――シロ視点――
ここは何処でしょう?記憶が曖昧で、なんでこんな所にいるかも分からない。
いったた。体の所々に包帯が巻かれて……、結構染みるかも。
知らない間に着替えもさせられてたから、ここは病院かな?
病院の世話になった事有るかな?また何かやらかしてたらどうしよう……。
「あ、シロ起きた?
体の具合は大丈夫かい?」
「あ、ありがとうございます」
隣のベッドにユーキさんが腰掛けていた。
右腕にギプスを付けて、カードを広げて唸りながら。
確かに遊戯王は面白いけど、怪我してる時にそんな必死に考えないでも。
「あの、私何かやらかしちゃいました?」
「覚えてないならそれでいい、気にせずに大会に参加して。
ボクとユーヒは用事を思い出したから、大会は任せた。
……あと、デッキからイモータルペインは抜いておいて、絶対に使っちゃダメ」
「え、わ、分かりました。でも……」
でも、なんでイモータルペインを……?
形見のカードを使うなと言われると、良い気分では無いですね。
……出す機会は少ないですし、然程変わりはしない。むしろ枠が空いて回しやすくなる。
でも、なんか……。
「大会は明日。デッキを組み直す時間はある。新しいデッキを組むってのも案。
お願い、あのカードだけはやめてくれ。強いて言うなら、ボクの右腕の怪我に関わっている」
あの右腕どうしたんでしょう……。
大怪我、ですよね。イモータルペインがユーキの腕をあんなにしたのなら、使用は控えるべきでしょうか?
このカード、どんな力が秘められているのでしょう……。
――ユーキ視点――
「リチュアとは別のデッキだったんで、デッキを変えれば大丈夫です」
「なら良かった。仲間を見つけるのは二の次で良いから、楽しんでやってきて」
大会の件は頼んでおいた。後はアカデミアを待ち受けるだけ。
儀式召喚を使ってみたけど、正直肌に合わなかった。
デミスを素材にエクシーズでも狙ってみるかな。除去してから展開して殴ればダメージ稼げそう。
ただライフコストも重たいし、ストレージに入ってたバニラも枠を使うからなぁ。
うーん……。
まぁ、なるようになるさ。最後に物言うのは運と経験、考えても仕方が無い。
ユーヒが偵察に行ってくれてるから、何かあったらすぐ動けるようにしとかなきゃ。
『ユーキ、聞こえる?奴等随分早い内にこっちに来たみたい。
恐らく施設内に潜り込んで反応を探ってくるはず。どうする?』
予想より早かったな。アカデミアの連中は大会に合わせて動き始める、と思う。
大会前に襲撃して騒ぎになったら目当てのカードの持ち主と接触できないため潜伏する。
逆にこっちが先に奇襲して戦意を喪失させ、襲撃前に撤退させる。
「先に仕掛ける。ボクが背後から奇襲するけど、陽動頼めるかな?」
「正体を晒すのは勘弁したいけど、デッキは用意してある。
ただ戦力として期待しないで、それじゃ、作戦開始!
座標は転送した、先に誘き出してる。期待してるよ!」
「了解!」
――ユーヒ視点――
「ハングリーバーガーで直接攻撃!」
「うわあああぁぁぁ」
OBELISK3 LP2000→0
ハンバーガー姿のモンスターが最後のオベリスク・フォースに噛み付きライフを削り取った。
適当に剥いたパックだけで組んだデッキなのに、こんなあっさりやられるのは残念。
攻撃力たった2000のバニラ儀式なのに、バック数枚割られただけで戦意喪失しボコボコにされるとは。
「居たぞ、こっちだ!」
数だけは評価できるけど、もうちょい実力が欲しい所ね。
正直古代の機械は構築内容も粗方把握できてるから相手しててつまらないのよ。
あくまで陽動が目的だけど、軽く捻ってから退がるかな。
「たった1人に何人やられてんだよ。俺がサクっと仕留めてやるから退いてろ」
見るからに厳つい大男が茂みを掻き分け現れた。
こんな奴居たっけ……?融合次元では会った記憶が無いんだけど。
「さっさとディスクを構えろ。こっちも暇じゃねぇんだよ」
「じゃ、さっくり倒して計画の邪魔してやろうかな」
「「デュエル」」
DUEL START!
