BLEACHの世界でkou・kin・dou・ziィィンと叫びたい   作:白白明け

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時間の流れは速い。仕事したりダクソ3やったりダクソ3やったりダクソ3やっている内にもう6月半ばになってしまった。
更新が遅くなりモウシワケアリマセン(__)

暇つぶしにでもなれば幸いです(; ・`д・´)


※前話で浦原喜助の斬魄刀の能力について訂正を教えてくださった方々、ありがとうございます。『紅姫』はてっきり炎熱系の斬魄刀だと思っていたのですが、違うのですね。
ブリーチは単行本で読んでましてジャンプは買っていないので知りませんでした。
勉強不足ですいません<(_ _)>


進み方と出会い方

某日正午、晴天。千年前から勝手知ったる瀞霊廷内の道を俺は急ぐことなく揚々とと歩いていた。そんな道中、俺は視界に最近知り合った男の後姿を捕える。

その日は気分が良かったから、人見知りで口下手で引っ込み思案な俺としては珍しく気軽に肩なんかを叩きながら藍染惣右介に声を掛けた。

 

「おう、惣右介。元気か?」

 

「っ!?風守、隊長ですか」

 

「ああ………どうした?そんな後ずさったりして、らしくないな。気分でも悪いのか?」

 

「いえ、そう言う訳ではないのですが…」

 

温厚で人当たりが良く、所謂「良い奴」の代表例の様な藍染惣右介にしては珍しく歯切れの悪い言葉と態度に俺は首を傾げる。腹でも痛いのだろうか。

そんな俺の抱いた疑問に応え得る声は横下の方から聞こえてきた。

副官として連れて歩いていた市丸ギンはカラカラと元気な声色で言う。

 

「そら、警戒もされるわ。風守隊長」

 

「警戒?惣右介が俺を警戒しているのか?なぜだ。俺たちはとても友好的な関係を築いているだろ。この間、お前も交えて一緒に食事もしたし、その後も何度か二人で一杯やったりしてるんだ。俺と惣右介は仲良しだ。なあ、惣右介」

 

「………そうですね」

 

疲れ切った表情で不承不承と頷く藍染惣右介。心なしか黒縁の眼鏡がズレている。

それを指摘すれば藍染惣右介はズレた眼鏡の位置を直しながら、「ですが」と続けた。

 

「もし風守隊長が本当に僕のことを良く思ってくれているなら、会う度にアレを勧めてくるのはやめてください。もう四番隊隊舎送りはこりごりですので」

 

「…アレ、迷惑だったのか?」

 

「なんや、意外そうな顔やね。あんなもん。普通は貰っても困るだけや。しかも、仮にも先輩(めうえ)からの贈り物。断るにも断られへん」

 

「そうなのか。それは知らなかった。………いや、けど、そんな筈はないんじゃないか?本当はみんな大好きなんだろう?」

 

嫌よ嫌よも好きの内。そんな古典が俺の脳内で駆け回る。桃園に霞む上澄みを「悪」と断ずる曰く正義の死神がいることは確かだ。だか、しかし、眼の前に居る二人がそう言う類の人格でないことは少なからずの邂逅の中で知っている。

薬も過ぎれば毒になる。その一文が俺の用立てる阿片(ユメ)のあり方を良く表していた。

 

そうだろうと笑う俺に藍染惣右介は疲れたようにため息をついた。

 

「確かに、風守隊長の言うことにも一理はあります。しかしですね--「藍染隊長」」

 

続いて出る藍染惣右介の言葉を遮ったのは、駆け寄ってきた一人の死神だった。

特徴的な面で顔を隠したその死神に俺は見覚えがあった。

かの男の名は確か---

 

「要か。どうした?」

 

「はい。例の件での報告が上がっておりますので報告にきました。結果が出次第、至急知りたいと今朝方に言っていましたので」

 

「そうか。ご苦労。続きは隊舎で聞こう。すいません。風守隊長。僕はこれで失礼します」

 

「ああ、またな惣右介」

 

元九番隊隊士、東仙要に先導されて藍染惣右介はその場を後にする。藍染惣右介の礼に合わせるように下げられた東仙要の頭。その最中、東仙要から向けられる敵意を含んだ視線に気がつかない俺では無かった。

いや、あの視線は敵意を隠そうなんて小賢しい真似はしていなかった。故にその真意は俺の隣に立つ市丸ギンにも伝わっていた。

 

「なんや、随分と嫌わてとるな。風守隊長、あの人になにかしたん?」

 

「いや、俺は何もしてない。してないが、敵意を向けられても仕方がないな」

 

思い出す光景は数か月前の荒野。白い仮面が笑うあの光景の果てに、東仙要が俺を憎んでいたとしてもそれは仕方がないことだと理解できる。あの場で無事に護廷十三隊に復帰できたのが東仙要と俺だけだというのなら、なおの事。

 

