BLEACHの世界でkou・kin・dou・ziィィンと叫びたい 作:白白明け
手抜きじゃありませんよ!原作開始まで駆け足なだけです!(; ・`д・´)
…嘘を付きました。すいません<(_ _)>
明日から本気を出します。
護廷十三隊一番隊隊舎。総隊長執務室。
瀞霊廷内のあらゆる重要事項・機密事項が集まる場所でありながら、この部屋は壁が取り払われ青空が覗く解放感に溢れていた。ともすれば警備に対する意識が低いと言われかねないが、しかし、そんな懸念は杞憂でしかない。
「さて、待たせたのう。風守」
俺の眼の前に立つ男。山本元柳斎重國がこの場にいる。それ以上の警備などないのだから。
杖を携え立ちながら、身体の芯に微塵のブレも感じさせない山本元柳斎重國は相変わらず他の追随を許さない威圧感を纏っていて、その隣には長次郎が控えている。
千年前と何も変わらない光景に俺は思わず笑みを零しながら肩を揺らした。
「別に待ってない。お前が忙しいのは知っている。俺は知っての通り、今は無職だからな。お前とは違い時間など腐るほどにある」
気にするなよと言う俺に山本元柳斎重國は否と首を振る。
「否、百年間もの間、儂はお主を待たせた。百年前の浦原喜助らの裏切りにより護廷十三隊の隊長格が欠けている間、よくぞ代わりの勤めを果たしてくれたの。風守よ」
「………どうしたんだ?お前が俺を褒めるなんて、らしくもない。お前、本当に山本重國か?偽物じゃあないだろうな」
山本元柳斎重國らしくもない言葉に俺は思わず鳥肌を立てて後ずさる。
山本元柳斎重國が俺を褒めるなんてことは今までの千年間の間に一度だって無かったことだった。
「下らぬことをほざくな戯けが。お主が儂の霊圧を読み間違える訳がないじゃろうが。まったく、長次郎に言われ労いの言葉を掛けてやればこれじゃわい」
「なんだ、長次郎の入知恵か。びっくりさせるなよ」
どうやら本物の山本元柳斎重國の様だと俺は胸を撫で下ろし、山本元柳斎重國の傍に控える長次郎に対して驚かせるような真似をするなよと視線を送る。
長次郎は一瞬だけ口元を緩めたが、直ぐに何時もの無表情に変わってしまう。
俺は長次郎から視線を外し山本元柳斎重國を見た。
「でだ、山本重國。百年待たせたというのなら、ようやく俺の進言が中央四十六室に通ったと思っていいんだな?」
「うむ。欠けていた隊長格の席は全てが埋まり、護廷十三隊の戦力は百年前と変わらぬ程には回復した。それによりお主の進言通り、『
「現世に逃れた浦原喜助、四楓院夜一、
「然り。これよりお主は現世への遠征に向けて準備を行え。必要なものがあれば何でも言うがよい。然るべき準備の後、現世に
再建される特派遠征部隊。二代目となるその組織にとって初めてとなる山本元柳斎重國の命令に俺は静かに頭を垂れた。
視線を外すことで俺の霊圧感知は山本元柳斎重國が纏う霊圧を視覚以外の感覚の全てを通してより詳細に伝えてくる。
幾ら浦原喜助ら捜索の目途が立ち百年前の裏切りの代償を張らせるのだと鬼気を纏っていようと平時でこの
全てを燃やす烈火の如く。
その熱に俺は一筋の汗を垂らしながら笑う。
「くくく」
「なんじゃ?風守よ。何がおかしい」
「いや、なに。何も変わっていないと安心しているんだ。…山本重國。俺は、火を見る度に二人の死神を思い出す。一人は言うまでもなく千年前、俺の世界の全てだった
「そうか」
「そして、もう一人は百年前に欠けてしまった特派遠征部隊の副隊長。
「…そうか」
「文句を言いながらも俺の後に続き天真爛漫と笑っていた繡助の姿を思い出す度に零れる感情は後悔でしかない。あの日の夜、仮面と出会ったあの夜に、俺は似合いもしない自責の念を置いてきた」
