BLEACHの世界でkou・kin・dou・ziィィンと叫びたい 作:白白明け
場面に出てくるキャラが四人をこえると描写が辛い(´・ω・`)
文章力が足りていないな…こんなことでは藍染様に捨てられてしまうぞ(; ・`д・´)
話は変わりますが皆さま数々のご感想をありがとうございます<(_ _)>
書いてくださるご感想の一つ一つが次話投稿へのモチベーションに繋がっております。
力不足故にすべてのご感想に返答することはできませんが、本当にありがたく思っております<(_ _)>
今度ともよろしく‼(; ・`д・´)
蒲原商店の地下に広がる空間。通称『勉強部屋』。数年前、俺が浦原喜助、四楓院夜一と死闘を繰り広げたその空間でまさか御座を広げほうじ茶を啜る日が来るとは、あの時は思ってもみなかった。
思えば随分と長い時間が流れたものだと、地下空間だというのになぜか広がる青空を見上げ過去の思い出に思いを馳せる。
そうあの頃はまだ浦原喜助達こそが百年前に起きた連続魂魄消失事件の黒幕だと信じており、彼らを捕える為に俺は空座町を訪れた。
戦いの最中にそれが間違いだと悟り、真の黒幕の存在に気が付いた瞬間に伸ばされた裏切りの刃は俺の身体を貫き、かつて己を蛇だと語った少年に裏切られながらも救われた。
「…ギンの奴は元気にしているだろうか?」
ポツリと漏れた疑問に思いを馳せる。市丸ギン。かつて俺が三番隊の隊長であった頃に副官を務め、後に俺自身の手で数字を譲り渡した現三番隊隊長。
常に微笑を浮かべながら過ごす彼の姿は一見頼もしくも見えるが、しかし、内に入り観察すれば感じられる危うさに当時の俺は善哉善哉と笑いながらも心配していた。
「ギンは何でも自分一人でやろうとする嫌いがある。内に秘めたモノを曝け出せる相手がいればギンも随分と楽になるのだろうが…ふむ。以前、俺と卯ノ花の婚礼の際に連れて来ていた松本乱菊とかいう女に対して、ギンは随分と気遣っていたようだが、どうだろう。松本乱菊なら、ギンの重荷を一緒に背負ってやれるのだろうか。いやだが、だとしてもギン自身が自ら荷を下ろさぬ限りは何の意味もない。ふむ、今度会ったら昔の様に上物を用立ててやろう。それでギンも心の内を曝け出せるに違いない。おおっ、これは何と良い考えなのだろうか!」
「駄菓子屋の地下で物騒な話をするな」
これは良い考えだと思わず立ち上がる俺に対して冷ややかな言葉をかけたのは砕蜂。
呆れたようにため息を付き俺の眼の前で腕を組んで、さっさと立てと囃し立てる。
「あの男がようやく
「おお、善哉善哉。思ったより早かったな。流石は浦原、仕事が速いな」
「ふん。私の前であの男への賛辞を口にするな。虫唾が走る。そんなどうでもいいことはもういい。さっさと合流するぞ」
「ふむ。わかった。行こう」
立ち上がり御座を畳む。畳んだ御座をどこに置いておこうかと考えて、取りあえずその辺ん岩に立てかけておくことにした。この御座は少ない稼ぎで買ったものなのだから、後で必ず取りに戻ろうと考えて、何の気なしに御座に向かって
そんな俺の行動に砕蜂は首を傾げた。
「…なにをしている」
「なに、ただの願掛けだ」
「ふん。貴様が神頼みなど、随分とらしくないことをするのだな」
「ふむ、返す言葉もないが、まあ、良いじゃないか。何しろ今度の敵は護廷十三隊。俺が夢見に抱いた、まほろばだ。生きて帰れないかもしれない」
「………随分と弱気だな。かつて貴様の言った汚名を雪ぐという言葉は嘘だったのか?」
「砕蜂、俺はお前に嘘はつかんよ。しかし、相手が相手だ。まほろばに君臨する最強の死神は、温かさを越えて灼熱に過ぎる。願でもなんでも、掛けて損はないだろう」
俺は思い描く最強を前に思わず常時浮かべている笑みが引き攣った。
しかし、もはや後には引けぬのだ。何より引いてはならぬと知っている。
