遊戯王E   作:我深遠ヨリ来ル者也

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6:探求者達、追い求める力

 

――ユーキ視点――

 

「俺の負けだ。だがここで死ぬ程、俺は安く無い。

 ここは一旦退かせて貰う、次に会う時はお互い全力でぶつかり合おう」

 

 追い打ちを仕掛けるか?

罠……、だとしたらここで下手に動くのは不味い。

でも儀式次元に来て初めてボク達の存在を知ったとしたら、誘い込みをする時間は無い。

どうするのが最善だ?出来る限り多くを救う手段は……。

 

『ユーキさん、不味いです。これ以上は、耐えられません!

 救援はまだですか!?』

 

 ……戻った方が良さそうだ。頭を失ってもまだ作戦を続けるのか。

だけど、指揮が取れなくなって戦意喪失するはず。その内オベリスク・フォースも撤退するだろう。

万が一って事もあるし1回戻るとしよう。

 

「了解。今から向かうからあと10分、いや、3分耐えて!

 ヒートエイジ イラプターを召喚、目的地島の真ん中、大会会場!」

 

 炎を纏った翼竜の足に捕まり飛翔する。

振り落とされるかもしれないけど、何とか片手で捕まって行ける。

 

 

――シロ視点――

 

「古代の機械巨人で攻撃、アルティメット・パウンド!」

 

SHIRO LP2100→200

 

「ううぅぅ……」

 

 この青い人達、想像以上に強いし人数が洒落にならない程多いです。

3人がかりってだけでも辛いのに、1人は戦闘補助、1人は効果でダメージを稼ぎ、もう1人は他の2人のカバー。

それにバトルフェイズ中にサポートをして戦うデッキには相性が悪い。最悪の状況です……。

 

「どうした、その程度の実力で俺らに挑んたってのか?

 カードが泣いてるぜ、あっちの格好良い兄さんに使って貰いたいーってな」

 

「それでも勝つのは私です!」

 

 でも、どうやってこの盤面を突破すれば……?

相手は古代の機械巨人と伏せカードが3枚。私の場にはカードが無し、手札は使えないカードを含め4枚。

ライフは相手が4000で私が200、圧倒的な力量差を感じる、でもこの戦いは負けられません!

 

「私の、ターン、ドロー……。

 私はこれで、ターン終了です……」

 

「ハッハハハァア!

 儀式次元もこの程度、エクシーズよりもぬるいぜ!」

 

 

 

「ならオジサンの相手もして貰おうかな。

 儀式次元には借りがあるから軽く手合わせしてやろう」

 

 観客席から飛び降り眼前にタキシード姿の男性が着地した。

そしてディスクを構えつつワインの栓を開け、グラスに注いだ。

 

「ドロー!手札からハーピィの羽根帚、続けてブラック・ホールを発動!」

 

 突如現れた姿の男性が発動した2枚のカードによって場が全て薙ぎ払われる。

 

「まだまだ続くぞ、遅れるなよ?

 手札から運命融合発動、デッキトップの3枚を確認、その中にモンスターが存在する時、それら素材にし融合召喚する。

 めくったカードは天命女神、天命調律師、カトブレパスと運命の魔女。

 天命女神と天命調律師で融合!

 運命を司る女神よ、星の導きにより1つとならん、融合召喚、現われろ、運命の支配者!」

 

運命の支配者

☆8 ATK2700

 

 カチ、カチと進んでは戻る壊れた懐中時計が現れる。

この状況で攻撃力2700のモンスターを出しても仕留め切れない。相手ターンで仕留められてしまう。

何を考えているのでしょう……?

 

「手札からカップ・オブ・エースを発動。

 本来ならコイントスを行うはずだが、運命の支配者の効果で裏表を選択して効果を適応できるため省略。

 オジサンは表を選択して2枚ドローだ。

 そして墓地の天運調律師の効果を発動、自身を除外してサイコロを振る。

 だがこれも運命の支配者の効果で出目を操作、省略させて貰う。

 選択する目は5、天命調律師のレベルは4、よってレベル9のシンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。

 運命を見定めし者よ、その先にある物を示せ、シンクロ召喚、現われろ、運命の観測者!」

 

運命の観測者

☆9 ATK2600

 

 現れたのは白衣の亡者。肉体が腐敗してなお、握りしめた懐中時計から目を離そうとしない。

 

「融合に続きシンクロ召喚だと……。貴様、儀式次元の人間じゃないのか!?」

 

「運命の支配者が存在する限り、お互いのプレイヤーはデッキを裏返してデュエルを進行する。

 そして運命の支配者の効果を発動!

 コイントスを3回行うが……もう説明は良いな?

 俺は2回表の効果を適用する。デッキから1枚ドロー!」

 

 手札が増える一方、場には攻撃力2000超えのモンスターが2体。

でも力不足。この人本当にこのターンで勝負が決められるの……?

 

「手札から天命女神を召喚し効果を発動する。

 デッキの一番上をめくり、天命モンスターだった場合特殊召喚できる。

 デッキは裏返しでプレイしているため、天命がめくられる事は確定している!

 現われろ天命死神!」

 

天運神

☆1 ATK0

 

天運死神

☆1 ATK?

 

「そして手札から天運の導きを発動、

 自分フィールドの天運女神と天運死神、運命の観測者の3体を選択、選択したモンスアターはサイコロを2回振り、出た目の合計と同じレベルとなる。

 俺は6・5を選択し3体のレベルを11にする!

 俺はレベル11となった天運女神と天運死神、そして運命の観測者でオーバーレイ!