後悔。自責。己で己を苦しめるその感情は時として生きる糧となるだろう。しかし、
俺は桃園に霞む夢に焦がれ誰もが幸せになればいいと願っている。
だからこそ、俺は後悔と自責を断ち切らなければならないだろう。
自分も幸せに出来ない奴に誰かを幸せにすることなど出来ないのだから。
「あの夜に置いてきたものを俺は必ず取り戻す」
部屋から覗く青空に一匹の小鳥が飛ぶ。
小鳥は己を龍と見間違えながら太陽へと向かって羽搏いていった。
「お気を付けて行って来てくださいね。風守さん」
「ああ、卯ノ花。行ってくるな」
婚儀も挙げ、契りを交わしたというのに未だにお互いのことを苗字で呼び合う俺と卯ノ花烈の距離感を見送りに来ていた他の者たちが奇妙なモノを見るような眼でみている。
しかし、これでいいと俺と卯ノ花烈は笑いあう。
既に千年以上の時間を共有した間柄。
結婚をしたからといって今まで築いてきた距離感を壊す理由にはならない。
そしてなにより、新しい距離感を築きたいと思うのなら、その時間もまた膨大にあるのだから。急ぐ必要はない。
一度目の出会いは死闘の修羅場。二度目の出会いは流魂街の酒場。
此処まで来るのに千年かけた。ならば、次に進むのにも千年をかけよう。
これからの時間など、それこそ無限にあるのだと、俺はそう信じている。
初代特派遠征部隊解散後は尸魂界を出ることは滅多に無く瀞霊廷内で隊長職として様々な雑務に追われていた俺が、こうして
少なくとも数十年ぶりに踏みしめることとなった現世の地は一面が雪化粧に覆われていた。
見渡す限りの雪景色。目を凝らし数キロ先に見える看板を見れば書かれた文字は
「さて、浦原喜助達はどこにいるのだろうか」
手掛かりは零。そして、現世は尸魂界に負けず劣らずに広い。
何の手がかりもない中で隠密機動でさえ影の形も掴めなかった浦原喜助達を探し出すのは、虚圏の白い砂漠で黒い砂粒を探す様な無謀な行為に等しいだろう。
無用に長い時間は常人の心を容易く折るだろう。
しかし、無謀な行為にも無用に長い時間にも俺は馴れている。
「良い良い。此処からどれだけ遠くに隠れ潜んでいたとしても、浦原喜助、四楓院夜一、
無謀に挑む際に大切なことは信じること。信じる心がその者を強く幸せにするのだと、俺は
「好きに夢を思い描こう。そうすれば、俺の世界において俺が勝者だ。---故に心など、折れるはずがないだろう」
雪が荒れ吹雪となり、寒空の下で独り歩く俺の足取りはフラフラと揺れながらも前に前にと進んでいく。
そうして、俺の遠征が始まった
「此処は寒いので取りあえず南下しよう」
そんな取りあえずの指針を立てて北国を流離う俺は霊圧感知を全開にしながらフラフラとした足取りでただ前へ前へと進んでいた。進む速度をあまり上げる訳にはいかない。
此度の長期遠征で探す相手は天才と称して良いだろう浦原喜助とその一味であり、砕蜂が隠密機動を使ってもなお影の形も掴ませず百年間もの間、現世に潜伏し続ける者たちだ。
霊圧感知の能力を十全に使いながら十分な時間を掛けて丁寧に捜索しなければ見つけられないだろう。
そう思いながらの捜索はゆっくりとした速度で進んでいった。
些細な霊圧の変化を見逃さないように霊圧感知の能力を全開にしながらの遠征なので道中、色々な出会いがあった。
--遠征開始、二年後。原作開始、八年前。
「貴様ァ、死神ヵア」
「
「コノ俺ニィ、出会ゥトゥワ運ノォ、無イ奴メェ!」
「せめて
「ギァアァァァアアア」
「………シーザス」
「うん?なんだ、人間がいたのか。今の
「も、もう嫌だぁ!何故!何故なのだ!何故私にばかりぃ!
