デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話 作:伝説のデビルハンター
「もう、誰って失礼だなぁ。うずめだよ、う・ず・め。一緒に頑張ろうね、みんな」
驚いてる俺たちに、自分の名前を強調するうずめ。いや全然違うよ、さっきまでのうずめじゃないよ。何でああなったんだ。変身ってあんなに変わる物なの?
「グガアアァァ!!」
変身したうずめに戸惑っていると、犬のモンスターが大声を上げて突進してきた。あっ、そうだ。こいつ忘れてた。
「あぶなっ!」
「きゃっ!」
俺とうずめは難なくかわし、ねぷっちとネプギアは間一髪で避けた。これは早めに倒さないといけないな。
「いっくよー!」
俺が動くより先に、変身したうずめがモンスターに動き出した。あれ、空飛んでる?
「うわー!」
手に持ったメガホンで叫び、音波に変えてモンスターに当てる。音波……うずめってあんな攻撃方法を持ってるのか。
「ググゥ……」
音波を当てられたモンスターは傷ついて、後ろに下がると俺達に向けて炎を吐き散らす。うおっ、こっちに来た! 俺は高く跳躍して、モンスターの炎を避けた。
「真上がお留守だぜ!」
モンスターの真上に飛んだ俺は、リベリオンを振り降ろし、勢いよく落ちていく。だが――
「へぇっ!?」
モンスターが咄嗟に後退し、俺の攻撃をかわしたのだった。外した!? そんな! 攻撃を外してしまった俺は、反動で怯んでしまう。
「グハアァ!」
それをチャンスにモンスターが、今度は一直線に炎を吐いてきた。
「あっ、ふあぁっ!」
怯み状態から立ち直った俺は、迫ってくる炎を見て、咄嗟にローリングで回避した。あ、危なかった……。
「こっちだよ!」
モンスターがまた炎を吐こうとしてると、近づいたうずめがモンスターを殴り飛ばす。と言ってもモンスターは大きく後ずさっただけだが、それでも攻撃は効いていた様で、今度はモンスターが怯んでいた。
「わあああああああぁぁ!!」
うずめの左右に大きな魔法陣が現れる。うずめがメガホンを通して大声を出すと、その魔法陣から光線が飛び出し、モンスターに当たって倒したのだった。
な、何だあれ……あれが変身したうずめの力って事なのか? 俺とはまるで違う。軽くショックを受けちまったぜ……。
「ほにゃぁー、わんわんに勝てたぁー!」
わ、わんわん? あのモンスターの事を指してるのか? いや、確かに犬っぽいけどな。うずめ、変身して色々変わったな……。
「わ、私の出番が無かった……だと……?」
俺と同じ事で落ち込んでるねぷっち。分かるぜ、その気持ち。さっきのモンスター、うずめだけで十分だったんじゃないかな……。
「私も活躍できなかったな……えっと。女神のうずめさん、お名前は?」
「オレンジハートだよ♪」
変身したうずめはオレンジハートと名乗った。オレンジハートって、英語でオレンジの心だっけ?
「それにしてもさ、うずめの女神化にはびっくりしたよ。もっと強気な性格になると思ったら、まさかの真逆なんだもん!」
とっくに立ち直ったねぷっちがそう言う。女神化……うずめがさっきした変身の事か。ところで、女神ってどんなのだろう?
「あれ? ねぷっち、どうして女神の事を知ってるの?」
「そうそう。いろいろあって言いそびれたけど、私たちもうずめと同じ女神なんだよ!」
「……えぇっ!?」
め、女神!? ねぷっち、お前女神だったのか!? というか女神って何!? 俺はそれが聞きたいよ!
「ホントなの!? 嘘じゃないよね?」
「ホントホント! 泣く子も黙るプラネテューヌの女神、パープルハートとは私の事だよ!」
ぷら……なんだって? ねぷっち、今なんて言った? パープルハート? いや、知らない。
「と言っても、ここじゃシェアがないから女神化して見せる事はできないんだけどね」
シェア……確か、うずめがシェアクリスタル持ってたよな。それがないと女神化できないのか? どんな仕組みになってるんだろう……。
「てことは、ぎあっちも女神なの?」
「はい、そうです。……ただ、私の場合はまだ女神候補生なんですが」
女神候補生? 候補生って、女神にそんな物があるのか? ますます分からなくなってきた……俺、置いてけぼりになってるよ。
「へぇー、奇遇だねー。まさか、こんな所でうずめ以外の女神に出会うなんて超ビックリだよー」
俺はこんな所で女神自体に出会った事にビックリしてる。しかも三人。そのうち、一人は候補生という。ねぇ、どこなのここ? 俺はどこに転生したの? 聞こえるなら教えて、神様。
「それは私たちもだよ。けど、これも何かの縁だし、仲良くしようね!」
「そうだね――」
突然、オレンジハートが光に包まれた。これって、さっき変身した時と同じ光?
「……ちっ、時間切れか」
光が晴れると、元のうずめの姿に戻っていた。時間切れ? 女神化に制限時間とかあるの? どういう事? しばらくしたら解ける物なの、女神化って?
ああ、もう。我慢できない! 俺は思い切って、うずめ達に聞いてみる事にした。
「あ、あのさ――」
「グルルルル……」
だが、俺の声はモンスターにかき消された。見ると、うずめが倒したはずのモンスターが起き上がっていた。
「嘘、まだ生きてるの!?」
「ちっ、しぶとい野郎だ。まだやろうってのか!」
「なら、今度は私も相手になるよ!」
またあいつと戦うのか……そう思っていると、不利だと感じたのか、モンスターは俺達に攻撃する事なく逃げていった。
「逃げた……のか?」
「ははーん。さては私の強さに気づいて逃げたパターンだね」
「お姉ちゃん、戦ってないよね……」
うん、お前は戦ってないよ。まぁ、最後は逃げられたものの、モンスターの群れは全滅させる事はできた。
「あいつを逃がしちまったのは悔しいが、まあいい。これで存分にデカブツと――」
瞬間、うずめの所から大爆発が起こり、俺達はその爆風に吹き飛ばされた。
「なっ、うずめ!? だいじょう――」
何とか受け身を取り、うずめに駆け付けようとする俺だったが、隕石が落ちてくるのに気付く。何だあれ、どっから来たんだ!?
そして隕石は俺に直撃し、大爆発を起こした。