「なんや、面白いことになっとるなあ」

 

「この状況で笑うお前を俺は誇ればいいのか、それとも嗜める場面なのか、わからんな」

 

市丸ギンの態度は東仙要の心中を思えば不適切な発言だと言われたところでその通りとしか返せない。

故に上司として叱咤しなければならない場面で有ることに間違いはないが、口角を上げて笑う市丸ギンを前にすると何故だかそんな気が失せてしまった。

 

人の負の感情を見て笑う蛇と笑う蛇を見る阿呆。どちらが度し難いかと言えば問われるまでもなく、俺は笑みを浮かべることにした。

 

「なんや、僕のことをとやかく言うてる癖に自分も笑ってる」

 

何が楽しいのかそう言ってさらに笑みを深めた市丸ギン。蛇を自称する少年の感覚の機微を悟ることなど人見知りで口下手な上に引っ込み思案な俺に出来るはずも無く、いつも通りに、カラカラと笑う市丸ギンの笑う理由を捨て置いて、市丸ギンを後ろに連れて歩みだす。

俺の後ろを歩く市丸ギンの心に根ずく『黒』を知りながら、それでもそれを白日の下に晒そうなどとも思わない俺を知れば、きっと長次郎あたりは本気の拳骨をお見舞いしてくるに違いない。

 

だが、それで良い。

 

黒を黒として受け入れることに否はない。むしろ中途半端に光を当てて灰色にでもなってしまえば、それこそ味気ないというものだ。

元より答えは市丸ギンと出会った時から出している。

 

---お前がそう思うのならば、それこそまさしくそうなのだろうよ---

 

黒くあればいい。繡助とは違い、俺の後ろに居ながら俺を狙う者で有ればいい。

己を蛇と断じた思いを忘れず生きればいい。

 

その上で俺はお前を救うと決めている。

故に市丸ギン---

 

 

「ギン。そう言えばこの間、お前に遭いに来ていた新入りがいただろう。ほら、あの明るい色でふわふわした髪型の少女だ。知り合いか?」

 

「なんや、風守隊長。盗み見してたんか?趣味悪いわ。あの子は、まあ、知り合いや。乱菊、確か今は松本乱菊って名乗ってたわ」

 

「松本乱菊か。良い名だな。昔から名は体を表すものだ。きっとあの子は優秀な死神になるだろう。そうだ。お前の知り合いなら俺にとっても無関係な人間じゃない。今度挨拶ついでに用立ててやろう。丁度この間、里帰りして極上品が--「射殺せ『神鎗(しんそう)』」--うお!?突然何をする。背後でいきなり喉を狙って始解をするな。俺じゃなきゃ死んでるぞ」

 

「風守隊長がふざけたことを言うからや。乱菊は僕とはただの知り合い、挨拶なんてしなくてええよ。それより、なんで背後からの一撃を避けられるん?」

 

「そりゃ、お前とは年季が違うからな」

 

 

---自分のあり方を見失うなよ。

 

 

 

 

 

 

時代は変わる。俺の意思とは関係なく時は流れ流転していく。

永劫とも思える千年は遠に過ぎ去り、重ねる時は百を超えた。

流れる月日は俺や山本元柳斎重國、卯ノ花烈や長次郎、既に止まった(・・・・)者達を置き去りにして多くのものに成長を与える。

市丸ギンは既に少年ではなくなり、俺の副官でもなくなった。百年までに俺が背負った数字を背負い、彼は今日も口元に弧を描き瀞霊廷を歩いている。

 

だが、そこに悲しみの感情は一遍もない。それは俺だけでなく山本元柳斎重國や卯ノ花烈、長次郎とて同じだろう。過ぎた時に思いを馳せるほどに俺達は老いてはいないのだから。

 

時代が変わった。それだけだ。

そして、時代が変わってもなお変わる筈の無い物がある。

『護廷』の二文字。そして、『約束』だ。

 

 

「これより婚礼の儀を始める」

 

 

祝いの席にしては厳格すぎる声は言うまでもなく山本元柳斎重國のもの。

似合いもしない袴を着た俺の横には白無垢を着た卯ノ花烈が立っていた。

 

護廷十三隊総隊長が取り仕切る現護廷十三隊隊長と元護廷十三隊隊長の婚儀にしては小さすぎる会場に寂しすぎる人の数。その場に居る人の数は俺や卯ノ花烈を入れても両手の指の数にも満たないが、それでいい。

元より俺は目立つのは好かない上に知り合いも少ない。

卯ノ花烈は俺とは違い多くの者に慕われているが、慕われているからこそこの場に来たい者たち全てを受け入れればとんでもないことになる。

故に来賓者は俺と卯ノ花烈が選んだ者たちだけ。

 

山本元柳斎重國。雀部長次郎。藍染惣右介。市丸ギンと彼が連れてきた松本乱菊。卯ノ花烈の新しい副官、虎徹(こてつ)勇音(いさね)。山本元柳斎重國の弟子である浮竹十四郎と京楽春水。