 運命を我が手に、最善の可能性へと我を導け。エクシーズ召喚、現われろ、確立の破壊者!」

 

確立の破壊者

★11 ATK3300

 

 巨大な門が現れ、ゆっくりと扉が開いてゆく。

扉から巨大な腕のみが伸びる。腕から更に腕が伸びて……。

 

「気味悪い……」

 

 自然と声が出てしまっていた。

 

「おっと、手厳しいなぁ。

 確立の破壊者の効果発動、コイントスを3回行い、表が出た回数×1000ポイントのダメージを与える。

 当然3回表を選択。3000ポイントのダメージを相手に与える」

 

OBELISK1 LP4000→1000

 

「ぐううぅぅ……、だが、まだ俺達のライフは尽きてないぜ!」

 

 いや、これはもう恐らく。

 

「あぁ、もうオシマイだ。

 手札から魔法石の採掘を発動、手札2枚を捨て、墓地の運命融合を手札に」

 

「運命の支配者は自分の手札が1枚以下の場合、攻撃力が300ポイントアップする」

 

運命の支配者

☆8 ATK2700→3000

 

「運命の支配者で2人目へ、確立の破壊者で3人目に直接攻撃だ」

 

OBELISK2 LP4000→1000

OBELISK3 LP4000→700

 

「ぐわああああ!!」

 

「まだだ!確立の破壊者のX素材を3つ取り除き効果発動、

 相手ライフが1000以下の場合、相手に1000ポイントのダメージを与える。

 希望を摘め、確立の破壊者!」

 

OBELISK1 LP1000→0

OBELISK2 LP700→-300

OBELISK3 LP1000→0

 

 一瞬で3人を倒した?まぐれにも思えたけど、運の要素は殆ど無かった。

運が関わってたのは最初のデッキトップ3枚を確認した所。後はモンスター効果で自由に結果を変更した。

一体何者……?

 

「大丈夫かい、お嬢さん?

 オジサンが通り過ぎなきゃ今頃薄っぺらい紙切れの中だったぞ。

 さ、早い事ここから離れて避難してるんだ。ここより奴等は少ないはず」

 

「でも、ここの人達を護らないと……」

 

「では聞くが、そんな体と実力でここにいる決闘者全員を護り切れると言えるのかね?

 私から見れば実力不足だ。無理をせず前線から退いた方が良いだろう」

 

 確かに、大勢を相手にするには力不足だと思う。

デッキ内のモンスターでゲームエンド級の火力を持ったカードはそう多くない。

悔しいけど力不足の点は諦めるしか無い……。

 もっと……、もっともっと私に力があれば……。

皆を護るだけの、強大な力が。

 

――???視点――

 

 中々成長が早いな、あの赤い子、思いの外戦えていた。

枚数が多いハイランダーはあらゆる状況に対応できる反面、運や戦況を見極める戦略眼が必要となる。

アカデミアとの戦いの中で進化している。だがそれと同時に徐々に、油断し始めている。

今後が見物だが、少々危ういな……、監視を続けなければ。

 危うい点で言えば、あの緑髪の少女も同じか。

最早呪いと言う言葉が相応しい、あの禍々しき龍の力。

取り込まれなければ良いのだが。

 さて、ノルマは達成。データの収集も済んだ。

そろそろきっかけを作ってやるとしよう。

 

 

 

「あぁ、ブラックか?話が有るのだが」

 

――ユーキ視点――

 

「逃げ遅れは無し……か?

 かなりの数を倒したと思ったんだけど」

 

 怪我人も多いけどカード化された人は40人近く。もう少し多く救えたかもしれない。

これだけの被害は出たがカード化されてない所を見るとアカデミア側も消耗したはず。

これ以上被害が出る前に奴等を叩いて、誰も被害を受けない所へ移動して再度誘き出す。

やはりあの融合を使う大男を追うべきだった、結果論でしか無いけど選択肢を間違えたようでなんか悔しい。

分かってるのはアカデミア次元の人間だって事と、オベリスク・フォースとは比にならない程の実力者だって事。

 

「協力者を集める目的で大会に参加したはずだったんだけど、それどころじゃ無いよなぁ……」

 

 決闘者は皆満身創痍、あの惨劇の後でアカデミアに対抗する者なんてそうそう居ないだろう。

融合次元に直接行くにしてもユーヒと連絡が取れないからどうしようも無い。

また振り出し……、いや、儀式次元が被害を受けたから状況が悪化してしまった。

 

「なんでだよ。なんでこうなったんだよ……」

 

 味方を半ば見捨てた様な形で逃げた先でも融合次元の人間達が暴れ滅茶苦茶になった。

やっと掴んだ平穏も壊された。やっぱりアカデミアに手を出しちゃいけないのか?

……ここまで来て引き下がれる訳無いじゃないか。

散って行った仲間の、孤児院の家族の、カードとなった皆の仇を取る。

 

――ユーヒ視点――

 

 いったたた。酷い目に遭ったじゃ済まないね、これ。

デュエルに勝ったはずなのに普通に拘束されてディスクも没収、身柄も割れて強制送還。

 周囲は壁で囲まれているのに加えて窓も無い、照明は鉄格子の隙間から入る光のみ。

手錠無しだけど武器無し常時交代で見張り付きだし脱出は厳しい。

一報入れられたら良かったんだけど、まさか気絶させられるとは……。

 

「私は任務を果たしたはずだけど?」

 

「知らん。これもプロフェッサーの命令だ」

 

 この程度の処罰で済んだだけ良し。下手すれば命が無かったと思う。

立場で言えば中の上、プロフェッサーにはちゃんと従ってたから首の皮1枚で助かった。

だけど離反を起こしたのは事実、兵力を大きく失わせたと思う。

ここから出られるのはもっと後になるかもしれない。

 




※今回はデュエル殆ど無かったんで最強カード省略
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