デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話   作:伝説のデビルハンター

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Part.5 今、何が起こっているか

「着いたぞ。ここが、俺の拠点だ」

 

拠点に向かい始めて数分。俺達はうずめに連れられて、古びた建物の中に入った。

 

「ここが拠点なのか? 俺が思ってたのとは違うな」

 

「まぁ、拠点といっても廃ビルの一室なんだがな。野ざらしの外よりはマシだろ」

 

なるほど、古びたビルを拠点に利用しているのか。

 

「おおーっ! 廃ビルを使ってるあたり、いかにも秘密基地って感じでカッコイイかも!」

 

うずめが拠点に使ってる一室を見て、ネプチューンがはしゃぐ。秘密基地か……そう思うと何だかカッコよく見えるぞ、ここ。

 

「うん! 何気ない廃ビルの一室に見えて、必要最低限の住居設備に、回復アイテムと食料。そして、申し分の通信端末。まるで、アニメとかで見るレジスタンスのアジトみたいでカッコイイです!」

 

凄いなネプギア、隅々まで見てるのか。恐れ入ったぜ。

 

「なに!? お前ら、この拠点のカッコよさが分かるのか?」

 

ネプテューンとネプギアが言った、カッコイイという言葉にうずめが食いついた。えーと、俺も言わなくちゃ……。

 

「うん」

 

「はい!」

 

「あっ、ああ! 俺もカッコイイと思うぜ、ここ! これからここで住むって思うと、胸が躍りまくるぜ!」

 

「そうかそうか! ここのカッコよさが分かるのか。なら、悪い奴じゃなさそうだな」

 

この拠点をカッコイイと言われて、うずめは嬉しそうな顔になった。それにしてもカッコイイか。うずめって男っぽい趣味してるんだな。

 

……今の俺、あのデビルハンターな姿になってるんだよな。なら一度でもいいから、誰かにカッコイイって言われたいな。特に女の子から。

 

「さて、時間がないからざっとだけ説明する」

 

嬉しそうな表情から一転、うずめはキリッとした顔に変わった。来たばかりの俺達に、この世界について教えるのか。

 

「さっきも言った通り、あのデカブツが街や世界をぶっ壊してる元凶だ」

 

「確か、街だけじゃなくて土地や空も破壊するんだっけ? ヤバくないか?」

 

「あぁ。だけどアイツの厄介な所は、建物や生き物を壊すだけじゃない。存在そのものを消滅させる力を持つんだ」

 

そ、存在そのものを消す……!? もしその事が本当なら俺、消されちまうのか!? そういうのはやめてくれよ、うずめ!

 

「そして、この国には生き残ってる人間はいない」

 

……何だって? 生き残ってる人間はいない? どういう事だ?

 

「そっか。だから、シェアエネルギーが……」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! ならさっき言ってた奴らって一体何だ? 生き残ってる人間はいないんだろ?」

 

「ああ、人間の代わり……って言い方は変だが、言葉の通じる善良なモンスター達がこの国には多く暮らしているんだ」

 

も、モンスター!? モンスターって、街の外で出会ったあの怪物たちの事か? しかも善良って……何がどうなってるんだ?

 

「そして、今回の作戦目的だが、そいつらがこの街から避難するまでの時間稼ぎだ」

 

そうか、だからうずめはあの場所で怪物、いやモンスターと戦ってたのか……他に仲間はいるのか?

 

「はいはーい、他に仲間とかいないの?」

 

同じ事を考えていたネプチューンがうずめに聞く。こいつ、俺が質問しようとしてたのを……!

 

「残念ながら、戦えるのは俺だけだ」

 

つまり、うずめは今まで一人で戦ってきたのか。とてもハードじゃないか、俺にはとても耐えられない。

 

「うわぁ……それで、よく今まで戦ってこれたね」

 

「正直、俺もよく今まで持ってると思うよ。住めそうな場所を見つけてもデカブツが現れる度に逃げる日々。それを何度も繰り返してるうちに、気がつけば街も大地も壊され、どんどん行き場がなくなってる……」

 

「マジかよ……それじゃあ、どうにもならないって事か?」

 

さっきまで抑えていた絶望感が、今になって増してきた。何なんだよ……前世じゃこんなの無かったぞ。神様から色々な物を貰えたってのに、こんなんじゃ意味ないじゃねぇか……。

 

「もう~二人して暗い顔しちゃってるの? 早い話、あのデッカイのを倒しちゃえば、全て解決だよね? 簡単だって!」

 

だがネプチューヌは違った。さっきの話を聞いても落ち込まず、むしろ元気よく俺達にそう言う。何なんだ、あの明るさ……?

 

「簡単に言ってくれるぜ……悔しいが、こちとら何度も挑んで負けてるんだからよ」

 

「そんな……」

 

まぁ、そうだよな。あの怪物を簡単に倒せれば苦労はしないよな。やっぱ駄目か……。

 

「そんな顔するなよ。今は無理でも、倒す策は考えてあるんだ」

 

……えっ、倒す策はあるって? それって、あのデッカイ怪物を倒す事ができるって事か? 本当か!?

 

よっしゃ、希望が見えてきたぜ!

 

「まだ準備中だけどな。で、肝心の時間だが……」

 

そう言いかけているとうずめの腕の通信機が鳴りだした。うずめは腕をかざして、通信機に向けて話し出す。

 

「俺だ。そっちの避難状況はどうだ?」

 

『うずめか、無事なようで安心したよ。こっちの避難状況は七割と言ったところだ』

 

通信機から返ってきたのは渋い声だった。驚いた。うずめの仲間みたいだけど、こんないい声をしているなんて思っていなかったぜ……。

 

「まだ結構残っているな。それじゃあ、引き続きそっちを頼むぜ」

 

「すまない、苦労をかけるな。うずめも、くれぐれも無理はしないように」

 

向かい側の返事を最後に仲間との通信が切られた。

 

「さて、それじゃあ、そろそろ行くか。くれぐれも忘れ物だけはするなよ」

 

そろそろか。俺はゆっくりと深呼吸して、気持ちを落ち着かせる。この状況、あの伝説のデビルハンターみたいに余裕綽々でいたい。

 

大丈夫だ、今の俺はデビルハンターの力を持っている。だから大丈夫、大丈夫さ……そう自分に言い聞かせて、俺はうずめ達と一緒に拠点を出た。

 

「さて、イカれたパーティーの始まりだ!」

 

拠点を出た俺はテンションを高くして、思いっきり走り出す。そして――

 

「いや、そっちじゃねぇぞ」

 

思いっきり道を間違えたのだった。泣けるぜ……。

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