経歴の持ち主ではなく、彼女の母親は専業主婦、父親は役所勤めの公務員という、ありふれた家庭だ。ごくごく普通の家庭に生まれ、ローンがまだ残っている二階建ての一軒家に住み、一人妹がいる。妹は有名な私立の小中高一貫の女子校に通う中学二年生だ。妹とは僕はよく会うのだが、この話は別の機会にしよう。今は彼女の話だ。

 

 彼女の容姿は、今時の高校生としては珍しく、髪を染めていない黒髪をポニーテールに纏めた髪型だ。少し垂れ目な瞳に、ハの字の眉毛、可愛らしい小ぶりな口、そして小さなおっぱい。そう、僕のお気に入りのAカップのおっぱいだ。僕が彼女に告白する理由ともなったそのおっぱいは、毎日彼女が自分でやるマッサージや時々、僕の家に来た時に揉んでいるのだが、出会った当初から一向に大きくならない。僕は別に大きくならなくても、そのままのおっぱいでも好きで、愛しているのだが彼女からしてみたら納得いかないらしい。特に最近では、周囲の同級生の女の子たちの発育が凄まじいらしく、度々嘆いている。

 

 彼女の性格は豪快、大胆、男気があるといえば聞こえが悪いが、要は肝が座っている、度胸があるということだ。僕より度胸があるんじゃないだろうか。遊園地のお化け屋敷に入っても度胸のある彼女は決して怖がるなんて真似はしないので、怖がった彼女が腕にしがみついてきておっぱいが当たるなんて嬉しい展開は僕らの間では絶対に起きない。あまりに怖がらないから僕が代わりに怖がるふりをしてそのまま彼女のおっぱいに顔を埋めようとしたが、カウンター気味の拳を顔面に叩き込まれるはめになった。ただ、そんな彼女でも心は乙女の様子で、何気ない仕草は女の子らしいし、デートをする度に初々しい反応をしてくれるので男冥利に尽きる。

 

 部活は茶道部に入っており、火曜日と木曜日は部活があるので、その日は会うことはできない。彼女には僕の家の鍵を渡しているが、彼女の家にも門限が有り、部活帰りに僕の家によってもろくに話す時間もない。かと言って他の日は僕は別の学校にカウンセラーとして仕事に出たりしているので休日の日曜日ぐらいしか時間の都合が合わない。

 

 あぁ、彼女のおっぱいが恋しい。この僕が柄にもなく彼女のおっぱい以外のことを考えてしまうほど、僕は彼女が恋しくなっていた。今日は土曜日、彼女と最後に会ったのは一週間前だ。某大学で心理学の研究職として、ある教授の手伝いをしている僕は机に向き合い期限の迫っているレポートを作成していた。僕らの研究室では、男性は何故おっぱいに性的興奮を覚えるのか、ということについて研究している。いつもなら筆が進むのに、今日は全くはかどらない。大学を卒業して、社会人になった今でも学生時代からのこの研究が好きでボランティアとして教授の研究を手伝うほど、僕はその真理を日々探求しているというのに、今日はまったくもってやる気が沸かない。

 

 気分転換に隣の席を覗いてみれば、ノートパソコンのエロ動画を見ながらにやけてるイケメンがいた。画面上の女性のおっぱいがぶるんぶるん揺れているが、それをなんとも思わない僕はこれは本当にマズイな、と思い彼女のおっぱいに会いたいと考えつつ、そのイケメンを見た。彼はその整った顔立ちをしていながら口元をにやけさせているのに、その美貌は衰えていないのだから不思議としか思えない。金髪の長い髪に上下黒のジャージを着た彼はだらしなく椅子の背もたれに体を預けて、耳から伸びたイヤホンから若干喘ぎ声が漏れているのを気付くことなく動画を視聴している。引っぱたいてやろうか、とこの女に僕はそんなことを思った。そう、女。僕はこの女を彼として扱っている。

 

 僕の視線に気づいた彼はバツの悪そうな顔を一瞬したが、直ぐにポケットからタバコを取り出すとライターで火をつけようとした。僕はタバコを吸わないから分からないがショートホープというものらしい。ただ、この研究室内は禁煙だ。僕としてもタバコの煙を吸いたくなどないので、外の喫煙所で吸って来いと部屋から追い出した。未だに揺れ続けるおっぱいの動画を止め、再びレポートに取り掛かろうとするがやはりやる気が出ない。