「なんだ、人間。お前は俺が見えるのか?…なるほど、見れば霊的濃度の高い魂を持っているようだ。虚達にはさぞ上質な餌に見えるだろうな」
「餌ぁ!?私が餌ぁあ!?あのモンスターが何故私を狙うのか!ボーイは知っているのかね!教えてくれ!何故私がこんな目に遭わねばならないんだ!」
「そう声を荒げるなよ。怒り悲しみ苦しむ可哀想な人間。その苦しみから逃れたいのなら、簡単だ。仙丹の夢をくれてやろう。しかし、ああ、残念だがお前にはまだ早い。お前はまだ、
「
「死神だ。生きる人間を守り、死んだ人間を救う
「………それはつまり、ボーイはつまり、私にモンスターに襲われて死ねと言うのかね。そうして死んだ後でなら、私を救うと言うのかね…」
「そうじゃない。俺が言いたいのは………ああ、駄目だ。言葉が出てこない。俺は元々人見知りで口下手で引っ込み思案なんで思ったことを上手く言葉にすることは苦手なんだ。だから、簡潔に言おうか。---人間。恐れるなよ。ビクビクと怯えながら生きることの何処に幸せがあると言う」
「
「虚…モンスターが怖いのなら、夢を見ろ。思い描け。己はモンスターなどに負けない強者であるのだと。そうすれば、その時お前は、お前の中で世界の勝者だ」
「モンスターの霊を倒せる強者。つまり、私にカリスマ霊媒師か何かになれと言うのかね?」
「レイバイシ?ああ、良く分からないがお前が思い描く強者がそれならば、それでいい。そう成ればいい」
「………成れるのかね?私に、この
「成れるさ。ああ、お前がそう思うのなら、そう成れる」
「………わかったぞ。ボーイ。いや、マイ・ディスティニー・ティチャー。もう恐れるのは終わりだ。私は勇気を持って立ち上がろう」
「そうか。元気が出た様でなによりだ」
「ボハハハハーー!!安心したまえ!マイ・ディスティニー・ティチャー!私はもうモンスターを恐れないぞぅ!次に出会えば私のスピリチュアル
「そうか。まあ、気負わず気楽にやれよ。後、安心しろよ。こうして虚に出会うことは、重霊地にでも出向かなければ珍しいことだ。今後はそう無いだろう。ああ、それと、俺はお前に
「なんだね?そのライターの様なモノは?」
「
「記憶を書き換えるという訳か。なるほど、それはスピリチュアルな道具ですなぁ、マイ・ディスティニー・ティチャー。…うん?つまりそれ―--」
「ぼん」
「---はゃふん!?」
「ふう。久々に使ったが、壊れて無い様でなによりだ。さて、先を急ぐか」
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「---ううん。私としたことが、こんな所でなぜ倒れているのか………駄目だ。全く思い出せない。確か熊ラーメンを食べようとした所に横綱が現れてロケットランチャーで狙われた処までは覚えているのだが……おおっ!そうだ思い出したぞ!私はあの白髪黒衣のボーイに救われたのだ!そして彼は散り際に言った!私に!一番弟子として自分の後を継げとぉぉお!諦めなければ夢は必ず叶うのだとぉお!ならば!」
「成ってやるさ。私も彼の様なヒーローに」
--遠征開始、五年後。原作開始五年前。
「五年経って、手掛かり無しか。まあ、百年掛かろうが探し出すつもりだから、まだ五年なんだが………それにしてもこの鹿煎餅は美味いな。流魂街の七十五以降の地区では絶対に手に入らない代物だ。これを鹿に与えるなどとは、現世は暫く見ないうちに随分と豊かになったらしい」
「お兄さん!御煎餅ちょうだい!」
「うん?誰だお前は?というか、俺の姿が見えるのか?」
「んー?姿が見えるってどういう意味?」
「ああ、そうか。鹿煎餅を買う為に義骸に入っていたんだったな。なんでもない。気にするな。それで、お前は煎餅が欲しいのか?」
「うん!」
「素直で可愛い子だ。
「ありがとう!」
「ところで、お前は一人で此処にきたのか?」
「ううん。お兄ちゃんと一緒だったんだけど逸れちゃって……私の家、両親がいないの。それで貧乏だから、こうして旅行するのって初めてだったの。それで、はしゃぎ過ぎちゃって…逸れちゃったみたい」
「そうか、なら、お前の兄がさぞ心配しているだろう。一緒に探してやる。お前の名前は何と言うんだ?」
「
「井上織姫。良い名だ。愛いお前に似合いだよ。やはり昔から名は体を表すものと決まっているな。それじゃあ、織姫。お前はその煎餅を鹿に食べさせていろ。その間に俺は
「お兄さん。れいらくってなーに?」
「視覚化された霊気だ。よく見ればお前には少しばかり常人より強い霊力と毛色の違う霊気が宿っているようだからな。おそらく、お前の肉親である兄の霊気にも同じ特徴がある筈だ。………見つけた。近いぞ。それに随分と慌てているようだ。行くぞ、織姫」
「ええ!?待ってよお兄さん!?まだ御煎餅が三枚も残って、ってもう行っちゃってる!?置いてかないでよぅ!もういいや!私が御煎餅食べちゃう!ぱくっ。まっひぇよー」
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「織姫を連れて来てありがとうございました。なんとお礼を言っていいのか」
「なに。気にするな。もう、兄と逸れるなよ。織姫」
「うん!ありがとう!えっと………そう言えばお名前聞いてないや。お兄さん。お名前はなんて言うの?」
「風守。風守風穴だ」
「風守風穴。じゃあ、風穴のお兄さんだね!風守のお兄さん。お兄ちゃんを見つけてくれてありがとうございました!またねっ!バイバイ!」
