デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話   作:伝説のデビルハンター

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Part.3 初めて人に出会えた

怪物を倒した俺は荒れ果てて無人の街を彷徨っていた。何やら光っているが、電気とかは通っているのか? そんな事を考えながら歩いていると、ロボットらしき物体が見えた。身の危険を感じた俺はとっさに身を隠し、物陰からロボットを見つめる。

 

「……でけぇ」

 

ロボットを見た俺の第一印象はそれだった。でかいのだ。ロボットの大きさが俺の数倍ぐらいだった。暗い色調になっていて、頭部には単眼が赤く光っている。さらにロボットは一体だけではなく数体いた。

 

「あれに見つかったら、戦う事になっちゃうんだよな……」

 

数体のロボットを見てどう対処すればいいか悩んでいると、ロボットと向き合っている一人の少女に気が付いた。赤い髪の二つ結び。白のワイシャツに灰のスカート。

 

「てやぁ!」

 

その少女は拳を振り上げ、ロボットの一体を倒す。もう一体の攻撃をかわすと、上から振り下ろして地面にめり込ませた。少女は数体のロボットを難なく倒したのだった。

 

「……た、助かるぞ!」

 

少女がロボットを倒した事に俺は安心し、物陰から身を乗り出した。

 

「おーい、助けてくれー!」

 

俺は少女の元に走り出し、助けを求める声を出した。しかし――

 

「ちっ、また来やがったか!」

 

少女は鋭い目で俺を見る。それと同時に拳を突き出し、俺に殴りかかってきた。

 

「はあぅ!」

 

俺は咄嗟に振りかかる拳をかわし、少女の横を通り過ぎた。身体を少女の方に向き直し、再び少女を見る。

 

「へぇ、さっきのよりはやるじゃねぇか。上等だ!」

 

「待って! 話を聞いてくれ!」

 

「てめぇと話す事なんざねぇよ!」

 

少女は聞く耳持たずで駆け出す。今度は連続で拳を繰り出し、俺に攻撃する。繰り出される拳は速いが、強化された身体能力と動体視力でかわし続ける。

 

少女の攻撃が全て見える。見える……けどそういう問題じゃない。俺は少女と戦いに来た訳じゃないんだ。

 

「オリャァ!」

 

俺の考えている事はつゆ知らず、少女は拳を振り落とした。まずい、避けられない! そう思った俺は両腕を前に出し、少女の拳を防いだ。

 

(い、痛ぇ! こいつ……なんて力だ!)

 

予想外の腕力にうめき声が出そうになるが、歯を食いしばって声を殺した。攻撃が不発に終わった少女は後退し、俺との距離を取った。

 

「まさか俺の攻撃を悉くかわしちまうとはな。俺は天皇星(てんのうぼし)うずめ、テメェの名は?」

 

「ら、雷士(らいじ)工藤雷士(くどうらいじ)だ!」

 

天皇星(てんのうぼし)うずめと名乗った少女に、俺も名乗った。工藤雷士(くどうらいじ)、それが俺の名だ。

 

「ライジか……へっ、あいつとの前哨戦にもってこいだな!」

 

「俺はお前と戦う気なんてないんだ! お前と同じ人間なんだ!」

 

「人の姿に化けて俺を騙そうってか? そうは行くかよ!」

 

駄目だ、うずめは俺の話を信じてくれない。どうすればいいんだ!? うずめはまた飛び出し、俺に攻撃を仕掛けてきた。

 

「ああもう、どうなっても知らねぇ!」

 

遂にヤケクソになった俺はリベリオンを構え、うずめに迎え撃とうと飛び出した。俺とうずめ、この戦いに勝つのは――

 

「ちょっと待ったぁーー!」

 

突然、別の少女が俺達の間に入り込む。薄紫の髪に白いパーカー。その少女に驚いた二人は徐々に勢いを失い、少女の前で止まった。

 

「もう、何やってるの君達! モンスターじゃない人と戦ってさ!」

 

「うおっ、新手か!?」

 

戦う寸前になっていた俺達二人に説教する少女。だが止められても尚、うずめは少女を怪物か何かと勘違いする。

 

「ムカー! だから違うってば! 何をどう考えたらそうなるのさ!?」

 

「お姉ちゃん、落ち着いて!」

 

怪物扱いされ怒った少女を、もう一人の少女が宥める。……妹? 逆じゃないのか?

 

「えっと……うずめさん、とライジさん……でしたよね? 実は私達、いつの間にかこの街にいて困っていたんです」

 

自分の事情を話す妹らしき少女。二人もなのか? ここに彷徨いこんだのは。まさか死んだ……訳じゃなさそうだな。ならどうしてここに?

 

「ここで何が起こっているのか不安なので、あなた達に助けてもらいたいんです。話を聞いてくれませんか?」

 

「そうなんだよ! 俺も何でかここに来ちまってるから物凄く困ってるんだ! だからお前に助けて欲しいんだ、頼む!」

 

俺もうずめにそう訴え、頭を下げた。信じてくれ……お願いだ! 今の俺にはお前しか頼れないんだ!