YUHI
LP4000
VS
BARRY
LP4000
――BARRY turn――
BARRY
LP4000
手札5
「俺は手札からサンダー・ドラゴンを捨てて、デッキからサンダー・ドラゴンを2枚まで手札に加える。
そして手札抹殺発動、5枚捨て、5枚ドロー!」
儀式魔人が落とせた。後は相手が高打点のモンスターを出さなければ……。
「カードを5枚伏せ、ターンエンド」
BARRY
LP4000
手札0
伏せ×5
――YUHI turn――
YUHI
LP4000
手札6
「私のターン。
伏せが5枚、羽根帚は手札抹殺で墓地へ行った。
……だが除去の方法なら幾らでもある!
手札から祝祷の聖歌発動。手札の聖刻龍-トフェニドラゴンをリリースして、
手札から竜姫神サフィラを特殊召喚!」
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
澄んだ青色の鱗を持ち、翼を広げながら人型の竜が舞い降りる。
「トフェニドラゴンの効果で、デッキからエレキテルドラゴンを攻守0の状態で特殊召喚!」
「……」
ここまで動いて反応無し!?
いや、エクシーズを警戒しているならここで動かずにそのまま……。
攻撃妨害系……、だけどトフェニは効果では1回だけ守れる。
破壊される事で起動するカード?どれだ……、相手はどれを狙っている……?
「ええい、迷ったら負ける、臆さず攻める!
サフィラで相手プレイヤーに直接攻撃!」
BARRY LP4000→1500
「カードを2枚伏せてターンエンド。
エンドフェイズ時、サフィラの効果でトフェニドラゴンを手札に加える」
YUHI
LP4000
手札2(トフェニドラゴン×1)
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
エレキテルドラゴン
☆6 DEF0
伏せ×2
――BARRY turn――
BARRY
LP1500
手札1
伏せ×5
「俺のターン。モンスターをセットしてターンエンド」
「ならエンドフェイズ時にリバースオープン、復活の聖刻印!
デッキから聖刻竜-シユウドラゴンを墓地へ送る。
そして光属性モンスターが墓地へ送られた事によってサフィラの効果発動!
2枚ドローし、1枚捨てる」
BARRY
LP1500
手札0
裏守備モンスター×1
伏せ×5
――YUHI turn――
YUHI
LP4000
手札4(トフェニドラゴン×1)
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
エレキテルドラゴン
☆6 DEF0
復活の聖刻印
伏せ×1
「私のターン。エレキテルドラゴンをリリースして、手札からトフェニドラゴンを召喚。
トフェニドラゴンをリリースして聖刻龍シユウドラゴンを召喚してトフェニドラゴンの効果で墓地のエレキテルドラゴンを特殊召喚!
エレキテルドラゴンとシユウドラゴンでオーバーレイ、エクシーズ召喚、聖刻龍王-アトゥムス」
聖刻龍王-アトゥムス
★6 ATK2400
「リバースオープン、エネミーコントローラー。
効果で俺のセットモンスターをリリースし、アトゥムスのコントロールを得る」
突然現れたゲームコントローラーがガチャガチャと自動でコマンドを入力し始める。
アトゥムスが飛翔し、こちらに体を向け牙を剥いた。
「コントロール奪取……。
アトゥムスは残しておきたいし、エンドフェイズに帰ってくるなら。
カードを1枚セットしてターンエンド」
「本当ならエネミーコントローラーの効果でアトゥムスのコントロールは戻る。
だがこのタイミングでリバースオープン、神秘の中華なべ。
効果でアトゥムスをリリースし、その攻撃力分のライフを回復する」
BARRY LP1500→3900
「アトゥムス……。
エンドフェイズ時にサフィラの効果を発動。
カードを2枚ドロー、その後カードを1枚捨てる」
YUHI
LP4000
手札2
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
復活の聖刻印
伏せ×2
――BARRY turn――
「俺のターン、ドロー!」
BARRY
LP3900
手札1
伏せ×3
「カードをセットしてターンエンド」
「な!?