願いがある。朽木ルキアを救うのだ。かつて彼女の背に見た輝きは俺が何より尊ぶべき
ユメの為に、護廷十三隊の未来の為に必要なものである。
全ては護廷十三隊の為に。思うが故に刀を抜こう。思うがままに刃を振るおう。
これは掲げた”護廷”の二文字を守る為の戦いだ。
「さて、待たせた。行くか。砕蜂」
「ふん。さっさとしろ」
まずは手始めに黒崎一護達への自己紹介から始めよう。
「姓は
が、しかし、俺はその余韻に浸る暇もなく砕蜂に首根っこを掴まれ引っ張られた。
砕蜂の怒声が響く。
「馬鹿か貴様は!この状況で悠長に自己紹介などしているな!あの男が言っていただろう!この穿界門はもって4分!走らねば断界に取り残されるぞ!」
現世か尸魂界に向かう為の道。穿界門。その通り道は正規の物であれば瀞霊廷の一組織である『技術開発局』により管理・運営されており四分という短い制限時間などないのだが、浦原喜助が黒崎一護達の為に開いたこの穿界門には砕蜂の語った通り制限時間が存在していた。
時間を過ぎれば現世と尸魂界の狭間である
常識的に考えて悠長に自己紹介などしている場合ではなかった。
俺はふむと反省する。
「気が急いたか。あるいは緊張していたのだろう。大勢の前で自己紹介などと、行ったのは百年前の隊長就任式以来だからな」
失敗したなと頬を掻きながら歩法の速度を上げ黒崎一護達の隣に並ぶ。
「しかし、まあ、聞こえてはいただろう。そういう訳だ。よろしく頼む。仲良くやろう」
俺の声に黒崎一護は反応し俺の顔を見る。
「…やっぱアンタ。さっきから気がついていたけどよ、前に会った風鈴屋の人か?」
「おお。覚えていたか嬉しいぞ」
「そうか。アンタ、死神だったのか」
「”元”が付くがな。今は死神の総本山たる瀞霊廷を追われた身。ただのしがない骨董屋に過ぎん」
「ただのしがないねぇ。アンタ、浦原さんに似てるな」
「うん?そう--
「似てなどおらん!」
「似てなどおらん!」
--なぜそこで四楓院と砕蜂が怒る。急に大声を出すな驚くだろう。見ろ、驚いて眼鏡の少年が転んだぞ」
「ちょ!?石田‼」
「石田君大丈夫!?」
躓いた眼鏡の少年。滅却師である石田雨竜を心配し駆け寄ろうとする黒崎一護と井上織姫を大丈夫だと手で制しながら、瞬歩で躓いた石田雨竜の元に向かい手を引く。
俺に引かれる手を石田雨竜は複雑そうな眼差しで見ていた。
「…ありがとう。だが、もう大丈夫だ。放してくれ。…死神の手は借りない」
「そうか?心配だが、お前がそういうのなら、そうだな。自分で走れよ、
その性質故に死神と対立し、千年前に滅ぼされた者達の生き残りである石田雨竜にすれば死神である俺や砕蜂に対して思うこともあるだろうと払われた手を気にもせず引っ込める。
石田雨竜の言動に感じる嫌悪は微塵もなく。自らの意思に満ちた行動にはいっそ清々しさすら感じてしまう。外野を気にせず思いを通す。
だというのにあっさりと引く俺の手を見て小さく零れた石田雨竜の呟きは何よりも彼の優しさを表していた。
「…強い言い方をしてしまって、すまない」
「良い良い。お前が閉じるお前の世界に俺は何の嫌悪も持ちはしない。死神と滅却師の対立は事実であり、お前が思うお前の思いは正しいさ。お前がそう思うのなら、それで良い。しかし、まあ、今の俺は元死神だ。久しく対立は忘れ、気楽にやろう」
「…ああ」
笑う俺に石田雨竜がどういう感情を抱いたのかを知るすべはない。
そして時間もないまま、俺達は穿界門を抜けた。
瀞霊廷内。護廷十三隊四番隊隊舎隊首室。白い内装に清潔な空気が保たれたその場所に飾られていた一輪のケシの花の花弁が揺れた。
その光景を目で追っていた卯ノ花烈は懐から徐に手鏡の様なモノを取り出した。
手鏡の様なものの正体は”霊圧探索機”。手鏡で有れば鏡のある部分に埋め込まれているのは黒い画面を見ながら、卯ノ花烈は花の様に美しく微笑んだ。