 

そして---

 

「ご、ごご、ご結婚!おめでとうございます!」

 

眼の前でこの場に居るそうそうたる面々に緊張で震えながら頭を下げる少女の名前は、朽木ルキアと言った。

 

 

 

 

朽木ルキアと俺の出会いは偶然だった。あまりに偶然が重なったものであったから、作為的だとすら思ってしまった。

あの日、俺は瀞霊廷を当てもなく歩いていた。その日は俺が市丸ギンに隊長の座を譲り渡した日であり俺が三番隊の隊長ではなくなった日。

つまりその日、俺は無職になった。初代四番隊隊長を降りた時と同じ無職。

実に二千年ぶりの無職だった。

することがないと暇を持て余し歩く俺の前に朽木ルキアは現れた。

顔を落とし、トボトボと歩く朽木ルキアの姿に俺は若いくせに随分と暗い奴だと好感を持った。朽木ルキアの年頃の頃の俺は阿片窟(とうげんきょう)で引きこもっていた訳だから、とても共感できる根暗さだった。

だからだろうか、あの時の俺は信じられないことに人見知りで口下手で引っ込み思案でありながら初対面の少女に声を掛けた。

 

「どうした。そんな暗い顔をして」

 

「えっ、あっと、貴方は…」

 

「何か嫌なことでもあったのか?辛いことでもあったのか?ああ、そうだ。そうであるなら丁度いい。丁度、俺は凄く良いモノを持っているんだ。元気になるぞ」

 

「えっと、え?」

 

「なに、心配するな。合法だ。中毒性も世間一般で知られているほどじゃあない。用法容量を守って使えば何の心配もいらない。悩み事も忘れて幸せになれるぞ」

 

「いや、えっと、それは絶対に使っちゃダメなものじゃ。…というか、なぜ瀞霊廷内にそんなものを持っている不審者がいるのだ!?」

 

「誰が不審者だ。初対面なのに失礼な奴だな、お前は」

 

「ならば所属を言え!貴様は何番隊の人間だ!」

 

「三、いや、今の俺はどこにも所属していないな。無職だ」

 

「無職だと?ふざけるな!真央霊術院を出た死神は例外なく何れかの部隊に配属されるはずだ!」

 

「そうだな、普通ならそうだ」

 

「やはり、怪しい奴め。警告はこれで最後だ。所属と名を名乗れ。名乗らねば--」

 

そう言って朽木ルキアは斬魄刀に手を伸ばした。

それを見た俺は笑うようにいった。

 

「--斬るか?斬れると思っているのか?お前に俺が」

 

抑えていた霊圧を少しだけ開放する。それだけでどんな死神でも感じ取れるだろう霊圧の差が周囲の空気を圧迫する。力の差は歴然だ。

俺にはかつて最強の死神である山本元柳斎重國と相討ったという矜持がある。

例え誤解だとしても斬魄刀を握る眼の前の少女に欠片でも敵うなどと思われては矜持が曇る故の悪戯の様な幼心。

いま思えば本当に大人げないことをしたと思う。しかし、あの時の俺の子供の様な行動に後悔はない。ああしたからこそ、俺は朽木ルキアと出会うことが出来たのだから。

 

---斬れると思っているのかと、そう問うた俺に対して朽木ルキアは感じ取った霊圧の差で身体が震えるのを必死に抑えて言い切った。

 

「敵うか、敵わないかの問題ではない。私は、朽木(・・)ルキア。護廷十三隊の死神なのだ!」

 

「---」

 

護廷十三隊の死神。

放たれた言葉は俺にとってまさに甘露だった。卯ノ花烈と出会っていなければ、俺は年端もいかない眼の前の少女に恋をしていたかもしれないと錯覚するほどの衝撃だった。

ああ、そうだと、心の内で感嘆を零す。

 

まさしくこの感情こそが俺を痴れさせる唯一の阿片(ゆめ)

何時ぶりだろうか。かつて山本元柳斎重國と共に築いたその阿片(ゆめ)をこうして目の前で見るのは。

久しぶりの感覚に俺の頭は痺れていく。

故にその阿片(ゆめ)は凶行ともいえる行動に俺を駆り立てる

 

「………次代を担うか、新しい時代の死神よ。いいだろう」

 

思わず零れた言葉と共に俺は思わず斬魄刀を抜いた。

 

「俺に挑む、お前の勇士を見せてみろ。吠えてくれ、その声で。ああ、お前のユメを俺に見せろよ!」

 

「っ、抜くか斬魄刀を!ならばもう容赦はせぬぞ!舞え『袖白雪(そでのしらゆき)』!」

 

かくして俺は朽木ルキアと邂逅した。




早足早足。はやく原作主人公を登場させたい。(; ・`д・´)
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