翌日、風鳴邸執務室。
そこには風鳴八紘と弦十郎、そして響達奏者6人がいた。
「教えて下さいお父様、お父様はなぜセレナシリーズと共に沖縄に現れたのですか?」
翼が問い質す。
「たまたまだ。たまたま私個人が潜水艦を購入したので、ちょっと休暇を取って近海で試運転していただけだ」
「というのが日本政府の公式見解だそうだ。まあ見解と言っても、誰にも察知されていなかったので、問い合わせはないがな」
八紘と弦十郎が先に建前を答える。
「しかし沖縄には中国軍のエアキャリアがまだ身を潜めていたのでは?」
「その件だが、中国に戻る途中で超自然災害級の落雷によって爆散したところを自衛隊が捉えた。伴君の魂の救出後だ」
それはつまり、オーディン消滅後も世界には呪いが健在であり、何らかの実験をしようとした李将軍は自滅したということである。
「そうですか。それで真実は?」
「地羽伴から事前に協力要請があった。セレナシリーズを日本政府が保護してほしいとな」
「とはいえ自衛隊を派遣して発見された場合国際問題になる。だから八紘の兄貴は私艇を準備したらしい」
「しかしお父様は公人です、そのような行為は軽率すぎるのではありませんか?」
「まあな」
だが八紘には危険を冒してでも得たいものがあった。そして得た。
「セレナシリーズには海根重と共に筑波できちんとした治療と教育を行う。その上で、中国に還りたいというなら還すさ」
セレナシリーズは戦闘要員として急速な成長と偏った知識しか与えられていない。
一般的な教育を施し、普通の人間として暮らせるようになってから、自分達の意志で未来を決めさせる、それも伴と八紘が交わした約束である。
「当たり前だけど…伴さんや奏さんに、もう会えないんですね…」
響はしみじみと、口を開いた。
「セレナも、ね…」
マリアも口を開く。戦闘の後、セレナはセレナ1の魂を再び肉体に戻し、消えて行った。優しいセレナ…望めば共に生きることもできたのに。
「さあ時間だ、帰ってくれ。次の客人がやってくるのでな」
八紘に急かされるように、響達は部屋を後にした。
「こうして直接話すのは初めてね、風鳴八紘」
新たな来客が八紘に語りかける。来客は全部で4人。声を発したのはその内の、目つきの悪い短髪の少女である。
「ああ。では約束通り、地羽伴、君には特異災害対策機動部二課に所属してもらう」
「いいわ」
地羽伴、魂だけの存在となり、ヴァルハラに戻った彼女は、海根重のエインヘリャルによって召喚される形で地上へと舞い戻ってきた少女。
彼女が特異災害対策機動部二課に所属するというのが、セレナシリーズを救援する際の条件であった。
「風鳴八紘内閣情報官!私、天羽奏は特異災害対策機動部二課への復帰を希望します!」
「本日付での復帰を許可しよう」
天使の羽のような髪を持つ少女、天羽奏。彼女もまたエインヘリャルによって、復活を遂げた一人だ。
「しかしまさか、陰陽術を使えない君にエインヘリャルが可能だとはな」
「ガングニールとはルーンの刻まれた武器。ソレになったということは、錬金術を習得したと言っても過言ではありません」
今は髪を腰で切りそろえた幼顔の少女、重。ちなみにこの4人の中では唯一普通の人間である。
「私も特異災害対策機動部二課への所属を希望します」
「地羽伴、いいのか?」
「…散々話し合った結果よ。ちっとも聞く耳を持たねーんだから」
そして最後の一人が口を開く。
「私、セレナ・カデンツァヴナ・イヴも、特異災害対策機動部二課への所属を希望します」
セレナはエインヘリャルではない。だがその原理を模倣し、アガートラームのアームドギアとして自身の肉体を形成し、そこに魂を写した。
「マリア姉さんばかりに戦わせたくないから。でも姉さんには心配もかけたくないから」
それに…セレナは自分の魂の情報がコピーされたのを理解していた。もし悪用されることがあるのならば、自分の手で止めたい。
「二人とも許可しよう」
こうして特異災害対策機動部二課に、秘密裏に新たな戦力が4人も加わることとなった。
これが八紘がリスクよりも優先した成果。日本政府が新たに極秘に保有することになった、シンフォギア装者4名。
「それでは任務を言い渡す」
八紘が4人に向かって告げる。
「『聖遺物を兵器にするための非人道的な実験』に対する地羽伴の呪いは、定義が曖昧で完璧とは言えない。
事実、中国軍のエアキャリアは呪いをかけた時点では生存していた。
よって、他国に潜入し、聖遺物研究を調査。必要があると判断した場合は即刻破壊せよ。私の潜水艦は好きに使ってよい」
「「「「了解!!」」」」
こうして新たな戦いが始まった。
国連S.O.N.G.の一員として活躍する響達。日本の諜報員として活動する伴達。
いつかまた相見える日が来るであろう。
はじめまして?作者のちばばばん♪です。
完成!?一先ず完成しましたよ!!やったあ!!!
書き始めたきっかけは、シンフォギアが大大大好きで、そんな大好きの妄想を完成させてみたくなったからです。
日頃から妄想してたシーンの同士の摺合せとか、細かい設定の付け加えとか、色々考えてたら予定の倍以上書いてました(笑)
そしてそんなこんなをしていたら、途中でJASR●Cからストップがかかりまして…完全オリジナルの歌詞じゃないとダメなんデスか!?聖詠・絶唱どうすればいいんデスか!?きえええええええええええ!!となっていました。恥ずかしいながらちょこっと作詞・作曲をしたり、一度文字に起こした歌をバサッと切ったり、色々と訂正しました。文章に変な所があったら手術跡かもしれません。あるいは私のただの技量不足かもしれません。あのキャラとこのキャラがあのキャラのメロディで歌ったらいいよな~、なんて妄想だけ成し遂げることができず、残念の極みであります。
地羽伴ですが、実は自分の中でモデルのキャラがいます。『ムシウタ』というラノベの茶深ちゃんです。『ムシウタ』はラノベの中で一番好きなので、こちらもぜひ皆さん読んで頂けたら嬉しいです。
最後になりましたが、読んで下さった皆さん、お気に入りに入れて下さった皆さん、シンフォギアという素晴らしい作品に出合わせてくれた制作チームの皆さん、ありがとうございます!皆さんに感謝です!
アニメの4期・5期が終わったあたりに、続編が書けたらいいなと思っています。人外3人に元完全聖遺物(レプリカ)という恐ろしいチームを編成してしまったので、纏められるかしら…。