 

「……テメェらの話、本当なのか? あいつの手先じゃないのか?」

 

あいつ? うずめの言うあいつって誰なんだ?

 

「ウィーン……」

 

駆動音らしき音が聞こえた。急いで振り返ってみると、さっきのと同じロボットが五体もいた。

 

「!? おいテメェ、勝負はこいつらを片付けてからだ!」

 

ロボットを見たうずめは俺にそう言い、前に出た。いや、だから戦う気なんてないよ!?

 

「私達も助太刀するよ!」

 

うずめと協力しようと二人の姉妹も並ぶ。えっ、戦えるの? あの姉妹は何者なの? いやいや、それよりも!

 

「お、俺も戦うぜ!」

 

三人が戦おうとしてるのに、俺が戦わない訳には行かないぜ! 俺はリベリオンを構えなおし、三人の横に立った。

 

「テメェら……おっし、行くぜ!」

 

うずめの掛け声を合図に俺達は一斉に駆け出した。三人はロボットを一体ずつ相手にするが、俺は二体のロボットを相手にする事になった。

 

まずロボットの攻撃を避け、リベリオンで腕を斬りつける。そしてもう片方のロボットの攻撃を避け、二体を相打ちさせた。ロボットが体勢を崩した所で上から攻撃し、一体の頭部にリベリオンを突き刺す。ロボットは機能を停止して倒れた。

 

一体を倒した所で俺はもう一体のロボットに目を向けた。倒れた状態から立て直したロボットは、腕のドリルで俺に攻撃する。

 

「やあっ!」

 

俺はリベリオンを振り払い、ロボットのドリルを弾く。怯んだ所でロボットへ飛び、赤く光る単眼を斬った。その後、着地してロボットの背後に回り込むと、リベリオンを振ってロボットを打ち上げた。ロボットは高くまで飛び、重力に従って落ちていく。

 

「はあああぁぁぁぁぁ……」

 

タイミングを見計らい、俺はリベリオンを持った手に力を籠める。そして――

 

「貫け!」

 

溜めていた力を開放し、リベリオンは勢いよくロボットを貫いた。そのあまりのダメージにもう一方も機能を停止し、動かなくなった。

 

勝った。そう確信した俺はリベリオンに刺さっているロボットを振り払う。ロボットは重い音を立てて、地面に倒れ伏した。

 

……これがデビルハンターの力なのか。分かってはいたけど、試してみるとやっぱり凄いな。

 

「こっちのモンスター、全部倒したよ!」

 

「こっちも、終わったよー!」

 

うずめ達の方も終わったらしい。姉妹が怪物を倒した事を俺達に伝えた。本当に倒したのか、あっちも凄いな……。

 

「ふぅ、片付いたか……」

 

怪物を全て倒した事で安心し、うずめは溜息を吐いた。

 

「一応、礼は言っておく。さっきは聞きそびれちまったが、お前ら、あいつの手先じゃないんだな?」

 

あいつか……さっきも言っていたけど、あいつって一体どこの誰なんだ? 気になるな。

 

「あいつ、というのが誰かは分かりませんけど……私達は貴女を戦う意思はありません」

 

ネプギアは自分たちが手先じゃない事を答える。ネプギア達もあいつの事を知らないんだな。……あぁもう、あいつが気になって仕方ない!

 

「そうか……ライジ、さっきは話も聞かないで攻撃して悪かったな」

 

うずめが俺を見て、攻撃してきた事を謝った。よ、よかった~……。

 

「あっ、あぁ……もう済んだ事だし、嬉しさの方が大きいからいいよ。俺、お前達と会うまで誰にも会ってないから不安だったんだ」

 

「私達も人に会えて良かったよ。ここ、本当に誰もいないからさ」

 

どうやら姉妹の方も誰にも会っていないようだな。うずめは何か知ってそうだけど……。

 

「そりゃあ、ここには誰も――――」

 

うずめが何かを言いかけてると突然、周囲が揺れ始めた。えっ、なんだこれ!? 何が起こっているんだ!?

 

「ねぷっ! こ、今度は何事!?」

 

姉妹の方も突然の揺れに驚く。だがうずめは分かっていたかの様に落ち着いていた。

 

「……どうやら、あいつのお出ましの様だぜ」

 

あいつ? またあいつって言ったのか? しかも来るって? この揺れもあいつが来てるって事なのか!?

 

空を見上げると、隕石らしき何かが降ってきていた。あれがあいつ、なのか……? その何かが街に落ちたかと思えば、周辺が紫色に燃え盛り、その中心からは何やら巨人が姿を現した。

 

あぁ、あれがあいつか……

 

 

 

 

 

 

 

 

死ぬな。これはもうヤバいどころじゃない。俺は死んでしまうのかもしれない。

 

俺は現れた巨人を見て絶望的な思いに駆られた。

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