 

 一向に働かない頭にうんざりしながら作業の手を止め、僕は時計を見た。時刻は昼過ぎ。まだ昼食をとっていなかったことを思い出し、進まない作業に時間をかけるぐらいなら食堂へ向かうことにする。喫煙所は食堂の近くだからついでに彼を誘い、昼食にしよう。そう思い、鞄の中からメールをするため携帯電話を取り出した。折りたたみ式の携帯を開くと、新着メールが届いていることに気づいた。

 

 メールの送り主は彼。内容は僕に貸した五つの貸りのうち二つを払えというものだった。具体的には、大学の目の前にあるハンバーガーショップからポテトのMサイズを二つ買って食堂に来い、というものだ。正直、大学の前のハンバーガーショップはこの時間帯、ここの大学の生徒で大混雑しているのであまり近寄りたくないのだが、彼から貸しを返せと言われればそうするしかないだろう。タバコの仕返しかと思ったが、今更そんなことで腹を立てるような関係ではなかったなと苦笑した。

 

 僕と彼は大学の先輩、後輩という関係だ。といっても実際の年齢は同い年で、いわゆる彼が浪人していた、ということだ。同じ研究室に入った彼はやけにイケメンすぎて外国の女優でも見ているような美人という印象の中性的な顔立ちの美形だった。大学に入った当初から、告白され、モテまくりだった彼は不思議なことに誰とも付き合うことはなかった。僕がそんな彼と仲良くなったのは、彼の秘密を知ったからだ。

 

 彼は女だった。性同一性障害、体は女、心は男、それが彼だった。新しく入ってきた彼達を歓迎すべく毎年恒例行事となっている歓迎会という名の新入生酔い潰しの飲み会で、べろんべろんによった彼がトイレで下半身を出したまま寝ていたところを僕が発見して彼が女だということを知った。僕としては下半身が露出していただけで、おっぱいが見れなかったのでどうでもいいことだったが、彼からしてみれば一生の不覚だったらしく口止めされている。まぁ、興味なかったから喋るつもりなんてないが。

 

 彼から借りた借りは僕の元カノを紹介してもらったことで一つ、元カノとのデートのセッティングで三つ、別れたあとの元カノへのアフターケアで一つの合計五つだ。最後の一つは、元カノに払ってもらえと言いたいが、彼にはいろいろと迷惑をかけたので仕方ないといえば仕方がないが納得していない。というわけで、混雑する大学生たちの波に嫌気を覚えながら、ポテトを購入し、せめてもの抵抗だとばかりにポテトをつまみ食いしながら僕は言われた通りに食堂へとやってきた。

 

 食堂の一席に座っていた彼は僕を見つけると手を挙げ、自分の居場所を知らせて来た。そして、そのテーブルにはもう一人、見間違えることなんてない僕の彼女がいた。何故彼女がここに、というより、彼と一緒にいることに疑問を覚えたが、彼女のおっぱいが恋しかった僕は内心ラッキーと思ってしまった。彼女には僕の携帯のアドレスも教えており、彼女がそれを使わなかったのは意外だったが、彼女を見つけたのが彼であったのは不幸中の幸いだろう。大学には様々な人間がいるため、女子高生が大学に来ていると知れば悪さをする輩も出てくるかもしれないのだ。

 

 彼は僕が席に着く前に、僕からポテトの入った袋ごとひったくるとテーブルにポテトを出し、僕の彼女に食べていいよと勧めつつ、ポテトを数本、口へと運ぶ。どうやら、彼女が大学まで来たのは最近、僕に会っていなかったので、会いたくなって来たという可愛らしい答えだった。隣で彼がヒューヒューとポテトを頬張りながら茶化してくるが、彼の存在には助かった。もし、彼がここにいなければ、僕は彼女を押し倒してその愛しのおっぱいを揉みたくるところだった。危ない危ない。その証拠に僕は彼女のおっぱいに右手の人差し指を正面から一本押し当てる程度で済んでいる。ペシンと彼女に僕の手が払われ、指がおっぱいから離れる。その様子をゲラゲラと周囲の視線を気にせず豪快に笑う彼。

 

 あぁ、彼女のおっぱいが恋しい。




男は皆おっぱいが好き、でしょ?
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