デビルハンターとなった少年がゲイムギョウ界を駆け巡る話 作:伝説のデビルハンター
あのデカブツから逃げてから翌日。毛布から抜け出した俺は、昨日の事を思い返す。
自分が死んで転生した事。半人半魔の身体を試してみた事。この荒廃した街に来た事。うずめとねぷっち、ネプギアに会った事。デカブツと遭遇した事……後、三人が女神だって事。
「ありえねぇ……」
昨日の事を振り返り、俺は改めてそう思った。まず転生ってどういう事だよ。あの時は舞い上がってて気にならなかったけど、冷静になってみるとやっぱりおかしいよ。それに、行先がモンスターがうじゃうじゃいる街って。それだけでもヤバいのに何、あのデカいの? 俺、一回死にかけたよ。特典で不死身の身体になったから死ななかったけど。
次に女神ってどういう事? 俺がこの街で会った女の子全員が女神って。一人は候補生だろとか、そういう問題じゃねぇ。ぷら何とかっていう、まったく知らない場所もあるそうだし。結論として、ここは一体何なんだ。
「……皆に顔を合わせるか」
散々愚痴っといてアレだが、この事を考えるのはやめよう。考えてもどうせ分からないし。うん、やめようやめよう。
色んな事を考えるのをやめた俺は、三人に挨拶しようと拠点の中を歩いた。ところがである。
「…………」
いなかった。本当ならここにいるはずの三人が、どこにもいなかった。あれれ、おかしいなー? みんなどこに行っちゃったのかなー。まさかここにいるの、俺だけって事はないよね?
「うずめー! ねぷっちー! ネプギアー!」
三人の名前を大声で叫ぶ。だけど返事はなかった。……マジで? 嫌だよ、一人だなんて。もしモンスターが襲ってきたら、俺どうすればいいの?
「三人を見つけないと……!」
慌てて外へ出て、三人を探し始める。どこだ……あっ、いた! 遠いけど三人の姿が見える! というか遠すぎ! 俺を残してどこに行くの?
「おおおおぉぉーーい!」
すぐに走って三人を追いかける。と言っても距離はすぐに縮まり、数秒で三人に追いついた。
「あっ、ライジだ。おはようー!」
「おはようございます、ライジさん」
「ライジも起きたんだな。どうだ? 昨日はぐっすり眠れたか」
俺に気づいた三人はそれぞれ挨拶した。
「ああ、おはよう。ぐっすり眠れたよ……じゃなくて! みんな、これからどこへ行くんだ?」
「あの街だ」
うずめは向かい側の街を見て答える。
「デカブツがいないとはいえ、あそこにはまだ凶暴なモンスターが蔓延ってるからな。避難した連中のために、目立つ奴を倒しておくのさ」
「そうなのか。それで、何で俺を起こさなかったんだ?」
「何でって、人が気持ちよく寝てる所を叩き起こすのは悪いだろ?」
「そうか? ……そうだな」
うずめの言う事にも一理あるな。気持ちよく寝てる所を起こされたら、嫌な気分になるよな。まぁ、こっちからしてみれば、無理にでも叩き起こして欲しかったけど。起きたら誰もいないから不安だったよ。
「モンスター倒すんだったら、俺も一緒に行っていいか? 俺、戦えるし。一人でも多い方が楽だろ」
「一緒に行くのはいいんだけどさ、昨日の赤いコートとデッカイ剣はどったの?」
「えっ?」
ねぷっちに言われ、俺は自分の身なりを確認する。……コートとリベリオンがない! しまった、拠点に置きっぱなしだった!