ふ、復活の聖刻印の効果を発動。デッキからトフェニドラゴンを墓地へ送る。
そして光属性モンスターが墓地へ送られた事でサフィラの効果発動、墓地のオネストを手札に」
BARRY
LP3900
手札0
伏せ×4
――YUHI turn――
YUHI
LP4000
手札4(オネスト×1)
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
復活の聖刻印
伏せ×2
「私のターン。手札からマンジュ・ゴッドを召喚して効果で祝祷の聖歌を手札に加える。
サフィラとマンジュの攻撃でライフは0、バトルフェイズ!」
マンジュ・ゴッド
☆4 ATK1400
「威嚇する咆哮を発動。相手は攻撃宣言できない」
「貴方に長いことかまってる暇は……。ハッ!」
気付けばあんなに居たオベリスク・フォース達の姿が消えていた。
こいつの狙いはまさか時間稼ぎ!?大会はもう開催している、
ユーキも合流出来ていない事を考えると、まだアカデミア次元の奴の相手をしているはず。
「……気付いた様だが、勝負はこちらの勝ちで終わる」
「だけどその伏せカードは……。ターンエンド」
YUHI
LP4000
手札4(オネスト×1、祝祷の聖歌×1)
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
マンジュ・ゴッド
☆4 ATK1400
復活の聖刻印
伏せ×2
「教えてやろう。
融合次元で育てられた兵士の力を」
――BARRY turn――
BARRY
LP3900
手札1
伏せ×4
「俺のターン……。
リバースオープン、ゴブリンやりくり上手を3枚発動。
そしてチェーンして手札から非常食を発動だ」
「な、こ、これって」
「組み込まれる事が少ない物だから見るのは初めてか?
チェーンの逆順処理でやりくり上手を3枚墓地へ送り3000ライフを回復。
そしてやりくり上手の効果で合計12枚ドローし3枚デッキの下に戻す」
BARRY LP3900→6900
やりくりターボ……だっけ?
サポートカードが禁止カードとなって遅くなったって聞いたけど。
実際に見てみると凄い。手札が1枚から9枚に。
「カードを4枚伏せる。そしてリバースオープン、光の招集。
手札を全て捨て、墓地のサンダー・ドラゴン3枚と心眼の女神2枚。
そしてリバースオープン、融合。手札のサンダー・ドラゴン2体で融合召喚。
轟け、双頭の雷竜」
双頭の雷竜
☆7 ATK2800
「リバースオープンだ、2枚目の融合。
手札のサンダー・ドラゴンと心眼の女神で融合する。
現われろ、2体目の双頭の雷竜」
場に雷を纏った双頭の竜が荒れ狂う。
2体の竜が咆哮を上げると、周囲一帯に雷が降り注いだ。
「この程度では終わらぬよ。
リバースオープン、融合回収、効果で墓地の融合とサンダー・ドラゴンを手札に。
リバースオープン、貪欲な壺、墓地のサンダー・ドラゴン2枚と心眼の女神1枚、融合呪印生物・光2枚をデッキに戻す。
そして2枚ドローする。サンダー・ドラゴンの効果で自身を捨てデッキから2枚のサンダー・ドラゴンを手札に。
融合発動、手札のサンダー・ドラゴン2枚で融合召喚、轟雷と共に駆け抜けろ、双頭の雷竜!」
双頭の雷竜
☆7 ATK2800
双頭の雷竜
☆7 ATK2800
双頭の雷竜
☆7 ATK2800
「攻撃力2800のモンスターが3体……でも、私の手札にはオネストが居る。
簡単にはやられは「それはどうかな」な!?」
「異次元の指名者発動、効果でオネストを指定する。
お前の手札にオネストが有った場合、それを全て除外する」
公開した手札にはオネストが2枚存在した。
手札のオネストが2体除外される。
「バトルフェイズ、双頭の雷竜でマンジュ・ゴッドへ攻撃!」
YUHI LP4000→2600
「続けて双頭の雷竜でサフィラに攻撃だ」
「させない、リバースオープン、ハーフ・シャット!
効果でサフィラは戦闘では破壊されない。
そしてもう1枚のリバースオープン、ガード・ブロック。
効果でこの戦闘で受けるダメージは0となり、デッキから1枚ドローする!」
サフィラ
☆6 ATK2500→1250
「最後の雷竜でサフィラに攻撃だ」
YUHI LP2600→1050
「ぐぅ……。だけど攻撃は全て耐えた!」
「手札から速攻魔法、究極への昇華を発動。
その効果で俺のフィールドの双頭の雷竜3体を除外、融合素材として融合召喚する。
竜の名を冠す雷の化身達よ、1つとなりて咆哮を上げよ、現われろ、レベル9、
雷竜達が天へと飛翔し雷雲の中へ消えてゆく。
稲光と共に舞い降りた竜は体の所々が機械でできており、蒸気を噴き上げていた。
融合兵器-サンダー・ドレイク
☆9 ATK2900
「同名モンスターの3体融合……、それも融合モンスターで」
「融合兵器、試作中だがこれで十分だろう。
サンダー・ドレイクは1ターンに3回まで相手モンスターに攻撃できる。
さぁバトルだ。サンダー・ドレイクでサフィラへ1回目の攻撃!」
雷竜の口元に電気を帯び始める。
これをサフィラが受ければ1650のダメージ、ライフは0となる。
オネストが消えた今、打開策は無し。相手を侮り過ぎて居たのが敗因だったか……。
「手札からサイコ・スパイダーを捨てて効果発動!