「おかえりなさい」
そう囁くと”霊圧探索機”を再び懐に仕舞い、飲みかけのほうじ茶が入った湯呑を手に取り静かに啜る。
風守風穴の尸魂界への帰還。それにいち早く気が付いた卯ノ花烈は、しかし、動かず。
ここでの行動がのちの大事の明暗を分ける結果になると知りながら、不動を貫く卯ノ花烈の意思には微塵の迷いはない。卯ノ花烈はどの様な結末を辿ろうと風守風穴が自分の元に戻ってくるということを微塵も疑ってはいない。
そして、それは紛れのない事実だった。
卯ノ花烈。
彼女は唯一、阿片に酔わぬ風守風穴を酔わせ
風守風穴がやってきた。それにより盤面は整う。
そして場面は待ち望んでいたかのように加速し動きだす。
黒崎一護達と共に
俺と砕蜂は
砕蜂は俺の隣で速度を落とすことなく呟いた。
「しかし、驚いた。あの黒崎とかいう人間が、まさか
流魂街に落ちて直ぐに瀞霊廷に侵入しようとした黒崎一護の行動によって瀞霊廷を囲うように存在する瀞霊壁が落とされた、その際に西の門、
「兕丹防は尸魂界全土から選び抜かれた豪傑の一人。決して弱い死神ではない。それをあっさり下すとは、あの人間、いったい何者だ?」
考え込むように眉間に皺を寄せる砕蜂に俺はあまり考え込むなと笑いかける。
「黒崎一護が何者かか…わからないな。人間でありながら死神のチカラを得たというだけでも黒崎一護は稀有な存在だ。前例も少ない。特殊な存在ゆえに特別な力を持っていると言ってしまえば簡単だが、考えても仕方のないことだろうよ」
黒崎一護は黒崎一護だ。それで良いだろうと笑う俺に砕蜂は厳しい眼を向ける。
「ふん。黒崎一護にはあの男、浦原喜助が関わっているのだ。それだけで疑わしい。最悪を想定して戦わぬから、貴様は何時も背中から斬られるのだ。百年前の連続魂魄消失事件の時も、市丸ギンの時もだ。いい加減に人を直ぐに信じることに懲りたらどうだ」
「耳が痛いな。しかし、こればかりはどうしようもない。俺は心の底から皆の幸せを願っている。少しでも怪しいから疑うなどと、そんなことをしていては人は救えない」
「軽く流すな。私は貴様の為を思って言っているのだぞ」
「わかっている。お前は俺が好きだから、心配してくれているのだろう。愛い愛い。やはりお前は可愛いな、砕蜂」
「っ‼…だ、黙れ!ふざけた口を叩くな!」
「照れるな照れるな。わかっているさ」
なおも続く照れ隠しという名の砕蜂の罵声を聞き流し続ければ、砕蜂は諦めたのだろう黙り込む。
そして、俺たちは
聳え立つ巨大な壁と閉ざされた門。そして門番として巨躯に自信と覇気を纏いながら仁王立ちする死神
「瀞霊廷を守る瀞霊壁の守護は強固。内にいる頃から分かってはいたが、ふん、侵入者として相対することで改めてそれを知るとは皮肉なものだ。それで、どうする気だ。今更貴様に説明する気はないが、瀞霊廷は霊力を完全に遮断する瀞霊壁と瀞霊壁から発生する遮魂膜によって完全に守られている。夜一様は何かお考えがある様子だったが、貴様にも勿論あるのだろうな?」
「無論だ。そうでなければ流魂街について早々に黒崎一護達と別行動をしたりなどしない。瀞霊廷に入る方法はある」
「…それが見せられぬ手段だから、夜一様達と別行動をとったのか?」
まさか断蔵丸を斬るだととは言わぬだろうなと続ける砕蜂に対してそれこそ
黒陵門の門番として断蔵丸は護廷十三隊において居なくてはならない死神。それを斬るなんてことを俺がする筈がないだろう。
「別行動を取ったのは、単純に四楓院達に迷惑を掛けぬためだ。四楓院達が考えていた瀞霊廷への侵入方法に俺が居ては邪魔になる可能性があったからな」
「どういう意味だ?」
「四楓院達は西流魂街に居を構える
故に瀞霊廷に侵入する日時だけを示し合わせ同時刻に同時に瀞霊廷への侵入を試みることにしようと四楓院夜一と話し合い決めたのだと言えば砕蜂はそうかとだけ言い頷き、それ以上何も言わなかった。
