デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話 作:伝説のデビルハンター
「ねぇ、うずめ。あのでっかいのと戦うのに、なんか作戦はあるの?」
ネプテューンがうずめに質問した。あっ、それ俺も聞きたい。まだ準備中だって言ってたけど、どんな作戦なんだ?
「いつも通りなら、デカブツよりも先にモンスターの群れが街に来るはずだ。まずはそいつらを潰す」
「おっけー。とにかくここに来るモンスター達をやっつければいいんだね!」
まずモンスターの群れを潰す、か。力の見せ所って奴だな。よーし、俺がモンスターを軽く蹴散らして、カッコイイって言わせよう! できるならだけど。
「あぁ、そうだ。頼んだぜ、ねぷっち」
「はいはーい! ……ねぷっち!?」
ねぷっちって呼ばれたネプーンヌが驚いた。
「ネプなんとかだと言いづらいだろ? だから、お前はねぷっちだ」
「出ました、初対面の人が私の名前を言えないパターン……」
自分の名前が言えない事に軽く落ち込むネプゥー……ねぷっち。確かに、ねぷっちの方が言いやすいな。俺、心の中で何度も間違えちゃったよ。
「けど、私的には新鮮で可愛いあだ名だから大歓迎だよ!」
うおっ、何という前向きさ。さっきまで落ち込んでいたのに、もう笑顔になってるよ。
「俺も名前を言えないから、ねぷっちって呼ぼうと思うけど……いいかな?」
「ライジもなの? しょうがないな~、ねぷっちでいいよ!」
「ちなみに、お前はぎあっちな」
うずめはネプギアのあだ名をぎあっちに決めた。
「ぎあっち!?」
「二人共、ネプから始まったら被っちまうだろ? だから、お前はぎあっちだ」
そういえば二人共、名前の最初にネプが付くんだっけ。ならねぷっちだと、どっちがどっちか分からなくなるな。
「ぎあっち、ぎあっちかぁ……えへへっ、あだ名で呼ばれるの初めてかも」
あだ名で呼ばれたネプギアはとても嬉しそうだった。俺はどんなのだろう?
「なぁなぁ、うずめ! 俺は?」
「えっ? 普通にライジだけど?」
悔しい。
そんな事を話していると、うずめが言った通り、モンスターの群れが出現した。
「どうやら第一波のお出ましの様だぜ。気合入れて――」
「ここは俺に任せとけ!」
俺はモンスターの前に立ち、リベリオンを構える。これはチャンスだ。モンスターを倒して、うずめ達にカッコイイ所を見せてやろう。
「おい、ライジ! お前一人じゃ危険だ!」
「大丈夫だって。それじゃあ、行くぜ!」
うずめの制止を振り切り、俺はモンスターの群れに突っ込んでいく。それに反応したモンスターが攻撃してくるが、俺はスライディングして群れの中に入り込む。そして群れから抜け出すと体勢を立て直し、モンスターを挑発する。
「来いよ、ウスノロ!」
挑発を受けたモンスターは激昂し、一斉に襲い掛かってきた。俺はリベリオンで攻撃をいなし、モンスターを斬っていく。
「ウォォォ゙ォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」
モンスターは今度、俺の周りから同時に襲い掛かる。よし、ここは――
「ハッ!」
俺は並外れた跳躍力で真上に飛び、モンスターの攻撃をかわした。空高くまで飛んだ俺は拳銃、エボニーとアイボニーを取り出す。
「イェアァー!」
空中で逆立ちの状態になった俺は回って、真下にいるモンスターに発砲する。雨の様に降りだす弾丸がモンスターを倒し、立っている奴はいなくなった。
俺は空中から華麗に着地し、カッコよく決めた……と思う。
「うわぁ……今の、凄かったね」
「うん。あんなにいたモンスターを倒しちゃうなんて、信じられないよ」
「なんて野郎だ……ああも呆気なく倒すなんてよ」
俺の活躍っぷりを見ていた三人が感嘆している。俺の事を、三人が注目してくれている……くぅ~、嬉しいぜ!
「どうだ! さっきの俺、カッコよかっただろ?」
「……なんでそんなに強いかは置いといて、カッコよかったよライジ! 正にスタイリッシュって感じでさ!」
ねぷっちが言った言葉が俺の心に響いた。スタイリッシュとは、あのデビルハンターのためにある言葉だ。それを言われるなんて俺、あのデビルハンターの様に戦えたって事か! 感激だぜ!
「うんうん、ねぷっちの言う通りだ。お前、最高にカッコよかったぜ! ……ところでなんだけどさ、お前は一体どこから来たんだ? ねぷっち達とは知り合いじゃなさそうだが……」
「うっっ!!」
やべぇ。来ちゃったよ、この質問。どうしよう。前の世界で死んで転生した、なんて言える訳がない。えーとえーと、えー……。
「もしもーし! ライジ、聞こえてる?」
「あっ、ああ! 聞こえるぜ、それはな……」
「グルルルル……」
俺が言葉に詰まっていると、今度は大きな犬らしきモンスターが出現した。な、何だあれ、ケルベロスか!? いや、頭は一つだし……違うか?
「はっ、やっぱテメェも来たか」
「なになに? うずめはあのモンスターとお知り合いなの?」
モンスターを知ってる素振りを見てたうずめに、ねぷっちが質問してくる。あのモンスターと因縁でもあるのか?
「知り合い? そんなのとっくに通り越して腐れ縁だぜ。こいつには、何度もあのデカブツとのタイマンをされたからな」
うずめは因縁のあるモンスターと向き合うと、青く輝くクリスタルを取り出した。
「そ、それはシェアクリスタル!?」
シェアクリスタルだって? うずめが持っているのってシェアクリスタルなのか? というか、知ってるのかネプギア!?
「おい、犬っころ! テメェとの因縁も今日限りで終わりにしてやる! シェアクリスタル、変身!」
うずめはシェアクリスタルを胸に当てると、全身が光に包まれた。何だこの光!? 眩しい! 一体どうなってるんだ?
「変身かんりょー!」
「……へっ?」
光が晴れるとうずめの姿が変わっていた。赤かった髪はオレンジ色になり、服も白いレオタードみたいなのになった。声色の方も男っぽい声から女の子っぽい声になっていた。
「だ、だれーーー!?」
変身前も明らかに違ううずめの姿に、俺達の声は綺麗にハモった。いやホントに誰なんだ……。