サンダー・ドレイクを除外し、そのレベル×400ポイントのライフを支払う」
YUKI LP4000→400
――ユーキ視点――
YUKI LP4000→400
「結構、辛い……かも」
力だけで薙ぎ倒すのがボクのデュエルだった。
でも今はそれだけじゃない。技や戦術を磨くために様々なカードを組み込んだ。
それに2対1、苦戦しても負けはしないはず。
「増援か、だが遅かったな。
既に作戦は決行されている」
「こっちも味方が何とかしてくれるはずだと信じてるから。
今は目の前の奴を倒すのみ」
「……その意気やよし。
これで俺はターンエンドだ。来い、少年!」
「エンドフェイズ時に復活の聖刻印の効果発動!
アセトドラゴンを墓地へ送り、サフィラの効果を発動する!
相手の手札を1枚選んで墓地へ送る」
BARRY
LP6900
手札0
融合兵器-サンダー・ドレイク
☆9 ATK2900
――YUKI turn――
YUKI
LP400
手札5
「ありがとユーヒ。これで安心して動けるよ。
ボクのターン、手札から時の巫女剣士-アリス召喚」
背後の時空が歪み、黒の巫女服に身を包んだ剣士が姿を現す。
時の巫女剣士-アリス
☆4 ATK1600
「そいつが3回まで攻撃できるって事を利用すれば良いんでしょ?
強制転移発動、アリスのコントロールを渡す」
「仲間を売るか、戦況によって味方を切り捨てられる決断力も兵士に必要な素質だ。
俺はサンダー・ドレイクを渡す」
「褒め言葉として受け取っておくよ。
バトルフェイズ、サンダー・ドレイクでアリスへ攻撃!
この瞬間、アリスの効果が誘発する。
アリスは攻撃対象に選択された場合、1000LPを払いその攻撃を無効にする」
BARRY LP6900→5900
「2回目、3回目の攻撃!」
BARRY LP5900→4900→3900
「惜しい、がまだ足りんぞ!
あと3900を削り切れないと勝機は失われる」
「だったらこのターンで仕留めるまでだよ。
手札からフォトン・リード発動。現われろ、星因士 シャム!
シャムの特殊召喚に成功したため1000ポイントのダメージ!」
BARRY LP3900→2900
「星因士、聞いた事も無いがテーマの1つか。
成程、様々なテーマのカードを織り交ぜたビートバーンか」
「正解。まぁコントロール操作も入れてるけど、今はそれはいいかな。
シャムで攻撃、アリスの効果で1000ライフ払って貰うよ!」
BARRY LP2900→1900
「そして手札から修正の巫女剣士-クロノの効果発動。
サンダー・ドレイクを手札に戻し、このカードを特殊召喚する!」
「成程、手札に戻す代わりにエクストラデッキに戻す事で2度目の登場を封じる……と」
「保険だよ保険。このターンで仕留められる。
クロノで攻撃。そしてアリスの効果で無効にされる」
BARRY LP1900→900
「あと1押しだったな」
「いや、届いたよ。
……いつからボクが1人で挑んでると思ってたの?
――YUHI turn――
YUHI
LP1050
手札3(祝祷の聖歌×1)
竜姫神サフィラ
☆6 ATK2500
復活の聖刻印
「私のターン、アリスへ攻撃」
「成程、良い連携だな。
俺も力量を見誤るとは、まだまだ足りぬと言う事だったか」
BARRY LP900→-100
――???視点――
「随分腕を上げたね。中々に扱いにくいカードをそれなりに上手く使ってる。
でも素直にパワーカードを使ってた時の方が純粋に強かった。
デッキ組み換えが吉と出るか凶と出るか……、フフフ、見ものだね」
今日の最強カード
時の巫女剣士-アリス
☆4/光属性/戦士族/ATK1600/DEF900
「時の巫女剣士-アリス」はフィールド上に1枚しか存在できない。
①1ターンに1度、このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
手札1枚をデッキの一番上に戻し、このカードを特殊召喚できる。
②このカードが攻撃対象に選択された場合発動する。
その攻撃を無効にし、自分は1000LP払う。
押し付けて相手をボコボコにしたモンスター。
自己再生能力を持っているクレボンスの様な効果を持っているが、
こちらは強制効果なので扱いにくい。