「ああ、またな」
「本当にありがとうございました。じゃあ、これで僕達は失礼します。ほら、織姫。もう手は離すなよ」
「うん!」
「………
--遠征開始、八年後。原作開始、二年前。
「八年経っても捜査の進展は無し。そろそろ長次郎や砕蜂から何をやってるんだと言われる頃合いだな。山本重國や卯ノ花からも偶には帰って来いと連絡があったし、後二年位探したら一度尸魂界に戻るか。それまでに多少の手掛かりが掴めればいいんだが………ああ、そうだ。死神のやり方で探しても駄目なら、別の手段に頼ってみるか」
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「『
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「『
「---さて、結界はこの程度で十分だろう。しかし、霊圧が強いというのも考え物だな。力を使う為にこうして結界を張らなきゃ霊圧が周囲に盛れて俺の存在を周知してしまう。そうなれば浦原喜助ら探していますから気を付けてくださいと言っているようなものだ。いちいち面倒だが、こうして結界の中でしか力を使えない。だが、まあ、………それだけする価値はあるか」
「………」
「そら、『
「………ィ」
「愛い、愛い。おまえは俺に救われたいのだな。善哉善哉。お前の為になら、そら幾らでも用立ててやるから、俺に力を貸してくれよ。さあ、姿を見せてお前の名前を教えてくれ」
「………そうだな。答えておこう。イーバーン」
「イーバーン。そうか、スターク辺りが釣れると思ったが、知らない名前だ。とりあえず、姿を表せよ」
「フルネームが知りたいか?アズギアロ・イーバーンだ。他に質問は?」
「…とりあえず、『
「失礼。もう一度言って貰えるかな?よく聞き取れなかった」
「……とりあえず、姿を表せと言っている」
「断る!」
「………」
「ぐほぉ!?」
「左に三連の穴が開いた仮面。やはり、俺も名を知らない奴だな。お前は
「ぐウ…ッ、なんでいきなり引っ張りだすんだ…バカなんじゃないのか…!」
「俺に
「ふん。うぬぼれるなよ…。貴様から貰わなければならないものなど何も無い。貴様こそ、私に頼みがあるのだろう!?」
「いや、別に俺はお前でなくてもいいんだ。
「ま、まて!わかった!何が望みだ!私が貴様の要望に応えよう!だから、それは私に譲れ!」
「くく、
「現世において変わったことか………特にないが。『
「ああ、俺は『
「そうか………うーん。ああ、そうだ。ならば、この間、喰らった
「ほう。死神でもないのに、
「いや、その頃のソイツはまだ
「
---
---
---
「………本当に私を斬らずに行ったか。情報を聞き出したのなら、私になどもう用はないだろうに。それに
--遠征開始、八年三カ月後。原作開始、一年九カ月前。
「なあ、少し聞きたいことがあるんだけど、いいか?」
「あ?誰だあんた?」
「俺は風守と言う。用事があって空座町に来たんだ。人を探していてな。浦原という名前に覚えはないか?」
「浦原?知らないな。あ、いや、確か近所の駄菓子屋の名前が浦原商店とか言ったっけな?」
「浦原商店?駄菓子屋か。なるほど、ありがとう。場所を教えてもらってもいいか?」
「ああ、いいけどよ。結構分かり辛い場所にあるぜ。案内しようか?」
「いや、そこまでは悪い。向こうで手を振りながら待っているのはお前の連れだろう?場所だけ教えてもらえれば探すさ。俺は探し物が得意なんだ」
「そうか。なら場所は---だ」
「うん、わかった。ありがとう」
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「なあ、一護。今の人、知り合いか?」
「いや、初対面だ。人を探してるんだと。しかし、俺が言えたとこじゃねぇけど、すげぇ髪してたな」
「ああ、あの年で真っ白な白髪は初めてみたぜ。染めてんのかな?」
「かもな」
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「さて、辿りついたぞ。浦原喜助、四楓院夜一、
出したかったキャラ①
ドン・観音寺。こと、本名?観音寺ミサオ丸。
もうね。この人の格好良さは多分言葉で語れない域に達しているね。
ドン・観音寺は格好良さだけなら藍染隊長にも負けない原作最強キャラだね!
異論は認めるけど
『私がヒーローだからだ…!』
『戦いから逃げるヒーローを子供たちはヒーローとは呼ばんのだよ』
この格好良さに異論は無い筈(; ・`д・´)
出したかったキャラ②
アズギアロ・イーバーン。
破面編が終わった後に出てきた破面ですが、キャラのデザインが破面の中で一番好きです!格好いい!
自分を選ばれし者だと言いながら次の話で直ぐ自分のボスに粛清されちゃったキャラが良い!
イーバーンさんの名言
『なんでいきなり蹴るんだ…バカなんじゃないのか…!』
反論できない正論だね!(´・ω・`)
なお、作中で出てきたイーバーンさんはまだ破面じゃない中級大虚です。
そう言えば、原作のイーバーンさんって破仮面ですよね?自分では破仮面じゃないって言ってましたけど、聖兵に「破面の兵士」扱いされてましたし。
何故、正当な滅却師の証である五角形の滅却十字を持っていたかは謎ですが………
ユ―バッハから貰ったのでしょうか