「なぁ、少しだけ時間をくれないか? 今すぐ拠点に戻って、武器とコート取ってくるから!」
「えぇー、ここからって時間かかるよ?」
「大丈夫。俺なら数秒で行ける!」
「す、数秒!?」
ネプギアの驚く声を耳に、俺は急いで拠点へとんぼ返りする。コートとリベリオン、そしてエボニーとアイボニーを装備して、三人の所へ戻った。
「おまたせ!」
『…………(ぽかーん)』
返事がない、ただの屍の様だ。
街に着いた俺達は、さっそくモンスターを倒す。街のあちこちにいるモンスターを見た時は倒せるか不安だったが、一度戦ってしまえば何も問題なかった。
「ハァ!」
モンスターが攻撃してくるのを余裕で避け、リベリオンで斬る。でもって、攻撃のチャンスがあれば逃さず、素早く接近して斬りまくる。基本、これの繰り返しだった。
「ガウゥ!」
二本足で立った、大きい亀のモンスターがパンチを繰り出す。俺はリベリオンでパンチを弾き、モンスターを怯ませた。
「イヤッ!」
隙まみれになった所で、俺は強力な突きでモンスターを吹き飛ばす。これで全部。俺は周りにいたモンスターを全て倒した。よし、今日は絶好調だな!
「とりゃあ!」
おぉ、ねぷっちも結構やるじゃねぇか! 俺が見た物は、ねぷっちが軽々とモンスターを倒す光景だった。昨日は見れなかったけど、こうして見てみると強いんだな、ねぷっちって。
「ふぅ。気になるのは、こんなもんか。思ってた以上にねぷっちも戦えるんだな」
「ふっふーん。まさに、能ある鷹は爪を隠すって奴だよー」
自慢げに言うねぷっち。そういえば、ねぷっちも女神なんだっけ。やっぱり女神ともなると、強いんだなぁ。
「さて、そろそろいい時間だし、向こうにいるぎあっちを迎えに行こうぜ」
「じゃあ、俺がネプギアに言ってくるぜ」
二人にそう言って、俺はネプギアを迎えに行った。
「おっ、あそこだな。おー……」
ネプギアを見つけ、声をかけようとする。だがネプギアが持ってる端末に、何か映っているのが見えた。うん? ネプギア、一体何を見てるんだ? どれどれ……。
『にっき 11がつ27にち』
『■■■■■■のきょうかいで■だいめの、あたらしい■■がたんじょう』
日記? なんてネプギアの端末からあんなのが? それに所々、伏せ字になってる。何々のきょうかいで、何代目のあたらしい何かが誕生した?
『■■がつ■■にち』
『うまれたばかりの■■を、わたしたちは■■■と名づけた』
ネプギアが端末が操作すると、次の文章が映った。何月の何日だって? うまれたばかりの何かに、何て名づけた?
『■がつ■にち』
『■■■があらたなちからをおぼえる。おぼえたちからを■■とよぶことに……』
新たな、力?
『1がつ31にち』
『■■■の■■がつよすぎる。だめだ……■■■にも、わたしにも、てにおえない!』
「ひゃっ!」
「うおっ!?」
突然、ネプギアが声をあげた。な、何だ! 何があったんだ!?
「あ、あぁ……」
振り返ったネプギアの顔は、何だか赤くなっていた。えっ、俺? 俺を見てるの? 一体どうして……あっ。
「……し、しまった」
ヤバいな。俺、思いっきりネプギアの身体触ってるじゃん。端末の日記に気を取られてて気づかなかった。
「い……」
「い?」
「いやああああああああ!!」
ネプギアの容赦ないビンタが俺に振りかかった。
「あばぶっ!」
い、いてぇ! 下手すると、モンスターの攻撃より痛いぞこれ! ビンタを食らった俺は吹き飛ばされた。
「……あっ! だ、大丈夫ですか!?」
我に返ったネプギアが心配して、倒れた俺に駆け寄った。い、色んな意味で大丈夫じゃない……けど。
「大丈夫だ、問題ない。ネプギアの身体を触った俺が悪いんだ」
俺は起き上がって、ネプギアに謝った。……頬が痛い。モンスターの攻撃は平気なのに、何でこれは?