デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話 作:伝説のデビルハンター
俺は死んだ。
場所は横断歩道、天気は雨。濡れた路面で滑り、コントロールできなくなった大型トラックが、横断歩道を渡っていた俺に突っ込んだ。勢いよく突っ込んて来たものだから、跳ねられた俺は即死した。
そういう事で、死んだ俺が今どこにいるかというと――何か白い空間だった。そして目の前にはローブに身を包んだ男。どうやら神様らしい。
「うん。随分とあっけなく死んだんですね、俺は」
自分が死んだ事をさらっと流した俺だが、その事を受け入れる事が出来なかった。だって意識あるもん。体動かせるし、どこも痛くないもん。でも死んだんだよな俺は。どういう事だよ。夢じゃないのかよ。
「あの事故は私のミスだ。ヘマをしたばかりに君たち二人を死なそうとしてしまった」
…………二人? もう一人、衝突事故に巻き込まれた人がいるのか? 俺の考えを読み取った神様が話す。
「運転手の男だ。トラックの転倒によって意識不明の重体となった」
そうか、トラックの運転手も被害者なんだな。神様はさらに言う。
「幸い、彼の方は命を落とす事は無かった。お詫びとして事故による重傷を治し、意識の方も取り戻した。だが、残念ながら君は駄目だった……」
マジか……ついてねぇよ俺、アンラッキーもいいとこだぞ。
「生き返らせる事はできないが、死んだ君を別の世界に転生させる事はできる。欲しい能力や物があれば何でも言ってくれ、君へのお詫びだ」
転生? 転生って……これってネット小説によくある、神様転生という奴なのか? マジで? こんなファンタジー小説な事が起こるなんて……。
「何でもいいんですか? うーん……」
神様に『特典』について聞かれた俺は考え始める。しばらくの間あれこれ考え、頭に強く思い浮かんだのは『伝説のデビルハンター』の姿だった。
「俺の姿を、ダンテの様にしてください!」
「……ダンテの様にとは、一体どんな姿だ?」
「えっと、まず髪が白で、赤いコートが特徴的な姿です!」
「分かった」
俺の要望を聞いた神様は指を鳴らした。……何も起こってないぞ? そう思っていると、神様の隣に鏡が出現した。
「これでいいか?」
「は、はい! バッチリです!」
鏡を見た俺は嬉しそうな声で返事した。黒だった髪は白くなり、服装も初代に似た物となっていた。……欲を言えば顔の方も彼の物にしたかったか、中身の俺と釣り合いが取れないのでやめにした。
「他にはあるか? いくらでも叶えよう」
「本当ですか!? じゃあ武器で大剣と二丁拳銃ください!」
そう言うと目の前に大剣と白黒の拳銃が出現した。リベリオン、エボニーとアイボリー。どちらもデビルハンター愛用の武器だった。
「以上か? なら、そろそろ君を転生させよう」
「……あっ、待ってください!」
エボニーとアイボリーをしまい、リベリオンを背負った俺は肝心な事を思い出し、転生に取り掛かろうとする神様を止める。
「並外れた怪力と、心臓と脳を破壊されても死なない身体にしてください! あと悪魔の姿になれるように! 以上です!」
「そうか、分かった」
立て続けの要望に神様は快く承諾した。感謝……圧倒的感謝っ! 本当にありがとうございます、神様。頭が下がる一方です。
「別世界への入口を開けた。いつでもいいぞ」
神様が指した方を見ると、いつの間にか穴が開いており、そこから眩しい光が放っていた。
「分かりました! 神様、貴方の事は永遠に忘れません!」
神様に感謝の念を言い、俺は穴の中へ飛び込んだ。
「うおっ、まぶしっ!」
穴に落ちている俺はあまりの眩しさに目をつぶった。これから始まろうとする新たな人生に俺は胸を躍らせる。ただ――
転生先は一体どんな世界なんだろう。それが唯一の不安だった。
これで『デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話』は終了となります。
皆さん、今までありがとうございました。
嘘です。
なのでこれで終わりではありません。次回に続きますので。