デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話 作:伝説のデビルハンター
「おっ、海男からだ」
街にいたモンスターを倒し、拠点に帰っていく俺達。その途中でうずめの通信機、ヴィジュアルラジオが鳴った。ネプギア曰く、ぷら何とかでも一昔前に流行ってた物らしい。ちなみに、ネプギアは機械が大好物だという。
「どうだ、シェアクリスタルは本物だったのか?」
うずめは海男に、シェアクリスタルの事を聞く。シェアクリスタルって、うずめが女神化する時に使ってたアレか。海男にシェアクリスタルを探させていたのか?
「あぁ、本物だったよ。まさか、こんな所にもシェアクリスタルがあるなんてね。君に手土産もできた事だし、今日中にそっちに戻――」
海男の声が途切れた。うん、どうしたんだ? ラジオの故障か何かか?
「な、何だお前は!? うわあああああああ!?」
海男の悲鳴と共に通信が切れた。なっ、何があったんだ!?
「海男! おい、海男!」
うずめが必死に呼びかけるも、海男からの返事はない。これ、海男に何かあったパターンだな……だとしたらまずい。
「ねぷっち、ぎあっち、ライジ。俺は海男を助けに、直ぐに隣町に行く。ついてきてくれるか?」
「もちろんだよ! 早くいってあげよう!」
隣町……あそこか! 俺達はうずめに連れられて、海男がいる隣町に行った。ところで、海男に会うのはこれで初めてになるな……どんな奴なんだろう?
「おーい、海男ー! いたら返事してー!」
「どこだー! どこにいるんだー!?」
隣町に着いた俺とねぷっちは、さっそく大声で海男を呼ぶ。けどやっぱり返事はない。
「ダメだ……うずめ! 海男がどこにいるか分からないのか? これじゃあ間に合わないぞ!」
「話の途中で通信が切れたからな……。誰か海男の居場所がわかる奴がいればいい」
「おいおい、そんな奴が都合よくいるわけないじゃないか……」
「いいや、分からないぜ。案外、海男と一緒にいた奴が辛うじて逃げ延びているんだよ」
うずめは何やら話し始める。……あれ、何か空気が変わった?
「それで、俺らがを呼びに行こうとしていたところ、ここで偶然、俺らと鉢合わせるわけだ」
おい、ちょっと待て。何の話をしてるんだ、うずめ。
「それでお互い超偶然っていうか、向こうもうずめも信じらんないって感じでさ」
声色が変わってるぞ。というかこれ、どっかで……。
「それで、あっという間に海男のいる場所に案内してくれて、海男をいじめる悪いモンスターをぶっ倒しちゃう、ってわけ」
……あっ、思い出したぞ! アレだ! うずめが変身したオレンジハートだ! アレと似てるんだ、主に雰囲気が!
「それで、海男も助けて、シェアクリスタルも見つけてめっちゃラッキーってみたいな♪」
『…………』
この場合、こっちはどう反応すればいいんだろう。何か聞いちゃいけないような事を聞いた様な気がする……。
「……ご、ごほん。とまぁ、もしかしたら、偶然、案内してくれる奴が現れるかもしれないぜ?」
長い沈黙の後、うずめは咳払いして口調や声色を元に戻した。
「うずめ……お前、何か変わってなかったか?」
「き、気のせいじゃないか?」
「うずめさん! うずめさん!」
うずめがさっきの事を誤魔化していると、町から何か変なのが出てきた。えっ? 言葉喋ってるけど、あれってモンスター?
「よっし、ナイスタイミングだ、ひよこ虫!」
出てきたモンスターをそう呼ぶうずめ。ひよこ……虫? 何でそんな名前なの?
「ん? ナイスタイミング?」
「あ、いや。それはこっちの話だ。それよりも、どうしたんだ、そんなに慌てて。……もしかして、海男の事か?」
「そうなのです。海男さんがモンスターに襲われて大変なのです」
……うずめの言った通りだ。海男の居場所を知ってる奴が来ちゃったよ。凄いな、うずめは。
「どうだ、三人共。俺の言った通りだったろ?」
「うん、そうだね」
俺は感情のこもってない声でうずめに答える。ひよこ虫はさっそく、うずめを海男がいる場所へ案内する。
「いや~凄いな、うずめは。うん、凄い凄い」
「ライジさん? 何か投げやりになってませんか?」
「そうだね。俺さ、何かもうついていけないよ」
「私からすれば、ライジも大概だと思うな」
そっかぁ。まぁ、どうでもいいんだけどね。さぁ、早く海男の所へ行こう行こう!
しばらくの間、俺はこんな風に投げやりになっていた。