瀞霊廷への侵入は西流魂街側と北流魂街側から夜明けとともに同時に行う。
四楓院夜一との約束の時間まではまだ数刻ある。俺と砕蜂は黒陵門の様子が伺える場所に生える木の上で休むことにした。
そして、明朝。
「それで貴様はどうやって瀞霊廷内に入る気だ?」
至極真っ当な疑問を投げかけながら俺の隣を歩く砕蜂に笑みを零しながら、俺は迷いなどない足取りで黒陵門に向かう。
「ところで砕蜂。お前は、裏切りとは何だと思う?」
唐突な俺の問いに砕蜂は怪訝な顔を浮かべた。
「突然何を言っているんだ貴様は…というより、あまり黒陵門に近づくな。百年前ならまだしも、今のお前の顔を知らぬ死神はいない。断蔵丸に気づかれるぞ」
砕蜂の警告を聞きながらも俺は足を止めることはしなかった。
「例えばギン。砕蜂はギンを裏切者だという。確かにその通りで、俺はギンに背中から斬られたが、同時にギンに命を救われもした。ギンの行動すべてが裏切りだというのは違うだろうと俺は思う。ならば裏切りとはなにか?あるいは俺たちの行動もまた山本重國や長次郎、護廷十三隊側から見れば裏切りだろう。旅禍と共に瀞霊廷に侵入する行動を『裏切りだ』と
「おい。待て。止まれ風守」
「ならば裏切りとは何か。俺の答えは裏切りなど”無い”だ。裏切られたと思う気持ちが感じた本人の主観である以上、世に明確な裏切りなどはなく全ては主観に過ぎない。高い所から見下ろした所で、本質的な意味では群衆は見えない。見えるのはただ己の身体のみだ」
「それ以上近づくのは不味いっ。何をしているっ。風守っ」
黒陵門の門番断蔵丸の前に出ようとする俺を引き戻す為に砕蜂の手が俺の身体に伸びる。俺はその手を取り、逆に砕蜂を引き寄せて抱きとめた。
「なっ!?」
胸の中で赤くなる砕蜂を無視して話を続ける。
「ああ、無論、お前がギンを裏切者だという気持ちを否定する気はない。むしろ好ましく思っている。世界の見方を己が感情をもって決定する。それは己が内で閉じた世界。俺が思う桃源郷そのものの考え方だ。どの様な形であれ、『お前がそう思うのならお前の中ではそうなのだろう』だ」
話は終えたと足を止め、俺は仁王立ちする断蔵丸の前に立ち
「故に問おう。断蔵丸。お前は、俺が『裏切者』だと思うか?お前が俺に行う行動が、『裏切り』だと思うか?」
「…」
断蔵丸は問いに答える事はせずただ静かに黒陵門への道を開けた。
門番が戦いもせず門の前から退くという事態に目を丸くする砕蜂に対して苦笑しながら、俺は心の底から断蔵丸への感謝を述べる。
「ありがとう。断蔵丸。お前の選択を、俺は心の底から尊敬するよ」
断蔵丸は何も言わなかった。当然だ。俺と断蔵丸は特別に深い友好を結んだ仲という訳じゃない。何度か顔を合わせたことはあるが、ただそれだけで断蔵丸が裏切者であるとされる俺のことを無条件で信じることは無い。
俺に断蔵丸と信頼関係を築く時間はなかった。
あったのはただ断蔵丸が俺の齎す
瀞霊廷内ではなく門番として流魂街に立つが故に断蔵丸は瀞霊廷内で仕事をする死神達以上に流魂街に蔓延る俺が齎した
苦しかったろうに。寂しかったろうに。断蔵丸が感じていた喪失感を思うと思わず涙が出てしまいそうだった。
「すまなかったと謝ろう。俺が守るべき
瀞霊廷の守りの要である門番すらも阿片に沈めた男の帰還。
それは言語にし難い危機を齎しながらも、あるいは悪を砕くと正道に満ちた意気をもって行われた。
護廷十三隊を守る。囚われの朽木ルキアを救う。
文字にすれば胸を張れるだろう事をなそうとする者は、しかし、胸など張るべきでない狂人である。
阿片の毒を振りまきながら進む男は口元に笑みを携えながら、堂々と瀞霊廷への侵入を果たしたのだった。
「断蔵丸は悪くない!彼は阿片の被害者だ!」
後にそう口々に叫ぶ死神達がいたりいなかったり。